聖戦勃発!最高神七大天使と六大悪魔!
光と闇の聖戦はついに阿修羅を巻き込み始まってしまった。
阿修羅がこの世界に来た意味は?
僕は阿修羅
ズルワーンの神殿のリングをめぐる争奪戦。
それは光と闇の大神戦が開幕された。
闇の悪魔は獣のような姿で口を開き光の戦士達を鋭い牙と爪で切り裂き、喰らい飲み込んでいく。
対して光の戦士は光線や炎雷を使い消滅させた。
数は互角。
世界を二分する程の光と闇の勢力。
その均衡は光と闇の戦士を統率する最高神達の存在に左右される。
既に戦場では凶暴怒りと欲の化身であるアエーシュマが僕達を先に向かわせたミスラが単独で戦っていたが、その破壊力に危機的状況に陥っていた。
「誰もこのオレを止められやしねぇぜ!」
アエーシュマの位は闇の軍勢で言えば光の中級神であるヤザタと同じ位。
しかし光のヤザタは数いるが、闇の中級神はこの二体のみ。
その意味は同じ中級神でも別格なのだ。
アジダ・ハーカとアエーシュマは脅威的な力を持つ破壊の象徴。
傷付き膝を付いたミスラに向けてアエーシュマの闇の力が迫ったその時!
「力を貸すぞ!ミトラ!」
新たな光の戦士が現れる。
「我が名はスラオシャ!悪神アエーシュマよ、オマエを成敗する!」
「ミスラ様!」
スラオシャとラシュヌ。
光の戦士は力を合わせ協力して戦う。
光の最高神アフラ・マズラが中級神を数産み出した理由は協力する事を望んだから。
たしかに個々の実力は敵わなくとも、協力すれば力は相乗されるのだ。
つまり「協力」は「強力」なのだと。
この戦いの要は、
善神アフラ・マズダーの七大天使。
そして、
悪神アンラ・マンユの六大悪魔。
この光と闇の最高神達の存在によって勝敗が左右される。
この力の均衡が崩れた時、戦局は変わるのだ。
闇の軍の目の前に光の壁が出現し、迷宮と化す。
その中に入り込んだ闇の者は次々と力を失い徐々に消滅していった。
「迷宮王国!」
この建造物は光の結界。
闇の者は踏み込んだ途端に存在を失う。
その支配者たる光の最高神の名は、
クシャスラ!
「何者も我が王国には踏み込めん!」
しかし突如、壁紙が崩壊して闇の者が出現する。
「このオレに破壊出来ないモノはない」
破壊の闇の最高神・サゥルワ
創造建造の神クシャスラと破壊のサゥルワから発する力は空間を歪ましながら衝突する。
そして別の場所でも最高神同士の戦いが繰り広げられていた。
「大地よ!私の信仰に勝利をもたらすのです!」
大地が空間に出現して闇の者達を埋め尽くす。
大地の女神スプンタ・アールマティ。
しかしその上空から闇が迫る。
「背教こそ真髄!決められたルールではこのオレの力は引き出せないからなぁ〜」
背教の悪魔タローマティ。
また光の戦士達が全身を蒸発させ干からび消えていく。
その様を見て笑みを見せていたのは悪魔の王・タウルウィーとザリチャー。
この悪魔王の熱と渇きは生きとしいける者を許さない。
しかし?
広範囲に広がる灼熱地獄が突如神々しい水と植物によって癒やされていく。
「完全なる勝利を!私達が生気を取り戻します。良いですね?」
「任せてください。母!我ら光の聖者は不滅なり」
それは光の最高神ハルワタートとアムルタート。
また別の戦場に動きがあった。
凝縮した闇が渦を巻くと、その中から無数の小さな物体が飛び回り広がっていく。
「うゎああああ!」
小さな闇の物体に触れた光の戦士達が侵蝕されて倒れていく。
すると体内が割れて数千万の黒い物体が飛び回り広がっていった。
黒い物体は蝿?
その中心に存在する悪魔の名は虚偽のドゥルジ。
「私は死の伝達者。私の可愛い下僕達よ!光の連中をお好きなだけ喰らいなさい」
飛び散る無数の蝿が迫るその時、突如聖なる炎が蝿達を焼き消していく。
「私の正義は絶対。聖なる炎は闇を打ち消す」
光の七大天使の絶対正義の象徴アシャ・ワヒシュタ。
そして光と闇の総決戦の行方を見守るは互いの最高神たる至高の存在。
「我が主、アンラ・マンユよ!そろそろ行かせて貰うぞ?」
悪しき思考の六大悪魔マカマナフが現状打破の為に動こうとしていた。
「このオレは光の連中を全て根絶やしにしてやる。だからそこで高みの見物をしていてくれよ?」
そして飛び出して行く。
対して光の領地にも七大天使の二神が陣取っていた。
スプンタ・マンユとウォフ・マナフだ。
「どうやら旧敵マカマナフが動いたようだ。ならば私も行かねばなるまい」
「頼む。君はこの戦いの末に最後の審判を下す役目がある。決して死んではならない」
「安心してくれ?私に敗北はない。それよりも我らが主神である貴方が先陣を切って名を変えて戦場に出向いている方が心配でならない。スプンタ・マンユ・・・否、アフラ・マズダー様」
「この度の戦いは私にとってもアフリマン(アンラ・マンユ)にとっても特別な事が起ころうとしている」
「それはあの阿修羅なる者の関与がこの世界の理に歪みを生み出すとでも?」
「それはまだ分からない。しかし感じるのだ。我々が永きに渡り待ち望んでいた事が起きる前兆を!」
「ならば私も敗北は許せませんな。来たる審判のためにも!その為にも!」
ウォフ・マナフは飛び出すと、中央戦場にまで現れ眼前にまで迫って来ていたマカマナフと衝突した。
この善悪最高神の戦いは相互ともに互角。
その均衡を崩して勝利するために、
この世界に放り込まれた僕が本当に波紋を起こせるのか?
その頃、ズルワーンの神殿では?
ヤザタのアータルがアジダ・ハーカの前に倒れていた。
そしてトドメを刺そうとしていた。
「ヤザタ如きでオレの相手ではない!このオレこそ真の支配神なのだからな!」
その掌から放たれた消滅の闇がアータルを飲み込もうとした。
「遅れたね」
扉が火炎放射で吹っ飛び、アータルを消しさろうとしていた闇を消滅させた。
そしてアータルを庇うようにアジダ・ハーカの前に立ち塞がったのは、僕。
「はぁ〜?まだ光のヤザタが残っていたのか?ならこの敗北者共々消し去ってやるぞ!」
この戦いは僕の戦いではないと思っていた。
僕の戦う意味も力も法子を守るために使う。
それなのにアータルを守ろうとする正義の心が僕を衝き動かした。
いや?正確には、
「きっと法子なら放っては置かないし、放ったら法子に嫌われてしまうと思った」
僕の正義は法子から教わったのかもしれない。
僕の戦いは終わらない。
次回予告
ズルワーンの神殿の戦い
悪神アジダ・ハーカに阿修羅が挑む!




