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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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逃走の双生児!


金角児、銀角児の前に現れたのは蛇神・妖輝覇蛇であった。

その脅威に二人は逃走を選択する。


金角児、銀角児の前に現れたのは蛇神・妖輝覇蛇であった。

その脅威に二人は逃走を選択する。

逃走中の二人の姿は金色と銀色の狼の姿へと変化してかけていた。

追手の蛇神兵が襲い掛かる中、足を止めずにいた。

「雑魚が調子に乗りやがって!」

攻撃を仕掛けようと足を止めようとするが金角児がそれを抑止させる。

「放って置け!今は先へ急ぐぞ!」

「分かったよ。金角児」

二人が向かっている先には意味があった。


金角児と銀角児は既に手負いだった。

逃げる最中、追いつかれた妖輝覇蛇と一戦交えていたから。

そして敵わないと判断したのである。

そもそも金角児と銀角児の実力は今の地上界では指折りの実力者。

神気と妖気の融合した神妖気を持つ特殊な妖怪でもあった。

既に逃げ場を塞ぎ襲い掛かって来た五十メートル級の蛇神すら難無く倒しているのである。

しかし妖輝覇蛇に対しては傷一つ付けられずにいた。

それどころか半殺し状態にされ、それでも相手の隙を付いて何とか逃げおおせていたのだから。

「無茶苦茶な奴だ!あんな奴にどうやって戦えば良いんだよ?金角児?」

「・・・」

二人は思い出す。

妖輝覇蛇と相対して二人は連携の氷術で翻弄しながら鋭い爪と牙で斬撃を繰り出し倒したかに思えた。

妖輝覇蛇は全身を斬り裂かれ、間合いに入った金角児に心臓を掴まれる。

勝負あった。

にも関わらず、妖輝覇蛇は平然とニヤニヤと笑いながら腕を伸ばして来る。

き、危険!?

野生の感が働いた。

「!!」

金角児は咄嗟に突き出した腕を引き抜き後方へと飛び上がり距離を取ると、自分の掴んでいたはずの妖輝覇蛇の心臓を見るけれど跡形もなく消えていた?

「一体?どうやって?」

妖輝覇蛇は何事も無かったかのように二人を見ていた。

そこに銀角児が頭上に冷気を籠めると氷の鎖大鎌が出現して振り回す。

「これならどうだぁー!」

そして妖輝覇蛇の身体を胸元から切り裂く。

妖輝覇蛇の身体は一撃で真っ二つに両断された。

「どうなってるんだ?」

そこで金角児は気付く。

銀角児の鎖大鎌はまるで擦り抜けるように妖輝覇蛇の身体を通り過ぎたのを。

幻影?残像?

確かにそこに気配も存在も感じる。

確かにソコに妖輝覇蛇はいる?

にも関わらず、そこにいる妖輝覇蛇には繰り出す攻撃が全て擦り抜けてしまうのだ。

すると妖輝覇蛇は二人の困惑に気付き笑いだす。

「あははは!何よ?鳩が豆鉄砲くらったような顔をして?攻撃受けてるの私の方よ?坊や達?うふふふ。そろそろ教えてあげるわ」

妖輝覇蛇は自分の正体を惜しげる事なく喋る。


「私は誰にも捕らえられないし、誰にも殺せないのよ。何せ私には実体がないのだから!」


実体がない?


話は遡る。

魔導覇蛇の手下である握手九蛇との戦い。

握手九蛇の能力は「見えない幽手」なる奥義を持っていた。それは受け止める事も防御を許さずに相手を攻撃する必殺技。幽体の手が相手の防御を擦り抜け内部(内臓)を直接掴んで殺す恐ろしい術。

そして妖輝覇蛇も心臓を掴まれたのだ。

しかし幽体の手でも妖輝覇蛇を捕らえる事が出来なかった。

まるで空気を握るように徒労に終わる。

「ならば存在全て消し去る!」

握手九蛇は渾身の蛇気を凝縮させて妖輝覇蛇に向かって放つと、山一つ吹き飛ばしたのだ。

「!!」

しかし目の前には傷一つない妖輝覇蛇が立っていた。

握手九蛇にはなすすべが無くなった。

「ふざけるな!こんな奴をどうやって倒せると言うのだ!」

次第に恐怖を感じ背中を見せ逃げようとした所を、

妖輝覇蛇の身体が煙のようになって握手九蛇の口や目からと入り込み、体内から魂を喰らう。

それが妖輝覇蛇の能力。

実体の無い殺す事が出来ない化け物なのである。


「私は正真正銘不死の覇蛇。この私の美しさには誰一人傷一つ付けられないのよ」


それは他の蛇神の不死性とは異質の不死能力。

再生や魂の補充と言った能力ではなく、殺せないと言う正真正銘の不死の能力者だった。

妖輝覇蛇はその性格ゆえ見た目の派手さ以外で目立つ事がなかったため、能力も実力も他の覇蛇達からも謎であった。しかしこの能力が他の覇蛇達に知れ渡っていれば実力の相関図が変わって警戒されていたに違いない。そして今、その妖輝覇蛇に目を付けられた金角児と銀角児に逃げ場はなかった。

「何処に逃げようと無駄よ?貴方達は私に唾を付けられたのだから」

妖輝覇蛇は妖気探知に長け、二人の妖気を一度吸収した事でどれだけ離れた場所へと逃げようが居場所を手に取るように感じ取っていた。

「ほぅら?爆破よ」

妖輝覇蛇の妖気が噴き出すように広がっていく。

「う、嘘だ?こんな莫大な量の妖気有り得ない」

「油断するな!防御壁を張るんだ!」

「アッ!!」

銀角児に金角児が庇う様に防御壁を張ると同時に、妖輝覇蛇の充満した妖気が爆発を起こした。

衝撃に飲み込まれながらも二人は炎上する一帯から満身創痍ながらも逃れられたのである。



そして今、二人は狼の姿で妖輝覇蛇の手下達に追われながら遠く離れた場所へと逃走していた。

その目的地は?

「アソコにさえたどり着ければ!」

二人が向かっている場所は隠れ家だった。

しかも狼妖怪金角と銀角の。

そもそも金角児と銀角児は天界から落ちて来た天界神の赤子が自分達を喰らった妖怪の体内で成長した

半神半妖。そして体内に潜みながらも肉体の主だった狼妖怪を精神下で操っていた。

力を与え、天界へと導き、天界の宝を強奪させた。

金角と銀角は己の意思と力だと信じて疑わなかった。

しかしその力を持ってしても敗北し死んだ金角と銀角の屍の中より再び生誕したのだ。


それが今の金角児と銀角児。

そして今向かっているのが金角と銀角が天界で盗み手に入れた財宝の隠してある隠れ家だった。


その財宝とは?

そして妖輝覇蛇を討ち破る事が出来るのか?

次回予告


金角児、銀角児の妖輝覇蛇を倒す手段とは?


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