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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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永久戦争!現れし救世主?

光と闇の最高神を前に阿修羅の取る行動は?


僕は阿修羅

「僕はいったい?」

僕は自らの魂と記憶を代償に无面・虚運天ムメン・キョウンテンの力を使ったはず?

にも関わらず僕は自分が何者なのか認識出来ている。


「僕は阿修羅、法子を守る者!」


失った記憶も魂も消えてない?

それどころか力が漲って来るようだ?

まさか魔眼の力が消滅する僕の肉体を戻して、代償の記憶まで残したと言うのだろうか?

この力は何?

そもそも何故僕に魔眼が?


その僕の思考を読み取っていたのか?

その問いに答えたのは、


「その救世の魔眼は理を変える力。世界を産み出し破壊するメシアの力なのです!」


その者は光の最高神アフラ・マズラだった。

しかし腑に落ちない。

何故?

今、この場所には僕の他に光の最高頭首であるアフラ・マズラと、闇の最高当主なアンラ・マンユがいるのだから・・・


一触即発?

今にも想像を超えた戦いが始まるのか?

しかしそのようには見えなかった。

争っているはずの光と闇の頭首がガン首揃えているって言うのに何故?


「ワタシとアンラ・マンユは貴方がこの世界に来る事を願い待っていたのです」

「それはどう言う?」


全く理解出来なかった。

「ならば阿修羅、貴方にこの世界について説明させて貰います」

「!!」

すると光の閃光が僕達を覆って、まるで幻想空間に浮かんでいるようだった。

そして流れ込むようにこの世界の歴史が映像のように映し出された。


この光と闇の戦いが繰り広げられている世界は宇宙誕生から終わるまで一億二千年なのだと言う。

そして三千年周期で三度に分けて戦争が始まる。

お互い大将であるアフラ・マズラとアンラ・マンユは生き残り、戦争で散った使徒を転生させては再び次の戦争まで育て上げる。そして世界の終わりである三度目の終戦時に勝者が世界を創造する。

しかしこの戦いは一億二千年後も繰り返されていた。世界が滅びた後、時は遡り一から始まる。

その間、光が勝利する事もあれば闇が勝利する事もあった。

繰り返し繰り返し戦争は終わらない。


「永久戦争」


未来永劫続く輪廻転生の戦い。

しかしこの戦争を終わらせ戦いのない世界を創り出す手段があった。

それはいつしか魂に刻まれていた伝承。

嘘偽りか?それとも幻想か?

それでもその伝承こそ希望であった。

伝承とはこの世界の理を変える存在。


救世主メシア


救世主は光と闇を導く者と言われていた。

その者は光と闇の両方の魂を持ち、金色に光り輝く眼を持つ存在。

そこでアフラ・マズラもアンラ・マンユは対立しながらも救世主を創り出そうと試みた。

しかしこの世界の理を変える存在に対して強制力は必ず発生する。

救世主候補は天命短く、救世主として成長出来ないまま消えた。

そもそも光と闇の魂を両立させるなど出来なかった。

魂が分離する病で魂も肉体も耐えられずに消滅してしまうのだ。


千年の時が経ち最初に現れた一人目の救世主フシューダルが初めて資質を持って産まれた。

しかし短命だった彼の魂は二千年後に現れたフシューダル・マーに受け継がれた。

しかし彼は力の暴走に耐えられずに命を落とした。


そんな時、アフラ・マズラが楽園と呼ばれる世界を創造し、神とは別に創り出した種族の中に光と闇を

の魂を持った者が現れた。それこそ最初の人間ガヤ・マルタンであった。

ガヤ・マルタンの魂は安定していた。

そして救世主として覚醒したのだ。


アフラ・マズラとアンラ・マンユは救世主の誕生に期待をしていた。

しかしこの世界の理の強制力が働いた。

強い思念がアンラ・マンユの配下であった闇のモノ達を洗脳し楽園を襲わせたのだ。

まだ救世主として未熟だったガヤ・マルタンはそこで命を落とし、救世主の存在は闇に消えた。


落胆する最高神ニ神の希望が潰えた。


そう思っていた時、この世界に迷い込んだ者がいた。光と闇の両魂を持つ戦士。

そして今、救世主たる金色の瞳を有したのだ。


「キミこそ我々の世界の理を変える者だ!」


アフラ・マズラもアンラ・マンユも極限の状態で僕が覚醒出来るか試し、見極めていたのである。

そして、この僕を救世主として認めた。

しかしこの時、アフラ・マズラとアンラ・マンユは顔を見合わせて無言になった。

何故なら二神は察知していたから。

このズルワーンの神殿に有り得ない事態が起きてしまっている事に。


「まさか救世主たる資質のある者が同時に二人も現れるなどとはな」

「!!」


その者はこのズルワーンの神殿の中にいた。

しかもアータルとミスラ、アエーシュマとアジダハーカの前に?

その正体は光のヤザタの一神ウルスラグナだった。


「ウルスラグナ?来てくれたのか?」

「オマエが来たなら心強い!」


ミスラとアータルに対して、アエーシュマとアジダ・ハーカは面倒そうな顔をする。

「また雑魚が現れて一匹も二匹も同じだ!」

「早死にしたいなら、かかってこい」

しかしウルスラグナは無言で四人の真ん中にまで移動し立ち止まると、

「!!」

ウルスラグナから放たれた神気によって光も闇も関係なく弾き飛ばされたのだ。

「お、おのれぇええ!」

怒り狂うアエーシュマとアジダ・ハーカに、信じられないような顔のアータルとミスラ。

「ウルスマグナ!オマエ、何を?」

「いや、待て!アータル。何か変だぞ?ヤツはウルスラグナとは何か違う」

「違うって?アレがウルスラグナでなくて誰だって言うんだよ?」

戸惑う光の二神とは違い、アエーシュマとアジダ・ハーカは警戒しつつ左右から襲いかかる。

ニ神の猛攻をウルスラグナは一歩も動かずに上体の移動だけで躱してみせる。

その強さは彼らの知るウルスマグナとは別格。

しかもその容赦ない戦いは光神とも思えなかった。


アジダ・ハーカの拳を片手で受け止めたウルスラグナはその拳を握りながら振り回し床に叩きつけると、振り上げた足で踏み付けてアジダ・ハーカの顔面が床が埋め込まれた。

そしてアエーシュマに対して光線を放ち全身を貫通させる。

「邪魔をしないで欲しいね」

その声は確かにウルスラグナだが、口調は別神。

アータルとミスラは顔を見合わせると、ウルスラグナを前にして立ち塞ぐ。

「オマエ、ウルスラグナじゃないな?何者か知らないが、此処から先には向かわせん!」

「オマエからは悪しき魂を感じる」

全身を神炎で覆うアータルに、太陽神として神々しい力を発するミスラ。

「黙って見過ごせば放って置いてやろうと思ったが仕方ないね?消えな!」

雷撃がアータルとミスラを直撃して吹き飛ばす。

そこに再び闇のオーラが爆発的に膨れ上がる。


「ウゴォオオオオ!」


アエーシュマの身体が獣のように毛むくじゃらになり肉体が強化され、その手に持つ大斧は鮮血に染まっていた。

「オレ様の大斧にオマエの血を吸わせてやるよ」

そしてアジダ・ハーカも立ち上がる。

「このワタシをコケにした事は万死に値する。先ずはオマエから血祭りにしてやろう」

両肩の大蛇が氷結と獄炎と化してウルスマグナを獲物として狙う。


その時、アータルとミスラには声が聞こえていた。

「あのモノを近付かせてはなりません」

それはアフラ・マズラからの念波だった。

「我が恩主のために!」

「正義をまっとういたします!」

ミスラとアータルも立ち上がると、ミスラは己の胸に手を置くと魂の力が光り輝く。


「我が力は太陽の化身!我が魂は世界を照らす!」


そもそもヤザタの中級神達が特別なのは救世主として産み出された候補だったから。

そしてアフラ・マズラが七大天使とは別にヤザタの中ではミスラに一番の信頼を持っていた。


「我が神炎よ!正義の魂を燃やし力となれ!」


アータルも手に握られた炎が形となり、燃え盛る神炎が出現する。


「聖剣・ジャスティスソード!」


アータルは熱い魂と正義の心。

ミスラの神友シンユウにて一番の成長株。

二神は同時に飛び出していた。

その動きは残像を残しつつ瞬速でウルスラグナの間合いに入り込むと、強烈な猛火の攻撃を繰り出す。

「邪魔だぁー!」

アエーシュマの怒号を無視した乱入ではあったが、光と闇の四使徒を相手にウルスラグナは次第に攻撃を捌けきれなくなる。


「我が力は無敵の刃!」


それはウルスラグナの自己暗示の能力。

勝利への確信が強ければ強いほど、その能力を強化して力となす。

能力とは神雷!

ウルスラグナを中心に雷撃が爆発した。

光と闇の四神は雷撃を受けるも、今度は受け堪える。

その事にウルスラグナは苛立ちを感じる。

「生意気な連中だ!」

すると指先に雷を凝縮させ、その手に武器が握られる。

それは金剛杵と呼ばれる武器。

その雷の武器を手にした途端、この戦場が突然冷気で凍り付いたように感じた。

それは恐怖と危険察知の悪寒だった。


「ヴァジュラ!」


ヴァジュラからはより高度かつ濃縮な神雷が溜め込まれ、破壊力は桁違いだった。

「オマエから消えろ!」

ヴァジュラの雷撃はアエーシュマの身体を貫き、風穴を開けた。

その事にアエーシュマが気付いた時には身体が徐々に消滅していく。

「う、嘘だ?このオレが?こんなところで、あってたまるかぁあああ!」

計り知れないウルスラグナの力に残されたミスラ達は一瞬、恐怖を感じた。

その僅かな迷いが隙をうみ、

「次はオマエに決めたぞ!」

一瞬の出来事だった。

ミスラは肩から両断され血を噴き出し倒れる。

「ミスラァアアアアア!」

アータルは神友のミスラを殺され、聖剣を手に飛び出していた。

そして頭上から振り下ろした聖剣がウルスラグナを捉え、振り下ろされた。

「!!」

が、振り下ろされた聖剣は空を斬っていた。

そして背中から衝撃を受け雷が全身を焼く。

「ウギャアアアア!」

そして残されたアジダ・ハーカは余りの力の差に恐怖で動けなくなっていた。

「消えよ」

雷撃が頭上から落ちてアジダ・ハーカは黒焦げになって倒れたのだった。


圧倒的なウルスラグナの力。


ウルスラグナは四神を倒し、先に向かおうと足を向けたが、その足は止まった。

「・・・・・・」

何故なら目の前に新たな者が現れたから。

「お前がやったのか?」

「だったら、どうする?」

ウルスマグナの前に現れたのは、この僕。

僕はアフラ・マズダとアンラ・マンユにこの惨劇を見せられ、居ても立っても居られなかった。

そして足がこの戦場へと向けさせたのだ。


この驚異的な力を持つ敵を前に僕は戦う気迫を見せる。


僕の戦いは終わらない。


次回予告


阿修羅とウルスラグナ。


この世界のイレギュラー。


それは何を意味するのか?

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