氷結の双生児!
物語はまた新たな展開へ?
戦場は各地で起きている。
覇王の手下が数多く地上界を荒らし回り、人間から妖怪、天界から降りて来ていた天界神や精霊聖獣全てが獲物であり、狩られる対象だった。
そしてこの地でも。
この場所は氷河地帯となっていた。
それは氷系妖怪が数多く生存し、この地を統べる妖怪の王も氷を使う狼の妖怪。
氷の城が塔のように聳え立ち、難攻不落とも思われていたが蛇神兵達の侵入を許していた。
既にこの地を守護していた氷妖怪達は蛇神兵の手にかかり全滅間もなくしていた。
「お、おのれぇええ!蛇ガァア!」
雪だるまのような巨大な妖怪が蛇神兵を相手に交戦していた。
太い腕を振り回し、踏み付けるように蛇神兵を寄せ付けなかったが、
「うぉがぁああ!」
しかし蛇神兵達の蛇気弾が雪だるま妖怪の身体を貫通して蒸発しながら消滅してしまった。
「ふふふ。残るはこの扉の先の氷の王だけだぜ」
目の前には見上げる程の氷の扉が道を塞いでいる。
そこに五十メートル級の蛇神兵が二体で左右から扉を掴み力任せに開かせる。
徐々に開かれる扉の間から冷気が漂って来た。
そして同時に蛇神兵達が我先にと入り込み、中に居るであろうこの城の主に遅い掛ける。
蛇神の猛襲。
決着は一瞬でかたがついた。
扉を抜けると同時に極寒の冷気が吹き荒れ、その中に足を踏み込んだ全ての蛇神兵は凍り付き息絶えた。そしてその先に人影が一つ、否二つ?
「蛇神がナンボのもんだよね?金角?」
「僕達を相手に汚い足を踏み込んで来るなんて命知らず。いや?蛇にも足あるんだね?銀角」
二人は人の歳で見れば16歳くらいの少年。
額に一本の角。
見た目そっくりな二人は双子の妖怪。
しかし唯一の違いは片方は金髪で、もう片方は銀髪の少年妖怪。
名を金角児、そして銀角児と呼ばれる大妖怪。
その出生は特異で、天界から落ちて来た神族の赤子を狼妖怪金角、銀角が喰らった事で桁外れの力を手に入れた。しかしその狼妖怪も過去に孫悟空によって倒されたのだ。
けれど終わってはいなかった。
喰われたはずの赤子の魂は狼妖怪の体内で生き残り、妖怪の悪しき魂と混ざり合い新たな大妖怪として誕生したのだ。
それがこの金角児と銀角児だった。
しかし蛇神は並の妖怪とは違う。
凍り付いた蛇神の中より蛇気を高めて蘇って来た者達もいた。
「ギャハハハ!俺達蛇神に妖怪如きが勝てると思っているのかよぉー!」
しかし金角児と銀角児は不敵に笑う。
「気付けよ?ば〜か!」
銀角児は指差すと、
「えっ?」
復活した蛇神兵達は自らの身体が両断されている事に気付く。そして細切れになって粉砕した。
蛇神兵は金角児と銀角児によって一掃される。
「!!」
しかし二人は接近して来る気配に気付き身震いした。
「何か来るよ?」
「あぁ。何なんだ?この蛇気の量は!」
すると凍てついていた塔の氷が蛇気に当てられて溶けていく。そして扉の先に蛇神が立っていたのだ。
その気配から並の蛇神とは比べ物にならない桁違いの存在感を醸し出す。
その姿は化粧をした個性的で派手な姿をしていた。
「あ〜ら?可愛いらしい僕ちゃん達ね〜」
その容姿と喋り口調から女性かと思われるが、見える胸元から男だと判断出来るだろう。
「うふふ。今から僕ちゃん達を私への生贄しま〜す。嫌なら逃げても良いのよ?」
その殺気が放たれた時、金角児と銀角児は同時に感じる。
野性の本能が告げる危機的回避を!
同時に背後の壁に妖気を放ち破壊すると、そこから脱出するかのように塔から飛び降りる。
「良いわ〜狩りの、鬼ごっこの始まりよ〜!」
余裕綽々と二人が立ち去り消えた方向を見ると、
「みぃつけた~」
金角児と銀角児の妖気を感じ取っていた。
この蛇神の名は妖輝覇蛇。
神出鬼没で謎に包まれた覇蛇で、軍駝覇蛇を唯一の友と呼び、その実力も不明だった。
しかし唯一の戦歴としては魔導覇蛇の手下であった握手九蛇を返り討ちにしている事から、決して油断は出来ないとは思われる。
今、この妖輝覇蛇が地上界に残る実力ある妖怪狩りが始まったのだ。
次回予告
妖輝覇蛇が迫る中、金角児と銀角児は逃げ延びれるのか?




