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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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闇の帝王アンラ・マンユ!


阿修羅は闇に落とされた。


そこに待ち受けていたのは?


僕は阿修羅

僕はズルワーンの神殿でリングを探している。

途中、アエーシュマとアジダ・ハーカに襲われたけれど、アータルとミスラが代わりに相手をしてくれ、僕を先に向かわせてくれた。

「リングは僕が持って来る」

そして開いた扉を抜けた時、足下の床が抜けたような感覚で闇の中へ落下した。

僕が入って来た扉が闇の中に消えていく。

それでも僕は身体を浮遊させて闇の中で体勢を保つ事が出来た。

しかし闇の中では平衡感覚は勿論、上下の感覚も怪しかった。

「此処は何処なんだ?神殿の中で間違いないのか?それとも外に出てしまったのか?」

その時、僕は全身が震えた。

それは他の意味は無く、純粋な恐怖からだった。

「!!」

何かいる?否、誰かいる!?

しかも闇の世界を覆う程の存在感が今も僕を凝視しているようだった。

全身に鳥肌が立ち、冷や汗が止まらない。

極度の緊張感で今にも意識が飛びかけそうになる。

その時、僕の脳に直接声が伝わって来た。

「オマエに興味を持った。光の使徒でもなく闇の使徒でもない。オマエはナニモノだ?」

その声には強制力があった。

嘘偽りは通用しない。

「僕は阿修羅。お前こそ何者だ?」

すると前方の闇の中から瞼が見開き僕を捉える。

「我が名はアンラ・マンユ」

「!!」

その名は聞いて知っていた。


闇の勢力の首領にて最高神。

つまり僕が手を貸している光の聖神達が倒すべき元凶であった。

確かに桁違いだ!


アエーシュマやアジダ・ハーカをも遥かに超えた力を感じる。

そもそも今感じている力も一端に過ぎないかもしれない。

「お前が闇の君主なのですか?」

「如何にも」

確認する必要はなかった。

それだけ圧し潰されそうな圧迫感。

これ程の緊張感は初めてだ。

「僕はこの世界に来た意味を探している。貴方を倒せばこの聖戦が終わると聞きました。だから僕が貴方を倒します!」

僕は魂を燃焼させ全神力を解放させた。

吐き出すように!

絞り出すように!

そこまでしなければ確実に数秒と保たないと本能が知らせたから。


すると闇の奥に人型の存在が姿を現す。

アレが闇の首領アンラ・マンユなのか?

「我が闇の障気を払い除けるとは大したものだ。さて、他に何が出来る?オマエを見せてみよ!」

僕は速攻、飛び出していた。


「修羅・穿孔四手!」


合掌した状態からの抜手。

しかも四本の腕から繰り出される。

尖い手刀が突き出す槍のようにアンラ・マンユの身体に繰り出されるが、まるで闇に吸い込まれていくかのように消えていく。

接近してからの攻撃もまるで歯が立たない。

まるで空でも切っているかのように闇をすり抜ける。

しかし僕が受ける攻撃には衝撃があった。

重く鋭く、そして全身を走る衝撃。

この僕が赤子同然。


「オマエは異世界から来たようだが、我々の聖戦に足を踏み入れた以上生かしては帰さん」


漆黒の障気が刃となって僕に斬りかかる。

躱したつもりだったのに身体中に傷が増えていく。

「!!」

すると今度は闇がアンラ・マンユを中心に波紋のように広がって僕に達した直後、衝撃と共に吹き飛ばされたのだ。

まるで防御出来なかった・・・


「カァアアアア!」


それでも諦めずに気合いと共に神炎を拳に籠めて攻撃する。

「この程度か。イレギュラーが入り込んだと聞いて直々に現れてみたが期待外れだった。時間の無駄であったな」

アンラ・マンユは確かに格違いの力を持っている。

「それでも僕は戻らなければならない場所がある。守らなければならない人がいる。だから負けるわけにはいかない」

僕は魂を燃やし全身に光と闇の力を噴き出させてアンラ・マンユに向かって突っ込む。


「光と闇を宿した生命体。まさに伝承通り。しかし余りにも力不足!」


アンラ・マンユは両手を挟むように掌を合わすと、漆黒の壁が左右から向かって来て突っ込んでいた僕を挟み込み潰した。全身の骨が砕けたような痛みを感じた。

膝から崩れるように僕は吐血し倒れ込む。

完全なる敗北だった。


「守らないといけない者がいると言ったな?オマエには何も守れない。何も出来ない叶わない。オマエの無力がオマエの大事なモノを失うのだ!」

「!!」


その時、僕の意識がアンラ・マンユの負の意識に飲み込まれていく。

恐怖や怒り悲しみが頭の中に流れ込み思考が溢れ心が裂けそうになる。


「うっ、うわぁああああ!」


その時、僕の閉ざしていた記憶の扉が開く。


僕の戦いは終わらない。

次回予告


阿修羅が闇のアンラ・マンユと戦っていた時、

別の戦場はさらに激しさを増し、波乱を呼んでいた。

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