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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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勝ち目無し?真蛇王テューポーンの能力!


真蛇王テューポーンを相手に孫悟空は?


俺様は孫悟空。

俺様は真蛇王テューポーンに最大奥義を放つも歯が立たなかった。

しかも俺様に力を貸してくれた牙流覇蛇はテューポーンの前に命を落とす。

そして俺様も力尽き青龍変化が解けてしまい、テューポーンの前に危機的状況だった。

その時、そんな俺様に頼もしい救援が加わったのだ。


それは俺様の義兄弟の蛟魔王

見違える程逞しくなった玉龍

そして万聖龍王って奴?

「私らが相手する。お前は体力温存しておけ」

蛟魔王が俺様に指示する。

体力温存、つまり三人がかりでも倒せないって事なのだ。

そして俺様の力が必ず必要になる事を意味していた。

「助かる。任せるぞ!」

「孫悟空さん!僕も頑張ります!」

玉龍が俺様に強い眼差しを向けた。

「やれやれ〜俺もまた死なない程度に本気だす」

知らない奴だが、曲者だと分かる。

すると蛟魔王は印を結び指先に光が集中すると光は玉龍と万聖龍王の額に紋様が浮かぶ。

「思念誘導術」

この蛟魔王の術は意思疎通の念話。

ただのテレパシーとは違い、策士でもある蛟魔王の思考も流れ込むため玉龍も万聖龍王も自分の手足のように動けるのだ。

「行きます!」

瞬間、玉龍の姿が消えた?

消えたのではなく俺様の目でも捉えるのが難しい速さで高速移動しているのか?

アイツ、いつの間に?

しかも姿が紅く変色して掌から炎の龍をテューポーンに向けて放つ!

「この程度の炎で私にどうするつもりだ?」

玉龍の炎の龍を打ち消そうとした時、

「ぬっ!?」

その身体が拘束されている事に気付く。

「直撃ならどうかな?蛇神のお前!」

それは大槍の尖端から伸びた龍気を伸ばした糸。

釣り竿のようにしてテューポーンに察っせずに気配を消しつつ糸を絡めていたのだ。

直後、玉龍の炎龍がテューポーンに直撃する。

「お前らは龍神族か?我ら蛇神族と枝分かれてした所詮は下等種族。相手ではない」

テューポーンから放たれた覇気が爆発的に全身を拘束していた糸と炎を消し去った。

「さて次はどう抗う?」

が、気付く。

玉龍の身体が紅色から黒く染まり、頭上から両掌からテューポーンの足下へと磁場を発したのだ。

「あれは重力か?玉龍の奴、いつの間にあんな芸当を?」

玉龍は戦死した赤龍王、白龍王、黒龍王の力を引き継いでいたのだ。

「この程度で私を押さえつけられると思うか?」

「違う!お前の油断と隙を作れれば良いんだ!」

「!!」

その時、テューポーンの間合いに万聖龍王が間合いに入り大槍で攻撃を仕掛ける。

その猛攻に対して重力に身体の自由を奪われつつもテューポーンは指先に蛇気を籠めて剣のように弾き返しながら受け流して防ぐ。

「ストぉおおおおおお!」

万聖龍王の渾身の一撃は受け止めたテューポーンの腕を弾くと、テューポーンの片腕が白い光に包まれながら消滅した。

「これは?」

今の攻撃に対してテューポーンは警戒し、もう片方の腕から覇気を放って万聖龍王を弾き飛ばす。

「ぐぅううう!」

弾かれた万聖龍王は身を翻し着地すると、大槍を構えて気を籠める。


「再生負荷!」


再生負荷とは万聖龍王の持つ秘奥義。

かつて人間だった浦島と呼ばれた男は龍王の血を飲み不死にも近い再生力を手に入れた。そしてその有り余る再生力を一点集中させて敵に撃ち込む事で相手の再生力に負荷を与えて内部爆破させるのだ。

「くそぉ!奴の腕で躱されちまった!」

もし今の攻撃が急所に当たっていれば、油断していたテューポーンは何が起きたか分からないまま消滅していたかもしれない。

「お、おのれ!この私に傷を負わせたな?」

テューポーンの目が怒りで紅く染まる。

警戒された今、恐らくもう今の再生負荷って攻撃は簡単には当たらないだろうな。

しかし奇異な事もあった。

テューポーンは確かに桁違いな力を感じる。

しかし蛇神族特有の再生力はどうした?

失った腕は何故再生しない?

確か俺様が三蔵と共に初めて出会せた時は何度と何度と再生しては厄介な相手だったはず?

それでも三蔵の降魔の剣で奴の魂を削りつつも何とかして打ち倒した。

「そうか!!」

憶測だがテューポーンは昔に三蔵に倒され、まだ完全に復活を遂げていないのでは?

俺様の憶測と同じ事を蛟魔王も気付いていた。

「畳み掛けるぞ!」

蛟魔王は龍気を高めると、


「聖獣変化唯我独尊・応龍」


その身に応龍の鎧を纒ったのだ。

てか蛟魔王の奴もパワーアップしてやがる?


「四霊変化唯我独尊・麒麟」


同時に玉龍も四霊麒麟の鎧に身を覆う。

どうやら過酷な戦いを潜り抜け、生き残るために必要な力を手に入れたのだと理解した。


「どうやら勘違いしているようだな?私は死の縁より二度甦り学び成長した。一度目は超神ゼウスとの死闘。そしてこの地で戦った人間の救世主。私に三度目はない!」

「二度ある事は三度あるって言うんだぜ?」


俺様が挑発すると、それが合図かのように蛟魔王、玉龍、万聖龍王が飛び出して畳み掛けに出る。

意思疎通している事の連携。

テューポーンを相手に龍神の三戦士は優勢だった。

「このまま俺様抜きで勝っちまうんじゃ?」

それならそれでも良かった。

しかしそこで俺様を呼ぶ声がする?

〈そ、孫悟空!あの三人を退かせるんだ!〉

それは消耗して俺様の中で眠っていた青龍王の声?

「お前、無事だったのか?」

そして俺様は青龍王に聞かされた。

テューポーンの持つ恐ろしい能力を。

「テューポーンの能力だと?」

すると俺様の目の前で次々と蛟魔王、玉龍、万聖龍王が消耗仕切った様子で膝をつき動けなくなる。

そして変化が消えるように解けてしまった。

「な、何が起きているというのだ?」

〈教えよう〉

青龍王は俺様に伝える能力とは?

本来なら青龍王との聖獣変化はこんなに早く解けるはずはなかった。

だが、力が急激に消耗したのだ。

「つまりテューポーンの能力は?」

テューポーンに触れたら力を奪われる。

直接攻撃で触れても駄目、遠距離からの遠方攻撃すら自らの栄養として取り込み力とする。

そればかりか今も気付かないレベルで俺様も力を吸い出されていたのだ。

「ま、マジかよ?だから俺様もさっきから回復が遅いのか??謎解けた!」

ん?なら?どうやって?

「テューポーンを倒せれば良いのだ?」

しかしこの状況で唯一立ち上がる者がいた。

「ふぅ〜回復したから、もうちょい頑張るか」

超回復能力を持つ万聖龍王だった。

「ほぉ?この私を前にして跪かずにいられるとは大したものだ。その回復力は私の良い栄養となろう」

「嫌なこった!」

万聖龍王は大槍を肩に乗せた状態から腰を下げて突き出す構えを取る。

「力の差は明白。思い知らせた後、その能力共々この私への供物として捧げて貰うとするか」

先に飛び出したのは万聖龍王の方だった。

その動きは白い閃光の如く。

突き出す大槍を余裕で紙一重で躱すテューポーン。

激しい衝突が繰り出される中、蛟魔王と玉龍は一端戦場から離れて体力回復に務める。

「まだ行けるか?」

「はい!」

しかし不用意に飛び出しては駄目だ。

タイミングと隙をみてアタックするチャンスを伺うしかなかった。

「この私が戦力外とはな」

「蛟魔王様!」

蛟魔王は俺様達に分かりやすくテューポーンの能力を説明した。


「なるほど・・・厄介だぜ!」


テューポーンの能力の恐ろしさは力を吸収している事に気付かせない事。

もし単独で戦っていたのなら気付いた時には手遅れ。逃げる事は不可能。

そして俺様が放った攻撃の力すら吸収し、更には牙流覇蛇の生命力を根こそぎ奪って回復したのだろう。

そしてテューポーンの覚醒した真蛇の血の前に不死を特有とする蛇神達はその不死性を失う。

更には力を奪われては抗うすべはない。

まさに蛇神の天敵は蛇神とも言える。

そして蛇神と同じ能力を持つ龍神とてテューポーンは天敵なのだ。

更に妖怪の起源が蛇神から始まった説が本当なら俺様とて敵うはずない。


しかし何故だ?

何故、奴は動けるのだ?

それは万聖龍王の奴。

蛟魔王曰く元は人間らしい。

そして龍の血で龍人となった半人半龍。

それだけではない。

万聖龍王に龍の血を最初に与えたのが、龍神界を統べる神龍王・黄龍なのだと。


「俺の黄龍の血はお前に力を奪われないようだぞ?これは誤算だろ?チンポーン!」


ん?今、何と言った?

「愚か者め!例え力を奪えなくとも力の差は変えようがあるまい!」

テューポーンの放つ覇気が万聖龍王に直撃し大槍を盾にして何とか受け止める。

善戦はしているが確かに時間の問題では?

「何とか私が覆す策を考える。お前達も準備をしておけ!」

「おう!」

「はい!」

蛟魔王の言葉に俺様と玉龍が頷く。

奴に触れずに倒す手段。

唯一攻撃が通用するのが万聖龍王の大槍のみ。

なら俺様達がその一撃を与えるためにテューポーンの足止めをしてやらなきゃな!

俺様は蛟魔王の出すタイミングを見計らい、攻撃を仕掛ける準備をした。

もう、いつでも飛び出せるぜ!

しかし俺様達の考えには誤算があった。

テューポーンもまた俺様達を一網打尽にするタイミングを見計らっていたのだ。


「どうやら事が済んだようだな」


えっ?

その時、別の戦場で動きがあったのだ。

それは西の遺跡にあるもう一人の真蛇王エキドナが、ナタク達によって討伐されたのだ。


「エキドナぁー!オマエの魂は私が頂戴するぞぉー!」


突然、テューポーンが上空に向かって轟くように叫んだのだ。

その響きに俺様達は堪らず耳を塞いでしまう。

「い、一体何が起きたんだ!?」

俺様の問いに蛟魔王は冷や汗を流していた。

「抜かった。や、やられた」

「ソレはどう言う?」

玉龍が問い掛けると蛟魔王は叫ぶ。


「一時も時間がない!テューポーンに攻め込むんだぁー!」


その合図に俺様と玉龍は蛟魔王と共に同時に飛び出していた。

それは現在戦っている万聖龍王も一大事と緊張を高めてテューポーンに向かい大槍を突き出していた。

だが、俺様達は同時に強い力で弾き飛ばされたのだ。


「なぁ?何なんだ?こりゃ〜??」


テューポーンの頭上に魂が浮かぶ。

それは今、別の地でナタク達に倒されたばかりの真蛇王エキドナの魂だった。

「どうやら間に合ったようだな。エキドナよ?お前の無念とその魂、私が有り難く頂くとしよう」

そう言うとテューポーンはエキドナの魂を吸い込み共食いしやがったのだ。

テューポーンの身体から湧き出すように強力な蛇気が噴き出し、俺様達は桁違いの覇気を感じて金縛りに合った如く身動きが出来なくなった。


「かつて救世主の男によって失われた力を、エキドナを取り込む事で私は真に復活を遂げたのだ!アハハハハハ!これで私にはもう敵はいない。私こそ真の覇王!絶対無比の真王なのだ!」


そこに万聖龍王の大槍が突き出された。


「うぉおおおお!」


しかし瞳を見開いたテューポーンの眼光から灼熱地獄の業火が噴き出して万聖龍王を炎に包みながら弾き飛ばした。

「グッ、うわぁああ!」

全身を焦がしながら万聖龍王は痙攣しながら動かなくなる。

まさか死んだのか?

そこに追撃の業火が放たれる。

「あぶねぇー!」

俺様は飛び出して万聖龍王を抱き抱えて移動しようとした。

支える万聖龍王の血がぐっしょりと俺様の手に伝わり、このままでは危険だと分かる。

が、あれ?

突然、俺様は目眩がしてふらつく。

「どうした?孫悟空!」

テューポーンの業火から救ったのは応龍の盾で防いだ蛟魔王だった。

お、俺様の身に何が?

何が起きたと言うのだ?

そこで途切れるように意識が飛び俺様は倒れたまま動けなくなってしまったのだ。

「くっ!?」

蛟魔王と玉龍は動けない万聖龍王と俺様を庇いながら防御を張り灼熱地獄から守っている。

地面が業火で熔岩の如く流れて来る。

このままでは時間の問題。


「こ、このままでは!」


応龍の盾でも長くは保たない。

そんな時、玉龍が叫ぶ。

「蛟魔王様!そ、孫悟空さんを見てください!」

「こんな状況で何を悠長な・・・!!」

その状況に蛟魔王も理解出来ずにいた。

何故なら俺様の身体に異変が起きていたから。

俺様の身体が神々しく金色に輝いていた。

しかし俺様には心当たり無ければ意識もない?

けれど俺様はゆっくりと立ち上がったのだ。

そして呟く。


「ついに手に入れたぞ。孫悟空の肉体を!ようやく我が悲願が叶う。龍神族が世界に君臨し、新たな世界を我が手で創り出す時が!」


雰囲気も喋り口調も俺様とは別人?

しかもその俺様から発する魂の力に冷静な蛟魔王さえも目を見開き言葉を失い狼狽する。


「だが、その前に穢らわしい蛇神族を全てこの世から滅してやらねばなるまいな」


直後、俺様から放たれた覇気がテューポーンの業火を一瞬で消し去ったのだ。

な、何て力なのだ?この俺様?

けど俺様違うぞ?

本当に何者なのだ?

その別人と化した俺様の異様な力を感じてテューポーンも興味を抱く。


「何者だ?名を名乗れ!」


その問いに俺様は、


「名乗らずに名を問う無礼な奴よ。しかしお前の名を聞くに価しない。何故ならキサマは我が手によって滅されるのだからな」


そしてその正体が明かされたのだ。


「この私こそ天地を統べる真の王。

我が名は黄龍王であるぞ!」



えっ?黄龍王?

それが何故に俺様から?


その謎は次話に語られる。

次回予告


突然豹変した孫悟空は自らを竜神族の王


黄竜王と名乗ったのだ。


しかし何故?

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