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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
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起死回生!?最強最高の二人!

恐るべき九蛇の前に苦戦する仲間達。


そして八怪の前には?


私は法子。

私は彼女を知っている。

彼女の名前は瑠美ちゃん。

半人半妖の国。

黄風魔王の嶺黄風国で出会った少女。


彼女は私達が留守の間に蛇神の軍に襲われてしまい、その一生を途絶えてしまった。

けれど彼女は再び私達の前に現れたの。

鈎蛇王の配下の蛇神として!


一度は敵として私達を拒んだけれど、

彼女は黒豚妖怪だった八戒の決死の訴えに思いが通じてくれたの。

けれど死の縁に陥った八戒を助けるために自らの命を犠牲にして救ってくれた。

八戒はその記憶は残っていない。

瑠美ちゃんは自らが犠牲になったトラウマを残したくなかったから、その記憶の全てを消したから。


その彼女が今、どうして?


「あら?身分不相応な女ね?生意気だわ!」


すると蛇骨兵が瑠美ちゃんを囲み一斉に襲い掛かったの。

瑠美ちゃんは腰の鞭を手にし振り回し蛇骨兵を一撃で粉砕していく。

でも蛇骨兵への攻撃は全て戻って来る。

その激痛が瑠美ちゃんを襲う。

吐血と全身の傷が肌に現れると、悲鳴をあげた。

エッ?

悲鳴をあげたのは遊女九蛇の方だったの??

「痛い!痛い!何なの?痛いわ〜」

泣き叫ぶ遊女九蛇。

「この蛇骨兵にはお前の分身のようね?だからお前の能力が直接伝達しているのね?つまりお前に触れなくても!」

瑠美ちゃんは鞭で蛇骨兵を粉砕すると遊女九蛇は再び激痛が走り悲鳴をあげたの。

「退きなさい!蛇骨兵達よ!」

堪らずに蛇骨兵を退かせたの。

そうだったわ。

蛇神となった瑠美ちゃんには別名があったの。


紅鱗大蟒(こうりんたいもう)


その特殊能力は万能かつ無敵!

痛みを感じずに受けたダメージを相手に移し返す。

万能反射の術。

奇しくも遊女九蛇と似た能力だったの。


「私が八怪さんを守る!」



場所は変わる。

ナタクはナタク九蛇を相手に苦戦していた。

魔眼の力でナタクその者となった眼帯の九蛇との戦いはまるで鏡越しに自分の影と戦っていると同じ。

戦闘技術も多種多彩な術や膨大な神気。

どれを取ってもナタクで互角。

勝負に決着がつくはずがなかった。

「この勝負、俺がお前を倒して真のナタクとなるのだ。だからお前はもう必要ない」

「そう急くな!」

ナタクの抜刀の斬撃が放たれると、ナタク九蛇はヤレヤレと首を振り無防備にナタクの攻撃をわざと受けたの。何を考えているの?

「あはは!俺はナタクであって九蛇!この身はお前であって蛇神!その意味が分かるか?」

すると斬られた身体が目の前で再生していく。

そう不死の身体を持つナタク。

それがナタク九蛇なのよ!

そもそもナタク自身が化け物も恐れる強さなのだから倒す手段なんて全然考えつかないわ。



そして今、一番絶望的状況なのが二郎真君さん。

赤子にまで歳を奪われ、ついに大蛇と化した双像九蛇に生きたまま丸飲みにされてしまったの。

もしかして本当にもう?

双像九蛇は自分以外の九蛇の戦いが終わっている事に気付いて憤慨していたの。甲殻九蛇はどうでも良かった。それよりも仲の良い双子の双創九蛇の気を感じなかったから。

「ナタクか?ナタクだな?奴は僕が殺す!」

そうして蛇神城のナタクの気を感じる方へと向かって行く。

さらなる脅威がナタクへと迫っていたの。



場所は変わる。

そこは蛇神城の地下深く。

そこには魔導覇蛇の反乱にたてついた覇王配下の蛇神達が幽閉されて拷問に合っていたの。

「あ〜ら?もう死んじゃったわ」

拷問部屋には九蛇が一人来ていたの。

しかも九蛇最強の女帝・女帝九蛇!

女帝九蛇は鞭を持って囚人達を痛めつけては拷問し、その痛めつける悦びに快楽を感じていたの。

「蛇神なのだから、もう少し耐えてくださいな」

至る穴から致死量ギリギリアウトの猛毒を流しながら、それこそ部分部分が削げるように鞭で痛めつける。再生すれば削ぎ落とす。この繰り返しを拷問の中で悲鳴と泣き声を耳で味わう。

そして命を落とした囚人を小間切れにして舌で味わう。まさに快楽女王であった。

「さてと、メインディッシュに行きたい所ですけれど、お前は魔導覇蛇様が手を出す事を許してくれなかったわ。本当に胸糞悪く腹が立つわ」

女帝九蛇は全身を力を吸い上げる特殊な拘束具で張り付けにされている囚人の顔を上げる。

その顔は美しい女性だった。


その髪は白く透き通る肌。

覇王の側近にて蛇神族の神官を務める巫女。

白蛇の巫女(白蛇王)。

それよりも女帝九蛇が許せない事があったの。


魔導覇蛇がこの美しさに殺す事を許さない事。

寵愛されるのは私だけで十分のはず!

深い嫉妬!

更に女帝九蛇が許せない事がもう一つ。

「どうしてじゃ!どうしてお前はこの私と同じ顔をしておるのじゃー」

そうなの。

まるで生き写し。

黒髪と白髪の違い以外は双子のようだったの。

けれどそんな事実はない。

「その顔!私は私だけいれば十分なのよ!魔導覇蛇様の御寵愛を受けるのは私だけで良いのよ!」

殺意の感情が湧き上がる。

「奇なものよ。自身に似た顔の者に殺意を向けられるのはのぉ」

白蛇の巫女は余裕の笑みで答えたの。

「覇王様不在の城を乗っ取り、天下気取りの魔導覇蛇を思うと滑稽でならぬよ。ふふふ」

「カッ!!」

挑発した白蛇の巫女の頬を女帝九蛇が引っ叩くと口元から血が垂れる。

「お前、調子に乗ると殺すわよ?お前は直に魔導覇蛇様によって思考を止められ、命じるがまま動く道具に成り下がるのよ!オホホホ」

「お前達のようにか?」

「うるさい!私達九蛇は全員、魔導覇蛇様を慕い崇拝しているのですわ!」

そして振り返ると、女帝九蛇は怒りを鎮めるために出ていこうとする。

「私とした事が品が無かったわ。そろそろ他の九蛇達が侵入者の始末が片付いたところね」

その時、拘束具が地面に落ちる音がしたの。

「なぁ!?」

振り返る女帝九蛇は目を見張る。

何故なら拘束されていたはずの白蛇の巫女が全ての拘束具を解いて自由の身になっていたから。


「あら?そう。そうなのですね。囚人が拘束具を解いて脱走したとなればそれは大事ですわ。これは緊急事態なので魔導覇蛇様にも言い訳が出来ましょう。逃げる囚人を捕まえようとして抵抗されたがために仕方なく殺してしまったとね。だから良いわよ?抵抗しなさい?これは正当防衛なのだから」


女帝九蛇の殺気が高まり、その蛇気が異常なほど強烈な蛇気を発する。すると足下から黒い影の蛇が数十匹出現してきて白蛇の巫女を獲物として視線を浴びせる。


「呪詛の蛇か。触れたら最後、その障気で枯れるように朽ち果てる」

「よくご存知ね?流石は巫女かしら?」

「いや、やはり反面世界の私だと思ってな」


反面世界って何?


すると白蛇の巫女の足下にも同じく黒い影の蛇が数十匹出現しだしたの。

本当に左右対称のようだった。

「反面世界?何かしら?それ?ふふふ。変な事を口走り注意を逸らさすつもりなのね?つまらない」

白蛇の巫女はただ笑む。

「お前が知る必要ないわ。何故ならお前は私の餌食になるのだから」

白蛇の巫女と女帝九蛇が私達とは無関係の場所で殺し合いをしようとしていたの。




そして再びナタクの戦いへ場面を戻すわ。

ナタクとナタク九蛇との戦いは次第に押され始める。互角の戦いの中で、蛇神としての再生力を残した分ナタク九蛇との戦いは無駄に体力を削られるだけ。長期戦になればなるだけ不利なのだから。

さらにそこに追い打ちをかけるように、巨大な大蛇が迫りつつあったの。


「な〜た〜く〜、何処だぁよ〜?お前を探してるんだよ〜お前を見つけて腹に入れたいよ〜」


それは双子の兄弟だった双創九蛇をナタクに殺されて復讐に現れた双像九蛇だったの。


まさか九蛇を二体相手なんて無理よ!

無理無理!


しかし双像九蛇は二人のナタクが戦っている事に立ち止まり迷っていた。

「ナタクが二人??あっ!盗眼九蛇の奴か?」

盗眼九蛇って?ナタクと戦っている眼帯の魔眼使いの本名なのかな?もしかして?

「盗眼九蛇のバカタレは気に入った器を見つける度に見た目も中身まで変わるから見分け付かないんだよ!こうなったら仕方ない」

双像九蛇は構わずに蛇気を高める?

「殺して死なない方が盗眼九蛇の奴だ!とりあえず両方殺す気で攻撃するのが簡単」

けれど両手に籠めた蛇気が二人目掛けて放たれようとした時、突如身体が動かない事に気付く。

「あれ?あれ?どうなったんだ?僕の身体?」

すると突如お腹が痛み出して苦しみ始めたの。

「うわぁ〜痛い!痛い!痛い!」

それは内部からの刺激だったの。


内部ってまさか?

他に考えられないわ!

二郎真君さんなんだわ!

まだ中で生きてるんだわ!


二郎真君さんは哮天犬に跨り双像九蛇の胃に溶かされずにいたの。

そして三尖両刃刀さんせんりょうじんとうを前方に構えながら神気を最大限にまで高めていた。

何より驚く事は、二郎真君さんの姿は本来の大人な成人の姿だったのよ??えっ?どうして?

「ウォオオオ!」

それは全て二郎真君さんの策だったの。

最初の攻撃で双像九蛇の能力が攻撃を受けて致命傷になりうるダメージと引き換えに対象の歳を奪い再生する能力だと気付いたの。

だからその後の攻撃は全て手加減し大きな攻撃に見せかけたカモフラージュ。そして攻撃したと同時に自らの変化の術で順次若返ったように見せかけていたのよ。そう、二郎真君さんは孫悟空に変化の術で勝る程の十八番オハコ、特技なのだとか。

まんまと油断した双像九蛇の内部に取り込まれたと同時に変化を解いて本来の姿に戻り、そして今!


「連合神剣刻剥!」

※レンアイシンケンコクハク


双像九蛇の内部から最大限の神気をぶっ放したの!

「うっ、ウゲぇ、ぎゃあああああ!」

内部からの爆発で双像九蛇は再生限度を超えた神気の光に飲み込まれ跡形もなく消滅したの。

「ふぅーー!」

そして二郎真君さんが三尖両刃刀さんせんりょうじんとうを構えて立っていた。


これで三体目の九蛇を撃破したわけね!

凄いわ〜!本当に!


その時、ナタクとナタク九蛇との戦いにも動きがあったの?

「くぅ、うぅぅ」

刀傷に腕を抑えるナタク。

次第に力の差に異変が起きていたの。

「同じナタクなのに何故?」

その動きは鋭く速く、そして力強く。

相手のナタクを凌駕していく。

「うぉおおおおお!」

連撃を繰り出すナタクは血眼になっていた。

その斬撃を全て躱して、踏み込んだ剣は目の前のナタクの肩を斬る。そして振り払う剣を後方に飛び退いて避けた。驚きを隠せないナタクの傷が再生し塞がっていく。意味が分からなかった。

傷を負った苦戦していたナタクはナタク九蛇の方だったの。けど力の差は互角だったはず?

なのに開かれる力の差?

「何故だ!何故、何故?教えろ!」

するとナタクは呟く。

「偽物が本家に敵うと何故思った?烏滸がましい」

ナタクは剣を手に一歩一歩近付く。

「ヒィイイ!?」

怯むナタク九蛇は仰け反る。


「この俺を模すなら抗って見せろ」


ナタクの闘神として恐れられるのはその成長の早さ。ナタクの真骨頂は強敵を前にして、戦いの中での成長は脅威であり、仲間内からも怖れられるほど。それが闘神ナタクなの。


それはナタク自身を相手にしても同じ事。

つまり僅か前の自分自身を凌駕したの。

「俺は俺をも超える!」

ナタクは鞘に剣を収めると抜刀の構えをする。

「クッ、コノォ!俺はお前の力に更に俺自身の力が上乗せされてるのだ!負けるはずない!」

ナタク九蛇も抜刀の構えを取る。

一瞬の間が時を止め、同時に動き出す。

抜刀!

その抜刀の勝者はナタク九蛇の方だった。

先に放たれた斬撃がナタクを襲う。

「ウハハ!俺の勝・・・」

が、斬撃の中を縫うようにナタクは駆け込んで来ていたの。

しかもナタクはまだ抜刀していなかった。

そしてナタク九蛇の斬撃の嵐の中を擦り抜け間合いに入ると、その鞘から剣は解放された。


「神・速・斬」


斬撃を一つに集束させた抜刀。

振り抜かれた剣はナタク九蛇の先にあった。

何をされた?

自分が斬られた事にも気付く事なく、ナタク九蛇は一瞬の間の後に身体を襲う衝撃とともに滅びを感じながら消滅したの。


やってくれたわ~

まさに最強の、最高の二人だった。



そんなこんな。

次回予告


遊女九蛇と相対する紅鱗大蟒。


それに女帝九蛇には白蛇の巫女が・・・


蛇神・女の対決か??

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