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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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真蛇王エキドナ!

真蛇王マダム


その血統はまさに真の覇王の器だった。




私は法子。


真蛇王マダム

この蛇神は太古の超蛇神の血統種。

そしてマダムとは仮の名。

その出生と新名は?

「妾の主母エキドナ。母は旧神により命を取られる際に、その種を絶やさぬために優れた血統を残したのです。そして妾こそその血と種をより濃く与えられた分身そのものなのです」

真蛇王マダムは旧蛇神エキドナの能力を引き継がされた正に、真の覇王となるべき血統種なの。

そして明かされる新名。


真蛇王エキドナ!


異国にて目覚めた彼女は、魂の呼び声に従いこの地に現れ、世界を手にする力を求めたの。

それが覇王生誕祭。

世界各地に生存する王の器となるに相応しい力と格のある蛇神にのみ、その魂に導かれるかのようにその地に集いし場所が伝わる。

かつて世界を生み出した始祖神。

オピオーン(エデン)の魂の後継者になるための儀式。

その後継者こそ覇王と呼ばれ、全ての蛇神が無条件にて従うの。

そこには力ある覇王候補の蛇神達が集まり揃い踏みしていた。

これから始まるは共喰い。

この中から真の覇王を選ぶための殺し合いが始まろうとしていたの。

真蛇王エキドナは正体を隠してマダムと名を偽装し参加していた。

そして物色していた。

参加した覇王候補は確かにずば抜けた蛇神ばかり。特に不安視する者はいないと思われたの。

恐らく半分の力で九割は消えると推測。

残り一割は本気を出さざるおえない。

参加した蛇神の中に自分と同じく旧蛇神の血統をより濃く持った者の存在に気付いたから。

その蛇神も名を偽り参加していた。

「何者じゃ?しかし妾と奴のどちらかが覇王になる事間違いなかろうなぁ。うふふふふ」

それがもう一人の始祖の蛇神マダラだった。

恐らくマダラとの一騎討ちで覇王が決まる。


しかし手違い?

予想だにしていなかった状況が起きたの。


蛇神しか入り込めない儀式に侵入者が入り込み、儀式を混乱させただけでなく、白蛇の巫女が何者かも分からない蛇神を覇王を祀り上げたの。

混乱が混乱を呼び、マダムはこの状況を不覚にも見ていた事で遅れを取ってしまった。

エデンが後継者の魂を選定してしまったの!


那我羅


その者は白蛇王が覇王と祀り上げられた蛇神。

始祖の蛇神であるマダムもマダラも手を引くしかなかったの。

今は、一時だけ。


「必ず奪い取ってあげるわ。このエキドナがこの手に真の覇王の座をね!」


しかし後一歩という時に入った邪魔。

「うふふふ。それにしても本当に美味しそうだわ」

ナタク、金吒さん、恵岸行者さん。

三人の後方にいる竜吉公主さんと白澤。

エキドナの目的は白澤のみ。

白澤には王を呼ぶ力が有り、その肉を喰らえばエキドナは百体の大蛇王を産み出し、最強の軍隊を作り出す事が出来るの。

「あのような大蛇兵をわんさか産み出されたら厄介だ。必ず倒すぞ!」

金吒さんの掛け声でナタクと恵岸行者さんが左右から突っ込み、金吒さんは正面から斬り掛かる。

「ウォオオオオオ!」

三人同時に斬り掛かるもエキドナには全て躱す。

まるで赤子の手を捻るように三人の攻撃を弾き返し、そして!

「がはっ!」

三人は胸に熱くなる衝撃を受けて倒れる。

吐血と同時に胸を貫通した光に気付き、そして激痛が後から全身に走り床に倒れたの。

つ、強過ぎる。

「オホホホ。主ら、妾が大蛇の軍隊を産み出すとかぬかしておったようじゃが、妾の目的は敗北する失敗作を産み出す事ではないわ。そう、妾は産み出すのです。真の正統なる覇王を!妾は覇王を産み出す母となるのです!」

そ、ソレって?

真蛇王エキドナは自分と同等、それ以上の我が子を産み出そうとしていたの。

もしそれが叶えば、現在の覇王から覇王の座を奪還する事も夢じゃない。

そしてもう一人の始祖の蛇神の末裔の存在。

真蛇王マダラ、恐らく仮名。

その者とて手を出せなくなるのね。


だから今、エキドナに白澤を奪われるわけには絶対にいかないの。もしそうなれば世界は蛇神大戦争突入で、私達はもちろん、天界の神様達とて手を出す事は不可能なのだから。

「本当に脆いわね」

余裕綽々とエキドナは白澤の場所へと近付いて行く。

唯一、竜吉公主さんが三尖両刃刀を構えて警戒する。

「えっ?」

汗が頬を伝う。

いつの間に?

全く見えなかった。

油断なんかしていない。

気付いた時、エキドナは竜吉公主さんの背後にいたの。

慌て、白澤を奪われないようにと振り返ると、


「あ〜ん。美味しいわ〜!」

「!!」


竜吉公主さんはその絶望的な状況に青褪める。

目の前でエキドナが意識のない白澤を抱き抱え、その首元を噛み血を啜っていたの。

「身に染み込むわ。快感よ〜声が出ちゃう」

「こぉのーさせないわ!」

飛び出した竜吉公主さんだったけれど、

「食事中に野暮ね、本当に!」

その指先から伸びた爪が竜吉公主さんを貫き、そして一瞬で力が抜けていき崩れるように倒れる。


もう誰もいない・・・


世界はエキドナの手に落ちると言うの?

「さてと、そろそろいただきますわ!」

エキドナは口を裂くように開き、掴んだまま白澤を喰らおうとする。

その爪は肉に杭込み、血が衣に染み渡り、白澤の魂が消えかけていく。

「うがっ!?」

エキドナは力強く噛み付く。

しかし目の前から白澤の姿が消えたの。

そして血走った目で睨み付ける相手は?

「ナタク!」

白澤が喰らわれる寸前で飛び込み救ったのは負傷していたナタクだったの。

「な、ナタク。あの一瞬で僅かに致命傷を躱して、白澤を救うタイミングを見計らっていたのか?我が弟ながら見事だ」

金吒さんは自分の傷口を押さえながら見ていたの。

そして恵岸行者さんもこの僅かな時間で既に治癒を施し終えていた。

「フッ。俺が封じられている間に弟達は頼もしく成長していたのだな。この俺が一番足手まといとは」

金吒さんは貫かれた胸を押さえて未だ回復出来ていない自分自身に対して口惜しくしていたの。

けれど今、この状況は何も好転してはいない。


エキドナから発する力は何者も寄せ付けないほどの威圧感と恐怖をあの場にいる全員に与えていた。

それでもナタクは一矢報いる気でいる。

例え自爆してでも。

ナタクの身体は宝貝パオパエで出来ていて、その魂を封じ込め命を保っている人造人間?

神造神様なの。

そしてナタクは覚悟していた。


「俺の身体には制御装置がある。その制御を外したならば貯め込んだいた神気が暴発して空間を歪ませこの蛇神要塞諸共お前を消し去る威力があるだろう。恐らく誰も生き残れまい。しかし奴をこのまま放って置けば地上界はもちろん、天界も無事では済まない。やむを得まい」


ナタクは自分の胸の心臓の位置に手をやると、その起爆に神気を流し込む。

「うぐっ!?」

直後、ナタクは金縛りにあったかのように身動きが取れなくなったの。

何が起きたと言うの?

やはりエキドナの仕業?

違うー!!

ナタクの周りに囲むように四体の妖怪がナタクに金縛りをかけて自爆を止めたの。

「あっ、ぶねぇ〜」

「とんでもない事しますね」

「セーフだったな」

それは霊感大王、混世魔王、九頭駙馬。

ナタクも三人の妖怪を見て過去に見た討伐リストを思い出したの。

しかし目の前の三妖怪は討伐リストの中では下級に位置付けされていたの。

後に孫悟空達に討伐されて生存していないと思われていた妖怪。

しかしどうなの?

「下級?十分に上級、蛇神に匹敵する程の力を持った最優先討伐レベルじゃないか?」

ナタクも天界の情報が誤りだと感じる。

もしかしたら力を隠して天界から気付かれないようにしていたとか?

違う!力を付けたの!

この短期間の間に、何をしたのかまでは分からなかったけれど桁違いに実力を増したのだと。

「とにかく邪魔はするな!さもなくば先にお前らから斬る!」

「カァアアアアア!」

ナタクは自身を拘束している呪縛を覇気で解き放ち自由になると、三人に向かって斬り掛かる。

「!!」

けれど振り下ろした剣は空を斬る?

「幻覚か?」

振り変えると、そこに新たな三体の妖怪が立っていた。

九霊元聖、黄牙白象、百眼魔王。

ナタクも知らない妖怪が二人。

獅子の妖怪と象らしき妖怪。

そして上級討伐対象の百眼魔王。

どちらも簡単には倒せない力を感じる。

蛇神エキドナを倒さなければならないと言うのに、一体何処から現れたと言うのか?

しかしこの状況にエキドナも黙ってはいなかった。


「妾の儀式の邪魔にまた湧いて出て来ましたね。御馳走の前の下拵えとして、一匹足りとも逃さないわ!」


エキドナの殺気はこの場全員を極寒の冷気で身動きさせなくするには十分だった。

「さて、一匹一匹順に喰らってあげ・・・!?」

直後、エキドナは感じたの。

その存在感に。

すると足音が聞こえて来たの。

何かが通路を通ってゆっくりと歩いて来る?

その気配にエキドナはかつて覇王生誕祭の儀式に割って入った人間の存在が頭に過ぎる。

「ま、まさか??あやつがまた?」

エキドナは過去、覇王生誕祭にて現れた異分子。

現在の覇王との一騎討ちにて深い眠りに陥れた救世の力を持った蛇神の天敵とも言える人間。

もし自分自身に降り掛かれば計画を潰される事も考えられる。

それだけは避けなければならなかった。


「ウヌヌ」


しかし?

通路から現れた者は過去に一度見た人間の男とは別者。

髪の色も姿も似ても似つかない。

何せその者は人間でなく天界神なのだから。

「金禅子」

その姿を見てエキドナは安堵した自分を恥じる。

そしてその畏れを抱かせた金禅子に対して必ず自らの手で始末すると殺意が込み上がる。

けれど別の殺気が先に動いていたの?


「こんぜーん!」


それは剣を手に飛び出し物凄い勢いで斬り掛かる恵岸行者さんだった。


えっ?コレって?

因縁??


そんなこんな。

次回予告


ここに来て金禅子と恵岸業者の因縁勃発


鵬魔王と黄風魔王のように仲直り出来るの?


「誰も仲直りした覚えはない!」

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