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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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三蔵と孫悟空!その旅の意味?

孫悟空の前に死んだはずの恩師、三蔵法師が??


この試練は過去の体験?


俺様は孫悟空

俺様は時鏡の中でも青龍王と会った。

そこで青龍と契約するためには新たな試練を受けなくてはならないと言うのだ。

そして時鏡の目的場所へ飛び出た時、俺様はその目の前にいる人物に狼狽し混乱していた。


何故ならそこにいたのは・・・

「三蔵!!」


三蔵法師

その名を聞いただけで胸が苦しい。

締め付けられるように痛む。

三蔵は俺様にとってかけがえのない友であり、仲間。

俺様の魂を心を救い導いてくれた恩師だった。


けれど三蔵は・・・


俺様達と苦難や激しい戦いの日々を乗り越えながら旅半ばで命を落とした。

俺様は再び目の前を歩く三蔵の背中を見る。


夢?幻?それとも記憶の中にいるのか?

夢や幻なんかじゃねぇ!

確かに感じるのだ!

それに風に乗って来る草木の匂い。

俺様の屁。

さっき食べた饅頭もそうだ。

手にした感触に味覚。

三蔵の拳で殴られた時の頭の痛みに額から流れた俺様の出血。

まだズキズキする。

間違いなく本物や〜!


しかし分からない事もある。

今の俺様は転生したばかりの時の小猿の姿なのだ。

これにはどう言う意味があるのだ?

それに八怪と沙悟浄もいないようだ?

と、なると俺様と三蔵が一緒に旅をし始めた頃?


だが、それよりも・・・


俺様は擦り寄るように三蔵にすり寄り引っ付いてみる。

余りにも胸が高鳴る。

「おい?何のつもりだ?この馬鹿猿?」

そう言って三蔵は俺様の首根っこを掴み放り投げたのだ。

「何すんだよ〜?三蔵?」

「お前が気持ち悪い事するからだ!それより」

「ん?」

三蔵の視線の先に村が見えた。


そうだった。


俺様と三蔵はこの村に現れた妖怪退治をしに来たのだ。

と言うのも、俺様と三蔵は人間に悪さする妖怪を退治しては、その懸賞金で食い繋いでいたから。

この手配書には二匹の妖怪が喧嘩して大暴れしているって書かれていた。

はて?この手配書昔に見た覚えが?

「うっ!?」

その直後、俺様は急激な睡魔に襲われた。


えっ?あれ?


俺様は意識が突然戻ったと同時に、何者かに顔面をぶん殴られてぶっ飛ばされたのだ。

「うぎゃああ!」

そして建物に衝突し崩れ落ちる瓦礫の下敷きになってしまった。

それにしても今はどういう状況?

突然目覚めたら殴られた?

それに早朝に村に来たはずなのに今は昼過ぎ頃?

どうなってるんだ?

ん?それから?俺様を殴った妖怪は?

「あいつ見覚えがあるぞ?」

俺様は瓦礫から飛び出して三蔵の隣に降りる。

「猿?まだ戦えるか?」

「あたぼうよ!」

そして俺様は改めて退治する妖怪を見たのだ。

「何だ?突然出しゃばるって?オイラと奴の喧嘩を邪魔するなんてウザいパン!」

「そうだぞ!これはヤツと僕との問題だ!割り込んで来るな」

コイツらには間違いなく見覚えがある。


あの大柄の白と黒の熊に似た奴が、

パンダ王ジャンジャン!

そして小柄の黄色い奴が、

パンダ王レッサー!


どちらも同じパンダ王を名乗っている事で度々喧嘩していた狂暴な妖怪達だった。

確か昔、何とかした記憶はあるんだが?

うむむ?

どうやって解決したか覚えてないぞ?

「ジャンボパンダにレッサーパンダか。同じパンダでも似ても似つかないな」

三蔵が冷静に感想を述べる。

「お前らが喧嘩するのは勝手だが、何故人間の村でやり合う?もっと他の所でやれば良いだろ?」

三蔵の言葉に二匹のパンダ妖怪は顔を見合わせて不思議そうに答える。

「えっ?だって目立ってなんぼじゃない?」

な、何を当たり前風に答えてんの?

つまり人間に目立つように喧嘩しながら売名行為してたってわけか?

何てはた迷惑な連中だ。

「おい?猿!あの小さいのは任せるぞ?デカイのは俺がシメル!」

「えっ?あ、分かったぜ!」

俺様と三蔵は同時に飛び込むと、ジャンジャンとレッサーは仕方無しと迎えうつ。

「チビでも俺をナメるなよ?」

レッサーは素速い動きで俺様の周りを回転しながら接近して来た。

しかも妖気に電流を帯びて雷撃の塊と化していた。

しかし今の小猿の俺様に勝てるか?

何を言ってる?弱気な俺様はらしくねぇぜ!

「この石猿の俺様には並大抵の雷撃は効かねえ予定だー!」

そして突っ込んで来たレッサーをカウンターでぶん殴ったのだ。

そして三蔵も大型のジャンジャン相手に戦っていた。

ジャンジャンの拳を全て紙一重で躱している三蔵の動きは人間離れしていた。

「一撃でも当たればお前みたいな人間なんて!クソ!クソ!ジャンボパーンチ!」

巨大化した拳の一撃が三蔵に迫る。

「当たればどうにかなるのか?」

「!!」

三蔵は片手でジャンジャンの拳を受け止めると、もう片方の拳でジャンジャンの腹部を殴った。

その一撃は破壊力ハンパないのは、しょっちゅう殴られている俺様が痛いほどよく知ってるからな。

その後、崩れるように倒れたジャンジャンと、俺様が倒したレッサーを縄で縛って人間達に引き渡す。


引き渡された妖怪がどうなるかって?

まさか拷問で殺されたりするかって?

そこは一応お坊さんの三蔵によって慈悲はあるんだ。

退治し懲らしめた妖怪には特別な術を施し、人間達を二度と襲わせないようにさせる。

そして無害になるまで村の用心棒として働かせるのだ。

村の人間達も平和になった後に他の妖怪に襲われたらたまったもんじゃないから、

妖怪の用心棒なんて喉から手が出るほど欲する。

当然、邪悪な妖怪は討伐するしかないのだが。

「必要事項をよく読むのだ」

「ふむふむ」

三蔵は村の長に説明していた。


1 掴まれた妖怪を虐待しない事。

2 働いた分の食料を与える事。

3 住まいは与える事。


と、妖怪達にさえ慈悲深い温情が有るのだ。

だから妖怪達も人間との共存が出来る。

万が一暴れたとしても長に渡した札に向かって、「喝」と叫べば妖怪は大人しくなるのだ。

で、最後に三蔵は村から酒と金目の金品を仕事代として有り難く貰い、旅の資金とした。

そして俺様と三蔵は村を後にしたのだった。


あ〜本当に懐かしい。

これが三蔵と俺様の二人旅。

しかし待てよ?

この場所に俺様が来た理由がまだ意味不明だ。

何やら試練があるはずなのだが?

すると突然、三蔵が走り出したのだ。

「お、おい?三蔵?どうしたんだよ?」

「着いてこい!猿!」

「!!」

その目には焦りを感じているように見えた。

俺様は黙って三蔵を追う。

村からかなり離れ、さらに砂漠地帯に出る。

ここまで来ると人間は勿論、妖怪の人影すらない。

ん?まさか??

「くっ!?」

俺様はそこで気付いたのだ。

かなり離れた場所だが俺様と三蔵を追って来る者の気配を?

三蔵はこの気配を感じて誰もいないこんな場所にまで離れたのか?

つまり追って来ている者がそれだけヤバいって事だと分かる。

村を巻き添えにしないために。

けれど何だ?この妖気は?

違う!違うだろ?この気は!

「蛇気か!!」

嘘だろ?蛇神が追って来ているのか?

しかも全身鳥肌が立つヤバさ!

「どうやら追い付かれたようだぞ」

「そのようだな、三蔵」

俺様達の目の前に一人の蛇神が立っていた。

「とてつもなく強い魂をお前から感じた。どうやら俺は見つけ出したようだ。覇王生誕祭を邪魔をした蛇神の天敵である救世主を!ふふふ」

すると三蔵は答える。

「あの祭りの参加者か何かか?悪いがお前の事は記憶にないな?挨拶したか?俺?人違いではないのか?誰?お前?」

からかうような三蔵に蛇神は答える。

まさか顔見知り?


「あの日は騒がしかったからな?改めて名乗ろう。俺の名は真蛇王マダラ!お前を喰らい、その力を手に入れ、真の覇王として君臨する!」


し、真蛇王マダラだと?

俺様は太白の爺ちゃんから蛇神軍の組織図みたいのは話しで聞いてはいた。

覇王には直属の側近として白蛇の巫女がいて、八人の覇蛇と、その候補の六尾がいる。

現在はその殆どが誰かにヤラれたようだが。

そして覇王とは別の勢力があると聞いた。

それが真蛇王マダムと、真蛇男マダラの存在。

その二体は覇王の配下であると同時に、その覇王の地位を奪い世界を我が物にするつもりだと。

けれど何故、今、ここにマダラが?


そして今の小猿な俺様にコイツを倒せるのか?


俺様と三蔵の戦いが始まる!

次回予告


突如現れた真蛇王マダラ!


その脅威に三蔵と小猿の孫悟空はどう切り抜ける?

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