ズルワーン神殿争奪戦!
阿修羅は光と闇の戦いに巻き込まれた。
その先に何が起ころうとしているのか?
僕は阿修羅
光と闇の聖戦の開始の時が刻まれた。
まるで押し寄せる濁流のように遠く離れた場所から闇が押し寄せて来ていた。
見果てぬ闇の海のようにその先が見えない。
そしてその迫る影全てが闇の軍勢。
しかし闇の者達も僕と同じように見えているに違いない。
光の濁流が同じく押し寄せて迫っていると。
そして、今!
押し寄せる光と闇は衝突した!!
まるで荒波がぶつかり合ったかのように一瞬の静けさが時を止め、そして炸裂するかのように力と力が大爆発を起こす。そのまま戦場は混戦となり、互いの削り合いが始まったのだ。
その中に僕もいた。
闇の軍勢は異形の姿をした化け物が多かった。
蛙や頭部が幾つもある虫、それに蝙蝠や獣のような合成獣の異形の化け物。
闇の使徒の総称として「ダエーワ」と呼ばれる。
そして僕に襲い掛かって来たのだ。
「黒炎焦土」
僕の掌から吹き荒れる漆黒の炎が化け物を消滅させると、その黒炎を見たアータルが僕に向かって叫ぶ。
「オマエ!その炎は何だ?闇の力ではないのか?オマエは闇の者なのかぁ!」
アータルは僕の力に不安を感じ、
「闇の力を持つオマエを信用出来ない。やはりオマエは信用出来ない!直ちに拘束する!」
この状況で僕に襲いかかる。
「待てぇ!アータル!僕は闇の者ではない!」
それでもアータルは神炎を僕に向けて放って来たのだ。
このまま無防備に受けるわけにはいかない。
僕も掌に黒炎を纏い受け止めようとしたその時、
その間に割って入ったのが?
「二人共止めなさい!」
黄金の煌めきに揺れるマントが広がって壁を作り僕とアータルの炎を遮った。
アナーヒターは僕とアータルを睨むと、
「戦う相手を間違ってない?今のこの状況で仲間割れしている場合じゃないでしょ!」
「しかし!」
「しかしとか却下よ!」
その直後、僕達に向けて強力な力を持つ闇の者が迫って来ている事に気付く。
そして追い付いて来たミスラが僕達のもとに現れて叱る。
「アータル。阿修羅の事は今は気にするな!今、我々が戦うべき悪は奴らだ!」
「わ、わかった」
アータルは僕を睨み、
「阿修羅!オマエの事は後回しだ。いずれ決着は付けるからな」
「わかった」
僕達は争っている場合でない。
今、僕達の目の前に現れたダエーワとは別格の闇の者が現れたから。
「あ〜ら?見ない顔ね?」
「新しい光の者のようだけど、あの黒炎は私達の闇の力を感じるわ」
「なら捕まえてから、じっくり調べましょうよ」
それは三体の女悪魔。
「奴らは何者だい?」
僕の問いにミスラが答える。
「あの悪魔はバリガー。ダエーワ等の闇の軍を統べる力のある首領達だよ」
ドゥルズーヤ
ワナンサティー
ムーシュ
三体の女バリガーは闇を纏った力で攻撃して来たのだ。
「此処は任せてください!ミスラ様!」
そこにミスラの従神のラシュヌが現れて光の防御壁を作り守ってくれた。
三体のバリガーを引き受けたラシュヌに向かって闇の兵隊が囲み一斉に襲いかかる。
「彼は一人で大丈夫なのか?」
僕の問いにミスラは笑みを見せ頷く。
するとラシュヌは両掌を向けると光が伸びて行き闇の者達の足下には巨大な橋が出現した。
構わず橋の上を渡りラシュヌに向かって来た瞬間、闇の者達は目の前から消えていた。
「審判は下された。お前達は不義の館へ落ちた」
ラシュヌの能力で創り上げた橋は闇の者は不義の館と呼ばれる無に落とされ、光の者には歌の館と呼ばれる正しい道を示す。
「アータル!アナーヒター!阿修羅!僕達は先に向かうぞ!」
ミスラの合図で僕達は光の道を通りズルワーンの神殿向かって駆け出していた。
そして残ったラシュヌの前には三体のバリガーが近づく。
「私達をどうするって?」
「身の程知らずのお坊ちゃん」
「八つ裂きにしてあげるわ!」
ドゥルズーヤ、ワナンサティー、ムーシュは全身に闇を覆いラシュヌに向かって襲いかかる。
光の道を通りズルワーンの神殿の入り口へといち早く侵入に成功すると、闇の方でも動きがあったのが見えた。ズルワーンの神殿の入り口に僕達と同じく侵入した影を。
「!!」
しかしその中の一体がこちらに向かって来る。
かなり強い力だ!
僕が立ち向かおうとした時、
「お前達は止まるな!奴は僕が食い止める!」
ミストが僕達を先に行かせ、向かって来る闇の悪魔に向かって飛び出して衝突する。
「このオレに抵抗出来ると思うのか?」
その闇の者の名はアエーシュマ。
凶暴と怒り、欲を司る最強の悪魔の王の一体。
しかしミストにも強力な力を持つヤザタが助っ人に入って来たのだ。
「ミスト!私も加勢するぞ!」
「助かる。スラオシャ!」
二人の光の戦士が闇の王と激闘を繰り広げる。
そして先に向かった僕とアータル、アナーヒターは同じく宮殿に入り込んだ闇の者を追う。
「此処がズルワーンの神殿なのか?」
「そうだ。この神殿は4千年に一度しか開かれずに侵入する事が出来ない。そしてリングもこの神殿の何処かにある!とにかく闇の者よりも先に探して見つけ出すんだ!」
「私の感知では神殿の中に入れたのは私達三人と闇の者が一体だけのようよ」
「なら急ごう」
神殿は異常に広く、闇の者と遭遇する事もなく至る場所を次々と探り渡る。
「此処から先は道が分かれる!手分けるぞ!」
「了解!」
アータルの指示にアータルは中央、僕は右に、アナーヒターは左の通路を選び分かれる。
アータルは先の扉を抜けて転がるように突入すると、辺りを警戒しながら見回す。
「どうやら当たりを引いたようだ」
アータルの前には先に侵入していた闇の悪魔が待ち構えていた。
「オマエ、初めて見るな?名前があるなら聞いてやろう。正義の名の下に!」
アータルの挑発にその悪魔は答える。
「命知らずな愚か者め。このオレにお前のような小物が相手になると思うか?」
その悪魔は全身を闇のマントで覆われ、両肩に二頭の蛇が伸びてアータルを睨みつけていた。
「このオレの名はアジダ・ハーカ!闇の後継者だ!」
その闇の魔王から発する凄まじき覇気はアータルを吹き飛ばし壁際に衝突し落下する。
そしてアジダ・ハーカは再びリングを探すためにこの場を立ち去ろうとする。
「待てよ!オマエを行かせる事は正義の名の下、許されない!そしてオマエを食い止める事で正義の勝利に貢献しよう!」
立ち上がるアータルは全身に神炎を噴き出すと足下から壁まで溶解する。
その光熱はアジダ・ハーカの周りを塞ぐように広がった。
「食い止められるか?このアジダ・ハーカ様を!」
闇が広がり光熱と交差し合う。
ズルワーンの秘宝、この神戦に勝利をもたらすリングを手に入れるための争奪戦が始まる。
僕はもうこの戦いから身を引く事は出来ないだろう。
僕の戦いは終わらない
次回予告
ズルワーンの神殿での戦い。
阿修羅、アータル、アナーヒターはリングを手に入れられるのだろうか?
※アジダ・ハーカ 「神を導きし救世主」にて初登場
今作、「女子高生救世主編!」にも登場




