女子高生のピンチ?果心居士の謎の能力?
信長と果心居士の脅威に私に強力してくれるゲンさんと名乗る男?
そして法子は果心居士を相手に一人で挑む!
私は法子!
私は一人、果心居士を相手に戦おうとしていたの。
だけど、この果心居士には鈴鹿さんや晴明師匠までが敗れたんだよね?
私に勝てるの?
ダメ!そんな弱気じゃ!絶対に勝たないと!
「追い詰めたわよ?果心居士!」
「追い詰めたじゃと?ふぉっ?勘違いも甚だしい!誘き寄せられたんじゃよ!」
私は印を結び霊気を集中させて金の錫杖を構成させると、果心居士に向かって殴りかかる!
私の錫杖は空を切り、全て躱される。
見切られてる?まるで私の動きを予知しているようだわ?
そして場所は未来へと変わるの。
ここは私がいた時代の総本山。
「果心居士は時を止められるに違いないわ…」
「時を止める?そんな事を人間が出来るわけないだろ!」
「なら、私の目に捉えられない動きをしたと言うのですか?」
それは坂上田村磨呂さんと鈴鹿御前さん。
「私の隙をついて爆札を直接貼り付けるなんて他には考えられません」
鈴鹿御前さんは果心居士との戦いの最中、気付いた時には自分の身体中に爆札を貼られ、何も抵抗出来ないまま敗れ去ったの。
「あの晴明様も何も出来なかったわ…他に考えられません」
「確かに気付いた時には無防備なままで晴明さんは背後から刺されたと聞いた…しかし、何かカラクリがあるはずだ!」
カラクリ?
その解答がないまま、私は果心居士を相手にしないといけないの。
「何かあるはずだ…何か?」
と、その時?鈴鹿御前さんが突然顔を青ざめて、身震いし始めたの?
「どうした?鈴鹿?」
すると、鈴鹿御前さんは奇妙な事を呟いたの?
「わ…私…術札を…貼られたわ…貼られた」
「お前…何を言ってるんだ?」
田村磨呂さんは鈴鹿御前さんを抱きしめると、
「何なのですか?これは?思い出そうとしたら…突然今頃になって…私の中に見に覚えがないはずの記憶が入って…あぁああ!」
「鈴鹿ぁあああ!」
頭を抑えながら苦しみ出し、鈴鹿御前さんは田村磨呂さんの腕の中で意識を失ったの。
鈴鹿御前さんの身に何が起きたの?もしかして果心居士の能力の秘密に関わる事なの?
そして再び場所と時代が変わります。
私は果心居士と戦っていたの。
私は術札を撒き散らすと、私を中心に札が宙に浮いた状態で、ガラスに貼り付いたように止まる。
『四方防御札』
術札が私を囲み、何処から攻撃が来ても解るわ!
鈴鹿御前さんも晴明師匠も予測出来ない場所から攻撃されたもんね?ちゃんと学習してるわ!晴明師匠の仇は私がとるわ!
死んでないけど…
「さて?行くわよ!」
私は首にかけていた数珠を手にすると、果心居士に狙いをさだめる。
『数珠魔弾!』
霊気を籠めながら指で弾いて飛ばす!
霊気を籠めた数珠は壁を貫通し、更には?
果心居士は私の数珠を紙一重で躱す。でも私は読んでいたわ?まだ先がある。
『爆』
躱された数珠は、果心居士の後ろで爆発したの!
果心居士は爆発に巻き込まれる。
やったわ?今のは予測出来ないわよね?絶対に躱せないわ!
「何処を見ておる?小娘?ひょひょひょ」
えっ?
私の背後に果心居士が何事もなかったかのように立っていたの??
「いつの間に?」
私の目に捉えられない動きで躱したの?それともまさかの瞬間移動?幻覚とか?私は表情を変えずに頭を回転させるけど、全然解らなかった。
「やっぱり考えるより行動よね?」
私は果心居士に向けて数珠を連続で弾き飛ばす。
『数珠連弾!』
「さ~ら~に?」
「ふぉっ?」
私は両手を伸ばして止めると、飛ばした数珠が果心居士を囲むように止まる。
「これで逃げられないわよ?覚悟しなさい!」
私は印を結ぶと、
『爆!』
数珠は果心居士を囲み逃がさずに爆発したの。
「これで、どうよ?」
「どうじゃかな?」
「えっ?」
勝利を確信した私の後ろにまたまた果心居士がいる?
「どういう事?」
あの状況では絶対に逃げられるはずないわ…朝スピードは却下ね?だったら幻覚?うんうん!幻覚はないわ。爆発する瞬間まで果心居士の姿も気配もあったもん!私も注意していたし、幻覚や催眠術の類はありえないわ?じゃあ瞬間移動とか空間移動?そんな馬鹿な…
でも、その時?
「えっ?」
突然、私は混乱し始めたの?何、これ?えっ?
頭の中に突然記憶が流れこんで来たの?体験した事がない筈の記憶…本当に体験してない?けどリアルに記憶に残る?えっ?マジに混乱する?
解らないわ?
記憶が変わったの?
記憶の改竄?まるで上書きされたかのように、新しい記憶が残る。
さっき私が飛ばした数珠魔弾が、果心居士に当たる直前に不発して爆発しなかった記憶が思い出される??
何これ?私が体験してない記憶が私の記憶として残る?えっ?私が体験した記憶は嘘?違うわ?私が確かに体験した記憶…のはずなんだけど、新たな記憶も生々しく鮮明に実感してる?
催眠術かなんかの記憶操作?とは何か違うわ?
すると私が体験したはずの記憶がどんどん薄れていくの。
もう何が何だか解らないわ?
「ふぉっふぉっふぉっ」
化かされたような私を果心居士は滑稽と笑う声が響く。
頭くるわ~
と、ここで?
私が戦っている時代と場所をまた変えるわね?
「大丈夫か?」
坂上田村磨呂さんは鈴鹿御前さんの容体を見ながら目覚めた彼女に声をかける。
「私は…一体?」
「果心居士の能力の謎が…解った気がする。だが、そんな事が本体に…」
「主様?それは果心居士の能力が記憶操作と?」
「そんな容易いものじゃないんだ!」
「それではどんな?」
「この俺にも…記憶が入って来たんだよ!俺が知る過去とは違う新たな記憶がな?それが何を意味しているか解るか?」
「解りませんわ…」
「記憶操作なら対象相手で十分だ…それが、俺にも同じく記憶がある。恐らくお前と同じ記憶だろう。それに晴明さんが倒された時を目撃した連中も後から記憶が変わったそうだとよ?」
「つまり改竄されたのは?」
「そうだ…」
その頃、
総本山座主様の前に仁王さんと、女子高生の女の子が座していたの。
「座主様、太子さんから連絡が入りました」
「晴明が回復したのだな?」
「今、こちらに向かっているようです」
すると、座主様の間の襖が開き、晴明師匠が太子君に肩を借りて入って来たの。
「晴明、無理はするな?動いて良いのか?」
「そうも言ってはいられません。それに田村磨呂も参ったようですよ?」
逆の襖が開き、坂上田村磨呂さんと鈴鹿御前さんが入って来たの。
「どうやら揃ったようだな?」
座主様の前に、晴明師匠、仁王さんに田村磨呂さん、黄龍の巫女様の総本山の四守護者が揃い踏みしたの。
「果心居士の目的は富士を中心とした大地震の災害と思われていたが、別にあったようだな。あ奴の目的は一体?」
「あの…それは恐らく龍脈の力を手に入れるためだと思います」
「黄龍の巫女よ?それはどういう意味だ?奴の目的が龍脈だったと?」
「恐らくですが、間違いないと思います。富士の龍脈の解放が放出されて、あの程度の災害で済んだのは不思議でなりませんでした。果心居士は龍脈の力を引き上げて何かに使ったと考えれば…あ、すみません」
「いや、考えられぬ事ではないな?しかし何に使ったと言うのだ?」
「それは私が説明しましょう」
「晴明?何か解ったのか?」
「果心居士は龍脈の力を時限の穴を作るエネルギーにしているかと思われます」
「時限の穴のエネルギーにか?その根拠は?」
「果心居士には以前、私は会っています。奴は覚えてなかったようですが、私は確かに会っている。そこで私は聞いたのです」
「聞いただと?何者にだ?」
「それは…恐らく…」
「ちょい、待ってくんな?座主様!話の最中で悪いんだが、果心居士の力の秘密が解ったんだ!」
田村磨呂さんが割り込む。
「話の最中に行儀悪いぞ?田村磨呂?」
叱るは仁王さん。
「しかしよ?法子が果心居士の開けた時限の穴へ入ったまま消息が絶ったんだぜ?起きた事がどうだったかより、法子の居場所と果心居士を倒す策を考えた方が良いよな?」
「それもそうだが…」
沈黙を断ち切ったのは晴明師匠だったの。
「私がその全てを語らせていただきます」
皆さんが晴明師匠に注目した時、再び私のいる過去に話を戻しま~す!
私は果心居士の前に、倒されてました。
ううぅ…
あの手、この手、全てが無かった事になるし、ワケわかんないし、武器は底が尽きたし、気付いたら私倒れてるし、もう嫌になるわ!
私は再び立ち上がりながら、唯一ポケットに残った武器を見る。
消ゴム?
とりあえず投げて倒せ…るのかな?
「どうやら万策尽きたようじゃな?ならば終わりとするぞぃ?」
えっ?
「ちょい待った!待った~!」
果心居士の指に絡めた糸が伸びて来て私の身体に絡み付いて来たの。
捕まった?
私の身体に糸が絡まり身動き出来ず、ミノムシみたいにぶら下げられたの。
「殺しはせんよ?ちょいお前の身体に興味があってな?」
私の身体に興味?
「きゃあ~変態!何を考えてるのよー!この色ボケ爺ぃー!」
ジタバタして暴れる私に、
「ちゃうわ!」
果心居士は私を見て思う。
「この娘は儂と同じく時を渡ったと言うのに…何の障害もないとは?それに儂が龍脈の膨大な力を使って穴を作り、通るために苦労したのに…儂を追いかけ巻き込まれて穴へ入ったにも関わらず五体満足で無事でいるなんて何かあるはずじゃ!もしかすると…儂の研究に役立つかもしれんぞぃ」
と、私を再び見る。
「え~ちぃ~!!」
「黙らんかい!その口を閉じさせてやろうかい!」
「唇を奪おうってわけ?いやぁあああ!ケダモノ~」
「恥ずかしい娘じゃ!」
果心居士は再び私に向けて札を投げ付けると、私の口に向かって飛んで来る?
「わぁああ!」
と、その時?人影が私の目の前に飛び降りて来たの?そして手にした剣を振ると、飛んで来た札を斬り、私を縛った糸が斬られて身が自由になる。
「えっ?あっ!」
私を助けたのは?
「君は、さっきの?まだいたのか?」
「せ…晴明師匠!」
それは若い晴明師匠が助けてくれたの。
「どうやら君は果心居士と敵対しているようだね?何処の宗派か知らないけど、これから先は私に任せてください!」
えっ?
「ちょい待ってよ?私だって戦うわよ!てか、後から来て失礼でしょ?いくら師匠だからって…」
「君が何を言っているか解らない。けど、部外者は出て行くんだ!あの果心居士は私が相手する。邪魔をするなら君にも少々痛い目を合わせますよ?」
「!!」
晴明師匠って…
昔はこんな嫌なタイプだったの?女の子に痛い目って?そっち系の女の子ならヨダレが出るわよ?でも、私は正統派だから敢えてこう言うわ!
「私の事は私が決めます!貴方が邪魔するなら、貴方を殴ります!」
「そうですか…優しく言っても解らないなら、君を助けるのはこれまでだ!」
「結構です!」
と、
「何を若いもんが、イチャイチャしとる?全く最近の若者は…破廉恥な!!」
と、まぁ~
そんなこんなで、先行き不安です。
次回予告
果心居士の力の謎に法子と若い頃の晴明が戦う。
果心居士の能力の謎とは?
関係が微妙な二人は勝てるのか?