表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
354/713

友を取り戻せ!!延命国侵入!

覇王と覇王の戦いの結末は、

まさかの第三者が勝利を奪い去った。


しかし忘れられない戦いが再び!


私は法子。

そこで父親である牛帝覇蛇によって胸を貫かれ身体的にも精神的にも瀕死の状態の紅孩児君は一度太公望さんのいる本拠池へ運んだ後、私達は今後の方向性について話し合ったの。

そして覇王討伐よりも今一番気掛かりであった場所に向かって飛行雲に乗って移動中なの。


「例の噂の地はあの山を越えた先らしい」


二郎真君さんは私と八怪に前方を見るように告げる。

二郎真君さんにとっても今回の件は他人事でなかったから。

「この先にある国、延命国に例の噂の神仙がいるって話だ」

「分かりました!」

私は八怪の灰斗雲に乗せて貰っているの。

「ところで法子はん?何でその神仙のいる国にオラ達は向かっているんらか?」

「あんた、話を全然聞いてなかったの?」

「オラは難しい話は分からないらよ〜」

「つまりね?」

私は聞いた話を説明し直す。

この延命国はちょうどその時、蛇神兵が人間達を捕虜にするために襲われていた。

その延命国にある日突然名もなき仙人が現れたと言うの。

しかしその仙人は武装した人間達の兵士が数十人がかりでも相手にならない蛇神兵の前に現れると、掌を翳しただけで消滅させたと言うの。

さらに怪我して瀕死状態だった人間達を治癒の術で無償で治したとか。

「まるでイエス・キリスト様のようね」

「なぬ?家巣桐タンス?」

「ごめんね。八怪は知らなくて当然ね。つまり神様的な人って事よ?人じゃないかもしんないけど。しかも太公望さんも聞いた事がない仙人なんだって」

「で?どうオラ達と繋がるんら?」

「つまりこの御時世に身元不明の仙人が人助けとか?蛇神を簡単に倒せるとか?少なくとも曲者なのは間違いないわ。太公望さんが先に情報を知るべく千里眼で見ようとも強力な結界に閉ざされているようだし謎に包まれた秘境地帯なの」

「まだオラには分からんらよ?」

「さて、これからが問題なの。仕方なく影一族の密偵を出して調べて貰ったらしいのだけど、戻って来れたのは命からがら一人のみだけだったのよ。つまり何か胡散臭い事が行われているって事!で、帰還出来た影一族の密偵さんが言うにはその延命国では月に一度生贄が始まったと言うの。その代わり国は安泰で蛇神に恐怖する事は無くなったけれど、他国とは鎖国状態。その仙人が新たな王となって独裁国家の誕生みたいな?」

「単刀直入に言って欲しいらよ!」

「セッカチね〜。此処からが興味を引くところなんだからさ〜!この国には反乱組織みたいのがいるらしくて、その影一族の密偵さんを逃すのにも協力してくれたんだって!そして反乱組織のリーダーが言ったらしいの。「法子を呼んでって!」つまり私を指名したって事はつまり?」

「オラたちの知り合いらか?」

「うん。間違いなくね!そして密偵さんが逃げる時に見た反乱組織のリーダーは見た事もない化け物を召喚したと言うの!トカゲの大きな骸骨風のね?」

「それって!」

「御明察!言わずと知れた白骨乙女さんに間違いないわ!そして彼女が追っていたのは?」

白骨乙女さんは例の戦いの後、単独で追跡をしてくれていたの。

私達の目的の蛇神の去った後を!


「蝕王覇蛇らな!」


蝕王覇蛇とは自分を殺した者の身体を奪いながら生き続ける不死の蛇神。

私達は一度戦い、そこで私達の大切な仲間が身体を奪われたままなの。

「奴は俺にとっても仇だからな」

話しに割り込む二郎真君さんは怒りを見せる。

何故なら蝕王覇蛇には親友の楊善さんを殺されたのだから。

二郎真君さんは一度は蝕王覇蛇を倒したはずだった。

はずだったのに、新たに別の器を手に入れて蘇り私達の前から消え去った。

その奪われた器になったのが・・・


「沙悟浄!絶対に貴方を取り戻すから!」


沙悟浄は私達の大事な旅の仲間。

沙悟浄は私を庇って蝕王覇蛇に身体を奪われたの。

けれど新たな問題が起きた。

沙悟浄の身体を奪ったはずの蝕王覇蛇は、沙悟浄の魂の中で別の魂の存在を見つけて呼び覚ましたの。

すると沙悟浄の姿は全く別の姿へと変わった。


新たな器を手に入れた途端、蝕王覇蛇はその有り余る力を使い戦場を火の海に変えたの。

その姿を見た時、衝撃を受けたのは遅れて現れ全く状況が理解出来ずにいた八怪だった。

そして同じく衝撃を受けていたのが二郎真君さん。

沙悟浄の変わり果てた姿を二人は知っていたから。


八怪が遮那と呼ばれていた転生前の師であり友。

そして楊善さんと共に二郎真君さんとも絆を深めていた相手だったから。

その者の名は捲簾大将。

その実力は二郎真君さんと八怪を上回っていた。

それもそのはず。


捲簾大将とは仮の名。

その真名は天界の最高仏神であった聖音観音様だったの。

つまり蝕王覇蛇は最高神・観音菩薩の身体を手に入れたと言う事になるわけなの。


「それでも私達は必ず沙悟浄を取り戻すわ!そんなわけで、先ず私達の目的は反乱軍のリーダーやってる白骨乙女さんと合流して情報を聞くのよ」


私達は延命国の近くまで来ると侵入がバレないように徒歩で移動を試みる。

延命国は国全体が鎖国状態だから国を囲む高々した城壁には何処まで行っても入り口なんて無かった。

「やっぱり強行突破らか?」

「それは駄目よ!だって国中には大勢いの無関係な人間が沢山いるのよ?正直慎重に行動しているのは延命国の人間全てが人質になっているようなもんだからよ」

「そんじゃ〜どうするらよ?」

その時、二郎真君さんが何者かの気配に気付いて私達に合図したの。

えっ?まさかもう私達の存在がバレたの?

と、その時声がしたの。


「あ、あ、あの〜。えっと、えっと、あんた達、確か美猴王の友、友、友達だよな?」


えっ?

あ、美猴王ってのは孫悟空の転生前の名前よ?

けれど私達を知ってるって何者?

すると私達の目の前で砂が巻き起こり竜巻となって、中から砂の鎧を纏った妖怪が現れたの。

ん?あら?あれれ?

何処かで見覚えあるような〜ないような〜?

あっ!思い出した!


「砂塵魔王よね?あんた?」

「そ、そ、そうだ」


砂塵魔王は孫悟空の昔の仲間らしく、確か薄い記憶なんだけれど、大昔の戦争で白骨乙女さんの中にいる錬体魔王の妖恐を自らの身体を使って封じ込めていたらしいの。

けれど蛇神の復活に気付いて妖恐の封印を解いて蛇神を相手に単独で挑んでいたの。


そんな時、旅の途中の私達と一緒になって蛇神との戦いに力を貸してくれたんだよね?

詳しくは鈎蛇王と玄天上帝との時のバトル。

で、影薄かったから忘れてたわ。

影薄いのはその性格もあって、極度の人見知りとか本当に面倒くさいのよ。

「どうして貴方が?何をしてるの?」

すると砂塵魔王は照れながら答える。

「お、俺は白骨乙女さんに頼まれて外に出て行った捲簾覇蛇の偵察をしてたんだよ。アンタは逃してやった影の男が呼んできたんだろ?」

えっ?

あ、今、纏めて凄い情報言った?

もしかして?

話しを聞くに砂塵魔王は白骨乙女さんの反乱軍のメンバーらしいの。

密偵を国から逃したのも砂塵魔王の貢献あっての事らしい。

そしてやっぱり、この延命国を支配している仙人の正体は沙悟浄の身体を奪っている本人曰く、蝕王覇蛇改め捲簾覇蛇だと言う事。

しかも現在外出しているみたいで国の中にはいないって事なの。

「なら、今のうちに中に入りたいわね。どうしたら?」

私は城壁を見上げて登るしかないと溜息をつく。

「ところでお前はどうやって外に出て来たんら?抜け道とかあるなら教えて欲しいらよ」

「そうよ!八怪、よく気付いたわ!」

「抜け道なんか必要ないぞ?」

「えっ?」

すると砂塵魔王は壁に手をやると砂が円を描きながら空洞を作り上げたの。

「お、俺は砂とか土とか操れるから、こうやって出入りしているんだ」

「でかしたわ!」

私達はトンネルを抜けると、開いた穴は再び砂が塞ぎながら元の壁に戻ったの。

これで難なく侵入に成功したわけね。


それにしても〜

この延命国は想像以上に巨大な都市になっていたの。

人口も何処から集まったのか?億単位はいるんじゃないかしら?

こんなに蛇神の出現後から生存していたなんて驚きだわ!

同時に捲簾覇蛇が全ての人間を手の内にしているようなものとも言える。

「案内するぞ?」

私達は砂塵魔王の案内で反乱組織の隠れ家にたどり着くと、私を見た白骨乙女さんが気付く。

「遅いわよ!」

えっ?久しぶりに会っての一声がそれ?

「とにかく良く来てくれたわ。正直、私達だけではもう手詰まりだったのよ」

既に幾つかあった反乱組織の殆どが潰され、白骨乙女さんの指揮しているこの隠れ家が最後の砦だったの。それでも組織のメンバーには人間だけでなく妖怪や生き延びれた影一族の者もいたの。

「正直、私達を滅ぼすなんて奴からみたら朝飯前なのよ。それでも私達が今生きているのは遊ばれてるに過ぎないのよ」

白骨乙女さんは机を叩き怒りを示す。

「でもよくあの蛇神を相手にして生き延びれたな?」

二郎真君さんは白骨乙女さん、それに砂塵魔王を加えたとしても捲簾覇蛇とやり合えれば生き残れるとは思えなかったから。

「あの蛇神は私達の討伐には一切出ては来ないからね。奴は延命国の内部で起きている反乱組織との交戦には自国の防衛部隊に任せているのよ。つまり人間同士で殺し合いをさせて楽しんでいるのよ」

「最低ね!」

「それに奴らの隊長には・・・」

「?」

その時、反乱組織の中でざわめき立つ。

この隠れ家が見つかり、武装した延命国の兵士がなだれ込んで来たの。

そしてその指揮をしている隊長の姿を見た時、私は目を疑った。

「嘘でしょ?どうして?」

すると突風が巻き起こり、私達は吹き飛ばされる。

既に隠れ家は崩壊し、混乱の中で私は叫んだの!

「どうして貴女がそんな真似しているのよ!」

すると私に気付いた延命国の隊長は攻撃の手を止めて私に近付いて来たの。

「よく生きていたわね?法子。けれどその悪運も今日までだわ」

延命国の隊長は私に向けた武器は扇。

扇を武器にする女の子は他に知らない。


彼女の名は・・・


「どうして蛇神の下で働いてるのよ!ねぇ!聞いてるの?鉄扇ちゃーん!」


鉄扇ちゃんの身に何が?

彼女は私達の敵になってしまったの?

どうして捲簾覇蛇の手下になってるのよ!


そんなこんな。

次回予告


延命国編突入!


法子達は沙悟浄を取り戻す事が本当に出来るのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ