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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
314/713

ナタク!超神速抜刀!!

真蛇王マダムの脅威。

危機的状況の竜吉公主と白澤の前に、

ナタク、恵岸行者、金吒が駆け付けた。


私は法子

真蛇王マダムに追い込まれていた竜吉公主さんと白澤の前に、ナタク、恵岸行者さん、金吒さんの兄弟が間に合い到着したの。

三人は神気を同調させながら高める。

肥満体型の派手な格好の雌の蛇神。

見た目からは想像出来ない蛇気。

このマダムを目の前にして手の内の探り合いも油断も出来ないと本能的に感じ取ったから。

それだけの化け物!

特にナタクは感じる。

あの覇王を前にした底知れない力を、この真蛇王マダムにも感じていたの。

「覇王にリベンジする前にはもってこいの相手」

ナタクの気負いに金吒さんと恵岸行者さんが肩に手を置き言葉なく伝える。

共に戦って生き抜こうと!

「兄上」

確かに目の前のマダムは必ず倒さねばならないの。

けれど三人は兄弟誰一人して死なずに生き抜こうと無言で誓い合う。

「あらあらあら?捕らえてた二枚目ちゃんの他にまた二匹増えて〜嬉しいわぁ〜。本当にもう今宵は特別な御馳走だわ〜!おほほほほ!」

マダムの手が三人に振り下ろされるとナタク達は左右へと分かれて躱す。そして竜吉公主さんと白澤を抱えて飛び退いた恵岸行者さんは着地すると同時に二人を安全な場所へおろしたの。

「金吒兄上の他に竜吉公主殿までいらっしゃるなんて正直驚いています。この場を凌いだ後に話を聞かせていただきますよ」

「助かった。と言うには早いかもしれないけど、そうですね。もし生き延びる事が出来たら話してあげても良いわ。貴方の知りたかった過去の事件の真相をね」

「それはまさか!!」

恵岸行者さんはそれ以上聞くのはしなかった。

これから始まる死闘に集中するためにも。


今は・・・


「必ず生きて聞かせて貰います!」


まるで寸胴で隙だらけに見えるのに、もし不用意に飛び込めば何が起きるか分からない。

不吉?不安?不可!

真蛇王マダムを中心に醸し出す殺気が殺意の念となってナタク達を寄せ付けないでいた。

けれどこの場にいるだけで神経が張り詰め急激に体力は失われていく。

持久戦は確実に死を意味する。

「貴方達?かかって来ないの?だったら鬼ごっこしましょう」

「!?」

突如、ナタクの視界が影に覆われ目の前にマダムが立っていたの。流石に反応が遅れ、咄嗟に抜刀したけれどナタクの剣はマダムに掴まれ砕かれる。

本能的に砕かれた剣を手放し雷の如き動きで後方へと飛び退く。

「ハァハァ」

冷静なナタクの判断力が危険察知し無意識に身体が回避に動かした。

もし一歩遅れて動かなければナタクはマダムの胃袋に消えていたのかもしれない。

「動きも素速いとか反則だな」

金吒さんは天井高くまで飛び上がると出現する金輪を回転させながら投げ付ける。

金輪は一つから二つ、そして拡散するように雨のようにマダムに降り注ぐ。

「い、痛い、痛い!痛いわ〜もう!」

本来なら一撃の輪で下級の蛇神は消滅出来る威力を持っている。

なのにマダムは虫を払うように金吒さんの攻撃を打ち消したの。

「蔓縛!」

恵岸行者さんが掌を床に触れると床が盛り上がり大木の蔓が伸びて来てマダムに絡み付く。

「いやらしわね?妾を縛ってどうするつもり?」

「いや、これは、そうではなく!」

動揺する恵岸行者さんに色っぽくウインクすると身体に絡み付く蔓が障気で枯れ果てていく。

正直、マダムは一切本気を出していない。

恐らく本気を出されたらこの場にいる全員、一瞬で殺されてしまう。

それほどの実力差があるの。


ナタクを中心に金吒さんと恵岸行者さんが集まると、互いの神気を再び同調させる。

「力を合わせるぞ!」

「大蛇王達にやった合気術ですね?」

恵岸行者さんは頷くと金吒さんはナタクにも説明する。

「奴が俺達を見縊っている間に始末する。俺達の中ではナタク、お前が一番攻撃力に長けている。任せて良いか?」

金吒さんは砕かれたナタクの剣の代わりに自分の剣を手渡すと、ナタクは手に取り握る。

「無論です」

金吒さんは二人の力を引き出すための強化術。

恵岸行者さんが風術、ナタクが炎術と雷術を融合させ、爆発的な破壊力を持つ大技を繰り出すの。

「行くぞぉーーー!」

「おぉーーー!!」

三兄弟の神気の高まりは今まで赤子を捻る程度にしか思っていなかったマダムにも微かに危機を感じさせ、初めて防御壁を張ろうとする。

もし先に防御壁を張られたらナタク達の攻撃も無駄になるかもしれない。

なら、防御壁より先に攻撃するしかない!

三兄弟の力が重なり合いナタクの剣に集約され抜刀と同時に抜き出た刃から神光が神々しく光り輝く。

「イザッ!!」

ナタクは剣を鞘に納め抜刀と同時に飛び込む。


仙術の縮地しゅくちは、土地自体を縮めることで距離を接近させ間合いに入る仙術の移動法。

けれど間に合わない!

ナタクは更に加速する!

すると時の壁を一つ越える。

それは音速の壁!

「まだだ!」

さらに次の壁を超えたの。

音速を超える光速。

さらに加速は限界を超える。

そして神族でも踏み入る事が困難な神速へと!

天界でも神速に達する物は指折り。

神速は神とて肉体に過剰な負担を与える。

既に一度神速に踏み込み、体力の消耗の激しい今のナタクの限界はとうに過ぎていた。

それでもナタクは神速のさらに先である超神速へと踏み込んでいたの。


その抜刀は時が止まって見えていた。


ナタクの剣は流れるように吸い込まれるかのようにマダムの防御壁が完成するより先に間合いに入り込み無防備のマダムの腹部を貫いた。

「うっ、うぎょおおおおお!?」

何が起きたか分からなかった。

けれどマダムの腹部が弾けるように、ドリルが貫くように飛び散りながら風穴を開けたの!

なんて破壊力なの??

同時に金吒さんより渡された剣が衝撃に耐えられずに砕け、ナタクは力尽きて倒れ込む。

「やったぞ!ナタク!」

金吒さんと恵岸行者さんはナタクに駆け寄る。

「見事だったぞ?ナタク」

「兄上の剣を申し訳ありません」

「構うものか。それよりお前が無事で良かった」

しかし恵岸行者さんは二人に叫ぶ。


「警戒を!」


エッ?エッ?エッ?

そこにはマダムの躯が転がっていた。

完全にその姿は跡形もなかった。

再生限度を超えた攻撃で再生も出来ないはず?

けれど三人は悪寒を感じたの。


そこにはマダムとは似ても似つかない美しく色っぽい姿の別の女の蛇神が立っていたから。しかし間違いなくマダムと同じ?いえ、それ以上の強力な覇気を発していたの。

「お、お前は何者だ?」

恵岸行者さんが叫ぶと、その雌の蛇神は答える。

「あら?名乗っていなかったかしら?妾?妾はマダム。真蛇王マダムよ!」

肥満体型の脂肪を脱皮するかのように脱ぎ捨てたマダムは、美しく妖しい蛇神として現れたの。


「あぁ〜この姿だと我が子達を増やすには不便なのですわ」


確かにナタクの攻撃は油断していたマダムを消滅しかけた。

斬られた時、マダムは不死力で再生を試みたけれど崩壊する速さの方が上回る。

「このまま消滅するなんて、あってはならないこと」

そこでマダムは新たな肉体を造り上げ、その器に己の知識と魂を移したの。

それはつまり自分自身を産み出したとも言える。

更に新たな肉体は産む事を目的にしていた以前の身体とは異なり、戦いに特化した身体だったの。

すると顔を上げるニヤリと笑むと同時に額が割れて第三の瞳が見開く。

チャクラの莫大な解放とともに力が一点に集約された時に現れる第三の瞳。

その状態はまさに覚醒状態と言えるの。

そしてこれこそ真蛇王マダムの真の力なの!?


ちょっ?強すぎよ!

このままじゃ全滅よ!

全滅?

ん?そう言えば、あれ?

このマダムの部屋が開いているなら、そろそろ入って来ても良いはずよね?

何をしているのかしら?

この状況はを覆す可能性があるキーパーソン。

金禅子とその一行は?



その頃、金禅子はまだ扉の外でひと悶着していたの。

それは鵬魔王と黄風魔王との仲間割れ。

互いに譲らぬ戦いが繰り広げられていたの。

猛毒の障気と真空の攻撃を繰り出す黄風魔王に対して、灼熱の豪炎で対抗する鵬魔王の因縁の戦い。

互いの妖気の濁流が衝突し合う。

拮抗する力と力!

「この僕とお前!生き残るのは片方のみ」

黄風魔王は静かに心荒ぶる。

そして一方の鵬魔王は、

「私は不死の王!例え幾度殺されても塵の中からでも蘇る鵬魔の王!殺せるものなら殺してごらん?それは所詮、無理な話だがな!」

その戦いを他の八妖達が見守る。

「まさか正体不明の紅鎧の奴が、あの北の混天大聖・鵬魔王だったなんて!いつも冷静なこの俺も腰が抜けるぜ。ぶひひひん!」

「我々とは格が違いますからね。しかし黄風魔王もかつて地上界を支配していた妖十魔王」

九頭駙馬と霊感大王の会話に混世魔王が呟く。

「俺は昔、地上権制覇を成し溶けた水簾洞闘賊団にいた。けれど昔の俺は雑兵に過ぎなかった。そこで俺はあの二人を遠目で見た事がある。あの二人は別格!」

その当時の戦争を知る混世魔王は感慨深く語る。

因みに妖十魔王とは孫悟空が美猴王だった時に地上界を制覇する際、先に地上界を支配していた七十二の魔王の頂点に君臨していた最強の十人の大魔王。

「チッ」

ちなみに舌打ちしている百眼魔王もその妖十魔王の一人だったのよね。

地上界の世間一般知らない九霊元聖と生まれて間もなく地下深くに封印されていた黄牙白象は二人の争いに対して関心なく無関係としている。

そのような八妖達を見て、


「己らぁ〜!何故、見ている?奴らを何とかしろ」


金蝉子の言葉に八妖達は嫌そうな顔をする。

「バコォ!」

すると頭に衝撃を受けて頭を抑えて痛がる。


「ふぅ〜仕方ない。俺が奴等を黙らせるか。めんど〜だ。緊箍児で黙らせる方が手っ取り早いが、それでは一時凌ぎ。また繰り返すだろうな」


そして金蝉子は一歩前に出る。

「き、危険ですぞ?金蝉子様!」

黄眉大王が止めるのを無視して金蝉子の身体が宙に浮かぶ。


「奴等の因縁に決着をつけさせる」


えっ?何するつもりなの?

そんなこんな。

次回予告


鵬魔王と黄風魔王の因縁


蛇神との戦いの最中、そんな場合じゃないだろ!

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