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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~
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この世界の片隅に見えた金色の光!

女子高生蛇神討伐編~黄金の瞳編~


蛇神、覇王に対抗するべく立ち上がる戦士達!


物語は新たな新章へと続かれる。


蛇神の進撃に覇王の存在。

世界は大きく動き出していたの。


私は法子よ!

この地上界を跋扈する蛇神達。

蛇神を相手に抗う地上の連合軍。

北の地には人間達もいれば今まで恐怖の対象だった妖怪達も集まっていたの。

当然関係は不安と恐れが一日一日を眠らせてくれなかったの。

一番力の弱い人間達は蛇神だけでなく共に共存する妖怪達に恐怖を感じていたから。

「俺達はどうなってしまうんだ。もしかしたら妖怪達の非常食として此処にいるんじゃないだろうな?」

そういった不安から武器を手に妖怪達に対しても敵意を剥き出しにしていた。

妖怪達もまた人間達に忌み嫌われ、意味もなく殺されてきた弱者もいた。

だからこそ互いの不安がより生存者の中で争いを生んだの。

そんな時、天界から現れた神仙が両者を救ったの。


「お主らはお互いを知らずに憎み合い、殺し合ってきた。しかし蛇神の脅威に今こそ手を結び合う必要があるのじゃ。確かに積年の恨みや怒りはあるじゃろう。しかしその先にあるのは共倒れとは思わぬか?歩み寄れ!互いを知れ!そして理解し学ぶのじゃ!互いを知る事こそ生存と共存がうまれ、その先に己のみならず我が子や子孫へと繋がるのじゃ!」


演説のように繰り返される太公望と呼ばれる若き神仙のもとには、人間だけでなく妖怪達までも耳を傾け縋り始める。そこに身分ある国王が兵士を連れて太公望さんに命令する。

「儂はこの北の地の王じゃ!儂を守れ?」

しかし太公望さんは告げる。


「儂はお主が王とて奴隷とて贔屓はせん。それは人間であろうと妖怪であろうと同じよ」


すると兵士達が武器を手に威嚇したの。

「その武器を向けるのは儂ではなく蛇神ではないのか?お主らが守るのは王か?それとも力無き弱き民か?守るならお主らの家族を守れ!弱者を守れ!お主らの心が揺れ動く者を救ってやるがよい!」


その言葉に兵士達は武器を手から落として頭を下げ、太公望さんの指揮する防衛下に入る。

太公望さんは前線に出て戦う姿に戦える者達は皆勇気を与えられ、そして生きるための戦いを始めた。

そして今、数千の兵力を率いた雷帝覇蛇の軍が迫って来ていたの。


「正面の者が大将のようじゃな」


雷帝覇蛇を千里眼で確認する。

「太公望殿、私らも及ばすながら力をお貸し致します。どうぞお使いください」

それは闇の一族。

影を使う術の暗殺集団で、私も旅で知り合い助けられた事があるの。

そして同じく月兎一族。

兎顔の暗殺武器を持つ妖怪。

さらに青鬼一族の黄袍怪夫婦も太公望さんと共に蛇神を相手に戦っていたの。

「本来なら我らは法子様以外の指示は受け付けぬつもりだったが、この状況で我らを統率出来るのは太公望殿しかおらぬと信じています」

太公望は笑顔を見せて黄袍怪さんの手を握る。

「儂らは運命共同体よ。だから共に生き抜こう。そして蛇神の脅威から解放された後、宴を開き共に美味い酒を飲もうではないか?アハハハ」

人懐っこい太公望さんに皆、元気を貰う。

「さて、儂は大将狩りと行こうかのぉ」

太公望さんは聖獣を呼び出す。


四不像シンフウゾウ


四不像に乗った太公望さんは蛇神の進撃のド真ん中に飛び降りたの。

まさかの奇襲に蛇神達も面食らう。

太公望さんは懐から鞭を手に取ると、神気を籠めたの。

「宝貝・打神鞭ダシンベン

三尺六寸五分の長さで二十一の節に分かれる剣のような伸びる鞭。

太公望さんが持つ神殺しの鞭と異名を持つ宝貝なの。

「さて人暴れしようかのぉ〜」

振り回す打神鞭から発する強力な雷撃がその場に迫って来た蛇神兵を一瞬で消し去ったの。

「まさか、大将自ら戦陣に出て俺の首を狙って来ようとはな?」

「驚いたろう?」

雷帝覇蛇は掌に雷を放電しながら握り潰す。

しかしこの策は蛇神の軍を相手に長期戦を避けるためであり、大将の首を取る事で戦争を早く集結させるための手段でしかなかったの。


「この地上はお主らにはやらんぞ!」


太公望さんが猛る。




蛇神の脅威。

この綱渡りの世界に希望があるの?




ここは南西の砂漠地帯。

そこにハマグリ状の東京ドームより大きな貝が不自然に置いてあった。

しかしそれは近付く事も叶わない幻。

遠く離れているのか?

近くにあるのか?

まさに、蜃気楼の如く。


これはしんと呼ばれる宝貝だったの。

中は空間が広がり、外部からの侵入を許さない。

この宝貝を発動させた者にしか出る事も入る事も不可能だったの。

そしてこの宝貝を発動させた者こそ太白金星と呼ばれる神仙であり、孫悟空の師匠だったの。

そして中には太白金星の前に行方が分からないでいた孫悟空と阿修羅がいた。


話を引き戻すわね?


それは私達の前に覇王が始めて遭遇した時の事。

覇王に立てついた私達は突然の閃光に救われて何者かに転移され逃げる事に成功したの。

その時、孫悟空と阿修羅は私達とは別々になったのよ。

それから消息不明だったわけだけど。

二人を連れ去ったのは白い仙装束の老人。

太白金星仙人だったの。

「なぁ?太白の爺!俺様達を法子達のいる場所に戻しやがれぇー!さもないと」

「力づくで出ていく」

孫悟空と阿修羅が目の前の太白金星仙人に威圧するけれど、太白金星仙人は首を振る。

「ならこの世界を壊すよ!」

阿修羅は自分達を閉じ込めた蜃を内部から破壊の気を放って攻撃するけれど、ビクともしなかったの。

「マジか?なら爺ちゃんを絞めて出させて貰おうかな?」

孫悟空が太白金星仙人に飛びかかるも、その手首を掴んで逆に放り投げられたの。

「いてて〜」

そこに孫悟空と阿修羅に太白金星さんが木の杖で頭を叩いて叱ったの。

「馬鹿者!お主らが覇王に喧嘩を売って敵うと思っておるのか?百パー無駄死にじゃよ」

「はぁ〜?俺様負けねぇ〜し!ナメんなコラァ!」

「僕も負けない。法子のために」

「根性論と意気込みだけで勝てたら苦労ないわい!じゃからお主らには覇王をブッ倒すために力を付けて貰わねばならんのじゃ。命懸けでな」

「!!」

そして孫悟空と阿修羅は宝貝の中から出る事も叶わないため仕方なく太白金星仙人のもとで打倒覇王のために修行をする事になったの。


「けど俺様、太白の爺ちゃんの術は全て学んで使いこなせるぜ?それを何を今更〜」

「お主は当時、五行の術は使えなんだろ?だからお主が学ぶのは本格的な五行の術じゃよ」

「五行ねぇ〜?必要ねぇよ!俺様、今や炎術も水術、雷術から風術まで使い熟せるしな」

「だから急くな!それは初歩的な術の使用じゃ。孫悟空、お主が修得するのは融合術じゃよ」

「融合術〜?」


すると太白金星仙人は両手を前に出したの。

すると右手に炎、左手に雷が発生する。

そして両手で捏ねて混ぜ合わしたの。

「よく見ておき?これが融合・炎雷術じゃ!」

そして遠くへ投げつけると、炸裂してその衝撃が自分達に向かって来たの。

「うぉおおおおお!」

その破壊力は桁違いだったの。

「炎術と雷術をただ同時に使うのとは違うのじゃ。その原子たる根源を組み合わせ一+一を二倍、いや何十何百倍の形に作り変える。これぞ五行の真髄じゃよ」

それは出鱈目に混ぜるのではなく繊細な気のコントロールの器用さが必要なの。

この融合術の幅は発想にも左右する。

雷術と炎術の特性としては両方破壊力に優れている事。

さらに分ければ炎術は広範囲への攻撃に優れ、雷術は一点集中に長けているとか。

その両方を組み合わされは利点の相乗効果が生まれるの。

他、雷術は攻撃力が強い反面、力が外に抜けやすく操作が困難てデメリットがあるのだけど、そこに操作や扱いに不規則かつ自由度のある風術や水術と組み合わされば操作しやすいとか。

その中で相性なんかもあるのだけど、相生そうじょう相剋そうこくがあって、組み合わす事で力が分散して消えてしまったり相乗効果をもたらす組み合わせがあるの。


相生そうじょうとは相乗効果をもたらす。

相剋そうこくとは組み合わす事で力が分散して消えてしまう関係。


孫悟空は珍しく興味津々に聞いていた。

「なるほど。なるほど」

そして一人でコソコソ座り込んで黙って修行を始めたの。


修行の意図は分かったのだけど、阿修羅が呟く。

「僕には繊細な力のコントロールは無理だよ。適材適所がある。だから必要ない」

とか真面目な顔で出来ない事を強気で答える。

「安心せい。お主に孫悟空と同じ修行は求めてはおらん。それにお主に足らんのは経験じゃからな」

太白金星仙人は阿修羅の潜在能力の高さに正直恐れ入ったの。

恐らく本気で戦ったら阿修羅にはどう足掻いても敵わないと判断する。

それでも長年の経験で隙は作れるだろうが、その差を見ても命の奪い合いをしなくて良い分、味方である事を感謝するべきであり、蛇神と戦う事に対して強い味方だった。

そんな阿修羅に技術や術を教える事よりも、実践の中で身体に覚えさせたほうが良い判断する。

何せ阿修羅は戦う度に本能的に学習し間違いなく強くなっていたのだから。

けれど今、蛇神族との戦いに放り込み経験を積ませるよりも、危険だけれど数百年分の戦場を短時間で味合わせる手段があったの。

「阿修羅、こちらに来るが良い」

「それで僕は強くなって法子を守れるのかい?」

「それはお主次第じゃ。もしこの試練を乗り越える事が出来れば、あの覇王をも倒せるであろう力を手に入れられよう」

「!!」

エッ?覇王を倒せる力って何よ?

すると太白金星仙人は懐から宝貝を手にして放り投げると、そこに姿見の大鏡が出現したの。

「コレは?」

「この宝貝の名は時渡りの鏡」

「時渡り?」

「覚悟せぃ。この鏡は太古の神々の戦場へと繋がっておる。そしてお主は廻り逢って来るのじゃ!お主の半身たる分かれ身にな」

「分かれ身?それって」

「フォイ!先ずは考えるより行動あるのみじゃ」

その直後、強く押された阿修羅は鏡の中に吸い込まれるかのように鏡の奥へと消えていったの。

「ちょー!何やってんだよ!太白の爺ちゃん??阿修羅は何処に行っちまったんだよ!」

慌てて孫悟空が鏡を触って押してみても鏡の中に入る事はもちろん、阿修羅の姿も気配も消えてしまい分からなかったの。

「阿修羅は自分の試練に向かったぞ?もし戻って来れたなら阿修羅はまさに救世主となるだろうのぉ〜。それよりお主は自分の修行に励むが良い」

「もう良いよ〜」

「良くはないわい!」

「だってもう覚えたからよ〜」

「へッ??」

すると孫悟空の学びの速さを太白金星仙人は目の当たりにする。

まさか高難度の融合術を一目見て自主連して使い熟すなんて。

確かに孫悟空の成長は幼少の小猿の時から目に見張るものがあった。

太白金星の千の仙術を短期間で修得し仙界を飛び出して地上界の大魔王となった事もそうだが、天才や神才なんてので片付けられなかったから。

「!!」

その時、太白金星仙人は孫悟空の身に起きている変化に気付き、無意識に納得していたの。


「なるほどのぉ〜。阿修羅だけじゃないわ。忘れておった救世主の資質を持つ特別な力を持つ者はもう一人おったのじゃな・・・」


その感激に肩を震わせたの。


「この世界の片隅にのぉ」


太白金星仙人は孫悟空の金色に輝いている瞳に希望を見い出し目を奪われていたの。


そんなこんな。

次回予告


さて、太公望の戦いも気になるし~


孫悟空の修行に、阿修羅の消えた先も気になる。


それに氷原地帯で妖輝覇蛇に追われてる者とか、

西の地で起きているマダムの蛇神城の戦いも気になるな~


忘れてはいけないのが覇王に捕らわれた法子もなんだよ。


どこから手を付けるか悩み中。



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