光り輝く金禅子の魔眼!真蛇王エキドナの最期?
ついに真蛇王エキドナとの最終決戦!
私は法子。
金禅子の告げる真蛇の能力の秘密。
それは覇蛇の血の能力と同意。
その血は全能の覇者たる降しの力!
「お前達は気付いてないだけだ。確かにあの蛇神は力がある事は間違いない。しかし倒せないとは思わん。この俺が奴の能力を抑えてやればだがな」
覇王とは万能者の事。
その血の前に抗う事叶わず力を奪われる。
い〜え、奪われるとは違う。
力が萎縮して使えなくなるの。
それは本能的に上位種に対して無意識に力を抑えられてしまう。
それは気力で抵抗しても無駄!
神族も魔神も妖怪、人間までこの星に生存する全ての者が真蛇の血の前に力を失うの。
唯一抵抗する手段は同意種の高位な血統。
先に輝皇覇蛇が真蛇の能力に覚醒した。
抵抗出来たのは蛟魔王や覇王と戦った応龍。
二人が真蛇の力の前に同等に戦えたのは蛇神族と同意高異種の龍神族の血統だから。
しかし異例があったの。
真蛇の天敵である金色の魔眼の能力。
「つまり俺の前で(実際は金色の魔眼の能力)真蛇の血も覇王の降しの能力も通用せん!」
金禅子は金色のオーラを全身から発するとその掌に集約させる。
だけどだけど、つまり蛇神相手に戦えるのは金禅子だけって事になるの?
すると金禅子は叫んだの。
「お前達、そろそろ準備が出来たなら前へ出ろ!いつまで俺を働かせているつもりだ?あぁ〜?」
エッ?何言ってるの?
すると足音が響く?
「お、おい?」
それには金吒さんも恵岸行者さんも驚く。
金禅子の前に手下の妖怪達が前へ出て真蛇王エキドナに向かって戦うつもりだったから。
そしてナタクの治癒を終えた霊感大王も立ち上がると、
「私も向かいますかねぇ~」
「お前もか?」
「当たり前です。なにせ私達は金禅子様の手足ですからね」
しかしそれは無謀じゃないの?
まさか金禅子の奴は手下を使って?
「何じゃ?妾を相手にその虫ケラを時間稼ぎに使い、お前は逃げるつもりかえ?」
確かに手下の妖怪達では荷が重過ぎるわ。
「俺が逃げるだと?お前如き、俺の手足だけで十分だと思ってな?そう言うわけだ!」
それ本気で言ってるの?
すると九頭駙馬、霊感大王、混世魔王、黄牙白象、九霊元聖、百眼魔王、黄眉大王が妖気を全開にまで解き放ったの。妖気は地を揺らし激しい妖気が攻撃的にエキドナにのしかかる。
突如、格上のエキドナに畏怖する事なく戦う金禅子の手下達はどういうつもりなの?
まさか本当に時間稼ぎ?
それとも他に何か策があるの言うの?
「やってやるぜぇ〜!」
同時に飛び出してエキドナに攻撃を繰り出す妖怪達。
しかしエキドナの真蛇の力の前に動きを止められ力を失って・・・いかなかったの!?
「獅子九の妖撃!」
九霊元聖の繰り出した拳は獅子の形をした妖気を放ちエキドナを正面から攻撃する。
「うぬ??」
しかも左右から、
「勝棍討!」
混世魔王の凄まじい棍棒の突きが繰り出され、さらに逆側から九頭駙馬の右腕が巨大化して分殴る。
「おのれぇー!虫けら風情がぁああ!」
左右の攻撃を左右片手で受け止める。
「あら?正面がお留守ですよ?」
その前方で霊感大王が地に掌を置き、大地を廻る地脈から龍気を吸い上げていたの。
「地脈気功術!」
その掌から放たれた気功波が無防備となったエキドナに直撃して全身を焦がす。
「うぎゃあああ!」
堪らず掴み押さえていた左右の混世魔王と九頭駙馬を振り飛ばし、顔を見上げようとした時!
「魔眼・武装百眼」
百眼魔王が妖気を解放すると全身の魔眼が開き禍々しい妖気を纏い突っ込んで来ていたの。
エキドナはまさかの妖怪達の攻撃に動揺していたその時、背後から黄牙白象に羽交い締めにされる。
「ぷふぉおおおおお!」
そして百眼魔王の突きがエキドナの心臓を狙う!
「させてなるものかぁーー!」
エキドナは全身から覇気を纏うと力づくで黄牙白象の掴んだ腕を払い除け、百眼魔王の突き出した手刀を寸前で躱したの。しかし首元を掠り、血飛沫が噴き出す。
「うぎゃあああ!痛いわ〜!痛い!」
それは金禅子に受けた傷と同じくエキドナの傷が再生がしなかった。
「そんな馬鹿な事?何故じゃ?妾に傷を負わすなんて、合ってはならないわ!まさか?コヤツ(百眼魔王)もメシアの力を??」
すると百眼魔王はニヤリと笑いながら答える。
「残念だな?魔眼使いの俺だって欲しかったよ!金色の魔眼はな。けれど救世の力は俺には手を余す力だった」
それは以前、金禅子の寝室に忍び込み眠っている間に金色の魔眼を奪うべく魔眼移植の術をかけようと試みたの。しかし金色の魔眼は百眼魔王を受け入れずに危なく命が失いそうになった事を思い出す。
「俺には分かる。あの魔眼は意思を持ってやがった。この俺を飲み込もうとしやがった。あんな恐ろしい魔眼を手懐ける金禅子は間違いなくお前以上のイカれたバケモ・・・ぐはぁ!」
言い切る前に背後から金禅子の投げた石が百眼魔王の後頭部に命中し出血し、痛くて頭を抱える。
「うるせぇ〜よ!」
その直後、エキドナは気付いたの。
突然、金禅子の手下の妖怪達が強くなった理由?
強くなったように感じた理由を!
今、エキドナを刺すように睨みつけている金禅子の金色に輝く魔眼が今この時もエキドナの真蛇の血の力を抑え付けている事に。真蛇の力を抑え込まれさえすれば、手下達の力でもエキドナに通用する力を持っていたから。しかし同時に金禅子はエキドナの能力を抑え込む魔眼の力を発動し続けている事で自らは攻撃出来ずにいたの。そのため手下達に攻撃をさせるしかない事に気付いたの。
「うふふ。つまりあの魔眼の男を先に始末さえすれば良いだけのことなのね」
「チッ!どうやら気付いたようだな。ソッコー畳み掛けていれば難なく倒せたのに・・・」
つまり今の金禅子は無防備だったの。
「だからこそお前達がいる」
金禅子は手に扇子を手にすると左右上下と動かしながら指示をする。
同時に手下の妖怪達が素速い動きで連携を取り、エキドナに攻撃したの。
その動きはまるで金禅子自身のようだった。
金禅子は自分の分身として手下の妖怪達を手足のように使い、そして手下の持つ特殊能力を有効活用しながらエキドナを追い詰めていく。
「虫がウロチョロ飛び回って!小賢しい!目障りじゃ!妾の前から消え去れぇー!」
それでもエキドナの力は能力こそ失えど衰える事なく手下達の攻撃を受け止め、躱し、攻撃する。
弾く蛇気が嵐のように渦巻きその一手一手が一撃必殺。
にも関わらず金禅子の手下達は怯む事なく踏み込んだ攻撃を仕掛けていたの。
「妾の美しさに群がる虫けらがぁー!全て消えてなくなりなさーーーい!」
エキドナの覇気が迫る八妖達の一斉攻撃の寸前で爆発したの。
この至近距離からの爆発に全員逃れるすべは無かった。
閃光に消えゆく中で、
「土術・防破停円天井」
参戦するタイミングを見計らっていた恵岸行者さんがエキドナの足下から盛り上がり覆い隠すドームを出現させ、全員を救ったの。
ドームは恵岸行者さんの術に合わせた金吒さんの強化術で更に強固になり破壊の亀裂を防ぐ。
その事で自身の破壊の波動の反動をモロに受けてしまったエキドナはドームの中で焦土に襲われる。
「うぎゃああああ!」
まさか?まさか?
これって勝ったんじゃないの??
するとドームに亀裂が入り、粉々に粉砕する。
そして中から全身を黒焦げたエキドナが力無くふらふらと出て来たの。
再生力も弱々しく、完全にエキドナは敗北寸前だった。
けれどエキドナは口元が笑みを見せたの。
まさか何かまだ奥の手なんかあったりするの?
「くふふふ。ようやくじゃ。妾がここまで痛みを味わいながら耐え凌いだのは全てこのためよ!」
エキドナの身体が水膨れのように内部から膨れ上がっていく。
それは最初のマダムの姿のように?
えっ?ソレって?
エキドナは言っていた。
子を産むために戦闘力を下げてでも太やかな身体になっていたって!
それが本当なら、今のこの状態って間違いなく!
「蛇神を産むつもりかぁ!」
ソレは己の分身だけでなく、新たな蛇神の王を産み出す為のエキドナの計画に違いないわ。
「うふふ。お前らの顔は記憶したわ。妾は再び新たな力と身体を手に入れて次は必ずしやここにいる全ての者を殺しに現れてやるからな!」
エキドナは片手を天井に向けると、その破壊光線が天井を打ち抜いて風穴を開けたの。
エキドナの身体は更に膨張して下腹部から膨らみが口元へと上がっていく。
「ゴホッ!我が子、我が分身よ!憎き者達を必ずしや絶望と永遠の死を与えるのよ」
すると口から天井に向けて卵を各地に飛ばそうとする。
この状況に金禅子は叫んだの!
「奴は卵を世界中に飛ばすつもりだ!お前ら、一つ残らず破壊しろ!決して放たさせてはならない!」
状況把握した全員がエキドナに向かって駆け出してていた。
しかしエキドナは玉子を守るように最後の力を振り絞り近寄らせないように威圧する。
その腹から無数の蛇が噴き出すように飛び出して来て金禅子達が近寄るのを妨げ道を塞ぐ。
「くそぉ!溢れ出すようだぁ〜!」
八妖達は近寄れずにいた。
そして金吒さんと恵岸行者さん。
竜吉公主さんも残った力を振り絞る。
「私の血を与えてしまったから」
白澤も残る力で杖を手に濁流のように溢れ出して来る蛇に向かって炎を放っていた。
その中で、一人。
この状況を打破出来るだろう者が動く。
それに気付いた金禅子は魔眼の力を送り、その者に力を与えたの。
「後は任せるぞ」
その言葉と同時に閃光が光の矢となりエキドナに向かって放たれた。
それは再び超神速の抜刀したナタクだったの。
エキドナは防御するに間に合わなかった。
「うギャ」
光は濁流と化した蛇を貫き、そして出産寸前のエキドナの首を撥ねたの!
まさに神業。
エキドナの身体が金禅子の魔眼から放たれる金色の光に照らされ溶解していく。
これで救われたの?
しかし終わってはいなかった。
跳ねられたエキドナの頭部は口に卵を含んでいて、それこそ最後の力で天高く飛ばしたの。
「我が子よ、頼みまし・・・」
そこで真蛇王エキドナは塵と化して消えた。
飛ばされた卵は一つ。
しかしこの場にいる全員、既に力が限界に達していて反応出来ず動く事が叶わなかったの。
金禅子に金吒さんが駆け寄り、飛び去った卵を見上げる。
「くそ!まだ卵を飛ばす力が残っていたとは、しぶとい化け物め」
「向かった場所は北の地か」
北の地には餌が溢れていた。
それこそ蛇神の猛威から難を逃れるために人間だけでなく妖怪や神族、仙人。
様々な種族が生き残った最後の砦。
そこには今?
遠く離れた北の地にて猛スピードで迫る物体に危機感を感じ取った者がいた。
「どうやら、こちらに向かっているようじゃの」
この砦を守る太公望さんだった。
そんなこんな。
次回予告
飛ばされたエキドナの玉子は?




