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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
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決死の覚悟!?黒龍王の逆鱗!

最強の六尾である大嵐六尾を相手に、


白龍王と黒龍王が挑む!


そして黒龍王の過去、それは?


それは今より六百年も前の昔、

四海龍王の一人であった暗黒龍王に赤子が産まれた。

しかし、その赤子は余命短く成長出来ぬまま命を失うと伝えられたのだ。

何故なら赤子は龍神界でも手の施しようのない難病にかかってしまっていたから。

それは地獄界にしか流行る事のない難病だった。

何故、そのような難病にかかったのか?


暗黒龍王の妻が胎児を抱えたまま龍神の谷に落ち、その時に生死を彷徨った事が原因だった。

生死の境で地獄の門に触れてしまった妻は生還した後、不治の病に犯されてしまった。

その病は生誕した赤子へと移り、妻は出産とともに命を落とす。

その事に嘆き悲しむ暗黒龍王は、赤子を救うために禁忌を犯したのである。

龍神界から地獄の門を呼び寄せ、赤子を連れて地獄へ足を踏み込んだのだ。

地獄の病を消すには地獄界にしか咲かない希少な花を手に入れるために。


その蜜を口にすれば赤子は助かる。

もし妻にも与えていれば助けられたのかと思うと胸が痛んだ。

「我が子を生かすためなら俺の命はいらぬ!」

龍神界でも四海龍王として力のある暗黒龍王であれ、地獄界は険しく厳しい世界であった。

荒れ狂う地に、常識を逸脱した世界観。

何より、その世界の住人は現世の住人よりも遥かに力を持つ化け物揃いであったから。

誰もが暗黒龍王の帰還はあり得ないと口にした。

例え戻って来たとしても、その身は禁忌を犯した重罪人として幽閉される事は分かっていた。


暗黒龍王が地獄界へ消えて百年の月日が経った時、龍神界は空間の歪みが現れた。

そこには四海龍王達が集まっていた。

一角鯨龍王、サクヤ龍王、玄龍王、そして先代の青龍王であった。

そこで目にしたのは、地獄門が開き、中から赤子を連れた暗黒龍王が姿を現したのである。

「戻ったか?暗黒龍」

既に龍王の称号は剥奪され、犯罪者であった暗黒龍王に対して青龍王は言葉をかける。

「何か言い遺すはあるか?」

その言葉に暗黒龍は一言、

「我が子を任せたい」

その直後、青龍王の青龍刀が暗黒龍の首を跳ねたのだった。

倒れる暗黒龍の腕の中には百年歳が止まったままの赤子がいた。

そして青龍王は赤子を手にすると、


「この赤子は我が友、暗黒龍より任された忘れ形見。この赤子には一切の罪はない!全て暗黒龍が背負ったのだ!」


それは暗黒龍の罪と、託された子供は別件。

そう龍神族の全てに命じたのである。

英雄である青龍の言葉に反する者はいなかった。

赤子の名前は黒龍と名付けられた。


しかし新たな問題が起きた。

赤子から発する気が異質だったのだ。

赤子が泣き出し全身が放電すると、全身から漆黒の気が纏まり付き、身体から発する電流が黒く変色する。これは間違いなく地獄界から生きて帰った事で地獄界の気を宿してしまったからであった。

本来持っていたであろう雷の気に地獄の気がまざわり、黒き雷を放つ体質になっていたのだ。

それは手に入れようとして手に入る力ではなかった。

まさに奇跡的な能力の開眼。

しかしそれは諸刃の剣でもあり、使い過ぎれば己の身をも消し去る雷なのだ。

地獄界の民でない者が地獄界の力を使えば、その反動は当然起こる。

限界値を越えると、その身を飲み込んでしまうのである。

だから力の解放を奥義とする逆鱗の力は黒雷の力を暴走させる恐れがあるために禁じ手とされたのである。万が一龍神界に危険が起きた時にのみ力の解放を許される。

同時にそれは黒龍の身を案じるための処置でもあった。


だからこそ成長した黒龍は強くなる為に新たな別の力が必要だったのだ。

それが雷の属性でも難易度の高い重力操作の力であった。

四海龍王であった父親の血と資質を受け継いだ黒龍は才能に恵まれ、更には環境にも恵まれる。


同い年の天才児だった白龍に、一つ年上の赤龍と義兄弟の契を結び、共に力を求め成長し合った。


そして成長した黒龍は認められ就任された。

父親と同じく四海龍王として。

父親が禁忌を犯した重罪人だったと言うことはもう誰も口にはしない。

父親の重き罪は我が子を新たな英雄へと繫げられたのだから。


「どうだい?俺の黒雷の味は?」


地獄の雷は不死である蛇神の再生力を上回る。

「馬鹿な?俺の身体はどうなったと言うのだ?治癒が間に合わないだと?再生しないだと?」

その原因が黒龍王の黒雷が原因だと気付いた時、目の前の相手を見括り過ぎていた事を痛感する。

「虫けらも毒を持っていたと言うことか」

大嵐六尾は己の力を最大限に解放させたのだ。

大地が揺れて上空は幾つもの竜巻が巻き起こる。

「この俺を本気にさせた事を後悔するが良い!お前は楽には死なせんぞ!」

その殺気を全身に浴びながらも黒龍王は怯んではいなかった。

その目は覚悟を決めていたから。


「お前に恐れる事はない。俺が恐れるのは、この俺を今の今まで生かせてくれたこの龍神界を失う事。そして誓いあった義兄弟を失う事だ!」

すると全身が漆黒に染まっていく。

「超重圧迫!」

黒龍王から発する磁場は巻き起こる竜巻ごと大嵐六尾の身動きをも押さえ付ける。

「いつまで保つか?こんなもの俺の力で消し去ってやるぞ!」

更に力を増す大嵐六尾に対して、


「逆鱗・二枚!」


押し込む力が更に大嵐六尾を潰しにかかる。


その戦いを見ていた白龍王は黒龍王が死を覚悟し、自分を生かすために大嵐六尾を道連れにしようとしている事に気付いた。

「よ、止せ!死ぬなぁ!黒龍王!」

しかし白龍王の言葉は届かなかった。


大嵐六尾は負けるとは思っていない。

本来なら格下の相手なのだから。

「この程度の重力で俺をどうこう出来ると思うな!俺の力は無尽蔵の嵐!グハハハ!」

しかし黒龍王は口元を緩ます。

「気付かないのか?バァ〜カ!お前はもう俺の術中にハマったんだよ!」

既に逆鱗の解放で全身が壊れかけていた。

それでも、解放を止めなかった。


「この俺の最期の逆鱗を見せてやるぜぇー!」


黒龍王の体内から黒雷が肉を裂き、皮を破り、帯電しながら黒い雷の塊へと変わっていく。

「小癪な!お前のような小物にこの俺が敗北などしてたまるものかぁー!」

大嵐六尾は全身全霊の覇気力を、向かって来る黒い雷に向かって放った。


「吹き飛べぇー!」

「逆鱗・三枚!」


逆鱗の三枚解放した黒雷は大嵐六尾の放った力を貫通し、突き刺さる。

「あっ?」

それは一瞬過ぎて大嵐六尾にすら何が起きたか分からなかった。

ただ胸元から風穴が空いていた。

同時に全身を襲う黒い雷の衝撃!

再生力は失われ、その身は衝撃とともに


「そんな馬鹿なぁあああ!」


大嵐六尾は悔しがるも、自分を倒した黒龍王の能力は主をも殺す可能性があると理解すると、

「これで主を脅かす龍神族の切り札を失わせられたようだ。ならば本望!」

跡形もなく消滅したのだった。


そして残されたのは黒龍王によって重力によって押し倒されていた白龍王であった。

その目は涙し、地面を握りしめ泣いた。

幼き日より兄弟のように生きた友の死に。


「お前の死、俺は無駄にはしないぞ!」


重力場が消えて自由になった白龍王は立ち上がると、黒龍王が与えてくれた戦況を変えるために青龍王達の戦う場へと駆け出した。


その時、もう一つの戦場では勝ち誇る輝煌覇蛇の前に青龍王は膝を付いていたのだった。

次回予告


覇蛇最強の輝煌覇蛇を相手に同じく四海龍王最強の青龍王。


その最強対決の勝敗は?

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