表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
263/711

修蛇六尾と熔毒覇蛇、新たな脅威?危険が迫る東の地!

沙悟浄の身体が奪われ、その姿はかつての英雄神の姿へ?


そして放たれた爆砕はその戦場を塵に変えた。


法子達はどうなったのか?


私は法子。

私達は今、あの戦場から離れた洞窟遺跡に身を潜めていたの。

ここは私の友軍になった妖怪達の隠れ家で、あの状況で生き残れた皆を全員かくまってくれたの。

と、言っても・・・

「七割近く全滅したね。せっかく生き返れたのに・・・許せないわ」

白骨乙女さんの悔しがる手を錬体魔王さんが握る。

「鉄扇ちゃんも見つからなかったわ」

私は鉄扇ちゃんの気が見つからなかった事に不安を過ぎらす。鉄扇ちゃんは白蛇の巫女の投げた剣を受けていたはず?まさかあの攻撃で?

「心配ないよ?あの鉄扇がそう簡単に死にはしないよ!きっと生きてるに決まってる」

「ありがとう。白骨乙女さん」

見回すとこの場にいる全員が疲弊し落ち込んでいたの。

そう。あの蛇神の驚異的な力を目の当たりにして恐怖で震えるしかなかった。

駄目よ!こんなんじゃ!

その時、ナタクが口を開く。

「そろそろ話を聞かせて貰おうか?」

「えっ?」

「どうしてお前がいる?いや、どうして生きているのだ?破壊神よ!」

それは八戒に対してだった。


あ〜そう言えば!


私の隣には褐色の肌をした私と同い年くらいの少年がいたの。

そして彼は間違いなく黒豚妖怪の八戒なんだと思う。

「なんら?ナタク!オラはお前の事を許したわけじゃないらよ!」 

「どう許さないつもりだ?」

すると二人の間に険悪ムードが立ち籠める。

「待て!ナタク」

割って入ったのは二郎神君さんだった。

「ナタク。お前にも言ってはなかったな」

二郎神君さんは過去に天界で起きた破壊神の話を私達に聞かせてくれたの。


それはシャナと呼ばれる異国の魔神の少年。

それはつまり、八戒の転生前の話。

沙悟浄が姿を変えた捲簾さんとの関係を。


「そんな事があったのね・・・」


話を終えた二郎神君さんは八戒の前に立つと、

「久しぶりだな?遮那」

八戒は二郎神君さんを見上げると、

「ずっと忘れていたらが、今ならあんたの事を思い出せるらよ。天界で追われているオラを逃してくれたらよな?事を捲簾のダチの?あの時は世話になったら」

八戒は二郎神君さんと握手をしたの。


「けれど、お前はあの時に死んだはずでは?」

「話すと長くなるらが・・・」


そして八戒は私達と分かれた後、改伯さんと玄徳さんと共に覇蛇である硬剛覇蛇を倒した事を告げたの。

そうか、何者かが覇蛇の一体を倒したって噂になっていたけど八戒だったのね?本当に凄いわ!

「オラは捲簾が最期に残した転生の術で甦ったんら」

「捲簾がか?あの一瞬で本当に驚かされるよ、捲簾の奴には」

二郎神君さんは捲簾さんの実力を知っていたから疑う事はなかった。


「そうら。今のオラは遮那であって黒豚妖怪の八戒でもある天蓬元帥・八怪ら!」


八戒が八怪?

漢字を変えただけだから呼び方は同じなのね?

けれど天界では字を変える事は今後の生き方を変える程の意味があるらしいの。


ようやく話の全貌が見えて来たわ。

けれど八怪はあの現場に強い気が沢山集まっている事に気付き、その中に私の気を見つけて急いで向かって来てくれたのだけど、辿り着いた時には爆発が起きて私を助ける事に精一杯で状況が全然分かっていなかったの。そして爆風の中で一目見えた姿は間違えようもなく恩人の捲簾さんだった。

「どうして、捲簾がいたらか?あれは幻らったんらか?」

その質問に二郎神君さんが答えたの。

覇蛇の一人に身体を奪う者がいて、沙悟浄が餌食にあった事。

そして何故か沙悟浄が捲簾さんの姿へと変わって、あの状況を作った事を。

「オラ、全然話が理解できないら」

それは私達も同じだった。

けれどやるべき事は決まっている。

「私は沙悟浄を取り戻すわ!だから天界にエスケープなんてもうしません。私は戦うと決めたの!」

私の意思に八怪も立ち上がる。

「オラは法子はんに付いて行くら!そして自分の目で見て判断するらよ!」

その決意を止める事は誰にも出来ない。

例え二郎神君さんでもナタクでも。


それに少なくとも私はあの白蛇の巫女ってのに目を付けられたから、例え天界へと逃れたとしても構わずに進軍して来るに違いなかった。

「俺はお前を天界へ連れて行く事が任務だ。お前の意思は関係ない」

ナタクが鞘に手を置く。

「オラが相手になるらよ」

八怪が私とナタクの間に割って入る。

正直、今の八怪の力量は計り知れなかった。

もしかしたらナタクより強いなんて事も?

「面白い。雑魚では無くなったようだが少しはマシになって俺を楽しませるか?」

「そもそもお前には蛇神よりも前に晴らさなければならない恨みがあるんら!」

「何の事だ?」

八怪は怒りを示す。


そうだった。

ナタクは私達の友達を殺したのだから!

「恨みだと?何の事だ?」

八怪は更に怒りを込み上げる。

「お前が討伐した紅孩児の事らよ!」

「紅孩児だと?」

「お前の持っている火尖槍の持ち主らった赤髪の妖怪ら!今は猿の奴がいないらから、オラが代わりに仇を取ってやるらよ!」

八怪が飛びかかりそうになった所に二郎神君さんが止めに入る。

「二人とも無駄な争いは止めろ!」

「邪魔をするなや!アンタには昔の恩があるらが、これはケジメなんら!」

するとナタクが呟いたの。

「そうか、あの牛角魔王の子供の事か?なら奴は死んではいない。牛角魔王が連れ去ったからな」


「・・・・・・」


沈黙が時を止めた。

そして頭が理解した時に私と八怪は同時に叫んだの。


「なんだってぇ〜??」


えっ?つまりそれは?

紅孩児君は生きてるって事なの?



それは遡る事、干支十二宮殿での戦いを終えた後、紅孩児君と別れた後の話。

残った紅孩児君の前にナタクが現れたの。

そもそも討伐を終えたナタクが強い妖気を感じて寄り道をしただけなのだけど、

そこに偶然出くわせてしまったの。

当然、分かり合えない二人はその場で戦闘を繰り広げたの。

勝負はナタクにとっては長引いたとか。

つまり紅孩児君が負けたの?

干支十二宮殿では千年前の魔王相手に四連勝する活躍を見せて戦闘センスと成長を見せてくれたのに。

つまりそれだけナタクが強いって事なんだけど。

意識が無くなるほど、コテンパンになった紅孩児君を見てナタクは考える。

そもそも紅孩児君は討伐対象ではなかったから。

けれど自分を追い詰める程の力を持つ紅孩児君は後々脅威的存在になると判断する。

「やはり早いうちに討伐しとくべきか」

その直後、ナタクは警戒する。

自分へ向けて強烈な殺気が発せられたの。

「何故、お前がいる?」

殺気を放っていた正体はナタクに言葉をかける。

「その者に手をかける事は許さんぞ?」

「何故、お前が気にかける?」

「その者は俺のガキなんでな?もし手を出すのであれば俺が容赦をせんぞ」

ナタクと一触即発になる。

「地上界での抑止力であるお前に手を出せば条約違反になるのでな。そうか、お前の血縁なら手を出すわけにもいくまい。手をひこう」

「有り難い。お前と一戦交えればお互いただではすまないからな。興味がない訳ではないが」

「確かにそれは唆る」 

ナタクは振り返り、その相手を目視する。


平天大聖へいてんたいせい・牛角魔王よ!」


牛角魔王は紅孩児君の父親にて孫悟空の義兄弟。

東の地を支配する妖魔王なの。

それは天界とも合理的な関係であったため天界は牛角魔王に手を出せないのだって。

牛角魔王は意識の無い紅孩児君を肩に背負うと、その場から消えて行ったの。 


その話を聞いて私と八怪は安堵した。

「だが、蛇神共によって今地上界の数いる猛者が所々で狙われていると聞く。牛角魔王の城にも恐らく蛇神の手が迫っているだろうな」 


けれど紅孩児君なら大丈夫よね?

うん。絶対に大丈夫よ!



場所は変わる。

そこは東の大陸。

この地には鬼神族が多く、角のある妖怪が跋扈していたの。

妖怪にとって角はステータス。

良い角を持っている事は絶世の美女を連れて歩くくらいチヤホヤされるの。

その地に今、足を踏み込んだ蛇神がいた。

蛇蝕六尾の称号を持つ修蛇六尾である。

修蛇六尾は袋に何かを入れて収集していた。

「この蛇がぁああ!」

鬼神族の戦士が両手に大刀を握り斬り掛かる。

「無双斬刀撃!」

その腕は魔王レベル。

しかし修蛇六尾は二刀の斬撃を素手で掴み止めたの。

「その程度か?修練が足りん!」

修蛇六尾は素手で剣を握り潰すと、目の前の鬼神に蹴りを繰り出すと内臓を破裂させたの。

倒れる鬼神は死に際に言う。

「この俺など妖魔王様に比べたら小物に過ぎん。確かにお前は強いが、俺はあの牛角魔王様より強い者は知らな・・・ぃ」

息絶えた鬼神の言葉に修蛇六尾はほくそ笑む。

「この俺を研ぎ澄ます猛者がまだ残っているようだな。わざわざ遠く離れた東の地にまで足を運んで正解だった。牛角魔王か、その者の角を手に入れ俺は覇蛇となろう!アハハハハハハ!そして俺が覇蛇となった暁には・・・再び最強を掴む」

拳を握り締め猛る修蛇六尾を見ている者がいた。


それは、覇蛇。

「お前は俺と同じく覇蛇になるに等しいと思っている。それだけの実力は持ち合わせているからな。お前の成長は実に頼もしい」

その者は熔毒覇蛇。

熔毒覇蛇は修蛇六尾の事を目にかけていた。

「恥ずかしい事だ。現役の覇蛇は下等種に遅れを取っているようだからな。覇蛇とは覇王様に継ぐ力を持つ象徴。実に恥ずかしい」

その向かう先にあるのは新たに出来た火炎山の城。

その地下底に人影が見える?

「むにゃ〜むにゃむにゃ〜」

地下底で眠っているのは紅孩児くんだった。

今、新たな脅威が紅孩児君に迫ろうとしていたの。


そんなこんな。

次回予告


火炎山に迫る修蛇六尾と熔毒覇蛇。


そこにいるのは紅孩児だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ