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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
34/711

百魂刀~再戦~


源義経と弁慶の転生者の物語。


それは、百話ある物語の総集編だった?


過去の私は弁慶だった…


今の私は百瀬恵!


前世の私の魂には人ではない力が宿っていた。


そして義経と頼朝の間の歴史上の争い、それは私の一族が招いていたもの。


だけど、その巻く引きはしたはずだった…


私と義経様の死。


だけど現世にて私の封印が弱まり、刀剣一族の半魂を奪われた者達が転生者となって、半魂の刀を奪いに来たの。


私は義経様の転生者である天野九郎(義経)と一緒に現世にて新たな百魂刀集めをする事になった。


私と義経は各地を歩き回り、一つ一つ刀を手に入れていく。


「百魂刀・夢」の時に助けてくれた聖太子さんと、その紹介で総本山の安倍晴明様の協力を得て私達の旅は楽になった。


そして残り一本になった時に、私達の前に再び現れたのは…


源頼朝様の転生者


「待っていたよ?弁慶…漸く君を私の女にする事が出来ようぞ」


彼は若き警察官長官として私達を通り魔殺人容疑で指名手配にし追い詰めていく。逃げ場を失いつつ、あの平泉の地にて警察官に囲まれた私と義経は、頼朝様と対峙した。


「もう終わりだ?諦めて身柄を任せるが良い」


私と義経は疲労した身体で傷付き、銃を向けられ、荒れ狂う海の断崖絶壁の崖の間際に追い込まれ逃げ場がなかった。


「もう終わり?」


照らされる照明の中、私が諦めかけた時、義経は笑みを見せて言った。


「お前は二度と離さない。だから俺を信じろ?」


銃口を向けられたまま義経は頼朝の前に出る。


「生まれ変わっても俺達を狙うのですね?兄さん…」


「義経、お前は私が欲しかったモノを奪った。お前がいる限り、私に未来はないのだ」


「奪った?何を?富も権力も全て兄さんは持っているじゃないか?」


「ふっ…そんなものは私にとっては些細なもの。私が欲しかったのは…」



頼朝さんが指差したのは?


「えっ?」


私だったの。


「私は魔剣の記憶で弁慶を知り、その美しさに心を奪われた。しかし弁慶の心は義経!お前にしか向けられなかった。義経に妻を与え引き離そうとしたが、それでも心は揺るがず…」


それは嫉妬…


執着…


憎悪から殺意へと…



「だから義経、お前を前世で消した…はずだった。しかし私もお前の手にかかり、その魂を封じられた」


しかし!


私が転生し封印が弱まったために、封じられていた頼朝様も現世に転生し、私達の前に再び現れた。


「義経よ、今度こそ弁慶は私が貰うぞ!」


頼朝様の銃弾が義経様に発砲された時、義経は私の…


「ヒャッ!」


胸を鷲掴みにしながら百魂刀を抜く。


って、いつも突然やるから…もう!


義経様は銃弾を刀で両断すると、そのまま頼朝様に向かって駆け出す。


頼朝様は自らの魂から私達の刀と同じ百魂刀を抜く。


頼朝様の魂には私の祖父の魂が封じられている。祖父は同族全ての刀を身に宿していた特殊な存在だった。その祖父の力を頼朝様は自由に使える。


私も戦わないと!


私も自分の魂から刀を抜き出すと、頼朝様に義経様の援護をする。



「弁慶よ、邪魔立てするな!直ぐに私のものにしてやるぞ!」


「私は物じゃないわ!それに、この百魂刀は私が決着を付けなきゃいけないの!」


私は前世の記憶で身体が無意識に刀の使い方を知っていた。それでも頼朝様は私だけでなく義経様をも凌ぐ力を持っていたの。


すると茫然と見ていた警官達が私達に銃口を向ける。


「動くと撃つぞ!」


すると義経様が再び私の胸を鷲掴みにしながら新たな刀を抜き、警官達に向かって人降りした。


百魂刀・操


かつて収集した百魂刀の力で警官達は魔力に操られて動かなくなった。


「俺達の戦いに邪魔すんなよ?お巡りさん!早々にこの場より消えよ!」


すると警官隊は一人一人何かに誘導されるかのようにこの場から消えていった。


そして義経様は再び頼朝様と刀を交える。


「永き因縁に決着をつけてやる!」


「お前の死を持ってな!」


激しい斬り合いに私は飛び込む隙がなく見守るしか出来なかった。


「義経…」


「恵!安心しろ?必ず俺が守ってやる!」



頼朝様は百本刀を全て出せるのだけど、義経様は私から刀を抜くしか出来ない。


「百魂刀・炎」


頼朝様の刀から炎が渦を巻いて来ると、私は自らの魂から刀を抜き、義経様に向かって投げる。


「百魂刀・凍」


炎と氷が大地を分ける。


「百魂刀・斬」


人降りで無数の斬撃が降り注ぐと、義経も刀を抜く。


「百魂刀・曲」


円を描くように刀を振ると上空の斬劇が全て軌道が代わる。


そこに頼朝様が突きかかる。その手にしていた刀は?


あれは?


あの刀は私達が唯一所持していない…百本目の刀。


私の祖父が異種の力を持った人間を倒し得た魂の刀!


その刀からは異様な力を発して、私達の魔剣から力が消えていく?



「まさか刀が消えた?」


私の魂より召喚した魂の刀が光となって消える?魂を無にする能力なの?


「ふふふ…あはは!義経!手にする刀がなければ無力としか言えぬな?この前世の兄である私がお前に引導を与えてやろう!」


頼朝様が義経様に斬りかかる。義経様は紙一重で躱しつつも、少しずつ身体に傷が残り、血を流す。


それでも義経様の目からは戦う意思は消えてない。


このままでは!


私は二人の間に飛び出した。


何があろうと、私が義経様を守る!


それは前世の弁慶としての記憶がそうさせたわけじゃなかった。


初めてバスで腕を掴まれ、この現世で再び廻り合い、共に刀を集める旅をするうちに、私は貴方を!!


頼朝様が義経様の頭上から斬り下ろした時、私はその間に割って入った。


「!!」


私は死を覚悟した。


その時、頼朝様が叫ぶ。


「馬鹿者ぉー!」


「恵ぃー!!」


刀は私の額に触れる寸前で頼朝様は軌道をかえ、その僅かな隙に義経が私の襟を引っ張り後ろに転ばした。そして今の一瞬で私から新たな百魂刀を抜いて…


突き出した刀は頼朝様の心臓を貫いた。


「くっ…」


「頼朝兄さん…あんた、恵を庇ったのか?」


「当然だ…二度と私の目の前で…死なせたりはせん…」


私は言葉が出なかった。


頼朝様もまた私を本気で愛していた。しかし、私は義経様を…



「…だが、私は決してお前の手で葬られはせんぞ?義経!私とお前の戦はまだまだ終わりはせんぞ!」



頼朝様は自らの刀を地面に突き刺すと、大地が揺れだして崖が崩壊し始める。


「恵!ここは危険だ!」


「えぇ!」


『百魂刀・鎖』



義経と私は崩壊していく崖から頼朝様が消えていく姿を見届けながら、刀から伸びていく鎖にしがみつきながら命からがら命拾いしたの。



それが私と義経の旅の記憶。



その後、人ではない私達は行き場を無くしている所を総本山の晴明様に救われ、総本山に身を置く事になりました。



そして今、


私と義経の前に鎧武者達が斬りかかって来る。私も義経も百魂刀を使い鎧武者達を薙ぎ倒す。


身体中から刃を出現させて舞うように戦う私に、私から出た百魂刀の力を使い圧倒する義経。まさに私達は無敵に思えた。だけど…


私達を門の上から見下ろして見ている者がいる。


この門を守る門番、森蘭丸!!


確か信長の小姓とか歴史で習ったけど?



すると蘭丸はニヤニヤ笑いながら私達の前に飛び降りて来たの。


警戒する私に、蘭丸は突然目の前で苦しみ出した。そして再び顔を上げて私を見た時に思ってもみない言葉をかける。


「久しぶりだな?弁慶?」


弁慶?


どうして私の事を?


義経が私を庇うように刀を構えて前に出る。


すると蘭丸は私達の目の前で、


『百魂刀・影』


蘭丸の足下から影が伸びて来て私達の足下にかかると、身動きが取れなくなった。


「うっ?動けない?」


「それより、どうして百魂刀を?」


蘭丸は信じられない事を告げる。


「漸く会えた…この器に私の魂を移した事はある」



すると、幼い少年の姿が私達の目の前で成長していき、私達がよく知る頼朝様に姿を変えたの!


「馬鹿な?兄さんは死んだはずでは?」


「私は死にはせん!」


あの日、頼朝様は崖から転落し海を流されながら漂流し流れついた場所は果心居士の隠れ家だった。そこで門番の肉体になる器に戦国武将の魂を与えられる前に、自ら刀の力を使って先に憑依したの。何も知らない果心居士は森蘭丸の魂を器へと移したけれど先にいた頼朝様に魂を消されて宿る肉体を奪われた。


「お前達に復讐するために再び現れたぞ?義経!」


「そうか…なら、今度こそは確実に冥土に送ってやるぞ!」


義経様は寸前で抜いた百魂刀を指から落とすと、刀は地面に転がり、


「!!」


突然閃光が走った!


『百魂刀・光』


光は私達を縛る影を消し、解放された私と義経様は再び現れた頼朝様に刀を向ける。


「あの日と同じだな?だが、一つ違う事がある…」


「違う?」


「そう。今の私にはもう情けはない。義経!否、弁慶!お前にも等しく死を与えよう!」


「頼朝様…」


「あの日、私はお前への未練から躊躇したために、殺された。だが、今の私は復讐のために蘇ったのだ!覚悟するがよい?今日こそお前達の命日だ!」


「俺は…恵を守ると言った。必ず兄さんを倒して生き残ってやる!」


頼朝様のカミシニの剣の前に、私の出した百魂刀は次々と消えていく。


そして、ついに私の出せる百魂刀が尽きてしまった。


「義経ぇー!」


私の呼び掛けに義経様は頷くと頼朝様に向かって叫ぶ。そして、


「頼朝兄さん…これで終わりだ…」


「そうだ。お前の死で全てが終わる!」



頼朝様が上段から義経様にカミシニの刀を振り下ろした時、


「!!」


その刀は義経様の持つ新たな刀によって止められた。


「馬鹿な?どうやって私のカミシニの刀を受け止めた?百魂刀は全て消えてしまうはず?」


しかし、


「忘れてはいないか?百魂刀の起源を?」


「なぬ?」



そう。百魂刀とは私の前世であった刀剣の精霊であった刀剣一族が、カミシニの男を斬った事でその血に呪われ、暴走した百人の同族の魂の結晶が起源。


つまり?


「この百魂刀はお前が破壊した99本の百魂刀の塊。百魂刀には一本一本に僅かにお前達の血の呪いが籠められていた。つまり貴方がその刀を叩き直し、新たな百魂刀を産み出したのだ!」


それは一つの賭けであり、奇跡の産物。義経様は以前の戦いの時に一本の百魂刀が破壊された時に気付いていた。一本刀は失ったにも関わらず、その全体の魔力が消えてなく、更に他の百魂刀の魔力が逆に上がっていた事に。


「だから兄さんに全ての99本の百魂刀を破壊させてみた。正に賭けであり、根拠はあっても上手くいくとは思っていなかったよ…そして、この新たに産み出されたのが百魂刀最後の名刀!」


「まんまと食わせられたようだな?この私が!」


互いにカミシニの力を持つ刀を構える。



後はもう、二人の腕のみ!



「あはははは!お前は私が言わずとも全てが思い通りに動くとはな?実に愉快だ!」


「何を言ってるんだ?ここまで来て負け惜しみか?兄さん!」


「直に解る。この私の真の目的がなぁ?ふふふ」



互いの刀が交差する中で私は見守っていた。


この戦いに私はもう入り込む事は出来ないと思った。


因縁の戦い…


「頼朝ぉー!!」


「義経ぇー!!」


互いの刀が激しくぶつかり合い、その斬激が大地を削りながら一帯が崩壊し、果心居士の作った結界に亀裂が入る。門番が守るべき門までも崩れ落ちていく。



すると頼朝様が呟く?


「これで道は開いた…」


「えっ?」


その直後、結界から晴明様率いる総本山の皆が抜け出て来た。同時に空が割れて富士の頂きから魔城本能寺が姿を現す。


「まさかスパイが入り込んでいようとはな?」



その声は果心居士だった。


次回予告


物語は再び、本編へと?


法子が語る百魂刀の最終話

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