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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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富士山崩壊?最後の救いは正義の女子高生?


果心居士と信長の未知数の力の前に晴明も、総本山の猛者達も苦戦する。


この相手は危険過ぎる??

私は法子!


頼みの晴明師匠が果心居士に倒され、私達の目の前には信長が道を塞ぐ。


「私達がヤるしかないわよね?」


私達は信長の周りを囲むと霊気を高めながら構える。


「直ぐに再生する化け物相手にどうしようか?」


「俺の蛇神の力で滅っしてやる!」


「気を抜かないで!」



そして、果心居士にも百輝夜行の皆が囲む。


「老人相手にうじゃうじゃ面倒じゃ?そろそろ儂も時間がないんでのぉ?準備を始めさせてもらうぞぃ?」


果心居士が印を結び、何やら術を発動させたの!同時に富士山が地震を起こす。


そういえば果心居士の目的は富士山を中心とした大地震だったっけ?


そんな事はマジにさせないんだからね!



だけど、富士山頂に突然巨大な柱が何本も盛り上がり出現したの?


「何なの?あの柱は?」


「余を前にして余所見するとは余裕だな?小娘?」


信長の刀が私に向かって振り払われる。


「!!」


「させねぇーよ!」


寸前で優斗が独鈷杵で受け止めると、飛び上がった宮ちゃんが自らの血で造ったライフル銃で信長を狙い撃つ。


「火縄銃か?」


信長は後方に飛ぶと、宮ちゃんの撃った弾を刀で斬り弾く。


「私が遠方射撃します!」


「解ったわ!」


私と優斗は同時に駆け出すと、信長に攻撃を仕掛ける。私は金の錫杖で、優斗は独鈷杵で!信長は私達の攻撃を弾こうとするけど、宮ちゃんの射撃が邪魔をする。


「子供騙しよ!」


信長の振り払った斬風が私達を近寄せない。


そして揺れ動く富士から強烈な光が放たれると、戦っていた百輝夜行の皆が身動き出来なくなったの?


身体中に柱から噴き出した光の糸が絡み付き、百輝夜行達の霊力が吸出され奪われていく。一人一人力尽き倒れていく中、果心居士が晴明師匠の前に近付いていく。


「儂がわざわざお前達の歓迎に直接出向いた事に不思議とは思わなんだか?」


晴明師匠は倒れた状態で果心居士を睨み付ける。晴明師匠にも例の光の糸が絡み付き身体を拘束し力を奪われているの。そして果心居士の前に浮かび宙吊りにされる。


「この富士を噴火させるために必要なエネルギーを直接手に入れるためじゃったんだよ?」


エネルギー?


すると晴明師匠からエネルギーが強制的に吸い出される。光の糸を伝って柱へとエネルギーが?


「思った通りじゃ!とんでもない連中じゃな?この装置の貯蔵庫が一気に満タンになりそうじゃわい!うひょひょ~」


果心居士は私達が来るのを知っていて、しかも自分が行う計画に私達のエネルギーを使おうとしているの。


「おのれ…」


「その糸はカミシニとて逃げられぬぞ?特殊な糸じゃからな?この日のために儂がある研究所にて手に入れた研究者達の遺産じゃ!」


「研究者だと?」


「カミシニの研究者じゃよ?カミシニを拘束するための糸だけじゃなく、カミシニの肉体に魂を移して人造カミシニを産み出す実験等、興味深いものばかりじゃったわ!ひょひょひょ!」


「!!」


晴明師匠は記憶にあるカミシニの研究者達の顔が浮かんだの。


かつて自身もその場にいたのだから…


中国遺跡のカミシニの研究者達の魔の巣窟。


思い出したくない過去の記憶。


だけど晴明師匠は指ひとつ動かせない。



「足掻いても無駄じゃ!直にこの偽りの世界は滅びるじゃろう。この日本が沈没するのも些細な事…儂が新たな世界を作り替えてやろうぞ!」


「お前の目的は?」


すると果心居士は不思議と悲しい顔をし、そして突然笑いだしたの!


「ひょひょひょ!始めるのじゃよ!」



始める?何を?


その時、私達もまた信長を相手に戦っていたの。


「俺の蛇神の力を喰らえー!」


優斗の指から血が垂れると蛇のように動き出して、紅色の二匹の蛇が現れる。


『蛇血鞭』


優斗が二匹の蛇を鞭のように使うと、大地を削りながら信長に向かっていく。


「秀吉を倒した小僧か?だが、余に通用するか?」


信長は刀で受け止めると、


「今だ!」


宮ちゃんがカミシニの血を集約すると、深紅の大狼が現れる。


『紅死咬牙!』

※ベニシヨウガ


飛び掛かるように信長の肩に噛み付くと、崩れた信長に向かって優斗が奥義を発動させる神気を高める。


「うぬぅらあああ!」


信長の覇気が大狼と二匹の絡まる蛇の鞭を消し去る!そして奥義を発動に神気を高めていた優斗に向かって突っ込んで来て斬りかかる!


「さぁ~せるかぁー!」


「!!」


その直後、信長の頭上から飛び降りて来た私が金の錫杖で頭を殴り付けたの!


ふらつき血を流すけれど耐えた信長は私を睨み付ける。


そして刀の先を私に向けた時に!


「今よ!」


「逃がさんぞ?小娘!」


私は上空に向かって力の限り飛び上がった。


しかし、自らに向けて凄まじい力が迫っていた事に気付く。



『待たせたな?いくぜ!ヘビメタルインパクトー!!』



優斗が蛇神の力を使った秀吉を消滅させた奥義を放ったの!凄まじい蛇神の覇気が蛇の姿をしながら信長を飲み込んでいく!


耐える信長も、


「うぐぅおお…ォォ…」


跡形もなく消滅したの。



私達は拳を握りしめて勝利を確信した……けど?


「嘘だろ?」


私達の目の前で血の塊が宙に浮きながら集まっていき、そして骨や肉が皮膚が出現して再び信長が現れたの。


そんな、ありえないわ?


信長は不死身の化け物なの?こんな化け物をどうやって倒せると言うの?



「ふふふ?もう終わりか?なら始末してやろう!」


信長が刀を振り上げると剣先に血の塊が集約していく。


そして私達に向かって降り下ろそうと…


「!?」


その時、信長が足をふらつき攻撃が私達を逸れたの?


「どうなっているんだ?信長の奴?」


「皆、見て?信長の顔を!」


私達は宮ちゃんの指差した信長の顔を見ると?


そこには額から血を流していたの?


えっ?どういう事?


優斗の蛇神の力で消滅した身体すら再生したのに、あの額の傷は何?


あれ?


「法子?あの額の傷って…貴女がさっき?」


えっ?


確かに私が付けた傷だ!



「うぐぅ…何だ?この痛みは?」


信長は額を押さえながら私を見て思い出す。


「そうだ…あの娘に前に傷を負わされた時にも…再生に時間がかかった…あの娘!生かしていては…」


その時、


「戻って来い!信長!今より発動させるぞよ!」


「不服!」


それは果心居士の声?


同時に山頂の本能寺が私達の目の前で崩れ落ちて、新たな柱が出現したの!


現れたのは十二本の柱?


今から何が始まろうとしているの?



「くぅ…しかし、あの娘は俺の手で!」


信長が私に狙いを付けた時、果心居士が私達の目の前に出現して印を結ぶ。


『縛!』


すると信長が胸を押さえて苦しみだし意識を失う。



「あまり手間を取らすでないぞ?信長よ?お主の魂は儂が握っておるのじゃからな!」


そして、


「今より、この地は大地震により滅びよう!じゃが、それは偽りの世界の滅亡にすぎぬ。全ては偽りの終わりじゃー!」



何を言ってるの?


全く意味が解らない?


けど、何かとんでもない事をしようとしているに違いないわ!それは絶対に止めないといけないの!


果心居士は意識を失った信長を宙に浮かばせ、そのまま柱の頂上へと飛んで行く。



果心居士は十二本の柱の中心にある魔方陣の上に乗ると、


「長かった…ほんに長かった…ついに念願が叶うのじゃ!」



魔方陣の上で何かの呪術式を操作する果心居士は、口元に笑みを見せながら今から起こる災害を待ち遠しくしていたの。


「これで世界が変わる!」


そして、晴明師匠や百輝夜行の皆から奪ったエネルギーが注がれると、ついに富士山全体が揺れだして地割れの如く亀裂が入っていく!そして大地から凄まじい勢いで龍脈が開かれて上昇して来たの!!


大地からの龍が果心居士の作った魔方陣に吸収されていき、同時に日本の象徴富士山が噴火を始めたの!!



もう、手遅れ…なの?


するとエネルギーを奪われ意識を失っていた晴明師匠が、宮ちゃんの肩を借りて立ち上がり皆に向けて命じる。


「百輝夜行よ!直ちに強制結界を!」



百輝夜行の皆さんは直ちにその場から移動すると、印を結び結界陣を張り始める。既に力なんて残ってはいないはずなのに、死に物狂いで結界を張っているの!


晴明師匠もまた結界陣に残った力を使っていた。



(今、この状況を変える事が出来るのは?)



富士山頂の更に上空の魔方陣の上で果心居士は歓喜の笑いが響き渡る。



「遂に地球のエネルギーを集約したゲートが開かれたのじゃ!」


果心居士の前には空間が歪み、底知れぬ闇へと続く穴が現れていたの。


この穴は一体、何?


果心居士は瞼を綴じると一言呟くと同時に身体を緑色のオーラが包み、髪の色が緑色へと?


『noa』


そして信長の身体を担ぎ上げながら、その穴の中へと飛び込んだの!


「これで、全てが儂の思い通りに…」



その時、果心居士は違和感を感じる?自分の左足に何かが絡まっている事に?


「ホェ?」


果心居士の左足には金の錫杖を縄のように伸ばして絡まっていて、その伸びた先には私が!


私が掴んでいたの!


「待ちなさぁああい!!」


果心居士は構わずに穴に飛び込むと、私も引っ張られるかのように穴の中へと入っていく。同時に穴は塞ぎ消えて、その状況を見ていた総本山の皆さんは目を丸くして、


「えぇええええ??」


「馬鹿ぁ姉貴ぃいいい!」


と、結界陣を張りながら大慌てになっていたの。


そして私は?



「ふふふ?馬鹿な小娘よ!この時の穴は生身で入れば肉体が塵と消えるのじゃ!このノアの時人である儂と特別な術を施した信長以外はな?声もしなくなったし既に塵と消えおったか…」


「ぷはぁ~」


「何と??」


そこに私の声が?


「どうやら息を止めてなくても大丈夫そうね?って、ここは何処なの?」



私と果心居士は光だか闇だか?解らない空間の中で沈むような?流されるような感覚の不思議な場所にいた。足が地に付いてないから浮いているのかな?まるで海底か宇宙空間?夢の中にも似てるわ?


考えても解らないわ!


でも、今やらなきゃいけないのは?


私は金の縄を引き寄せながら果心居士のもとへ近付いていく。



「馬鹿な??ノアの民でない者が時の川を渡れるはずがない!何なんじゃ?おのれはぁ~??」



えっ?私?


「私は正義の女子高生よー!!」



私が果心居士にしがみつき暴れると、


「止すのじゃ~ここで、そんな事をし・たらぁああああああああ!」


「知らないわよ!」



突然私達は濁流に飲み込まれたかのように、軌道が変わり落下するように流されていく。



うっうう…


私は気付くと、見慣れない場所で倒れていたの?


そこは、ビルとビルの隙間の狭い道?


「ここは…何処?」


「何処でも良いが、早く俺の上から降りてくれないか?しょんべん臭くてたまらんぞ?」



えっ?えぇええええ?


私は足元を見ると、股から男の顔が私を睨んでいた。


「きゃあああああ!ヘンタイ~!!」


つまり通行人の男の上に私は落下してしまったの。


悪いとは思ってはいたけど、反射的に起き上がると、その男に向かって平手打ちをした。


って、私の手が止められ?



「勝手に俺の上に落ちて来て、ヘンタイはないだろ?しょんべん臭いお嬢ちゃん?」


私の平手打ちを止めたこの男は誰?何者?


その男は、


私達の総本山でよく見る密教僧と同じ格好に、ボサボサの髪、鷹のような目付きの悪い男!


私より年上には見えるけど、誰がしょんべん臭いお嬢ちゃんよ?


私は、この男に対して


「痴漢!痴漢!痴漢!お巡りさ~ん!」


「黙れ!ガキ!誰が痴漢だ?こらぁ!俺は…俺は…」



その男、名を?



「通りすがりのゲンさんだ!」




そんなこんな。


次回予告


法子が落ちた場所は何処?


この、通りすがりのゲンさんとは何者?


法子は一体、どうなる?

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