遺された最後の時(ラストチャンス)?三種の創世器創生!
光と闇の未来世界。
そこで彼らは何を知る?
僕は阿修羅
僕は今、時の中にいた。
未来の世界を垣間見ているのだ。
そこでは未来のアフラ・マズラとアンラ・マンユの前に現れた未知の敵が存在していた。
それは始祖神をも超える世界を消す壊祖神の存在。
光と闇の世界が侵蝕されていく中、アフラ・マズラとアンラ・マンユは決意を決める。
それは救世主の創造。
アフラ・マズラとアンラ・マンユは互いの力を一点に籠めると、その中心に人影が現れる。
それは一億二千年の月日を費やして準備していた希望の種。
救世主の魂には過去の二人の救世主達の神の魂を引き継がせ、その器には最初の人間アートマンの肉体を使った。そして救世主たる赤子は誕生した。
嘗ての救世主の魂を持った希望の種。
赤子は目の前で一気に成長する。
「メシアス・サオシュヤント」
それが光と闇、全世界と未来への希望。
突如爆誕した救世主は世界を覆うほどの迫り来る四体の壊祖神に向かって、膨大な奇跡の救世力を解放し押し返したのだ。壊祖神もまたイレギュラーの存在に驚異を感じ始める。
しかしメシアス・サオシュヤントは口にした。
「アレヲケスノハイマノワタシデハマダムリ」
それは倒す事は不可能。
しかしそれは今ではないとの事だった。
そこでアフラ・マズラとアンラ・マンユは禁断の秘術を行う事を決断したのだ。
「我ら主神は時の超越神。如何なる始祖神をも永久の無に拘束する秘術」
「だがソレは使い手の存在を消滅させる禁忌」
アフラ・マズラとアンラ・マンユは壊祖神に向かってその禁断の力を発動させたのだ。
「光は創造を産み出し」
「闇は分離を司る」
アフラ・マズラは光の創造の力を球体の塊として創り上げ、アンラ・マンユは闇の分離の力を同じく球体の塊として創り上げる。そして同時に互いの光と闇を重ね合わせる。
「光と闇を混合成す!」
アフラ・マズラとアンラ・マンユの創り出した力をメシアス・サオシュヤントが受け止めると、
「ボクハマダアラワレルトキデナイ。イズレクルトキニキュウサイセン!」
メシアス・サオシュヤントは光と闇の混合した球体を世界を覆う程の壊祖神に向けて放つ!
「森羅万象・一切皆空!」
その力は世界そのものであった四体の壊祖神達を消し去ったのだった。
消し去った・・・と言うのは謝りかもしれない。
空間ごと別の空間に閉じ込めたのだ。
しかし世界は救われた訳では無かった。
メシアス・サオシュヤントはその力の反動で消滅を余儀なくされたのだ。
しかし彼は最期に伝えた。
「ワレフタタビヨニアラワレルダロウ。ヒカリトヤミノタマシイヲモチテ」
そしてメシアス・サオシュヤントもまた消滅してしまった。
アフラ・マズラとアンラ・マンユは救世主の最期を見届け、自分達も消えて逝く事を理解していた。
それが禁忌の力を使った代償。
そしてアフラ・マズラとアンラ・マンユは遺した。
世界を終わらせない為の遺品を。
ソレは再び現れし救世主に向けて。
三種の創世器を!
アフラ・マズラは己の魂を光の輪に変えた。
アンラ・マンユもまた闇の輪に変えた。
最期に失われる前に互いの身体を融合させ、一つの形へと変えた。
それは光と闇の力を持ち制する力。
創造と破壊、調和の融合。
救世主にしか扱えない光と闇を支配する救世主の武器・聖魔の剣を!
すると三種の創世器は開かれた時空の流れに飲み込まれて消えたいき、同時に未来の世界は消滅した。
未来に起こった世界の終わりを見届けた現世のアフラ・マズラとアンラ・マンユ、そして僕とウルスラグナは未来が消滅した途端、現世に呼び寄せられた。
「もとに戻れたのか?僕達は?」
そして未来の結末から僕達は答えを導く。
「今のこの世界は巻き戻された時間軸。つまり滅びた時から遺された最後の時」
「ならば未来を知った我々はもうこの世界の流れに縛られてしまった」
それは時間の定義を意味していた。
未来を知る事は禁忌。
一度見て知った未来は固定化され変更不可避。
どれだけ抗おうがその時間軸に生きる者には未来の変更は出来ないのだと言う。
「だが、未来を変えられる手段はないわけではない」
「!!」
決められた未来を変える奇跡の力を持つ存在。
それがイレギュラーであり、救世主の真の力!
そしてこの世界に現れたのだ。
「未来の我々が生み出した最後の救世主メシアス・サオシュヤントは再び世界に現れると預言した」
「光と闇の魂を持つ奇跡の存在」
アフラ・マズラとアンラ・マンユは見る。
救世主メシアス・サオシュヤントの転生した新たな救世主の存在を!
しかし問題が残った。
何故なら、今目の前に存在する救世主メシアス・サオシュヤントの魂の後継者が二人存在する事に?
「何故、二人存在するのだ?だが間違いない。この二人から未来で見たメシアス・サオシュヤントの魂を確かに感じられるのだ」
その真実に僕も戸惑う。
「僕があの救世主メシアス・サオシュヤントの転生者?」
しかしその真実を知った上でウルスラグナは笑みを垂らして口にした。
「このボクがこの世界に来た理由は出生を知る事と、そして手にするためだ!未来で残された三種の創世器をな!」
「!!」
その三種の創世器とはこのズルワーンの神殿に封じられているリングの事であった。
この神殿には間違いなく存在する。
三種の創世器である光と闇のリングが!
しかしそれは何処に?
「そろそろ手に入れさせて貰うぞ?そこにある二つのリングをな!」
ウルスラグナが指差したのは?
「えっ?」
僕はその言葉の意味が理解できないでいた。
リングの在処。
その正体?
それが現世のアフラ・マズラとアンラ・マンユだと言うのだ。
それは何を意味しているのか?
僕の戦いは終わらない。
次回予告
ウルスラグナが知るアフラ・マズダとアンラ・マンユの真実とは?




