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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
25/713

真の敵は誰?女子高生対決??


織田信長の出現に総本山が動き出す!!


そして信長を連れ帰った謎の者は?


私は法子…


総本山は今、騒然としていたの。


織田信長がカミシニとして甦り、私達の前に現れて、総本山の四天守護者であった坂上田村磨呂さんに重症を負わせたの。あの後に救助班により運ばれて緊急処置をしたにも関わらず坂上田村磨呂さんは今も生死をさ迷っているの。



「まさか法子を送らせた場所に織田信長が現れるとはな。予期せぬ事とは言え、田村磨呂が命を呈して守ってくれたおかげで一番の難を防げた…」


「………」


「どうした?晴明?」


「信長を連れて消えた者は間違いなく私の知る者に違いないでしょう」


「例の穴を作りし能力者の事だな?」


「はい」


「では、そろそろ聞かせて貰おうか?その者が何者なのか?お前がそこまで警戒する者の正体を!」


「半信半疑でした。確かに私は…その者が死した姿をこの目で確かめたはずだった。しかし、再び現れたその者は紛れもなく奴に相違ないでしょう…その者の名は…」


今、明かされる謎の能力者の正体!


『果心居士』


その名を聞いた座主様は耳を疑った。


果心居士とは室町時代末期の幻術師と噂されているの。


「まさか転生者か?」


その問いに、晴明師匠は首を振り答えたの。


「正真正銘の本人でしょう」


「まさか?その者は話に聞けば人間なのだろ?それほど長寿な人間なんて聞いた事が……」


が、そこに過る者がいたの。それはこの総本山の創始者である役小角様を?


「まさか役小角様と同じく長寿?仙人だと言うのか?」


その問いに晴明師匠は再び首を振る。


「我が師、役小角様は過去に呪いを受けて長寿を得ました。しかし、その者は違うのです」


「どう違うのだ?」


「時を渡っているのです」


「時を?それは時間移動能力者の事を言っているのか?」


「紛れもなく」


「噂にしか聞いた事がない。時間移動能力者とは…まさか本当にそんな事が可能なのか?」


「果心居士は時を渡っているために、実際の年齢の経ち方が我々とはズレているのです。その証拠が…」


「あの時空の穴なのだな?」


「はい」


「しかし確かめる事も出来ぬのは半ば信じられぬ」


と、言うのは時空の穴に入った者は二度と戻っては来れないからなの。渡った先で戻れないなら良いけど、時間移動能力者以外の者が入れば時の狭間に身体が押し潰されてしまうの。


それは穴から出て来た悪魔達からの情報。人間には決して耐えられるはずがないと。そして入って抜け出たは良いけど、戻る事は叶わないって…


つまり不用意には近付けないし調べられないって事ね?



「それが本当だとして、どうして信長を?」


「そもそも信長も過去に葬ったはず」


「何だと?既に交えていたのか?」


「あのカミシニとヤオヨローズの戦いの最中、若き日の私は卑弥呼様の隠密として果心居士を倒すように命じられていたのです」


「あの日か…私が総本山の守護者としての初任務の時だったな?」


「あの日、卑弥呼様が私に命じたのは果心居士の拘束。無理なら始末するように命じられました」


「卑弥呼様が直接暗殺をお前に依頼したと言うのか?あの卑弥呼様が?」


「はい。卑弥呼様の予言によって果心居士の目的は解っていたのです」


「目的?」


「それは日本国全土大地震を発生させる事!」


「地震だと?日本全土を巻き込む地震だと?何故果心居士はそのような馬鹿げた真似を?まさか日本を沈没させるのが目的では有るまいな?」


「理由は解りませんが、確かに卑弥呼様は私にそう仰っておりました」


「ウムム…つまり果心居士は再びその日本全土大地震を決行させるつもりなのだな?」


「間違いなく」


「しかしどうやって?」


「龍脈を使うのです」


「龍脈だと?」


龍脈とは地下を流れる気の流れ。それはまるで龍のように大地を駆け巡っているの。仮説だけど、その龍脈に異変が起きた時に地震が起きるんだって?


でも、その龍脈をどうするって?


「卑弥呼様より予言を承って参りました」


そこに祈祷を行っていた卑弥呼様の予言の伝令者が入って来たの。


その内容とは?


「卑弥呼様の予言では間もなく龍の伊吹が一点に集った時、時の狭間が日の国を沈めるとの事」


それはどういう?



「この日本が沈むだと?龍の伊吹が一点に集まる場所…つまり龍脈が集まる場所とは?」


「既に場所は示されました」


使いの者は地図を広げると、その地図に光の線が浮かび上がる。


それは正しく龍脈の流れと同じだったの。


その無数の線がゆっくり伸びていく。


それは今より三日後、あの場所で起きると示したの。あの場所とは?



「まさか富士とは!!」



えっ?富士…富士山?


そんな地震が起きたら、富士山が噴火しちゃうんじゃないの?


地震だけの問題じゃなくなるわよ?


それ?



座主様はこの緊急時に晴明師匠と頷くと、



「急を要する。総本山の者達は晴明の指示に従い、直ちに武装し富士へと出陣せよ!」



その伝令は総本山に行き渡る。


晴明師匠が五重塔を降りると、既に外には何百人もの武装した僧が集まっていたの。


集まっていた武装した僧の皆さんは既に状況を知って、戦場に向かう準備は出来ていたの。ここにいる僧は守護者であり、裏で世界を守るために命をかけているのよ!


その指揮を取るのが安倍晴明。私の師匠よ!


「さてと?」


私も準備を終えて列に並ぶと、後ろから宮ちゃんが私の襟元を掴んで引っ張る。


「こらこら?貴女はお留守番よ?」


「えっ?」


「私は貴女が首を突っ込まないように見張りを任されているの」


「結構です」


「結構です。じゃない!何がなんでも貴女を止めます!良いですね?」


「良くないわよ?どうして私がお留守番なのよ?私はもうこの件に絡んでしまったのよ?後にはひけないわ!」


「許しません!どうしてもって言うなら…」


「どうするって言うのよ?」


「力ずくでも止めます!」


「マジ?」


「はい」


私は頭を掻いて、溜め息をつくと


「仕方ないわね?宮ちゃんと喧嘩したくないし、宮ちゃんの立場もあるしね?解ったわ?諦めるわよ」


「意外と聞き分け良いのですね?」


私は手を振ると、列から離れて五重塔へと戻る。


「………」


はずないわよ?


私は宮ちゃんが見えなくなったと同時に反対側の裏門へと駆け出したの。


「例え宮ちゃんでも私は止められないわよ?」


私は反対側の裏門へ着くと立ち止まる。


「やっぱり…」


そこに宮ちゃんが待ち構えていたの?


「いつの間に?あっ!」


私は気付く。


正門にいた宮ちゃんは、自分自身を模した式神?つまり偽物だったわけね?


「解ってるわよ!宮ちゃん?貴女、旅の時に晴明師匠と二人きりにするって約束守れなかったから嫌がらせなんでしょ?」


「そうよ!」


言い切った??


私は呆気に取られた後に、


「少しは否定してよ!」


「冗談よ」


「………」


私は宮ちゃんの冗談が実は半分本気だと察した。



「こうなったら…」


「諦めてくれますか?」


「当然、実力行使よ!」


「そう言うと思ったわ!なら私も手加減はしません。貴女には少し痛い目にあって貰います」


「そっくりそのままお返しするわ?」



私と宮ちゃんが対峙する。


宮ちゃんは術札を巻き上げると、術札が雷を帯びて降ってきたの!


「私を感電させるつもりね?だったら私も術札で対抗するわ!」


私も術札に念を込めて地面に散らばす。


「さ~て雷には、これよ!」


私がばら蒔いた術札から水柱が噴き出したの。同時に雷が水柱を避雷針の如く直撃し、帯電した水が宮ちゃんに向かって流れていく。


「悪いけど逆に痺れさせてあげるわ?」


「やるわね?」


宮ちゃんは両手に霊気を籠めて、金の錫杖を構成する。そして、


「濃縮させた気は重量を増して破壊力を増す!」


宮ちゃんは金の錫杖を地面に突き付けると地割れが起きて、帯電した濁流は全て地面へと流れてしまう。


「あら?」


私は互角で戦う宮ちゃんに、だんだん当初の目的を忘れて楽しくなる。


「宮ちゃん?覚悟してよね?」


「覚悟するのは貴女の方よ?法子さん!」


「あっ…」


「何?」


「今、法子って言ってくれたわね?でも「さん」付けはいらないわよ?」


「今はそんな話をしている場合じゃないわ!」


再び印を結び錫杖を手に向かって来る。私もまた金の錫杖を構成して迎え撃ったの。激突する錫杖に互いの力量が伝わる。


(この子…始めに会った時より霊力の強さが比較的に上がっている?実戦が彼女を育てているの?)


宮ちゃんは私の潜在能力に驚異したの。


「だけど私は貴女を止める!必ず!」


「…それが晴明様から指示だから!」


「……えっ?」


「晴明様のお願いだから!晴明様の~キャッ!恋する乙女は愛する殿方のために頑張っちゃうのよね?宮ちゃん可愛い~い~愛って素敵ね~」


「ちょっ?さっきから何を言ってるのよ?私は、た、ただ!」


「晴明様のためにでしょ?」


私は宮ちゃんの心を見透かすように台詞を後付けさせる。


顔を赤らめる宮ちゃんに私のドS心が更に目を覚ます。



「そうか…そうやって私を怯ませ隙を狙っているのね?」


「あっ…バレた?」


「許しません!」



宮ちゃんが怒った。


宮ちゃんは指先を傷付ける。


その血が垂れながら動きだして宙に浮くと、次第に鮮血の狼へと変わる。


あれ?


今頃気付いたんだけど、宮ちゃんの血って、もしかしたら?


私の疑問に宮ちゃんが気付き答えてくれた。



「カミシニを相手にしたなら解るわよね?私の血もまた忌まわしきカミシニの血の能力なのです!」


「えっ???」



宮ちゃんがカミシニ?


どういう事?


それに確か自称物語の転生者の三人組も血を使っていたわよね?あれ?



「まぁ…考えても答えが出ないなら、もう考えない!私は今をどうするかだけを考えるわ!」


そして宮ちゃんが狼を使って私に攻撃を仕掛けると同時に、私は…


「あっ!晴明師匠?」


宮ちゃんの後ろを指差して晴明師匠を呼んだの。


宮ちゃんは呆れた顔で私を見て、


「ふぅ~。そんな子供騙しに私が引っ掛かるって本気で思っているわけ?いくら私が晴明様をす…」



「二人とも何をしているんだい?」



それは正しく晴明師匠の声だったの。


「えっ?どうして晴明様が?もう先に向かったはずでは?」


慌てる宮ちゃんが振り向くと、そこには確かに晴明師匠がいたの。


そして宮ちゃんに答える。



「どうしてだって?それはですね…」


「あっ…」


「戦場に向かう前に君を抱き締めたかったんです」


と、宮ちゃんに向かって両手を差し出したの。


「あ、あは…は」


宮ちゃんは顔を伏せて、


「これは晴明様じゃないわ!法子!式神を化けさせたわね?」


「バレた?だ・け・ど!」


「!!」



私は宮ちゃんに向かって勝ち誇って叫ぶ。


「解っていても宮ちゃんは絶対に式神晴明師匠を拒めないはずよ!」


「そんな事、は…」


抗う宮ちゃんは目の前の式神晴明師匠に誘われるがまま、


「あぁああ…」


抱き締められると、式神晴明師匠の腕が伸びて宮ちゃんの身体に絡み付き拘束したの。


「む…無念だわ…」


悔しがりながら幸せそうな宮ちゃんを残し、


「宮ちゃん?今度は本物の晴明師匠とラブラブ出来るようにフォローするから今回は許してね?」



と、ペコリと頭を下げて本隊を追って行ったの。



よし!


私はもう止まらないわよ?


そんなこんな。


次回予告


総本山が富士に向かう。


現在に戦国の武将が??



※第二部の神を導きし救世主にて、果心居士は数度登場していました。


もし機会があれば、神を導きし救世主もお読みになって下さると・・・


あっ!いた!と、思います。



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