女子高生のパートナーは燃える男??
果心居士と信長を追って来た法子が出た場所は?
そこは法子が産まれる前の過去だった。
私は法子!
私は今、自分が産まれる前の時代に来てしまったの。
そこでは、カミシニの王率いるカミシニ軍と、神の転生者であるヤオヨローズが戦争している。
この新宿でぇえええ!
しかも、未来から私同様やって来た果心居士と織田信長が私の命を狙っているとかなんとか…
あはは…
信長は私を探して向かって来ていた。
「何だ?この野郎は?」
「一般人…いや?鎧姿って…テレビの撮影か?」
ヤオヨローズとカミシニ達が紛争している激戦区に、信長が割って入り、何事もなく真ん中を歩く。
「お前カミシニか?」
ヤオヨローズの一人がバイクに乗って、信長を轢き殺そうとする。
「ふん!」
信長は居合いとも思える一刀で、バイク事ヤオヨローズの転生者を一刀両断にして消滅させた。
「新たな加勢か?」
蝙蝠の羽根のあるカミシニが近寄ろうとすると、
「うえ?」
蝙蝠カミシニも同じく一刀両断にしたの。
「うぬら?余に気安く近寄るでない!有象無象の雑魚が!道を開けぃ!」
信長の覇気がその場にいた両軍を怯ませるが、仲間を討たれたヤオヨローズもカミシニも信長を新たな敵と見なし、襲い掛かる!
「死なねば解らんようだな?ならば、散るが良い!」
突如現れた信長の参戦に混乱が生じる。
そして私は今…
まだコンビニにいたの。
「え~この時代って、こんなのが流行ってたんだ?何、これ?わ~興味そそるわ~」
私は立ち読みしながら、コンビニにあったレアなお菓子を食べていたの。
あ、ちょっと?
お金はちゃんと入れて来たわよ?あらかじめ!
「さてと」
私はコンビニを出ると、立ち読みしながら今後の計画を考えていた事を実行する。
「先ずは服を見ないと!新宿ならMARUIとかアルダよね?やっぱ!」
私は無人となった新宿を駆けながら物色を始める。
その最中、カミシニが襲って来たけど、撃退する!
「私の邪魔するんじゃないわよ!」
殴り飛ばした後に術札を貼って滅する。
私は…
「この時代の服も私の時代で十分通用するわ~流行って一回りするもんなのね?」
と、鏡の前で着替えてはポーズをとる。
そこに、暴走族みたいな連中が入って来たの?
「ヤオヨローズだ!お前、そこで何をしている?そこを動くな!」
私は驚いて、足下に光玉を投げ付けて爆発させると目潰しにする。
確か…
今のはヤオヨローズって言ってたわよね?
晴明師匠から聞いた事があったわ。確か…ヤオヨローズって神の転生者がいるって?で、昔、新宿でカミシニと戦争した話を。
総本山とは確か協定組んでいたから、仲間よね?
私は階段を飛び降りてMARUIから脱出する。
「あっ…」
そこで私は自分の目を疑った。
そこはもう完全に戦争?殺しあいが始まっていたから!
互いに斬りあい、敗れた方は消滅して消える?
私は参戦しようとしたけれど、グッと我慢する。
私がこの時代に介入して良いのかしら?
確か漫画や映画なんかでは、かなり良くないらしい…
既に三体のカミシニを滅した後に気付く私は、巻き添えに合わないように逃げ隠れする。
「とりあえず私が今すべき事を考えなきゃ…」
服も見たし、ショッピングもしたし、後は?
そうだ!
この時代にいるはずの果心居士と信長を何とかしないと!
それで元の世界に戻る手段を聞き出さないといけないわ!
今、私のやるべき事が決まった。
私は印を結ぶと、マッグに置かれていた拭き紙を使い、数枚ほど自分の血を垂らして念を送る。
すると紙は鶴になって宙に浮かんで飛んで行った。
「念鶴」
飛んで行った念鶴から新宿で起きている状況を見通す事が出来るの。
ちょっとした式神ね?
カミシニとヤオヨローズが陣取りしながら戦っている。どうやら敵の親玉は新宿から離れた場所にいるみたいね?渋谷?もっと離れた場所…恵比寿…浜松町?
違う!
東京タワーで私の念鶴が消滅して消えたの。
「東京タワーか…でも、私は関わらないようにしなきゃ…」
すると、私の念鶴が再び違う場所で消滅したの?
しかも、近いわ?
そこは新宿の東側から真っ直ぐ進んだ場所…
新宿アルダ!
私はそこから果心居士の存在を感じたの。
だけど、あれ?信長がいないわ?
その直後、
「お嬢ちゃん!後ろだぁー!」
えっ?
「見付けたぞ?小娘!」
私の背後から現れた信長が刀を振り上げていたの!
ヤバッ!
隙だらけだった。私は躱す余裕がなかったの。
殺される?
その時、さっき私を呼んだ声の主が、
「後ろから卑怯だろ?」
と、マネキンを投げて信長にぶつけたの?
「ぐぁっ?」
そして私の腕を引っ張りダッシュで逃げ出す?
「あんた?」
その人は私が最初にこの時代で出会った男…確か、通りすがりのゲンさん?
「とにかく逃げるぞ?奴からヤバい感じがする…先ずは逃げる!」
私達はとにかく走った。
私は思った。
男性に腕を引っ張られて走るなんて…
ちょっと新鮮な?
するとゲンさんは私の顔を見て言った。
「何をニヤケてる?気持ち悪いぞ?お前?」
「んなっ?」
誰がニヤケてるって?誰が気持ち悪いですって?
「は・な・し・て!」
私が暴れると、彼は私を持ち上げてお姫様抱っこしながら、建物の外へと飛び降りたの。
「きゃああああ!」
そして着地と同時に、
「あんまり世話かけるな!お嬢ちゃんは、この戦場には邪魔だ!出ていけよ!」
「何よ?私だって、やらないといけない事があるんだから!」
「はぁ?何だよ?そりゃ?」
私とゲンさんは一先ず隠れると、一息付いて私の話をしたの。
と、言ってもタイムワープして来たとは言わずに、この戦場にいる果心居士と信長ってのを倒さないと、私が戻るに戻れないって事をね?
「つまり…さっきの化け物を倒さないといけないのか?お前には無理だろ?」
「無理でもやらないとダメなのよ!放っておいてよ?私の問題なんだから!」
「う~」
するとゲンさんは髪を掻きながら私を見て言った。
「しゃ~ねぇな?直ぐにスサノオのいる東京タワーを目指すつもりだったが…乗り掛かった船だ!」
「えっ?」
「俺が手伝ってやるよ?その呪術者と、さっきの鎧姿の野郎をぶっ倒すのを!」
「えっ?そんな?大丈夫よ?私一人でも全然…」
無理かな?
「仕方ないわね?猫の手も借りたかった所なのよ!あんたに手伝わせてあげるわ!」
「それが人に頼む態度かよ?可愛くないぜ!」
「あんたなんかに可愛いって思われなくて、結構です~!べぇ~!」
私は、あっかんべーして笑って見せた。
「ベーじゃねぇよ?親の顔が見てみたいぜ…」
と、まぁ~そんなわけで、私はゲンさんって密教僧を仲間にしたの。
私は今後の対策を説明する。
「つまり新宿アルダに、その呪術者がいるんだな?そんでさっきの鎧野郎か?」
「私が鎧の方を倒すから、貴方は新宿アルダにいる呪術者をお願い?」
「ばぁ~か?逆だろ?どう見ても鎧野郎が俺だろ?」
「無茶よ!アイツはヤバすぎるわ?私が信じる仲間が、アイツに勝てなかったんだから!」
「はぁ?知らねぇよ?それに俺は負けねぇよ?なにせ俺は強いからな!あはははは!それに俺はその呪術者の顔を知らねぇよ?取り敢えず全員殴って良いなら良いけどよ?」
「自信過剰は早死にするわよ?」
「それはお嬢ちゃんだ!」
「…って、さっきから私の事をお嬢ちゃんとか言うけど、私の名前は…」
言いかけた時、
「どうやら現れたようだな?鎧野郎が?」
「信長!」
「………ん?」
きょとんとしているゲンさんに、私は答える。
「あの鎧野郎は、織田信長がカミシニ化した化け物よ?」
「なぬ?マジか?」
同時に私達は左右に飛び退くと、私達がいた床が真っ二つになったの。そして隠れていた建物が崩れ始める。このゲンさんに連れて来られた、やけにベッドが大きく、ライトが真っ赤な部屋が真っ二つになっていく。
完全にはぐれたわ…
私は仕方なく、新宿アルダを目指した。
「死なないでよね?ゲンさん?」
私は新宿アルダ前に着くと、果心居士がいる最上階を目指した。恐らく罠があるはず?
私は残った念鶴を飛ばして罠を探る。
罠がない?
もしかして誘ってるの?
そして最上階にたどり着いた時、そこに果心居士は私が来るのを待っていたの。
そして私に向かって問う?
「娘よ?貴様は何者じゃ?NOAの一族でない者が時を渡れるはずがない!何なんじゃ?己は!」
「はい?意味解んないし?ノアだかノバだか難しい勉強は嫌いよ!私はただの正義の女子高生よ!」
果心居士は私に呆れ、
「お前の身体と能力を研究すれば、儂の目的が叶うかもしれんと思い、ここまで導いたが…。その舌を先ず抜いてからにしようかのぉ?」
「変態じじぃ!」
「なんじゃと?」
「言うに事をかいて、女子高生の身体を調べたいですって??歳を考えなさい!いつまでも色欲に溺れるなんて、少しは自制しなさい!」
「ち・が・う・わぁあ!」
と、私と果心居士が漫才やっていた時、信長の前にゲンさんが?
「お前、織田信長なんだってな?面白い…俺はこう見えても戦国武将の中では織田信長!アンタが一番気に入ってるんだぜ?」
「小僧?あの娘は何処へ消えた?」
「お嬢ちゃんに会いたければ、先ずは俺を倒してからにするんだな?信長さんよ?」
「ならば、お前を始末してから探すとしよう!」
信長がカミシニの刀を振り上げると、無防備のゲンさんに向かって降り下ろす!
「ぬぅ??」
その直後、ゲンさんから炎が噴き出したの??
『ナウマク・サマンダ・バザラ・ダン・カン!』
それは真言?
その時、織田信長の前に立つゲンさんの背後に炎を纏った魔神…
不動明王が降臨したの!
「俺は、強いぜ?」
このゲンさんは、一体何者だったの??
そんなこんな。
次回予告
果心居士を相手に戦う法子は、果心居士の謎の能力に苦戦する。
※第二部の 神を導きし救世主 のカミシニとヤオヨローズの大戦編と連動しています。




