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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
304/713

ナタク猛進!差し出された手?

ナタクは太公望に頼まれ西の地へ


その地には真蛇王マダムの要塞城が存在した。


私は法子。

ナタクは今、単独で真蛇王マダムの要塞に潜入していたの。

目的は捕らわれているナタクの兄、恵岸行者さんと蛇神の勢力を変える鍵の白澤を救い出す事。

その為にナタクは蛇神要塞を囲む門を守る七蛇将を倒していかないといけないの。

既に最初の門を守る蛇足を倒したナタクは第二の門を守る蛇神と戦っていた。

「お前はもう終わりだ。この俺に触れられた者はその力を制限される。お前から雷の能力を奪った」

七蛇将・奪蛇ただは呪いに似た能力でナタクの雷を使えなくしていたの。

「これで勝ったつもりか?」

ナタクは拳を握ると奪蛇の間合いに入り拳を打つ。

その一撃は貫くような威力だったの。

「ガぁっ!?」

その怪力から繰り出す拳は蛇神の鱗を砕き、内臓を貫く。

吐血しながらも堪えた奪蛇はナタクの特殊能力ではなく身体能力に驚愕する。

その細腕からは想像出来ない怪力はナタクが幼少時に龍神を絞め殺したと噂される程。

そもそもナタクのスピードも馬力も雷を帯びて身体能力を上げていたとしても、基本となる筋力が共わなければ身体が先に壊れるはず。ナタクは雷の能力強化を最大限に引き出す身体能力を持っているからこそ闘神と呼ばれる伝説の数々を残してきたのだと。

「俺を雷だけだと思うな?」

するとナタクの足下から炎が噴き出し発火する。

「炎上発火陣」

炎に包まれたナタクは業火の拳で蛇奪を殴りつける。

その破壊力はさらに威力を増していく。

繰り出す蹴りは炎上しながら蛇奪の肉を焼き焦がし、突き出す拳が顔面を砕く。

ナタクは戦う度に力を増していく。


経験が成長。


そして覇王に敗れた事がナタクの無敗伝説や誇りだけでなく傲りをも砕かれた。

それがナタクに油断を消し去ったの。

勝つため最優先の思考を廻らす。

己に足りないのは何か?

後、何を足せば勝利を掴めるのか?

後どのくらい研ぎ澄ませば覇王に追いつくのか?


「俺は闘神ナタクだ!」


傷付きながらも勝利するナタク。

その姿に敵味方恐怖する。

それは蛇神にも恐怖を与えるほどに。

七蛇将は次々と門が破られ自分の目の前に現れたナタクに恐怖を感じる。

そして七番目の門に足を踏み込む。

「!!」

そこで初めてナタクは身動きを止めたの。

そこに立つ蛇神は他の七蛇将とは桁違いだった。

その姿を見てナタクは見抜く。

「お前、七蛇将ではないな?何者だ?」

目の前の蛇神はナタクの言葉に返す。

「門を守らせていた七蛇将の魂が次々と侵入者のお前に消されているようだったのでな?興味を抱き姿を現してみた」

その蛇気は覇蛇に匹敵するほど強く威圧的。

同時にナタクは気付く。


「そうか、お前はあの大蛇の一体だな?」


ソレって、つまり?

外の城塞を守護していた百メートル級の大蛇の一体が突然姿を消していたの。

しかしその蛇気は残ったまま。

つまり巨大な大蛇が人の姿へと変えてナタクのの前に現れたという事なの。

巨大な大蛇の姿が人並みサイズになってもその破壊力も能力も同じ。

つまりサイズはかわらず洗練された大蛇の王なの。

「どうやら俺の侵入は見透かされていたようだな」

ナタクは目の前の敵に集中する。


「名を聞こう。俺は大蛇王・カグラ」


対してナタクも答える。


「中壇元帥ナタク」


ナタクとカグラは同時に動くと中心で衝突し互いの拳が弾かれ相手の力量を肌身で感じたの。

ナタクは雷を纏い閃光の如き動きで翻弄しつつ掌に籠めた雷をカグラに向けて放つ。

「!!」

凄まじい雷撃であったにも関わらずカグラは片手で受け止め握り潰す。

「その程度か?せっかく見に来たのに期待はずれだったな」

その言葉にナタクは覇王に破れた自分を思い出し、そして攻撃の手を止める。

「諦めたか?ならば時間の無駄だ。終わらせよう」

カグラが強力な蛇気を拳に籠めた時、ナタクもまたカグラに対して言葉を返す。

「時間の無駄かどうか判断するのが早いようだな」

するとナタクの右掌に雷撃が凝縮し、左掌には同じく凝縮した炎を灯す。

そして両手を合わしたの。

「雷炎変化唯我独尊」

ナタクの身体に炎と雷が融合しながら纏わりつき、鎧と化していく。

ナタクの変化した足下から発する力場がカグラを怯ませる。

「このような小さき者から、これ程強大な力を発するとは驚いた。何処に秘めていたのだ?俺はお前を本気で仕留めたくなったぞ!」

カグラもまた有り余る覇気でナタクを押し潰そうとする。

ナタクは一直線にカグラに突っ込むとその掌に籠めた渾身の拳を放ったの。


「雷炎撃の神拳!」


互いの力が衝突し力の渦が巻き起こる。

その中でカグラはナタクを見下ろしながら言葉をかける。


「どうやらお前は俺が思っていた以上に」

カグラの拳が粉砕したの!

「大きな男だったようだ」


その身体が巻き起こる衝撃の渦に耐えられずに崩壊していく。

そして最後に残ったのはナタクだった。

ナタクは大蛇王の一柱を倒したの。

そして先に向かおうとした時、出口から強烈な覇気がナタクの行く手を阻んだの。

「クッ!」

ナタクもまた覚悟はしていた。

大蛇の一角が消えれば、他の大蛇王が放って置くはずがなかったから。

そこにはカグラと同等の力を待つ大蛇王が二体人型の姿で現れて来ていたの。

「カグラの奴が死んでるぜ?」

「情けない。虫ケラ如きに油断をしたとしても敗北するなど、あってはならぬ事」

二体の大蛇王はナタクを睨みつける。

その強烈な覇気を前に消耗していたナタクだけれども闘志は衰えてはいなかった。

でもナタクがいくら強いからと言っても二体の大蛇王を相手に勝てるとは思えないわ!


「俺は大蛇王・サガラ」

「大蛇王・カンペリ」


ナタクが構えると同時に左右からの攻撃が迫っていたの。

振り払われた剣はナタクの首筋に迫り、逆からは胴体に迫る。

ナタクは身を回転させて翻し左右の剣を紙一重で躱しながら炎と雷をぶっ放す。

「よく、躱したな」

「だが次はないぞ!」

サガラもカンペリもナタクの攻撃を剣で斬り裂くと同時にナタクの間合いに入ろうとするが、ナタクも掌に出現させた宝貝の輪を二つフラフープ並に大きくしながら手首で回転させ振り回し攻撃を弾きながら凌ぐ。一瞬の隙が命を奪われる。それでもナタクは防御だけでなく攻撃の手を止めなかった。

片方のリングは炎を纒い、もう片方は雷を纏う。


「雷炎斬輪転刃」


その輪の回転はサガラとカンペリの胸を斬り裂く。

一瞬仰け反るけれど直ぐに身体を起こして攻撃して来る。しかも傷付いた身体は内部から漏れ出す液体により塞がれ再生している。

そしてサガラとカンペリの交差させ振り下ろした剣の同時攻撃にナタクは受け止めきれずに弾き飛ばされ柱に衝突し崩れ落ちる瓦礫に埋もれる。

「チッ」

ナタクは舌打ちをした後、柱を押し退け立ち上がったの。

苛立つ。それは敵に対してではなく自分一人で二体を片付けられないジレンマ。


大蛇王を倒すためにはカグラと同じように再生出来ない程の攻撃を与えて消滅させる事。


けれどこれまでの連戦に続き、大蛇王カグラを倒した事での消耗も激しく、流石のナタクでも目の前の二体の大蛇王を一度に一気に消滅させるほどの力が残ってはいなかったから。

しかもむやみやたらな攻撃など簡単に躱され無駄打ちになるのも目に見えている。

ならば確実に隙を付くか、圧倒的な力で捩じ伏せるしかなかったの。


「宝貝・火尖槍」


ナタクが出した宝貝は過去に紅孩児君を倒した戦利品として手に入れた炎を噴き出す槍。


「続けて宝貝・雷槍天牙」


そして天界でも指折りの神具と名高い雷槍。

ナタクは両方の槍を回転させながら雷と炎を融合させていく。

なるほど!

自力が足りない分を神具で補うつもりなのね?

炎術も雷術も破壊力に特化している。

その両術を融合させた破壊力は数十倍にも跳ね上がる。

しかしその両術をコントロールする事は至難の業。

それでもナタクは狙いを定めたの!


「雷炎閃光槍!」


二体の大蛇王はナタクの動きを見失う。

それは目にも留まらぬ神速!

音も光も超えた一瞬、二体の大蛇王は全身を強力な力で貫かれ内部から崩壊が始まったの。


「うぐぅおおおお!」

「がぁあああああ!」


そしてナタクは油断せずに追撃を繰り出そうとした時、ナタクは背後の接近に気を許してしまう。

そして破壊の覇気に弾き飛ばされたの。

無防備に攻撃を受けてしまったのはナタクがそれだけ消耗していたからなの。

まともに攻撃を受けて床に転がり倒れる。


「恐れ入った。まさか大蛇王に手傷を負わすだけでなく滅ぼすほどの力を持った者がいようとは」


その者も間違いなく大蛇王だった。

しかもその手には頭を掴まれた蛇神が痙攣を起こしながら宙吊りにされていたの。

「愚かに逃げようとしていたもんでな?これでもこいつは七蛇将なんでな?せめて使い道はあるから持ってきた」

そして倒れている二体のサガラとカンペリの上から宙吊りの七蛇将の身体を捻じ曲げ引裂くと血が垂れ流れ落ちる。その血は瀕死の大蛇王の身体を再生し、そして蘇らせたの。

「ぐはぁ!危なかったぜぇ」

「礼を言う。兄弟よ」

サガラとカンペリの前に立つ新たな大蛇王は二人の頬を一発殴る。


「我らの母、マダムに見せる面が無かろう?あの者をマダムに捧げる贄にして返すのだ」


ナタクの前に三体の大蛇王。

まさに窮地の状況だった。

三体の大蛇王は片手をナタクに向けると同時に蛇気を凝縮して狙いを定める。

ナタクは攻撃を躱す力は残ってなかった。


「消えよ!」


放たれた三体の大蛇王の破壊波に対してナタクは両手を差し出し印を結び魔法陣を描く。

「無効化の盾!」

全ての攻撃を無効化させるナタクの防御結界。

しかし受け止めるナタクの消耗が激しく徐々に押され始めて来たの。

「負けてたまるか!」

ナタクの意地は二度と敗北しないと言う自分自身への誓いだったの。

その思いが三体の大蛇王の蛇気の破壊波を押し返し始めたの。

「馬鹿な!?」

驚く大蛇王達だったけれど、それも長く持たなかった。

無効化の盾に亀裂が走り、今にも砕けようとしていたの。

それでもナタクの眼は闘志を捨てなかった。

必ず倒すという意思!


「全く変わらないな、ナタクは。お前のそのような姿を見せられたら手を貸さずにはいられないね」


ナタクの背後から差し出された手は神気をナタクに重ねて無効化の盾を強化させ、そして大蛇王達の放った攻撃の威力を完全に消し去ったの。

その者の気配にナタクは全く気付かなかった。

真後ろに立つまでその者の接近を許してしまい、その目で見るまで信じられなかった。

しかし声を聞いた時に感じた懐かしい声?


その声の正体にナタクは心震える。


「まさか金吒きんた兄上なのか?」


その者はナタクの長兄にして、かつて天界を追われ消息不明だった金吒きんたさんだったの。

そして私は以前、出会っていた。

かつて迷い込んだ時空結界の中で。


その金吒きんたさんがナタクの危機を前に姿を現したの。


そんなこんな。

次回予告


ナタクのピンチの前に現れたのは長兄 金吒きんただった。

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