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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
32/711

百魂刀~邂逅~


それは前世からの因縁


百魂刀の呪いと因縁


それは、始まりの物語


変な夢を見たの…


丑三つ時の夜桜が舞う頃、小さな橋の上で、鎌倉時代の衣装を着た私が、誰かと対峙している。


そんな夢を…




朝、目覚めた時、


私は部屋の机の上にあったソレに違和感を感じた。


ソレは勾玉?勾玉の数珠が置かれていたの?


「こんな物いつ?」


心当たりがなかった。私は一瞬恐くなって部屋を見回すけれど、他には何も変わった事はなかった。


私は時計を見て、驚く。


「あっ!もうこんな時間?嘘っ?」


私は手で顔を覆い、慌てて着替えて部屋から出る。


勾玉の数珠の事は取り敢えず放置し、机の上に置きっぱなしにした。


階段を降りながら、台所から聞こえてくる包丁とまな板の音でお母さんが料理をしていると解り、


「お母さ~ん?どうして起こしてくれなかったの?もう、朝食べないからもう学校行くからね?」


返事はなかったけれど、私は玄関を出て外に出たの。

眩しい太陽に、私は面食らった時、一瞬脳裏に何かビジョンが浮かび立ち止まる。それは閃光が私を覆うビジョンだった。


私は我にかえり急いで停車していたバスに乗り込もうとする。その時?


「えっ?」


私は誰かに腕を掴まれ引っ張られたの!?


私の腕を掴んだのは知らない男性でした。


「お前!どうして渡した勾玉を持っていないんだ?肌身離さずに持っていろと言っただろ!」


私の心を貫くような真っ直ぐな真剣な瞳で、一瞬惹き付けられそうになったけれど、我にかえる。


「貴方、誰よ!」


私は彼の腕を引き離すと、


「運転手さん、お願い?早く出てください!」


「出発しても良いですか?お客さん?」


私の慌てた表情に、運転手さんは彼を乗せずにバスを動かす。乗車していた他のお客さんは「ストーカーか?」と、私を注目して恥ずかしい思いをしたの。


何だったの?


まだ胸がドキドキする。



私を知っているようだったけど…誰?知り合い?いえ、知らない…はず?


そう言えば勾玉って言ってたわ?


勾玉って私の部屋の机にあった勾玉?どうしてそれを知っているの?


私はどんどん恐くなる。


結局答えも出ないまま学校に着く。私は考え事をしながら校舎に入ると、不思議と学校は静かだったの?


あれ?今日って休み…じゃないわよね?


教室に入ると私の仲良しの真紀や幸恵が休みだった。


しかもいつもは騒がしい教室が静かで、何か気味が悪かった。


皆、何か変?


すると担任の先生が入って来て、青ざめた顔で私達生徒に告げる。


その内容に私は意味がわからずに、理解出来なく、半信半疑で、突然涙だけが溢れだしたの。


その内容は…


昨日、親友の真紀と幸恵が下校時に通り魔に刺されて殺されたって…


う…嘘でしょ?


だから教室は学校全体が変な空気だったのね…


あぁぁ…


私は先生の話が全て終わる前に意識を失い倒れた。


昨日、真紀と幸恵が殺された?嘘よ?昨日は私も一緒に下校していたもの…


何もなかった


何も?


その時、またあのビジョンが頭をかすめる。閃光が私を覆い、そして…


「ハッ!」


私は保健室で目を覚ました。変な夢とショックで頭がくらくらする。


「真紀、幸恵…」


私は急な友人の死に押し潰されそうになり、もう耐えられないと感じ、中退する事に決めた。


「先生に…」


私は保健室を出て、自分の教室に向かう。


「駄目だ!」


しかし担任の先生は私の早退を許さず、仕方なく自分の席に座る。


あ~授業なんか受けれる心境じゃないよ…


どうして二人が?


その時、私は昨日の二人と一緒に帰った記憶を思い出す。


確かに二人と私は一緒にいた…はず?あれ?


そこで私は記憶が途切れている事に今初めて気付いた。途切れた後は、自分の部屋のベットの中?


キィイイイイ!


その時、突然異音が教室に響き渡った?


「何?」


私が顔をあげると、先生が黒板にチョークで何かを書いた音だったの?


大きな文字で…


「刀を返せ」と?


何?先生?どういう意味?


すると今度はクラスメート達が突然机を叩き始めて、「刀返せ!刀返せ!刀返せ!刀返せ!」と連呼する。先生も皆もまるで気でも狂ったみたいに黒板を、机を叩き、狂乱する?


「何か尋常じゃないわ!」


私は恐怖で教室を飛び出そうとした時、後ろから先生に肩を掴まれたの?


「刀を返せ~」


私は恐怖で先生を突き倒すと、そのまま怯えながら廊下を駆け出す。


突如、教室の窓ガラスが割れた。クラスメートが異様な形相で硝子を素手で割り、私に腕を伸ばす。


「あっあ…」


硝子で指や腕から血を流しているにも関わらず、皆は私に腕を伸ばした。


生々しい血の臭い。これはもう冗談とかじゃないわ…


皆、どうにかなってしまったの?



私は壁際寄りに、廊下を走って逃げる。屋上は駄目!逃げ場が無くなる。


けど、外は大丈夫なの?


案の定、下の階段から人影が見え、私は恐る恐る覗くと、皆と同じ異様な形相で「刀返せ」と呟きながら何かを探すようにはい回っていたの。


何処に逃げれば?


私は隠れられる場所を探す。そこは図書室。中には既に数人の生徒がいた。他の皆と同じく「刀返せ」と呟いていた。私は見付からないように本棚の影に隠れる。


「落ち着いたら外に逃げないと…そして、警察?」


そこで私は携帯をポケットに入れていた事を思い出した。携帯で助けを呼べば良いじゃない?私は110番をかけると、携帯の向こうから声が?


「刀を返せ…返せ…」


驚きと恐怖で私は携帯を落としてしまうと、その物音で生徒達が私に気付いて向かって来た。


映画のゾンビみたいに、ゆっくりな動きだけど道を塞がれたら掴まるかも。


私は集まって来る前に彼らの間を潜り抜けようと決めて走り出そうとした時に、ポケットから何かが落ちたの?でも何故、ポケットに?


「!!」


それは今朝私の机の上で見た勾玉の数珠。同時に私はバス停で腕を掴んだ男性の言葉を思い出した。


私は恐る恐る勾玉の数珠を拾い握ると、迫って来た生徒達の間に向かって駆け出した。これでも陸上部だから足には自信があった。


私は掴まらないように躱しながら、変貌した生徒達の間を抜けた。


大丈夫、行ける!


「キャッ!」


そう思った時、私は後ろから髪を掴まれて倒されてしまったの。


私は髪を掴まれたまま見上げと、「刀返せ」と口走る生徒達に押さえ付けられた。力で抵抗出来ずに、もう駄目だと涙した時?


「きゃあああ!」


突如、私の握られていた例の勾玉の数珠が閃光を放って一帯を眩ませたの。


私は緩んだ手を払い、ダッシュで出口に出る。そして階段をかけ下りて学校から逃げ延びた。


はぁ…はぁ…


気付くと空は真っ暗でバスの終電もなく、携帯を落としてしまい連絡も取れない。財布は教室に置きっぱなしだし、私は乱れた制服姿で涙を流しながら歩いて自宅へと帰宅する。


私は家の玄関を開けると、台所でお母さんが料理を作っていた。まな板を包丁で叩く音が心地好く、さっきまでの悪夢から現実へと引き戻してくれた。


私は今日1日起きた事をお母さんに話して、一緒に警察に行こうと決意する。


「お母さん…あのね、私を信じて聞いて!」


私は台所に入ると、お母さんは背中越しに料理を続けている。


「お母さん?聞いて?」


するとお母さんは振り返り言ったの。


「恵…お母さん、頼みがあるの…」


「えっ?」


「私の刀を返して…」


血の毛が引き、私は青ざめた顔でお母さんを見ると、お母さんは包丁を持って続ける。


「これじゃない刀を返して…返し…返せぇえええ!」


「うっ、嘘?」


鬼のような形相でお母さんは私に向かって包丁で斬りかかって来た。


私は椅子で受け止める。


「お母さんどうしたの?正気に戻ってよ?お母さん!」


だけど、降り下ろされた包丁が私の腕を傷付けて出血した。私は後退しながら台所の扉を閉めて、慌てて玄関から外へと逃げる。


なぁ?何?


解らない…


何がどうなってしまったの?お母さんまで?


そんな…


私以外が皆変になっちゃったの?


私はパニックを起こして泣きじゃくる。


すると、こちらに向かって数人の人影が近付いて来る。その人達は手にナイフや包丁、ノコギリなんかを持っていた。


間違いなく狂人…


私は泣く暇もなく逃げる。


もう逃げる場所なんてなかった。もしかしたら世界中は既に変になっちゃったのではないか?まさか夢?そんなはずはない。私の腕から流れ落ちる血に、痛みがリアルだと告げる。そして私は次第に走る速度が遅くなり、ついに立ち止まる。


「もう無理よ…」


朝起きたら世界が変わっていた。あり得ない状況で逃げ場なんてない。


もう…


私は死を覚悟し、そして振り返る。近付いて来る狂人達は確実に私を追っていた。私は目を瞑って身を差し出すと…


「馬鹿野郎!何を諦めてんだよ?」


私の腕を掴み、引っ張り逃げる人がいたの?


「貴方は?」


その人は見覚えがあった。今朝の二枚目の痴漢?変質者?に間違いなかった。


「とにかく安全な場所にまで逃げるぞ?走れるな?」


「逃げ場なんて…」


でも、彼の引っ張る力強い腕に、私は従うように無言で走った。


暫くすると、小さな公園の近くで彼は言った。



「漸く見つけたよ?だけど本当に昨日の事を忘れてしまったんだな?」


「えっ?昨日?」



すると彼は言った。


「俺と君は昨日既に出会っている。そして今日と同じ体験を繰り返しているんだよ!」


「えっ?」


意味が解らなかった。けど、彼の目は嘘を言ってるようには見えなかった。


すると彼は自分の携帯を私に見せると、その日付に私は驚く。そこには3日となっていて、私の認識では今日は2日だったから。


それに彼は携帯を操作すると、動画を私に見せる。


そこには私が彼と写っていた。更にその中の私は私に向かって言った。



「お願い…彼を信じてあげて?彼は貴女を…私を守ってくれるから!」


変な気分だった。私が私にお願いをしているなんて…


私は半信半疑で彼に一番気になっている事を尋ねる。



「貴方は誰?私とどういう関係なの?」


すると彼は、


「そんな事より俺が渡した勾玉の数珠はどうした?」


「えっ?」


「あれはお前を守ってくれ、この現状から抜け出すための唯一のアイテムなんだ!」


「そうだったの?」


そう言えば数珠の勾玉は確か?


「そうだ!学校の図書室で突然光って、驚いて落として来てしまったわ!」


「学校か…なら、学校に向かうぞ?」


「嫌よ!学校に行ったらまた襲われるわ?逃げて来たばかりなのよ?もうあんな怖い思いはしたくないわ!」


「それは駄目だ!お前がいなければ、あの数珠は働かない。一緒に来て貰う!」


彼は強引に私の腕を引っ張り、再び学校へ向かう。


「嫌よ!嫌!嫌!」


嫌がる私に、彼は…


「安心しろ?俺はもう二度とお前を離さない…二度とこの手を離さない…必ず守ってみせる!」


「!!」


その瞳に私は顔を赤面させて頷いた。


何?今のは告白?


でも、二度とってどういう意味?


解らないけど、私は彼を信じるしかなかった。



私達は学校近くに着くと、やっぱり生徒や先生達が校庭に集まっていた。


「あんな場所に行くなんて無理よ!」


「なら、お前はここに隠れていれば良い。図書室には俺が取りに行く!」


「あっ…」


そして彼は一人図書室へと走って行く。


一人残された私は、



「私を守ってくれるんじゃなかったの?一人にしないって?全部、嘘ばかりじゃない!」


拗ねて愚痴っていると、背後から人影が?


戻って来てくれた?


が、そこには狂人と化した生徒が私を掴んだの。


私の悲鳴が響き渡る。


私は校庭の真ん中に連れて行かれた。狂人と化した皆は、やはりあの台詞を?



「刀返せ!刀返せ!刀返せ!刀返せ!」


私は意味が解らない。


「刀って何?私は持ってないわ!あるなら、勝手に持っていきなさいよ!」



すると、狂人達はニタッと笑った?


突如、私は胸が苦しくなって嘔吐したの。でも更に苦しく、身体中が熱くなって、そして私の身体から何かが抜け出した?


それは光る刀?


どうして私の身体から刀なんか飛び出すの??


その刀に向かって群がる狂人達は、我先にと刀を掴もうとする。


その時!


駆けてきた者が信じられないジャンプで飛び上がると、その刀を狂人よりも先に手に取ったの。


「ヒューー!」


その人は図書室へと一人で向かった彼?


そう言えば私…


あの彼の名前を知らない?


刀を手にした彼は静かに刀を振るうと、まるで糸が切れたかのように狂人達が倒れていく?



「百魂刀・操!」


百魂刀って?


その刀は光る糸が絡まり垂れている不思議な刀。


「これは人の魂を操る魔剣さ?それを今、解き放った」


彼は私の傍に近付くと、


「ただいま」


「ただいまじゃないわよ?何?何なの?その刀?どうして皆は倒れたの?まさか死んだんじゃ?」


質問攻めにする私に彼は答える。


「この刀は魔剣。お前の魂に宿っていたモノだ。お前の魂には百魂の刀が封じられている。俺はそんなお前を守る者だ」


「意味が解らない…どうして私の中にそんな刀があるの?どうして私が襲われるの?」


彼は私の問いに背中を向けると険しい顔付きになる。


「そして名刀には必ず姉妹刀なるモノが存在する。その片割れがお前を襲った。その片割れの張本人が、アイツだ!」



私は彼の視線の先を見ると、そこにはバスが止まっていたの?


そして中から運転手さんが?


「まさか?」


「今日、俺達以外に正気を保っていた唯一の存在があいつだよ?」


「確かに!?」


朝、私がバスに乗った時に確かに運転手さんは私に話しかけた。


「でもどうしてバスの運転手さんが私を?もしかして私が毎日ギリギリに乗車するから?」


「ないない!バスの運転手だからじゃない。あのバスの運転手は転生者だよ!」


「転生者って?」


「かつて前世のお前に半魂を奪われた男のな…」


「前世で私が半魂を奪った?そんな馬鹿な話?」


だけど、今まで起きた出来事はすべて馬鹿げた話過ぎて、何が何だか解らない。


「で、解決法だったな?」


彼は私に勾玉の数珠を投げると私はキャッチする。


「これをどうするの?」


「こうするのさ!」


えっ?


彼は私の胸に手を置く?


「きゃあああ!」


私が悲鳴をあげると、彼は構わずに鷲掴みにし??引っ張り出したの?


「ひゃああああ!」


もう何が何だか??


だけど、それは私へのセクハラではく、私の魂から何かを抜き出す作業だった。


「お前は鞘だ…百魂の刀を納めるための…鞘!」


えっ?


「そして、俺はお前を守る剣…」


『源九郎義経』



その名前は余りにも有名で、私は現実だか幻想世界にいるのか解らなかった。


義経さんは運転手に向かって斬りかかると、運転手もまた刀を抜いて受け止める。その刀はさっきの百魂刀・操と同じに見えた。


対して義経さんの刀は刃のない?斬るのではなく破壊するために特化した刀。


互いの刀がぶつかり合った時!運転手の持っていた刀が粉々になって砕けたの。同時に運転手の身体から黒い影が抜け出して意識を失い倒れる。


「刀の相性が悪かったようだな?」


「どうなったの?」


義経さんが言うには、運転手は前世で私に魂の半分…つまり魂の欠片である刀を奪われたらしいの。


そして今、運転手の魂に宿る前世の欠片が砕けた今、その魔剣の力はもう片割れの刀と一つとなる。


「そうなると運転手さんは?」


「能力と記憶は失うが命までは問題ない」


「そうなの?」



すると操られていた生徒や先生達が目を覚まし始める。その後は大変だったわ。


目覚めたら校内は窓や壁が崩壊しているし、身体中に知らない傷が沢山あって、警察や救急車が何台も呼ばれる大惨事。


私と義経さんは混乱に乗じて、その場から離れたの。


二人きりになった時、義経さんは振り返り真面目な顔で言った。



「ずっとお前を探していた…お前を…」


「ごめんなさい!私にはまだ状況が解りません!貴方を信じて良いのか?それとも…」


「信じて良いぞ?俺はお前を守る剣だから!」


「でも、もう事件は終わったんでしょ?」


彼は首を振る。


「この怪事件は始まったばかり。お前の中にある百魂刀の刀の数だけ、お前の身にもっと危険が付きまとうはずた!」


「そんな…」


「だから俺がお前を守るんだよ?それが転生前にお前と契った約束」


そして抱きしめられた。



「えっ?えっ?えぇええ~?」



それが私と義経との前世から繋がる二回目の邂逅。私の秘密。これから始まる百魂刀の序章でした。


次回予告


百魂刀の物語の中編


早送りで語られます?

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