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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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法子と鉄扇!八怪と捲簾!

捲簾覇蛇が金色の魔眼の力を手に入れてしまった。


さらに手の付けられない状況に法子達は?


私は法子。

ついに捲簾覇蛇改め救世観音菩薩と八怪が前世からの因縁とも言える邂逅を果たした。


「おや?遮那だったね。とうとう私の所まで辿り着いたようですね?まるであの日、私達が消滅した時の事を思い出しますね」

「!!」


それは二人が天界で命を落とした日。

「オイ。捲簾の声でオラを呼ぶな!お前は捲簾じゃないら。お前は蛇神らぁー!」

「ふふふ。認めたくないのは分かりますよ。私は君の恩師である捲簾大将であり観世音菩薩。そして弟弟子である沙悟浄。で、蛇神だった者だ」

「そうらか?お前は盗人の蛇神。それ以上でもそれ以下でもないら。直ぐにその身体から追い払ってやるから覚悟するらよ!」

八怪の身体から漆黒のオーラが立ち込める。

そして額の第三の眼が開かれたの。

凄まじい漆黒の竜巻が八怪を中心に吹き荒れて攻撃的な覇気が救世観音を襲う。

「!!」

その一瞬、漆黒の拳が救世観音の間合いに入る。

「うらぁあああ!」

八怪の拳を救世観音は掌打で手首を打ち付け軌道を変えて防ぐと、突き出した掌打は数千の攻撃となって迫る。その掌打を八怪は拳の連打で相殺したの。

「遮那?お前の攻撃は手に取るように分かる。そうだったろ?お前は私に一度たりとも勝てた事がないのですからね」

「そうらか?なら残念らったな」

「!!」

救世観音の攻撃を潜り抜けた八怪の拳が頬をかすったの。

それは過去の遮那と今の八怪とは別だと告げるような一撃。

そう。遮那は八戒として生きて、積み重ねた人生は無駄ではなく糧だった。

例え力は転生前とは格段と下がったとしても、それでも行き残るために足掻いて足掻いて生きて来た。

自分よりも格上の敵を前にしても窮地の中を生き残って来た事で、嘗ての遮那よりも戦いでの観察眼が養われていたの。だからこそ八怪は強いの!


「うおぅらぁああ!」


その圧に救世観音は背後に瞬間移動して間合いから離れたの。

同時に傷付いた頬が再生して治る。

「オラはもう過去のオラじゃないら!そしてお前も捲簾とは違う。もし本当の捲簾ならオラの拳はお前には届かなかったはずら!」

八怪は拳に漆黒のオーラを集中させると神具・釘鈀が出現して更に八怪の攻撃力が膨れ上がる。

「全く二郎真君といい、お前も本当に厄介だ。しかし確かに私もお前の知る捲簾ではないのだぞ」

「な、何ら?その腕は?」

救世観音の右腕が変色して蛇の鱗が現れる。

蛇神の腕?

「ふふふ。この腕は私の可愛い弟の腕を繋ぎ合わせたのだよ。俺の弟は大した力を持っていてな?喰らった者の力を手に入れられるんだよ」

「な、何をする気ら!」

八怪の目の前で救世観音の腕が巨大化して大蛇に変わると、倒れて動かない二郎真君さんに向かって口を広げて丸飲みしてしまったの。

「ふふふ。これで私は二郎真君の力をも手に入れた事になる。最早、何者も私に敵う者はいない!天界の王ですら私にとっては恐くはない。私はこの力で地上だけでなく天界をも支配してやろう。うはははははははは!」

まさに最強最悪の救世観音の力を前に八怪は、

「まだ救えるらな」

八怪は二郎真君さんが消滅していない事を第三の眼がチャクラの流れから気付いていた。

沙悟浄と違い魂と融合されたのではなく魂を補完して力のみを手に入れているようなの。

けれどそれは取り込んだ者を吸収すればするほど強くなっていく無限の力とも言えた。


「遮那、お前も私の糧となれ!」


救世観音の背後に広がる千の掌。

「千手観音撲殺!」

千本の掌打が八怪を攻撃し釘鈀を盾に受け止めるもガード越しに衝撃が全身を襲う。

「うグゥううう!」

再生力の強い八怪の肉体ではなく魂を削るような攻撃に膝を付き、激痛に顔が歪む。

力の差は桁違いだった。

それでも八怪は負けるわけにはいかなかった。


それは私へ立てた約束。

そして沙悟浄を取り戻す事。

何より恩師である捲簾さんの姿のままで世界を滅ぼすような真似をさせてはいられなかったから。

そして今、取り戻す事が出来るのは自分しかいないと信じていたから。



そして私も鉄扇ちゃんとの戦いも大変だったの。

「もうお願いだから今は私達に任せて!このままじゃいけないって頭では分かってるんでしょ?錬体魔王さんが沙悟浄を取り戻してくれる霊薬を作ってくれたのよ!」

「もし失敗したら?もし失敗したら沙悟浄ちゃんは二度と帰らないのよ!そんなの私には耐えられない。耐えられないのよ!」

「だけど沙悟浄なら今の状況を絶対に悲しむと思う。それは鉄扇ちゃんが自分のために蛇神に手を貸すだなんて」

「あんたに河童ちゃんの何が分かるのよ!」

「分かるわ。そして一番よく分かっているのは私より鉄扇ちゃん?貴女の方なのに!」

「うるさい!失ったら何もかも終わりなのよ!」

「失わせない!私、いえ!私達が!」

「!!」

私の言い切った言葉に鉄扇ちゃんは一瞬、心を揺らされたけれど直ぐに首を振って立て直す。

「私の邪魔をするなら容赦はしないわ」

鉄扇ちゃんの皮膚が黒く髪が血のように真っ赤に変色すると、全身から魔神の黒気が噴き出す。

あ、アレって!!


「羅刹の極み!」


そんな大層な力は私に使ってはいけませ〜ん!

漆黒のオーラを纏った鉄奥義ちゃんが私に向かって突進して来る。

「ちょっ!ちょっと待ったぁ〜!如意神向!」

私は如意神向を前方に向けて鉄扇ちゃんの突進を止めてみたけれど、漆黒の衝撃波が弾き散る。

けれど力負けしそうで、も〜う限界〜!

私は押し負け吹っ飛ばされたの。


「きゃあわわ〜」


私はそのまま階段から転げ落ちて目を回して気を失ってしまったの。


そんなこんな。

次回予告


八怪の思いは届くのか?


そしてまさかの展開が襲う!

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