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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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孫悟空の試練!涙の再会?

太白金星の危機に現れたのは時の鏡の中で修行中の孫悟空だった。


孫悟空は力を手に入れられたのか?


太白金星の危機に現れたのは時の鏡の中で修行に出ていた孫悟空だった。

今、新たな力を手に入れた孫悟空が戦う!


「てめぇは俺様がぶっ倒す!」

「雑魚が吠えるな?」


牙流覇蛇は突如現れた孫悟空に対して敵として見做していなかった。

以前覇王に対して喧嘩を売った身の程知らずとしか認識していなかったのだ。

「俺が戦いたいのは、あの魔神族の男だけだ!」

それはつまり阿修羅の事を言っていた。

牙流覇蛇は拳に蛇気を籠めると、孫悟空と太白金星目掛けて蛇気の破壊波を放つ。

すると孫悟空は叫びながら唱える。


「聖獣変化唯我独尊・白虎!」


雷を帯びた白虎の鎧を纏い飛び上がると傷付いた太白金星を金斗雲に乗せると、

「行って来るぜ?そこで黙って見てろよ!」

それだけ言って牙流覇蛇に向かって行く。

「うおりゃー!」

孫悟空の雷撃の拳や蹴りに対して牙流覇蛇は片腕で受け止め返される。

その力量は掛け離れていた。

「その程度か?なら相手にならん!消えろ!」

牙流覇蛇の拳が孫悟空の身体を貫く!

「ん?」

しかし孫悟空の貫かれた身体は炎が燃え盛り姿が消えると、新たな聖獣の変化を唱える。


「聖獣変化唯我独尊・朱雀!」


今度は炎の翼を持つ朱雀の鎧を纏う。

「炎浄朱雀炎!」

燃え盛る業火が牙流覇蛇を覆う。

「燃えて消えろぉー!」

しかし、

「それが何だ?この俺の身体には傷一つ付かんぞ?雑魚は雑魚らしく消し飛び消えろ!」

牙流覇蛇の覇気が孫悟空を弾き飛ばすと、朱雀の変化が解けて元の姿へと戻った孫悟空は転がりながら起き上がらない。その戦いを見ていた太白金星は心配がおさまらないでいた。


「まさか何も成長出来ずに戻って来てしまったと言うのか?やはり成長期を超えてしまった孫悟空には潜在能力が残っていなかったのか?」


絶望と後悔。

こうなれば孫悟空が時間を稼いでいる間に阿修羅の「時鏡」を転送し、孫悟空をも逃がす手段を考えるしかなかった。


「おいおい?こんなんで俺様が負けるって本当に思ってるのかよ?冗談じゃないぜ?これは俺様にとってただのスキンシップだ!」

〈ウォームアップな?どこも被ってないじゃないか?意味わからん〉


そんなピンチの孫悟空にだけ聞こえる声が聞こえる。

それは知った声だった。


〈遊んでないで俺を使わせてやる。嫌々だがな?〉

その声に孫悟空は反論する。

「お前、何言ってるの?お前こそ仇を取ってやるんだから素直に俺様に使われろよ?」

〈お前、この俺を怒らせるな?仕方なくお前の中にいるのだと言うことを忘れるなよ?〉

「だ〜か〜ら!俺様の中に住まわせてやってるんだぜ?居候のくせに頭が高いんだよ!」

と、脳内喧嘩している相手は誰?


「何をごちゃごちゃ言っている!」


痺れを切らせた牙流覇蛇が五頭の大蛇を出現させて孫悟空目掛けて襲い掛からせる。

しかしその大蛇が孫悟空の前で弾かれたのだ?

「まさか?何をした!?」

直後、孫悟空から凄まじい覇気を感じる。

しかもその覇気は孫悟空の持つ妖気ではなく、別種の気を感じる?この気はまさか?

「龍気!?」

孫悟空から発する気はまさに龍神族の持つ龍気。

しかも青蒼と輝くオーラが姿を現す。


「嫌々ながら力を借りるぜ?聖獣変化唯我独尊・青龍!」


孫悟空の身体から出現した青龍が孫悟空を覆っていき、青龍の鎧を纏っていたのだ。

青龍が何故?

しかもその青龍は間違いなく、かつて孫悟空が苦戦し戦った青龍王。

しかし青龍王は蛇神軍の襲撃を受けて輝皇覇蛇によって倒され戦死したはず?


同時に孫悟空は思い出していた。

それは時鏡の中へと落下していく孫悟空。

中は異空間のような左右上下もない中で落下していく感覚だけが体感で理解出来た。

その時、声が耳元で囁く?

〈おい!起きてるのか?〉

その声はテレパシーであった。

「えっ?誰?お前?」

孫悟空の前にいたのは掌サイズの小さな青い龍だった。

しかも孫悟空を知っているようだ。

〈忘れたか?俺は青龍王だ!〉

「へッ?」

孫悟空は青龍を両手で掴み頬を引っ張ったり、尾を掴み振ってみたりする。

「ガブッ!」

怒った青龍が孫悟空の頭に噛み付く。

「あいててて!止め!止めろ〜!何故、そんな酷い事するんだよ?止めろよ〜」

孫悟空と青龍は暫く喧嘩した後。

「で?お前はあの青龍王で良いのだな?」

〈うむ〉

「でっ?何故に俺様の中にいたんだよ?」

〈それは、カクカク云々だ!〉

そこで孫悟空は龍神界と蛇神族の戦争があり、青龍王は既に戦死して事を知る。

「お前ほどの奴が負けたのか?そんなに蛇神族は厄介な連中なのか?」

〈少なくとも今のお前ではひとたまりもないだろうな?〉

「何だとぉ〜!!」

また暫く喧嘩する。

「で、話を戻すぞ?何故俺様の中にいる?」

〈それはだな〉

お互い傷だらけになりながら冷静に話す。

本来、四海龍王の中でも青龍王は古の契約で死んだ後に聖獣として第二の神生じんせいを送るのだ。

同時に認める主を選ばなければならない。

それは朱雀や白虎、今は眠る玄武と同じく。

そこで青龍王は他の四聖獣の王が宿主と決めた孫悟空の中に現れたのだと言う。

〈多少なりとも俺と戦い手加減したとはいえ、そこそこ健闘したようだったからな?お前は〉

「バーカ!何言ってんの?あれは俺様の勝ちだろ?一回死んで寝惚けてるのか?アホんだら!」

「やはり一度完膚なきまでに叩きのめさないと分からないようだな?」

そう言って再び喧嘩した。


顔を掴み合い、一端おさまった後、

「こんなん所でお前と喧嘩してる場合じゃないかった俺様!分かったよ!お前の力を借りてやる。そんでお前を殺した蛇神を倒して仇をとってやるよ?それで良いだろ?」

〈残念だが俺を殺した蛇神は既に倒されている。蛟魔王と玉龍にな?〉

「そうなのか?ならどうしたら良いんだ?俺様?」

〈忘れたのか?聖獣を手に入れるために必要な儀式の事を?〉

「あっ!」

既に手に入れている朱雀と白虎、それに今は眠りについている玄武の時にもそれぞれ儀式はあった。

それは試練と呼ばれるもの。

「なら俺様はお前の試練を受ければ良いんだよな?だったら直ぐに試練受けさせろ!そしてお前の主になったら少しは俺様に優しくしやがれ!」

すると青龍は空間の歪みを指差す。

そして説明した。

〈今からお前はこの時鏡の出口に出る。そこでお前に試練が待ち構えている。そして選択する事になるだろう〉

「えっ?ソレってどう言う?」

直後、身体が引っ張られるような感覚になり平衡感覚が分からない世界で落下していく。



「う、うぅわぁあああ!」



闇の世界に光が見え、そして眩しさで瞼が開かない。

徐々に身体の感覚が馴染んで来た時、突如頭に強い衝撃を受けたのだ。

「うぎゃああ!」

それは拳骨?

あまりの痛さに涙目になり、自分を殴った相手に怒りを感じて飛び掛かろうとする。

「えっ!?」

力が思っているように出ない?

しかも手足が短いような?

それでいて懐かしい感じがする?

その時、孫悟空は自分の姿の異変に気付く。

「何じゃこりゃ〜??」

孫悟空の姿は人の姿ではなく小猿の姿だったのだ。

しかもその姿は間違いなく孫悟空。

何故なら孫悟空は転生したばかりの頃は今のこの小猿の姿をしていて、旅の中で転生変化を遂げて尾のある人の姿をしていたのだから。

けれどそれより今は孫悟空は自分を殴った奴に仕返しをしなければ腹の虫がおさまらなかった。

「いっぺん死なない程度にぶん殴る!」

が、自分が殴ろうとしている男の正体が目の当たりにした時、戸惑いと混乱で拳を躊躇した。

その隙に再び拳が向かって来て地面に叩き付けられたのだ。

「ふギャにゃ!」

が、直ぐに顔を上げて再び相手の顔を見て、あまりの衝撃に涙を溢れさせる。

そして抱き着くように飛び付いたのだ。

その男の名を叫びながら!


「さんぞぉ〜!!」


そしてオイオイ泣きながら涙する。

「何だ馬鹿猿?頭の打ち所が悪かったか?気持ち悪い!もう一度殴って直すか?昭和のテレビを直す要領で?」

それでも孫悟空の真剣な涙に戸惑う男。

高僧の格好をした人間であった。

その男の名は三蔵法師。

かつて孫悟空や八戒、沙悟浄と共に旅をし、様々な試練の中を共に戦い友情を結び合った。

友であり、師。

それが三蔵法師であった。

しかし三蔵法師は旅の途中で目的を果たせぬまま無念の死を遂げた。

はずだった。



コレは夢?記憶?幻?

孫悟空はいったい何処に来てしまったのか?

謎が深まる試練へと続く。

次回予告


孫悟空の目の前には死んだはずの三蔵がいた。


孫悟空の試練とは?

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