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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
247/711

四神集う??蓬莱国結解崩壊!

蓬莱国の結解から出るためには、


先ずは孫徳に会わねばならなかった。


蓬莱国結解編の謎が全て解かれる。


私は法子。

私はあの後、ずっと逃げ続けてました。

でっ?

王宮の武人訓練所で見付けたの。

「驚いた。まさか結界の特徴を使ったのか?」

そこに座っていたのは孫徳さんだった。

「うふふ。むやみやたらに探しても私達の前に現れてくれなそうだったからね?気配を消されてるから全然見付からなかったわ」

孫徳さんが逃げないように反対方向には楊善さんが道を塞いでいたの。

完全包囲網よ!

えっ?どうやって孫徳さんの居場所を見付けただしたかって?それは簡単な話よ?


この蓬莱国の時は一日でリセットされて、一日前に時間が逆行してしまうの。これは結界が綻びから生じた欠陥が原因だった。私達もこの結界の中で三回は逆行して宿泊場所からやり直してたの。

運の良い事に王魔は新しい時間には存在していなかった。恐らく大魔導師が世子に渡した剣と同じく、孫徳さんが王魔を斬った剣がこの世界で逆行させずに殺せる武器なのだと思う。

で、本題に戻します。


私と楊善さんは王宮で結界の意思から半日逃げ延びたの。

そして時間の逆行が始まった所で宿泊場所から行動を開始したのよ。

楊善さんは直ぐに幸楽公主さんの救出に向かって貰う。

そして私は一番最初に孫徳さんと初めて会った武人訓練所へと先回りしたの。

そこで孫徳さんを見付けだしたわけ。

「孫徳さんもまた時間の逆行から逆らう事は出来ないものね?もし逃げてもまた此処で会えるわ」

「つまり逃げても無駄なのですね」

「そもそも協力を持ち掛けておいて逃げる必要あるの?それとも他に理由が?」

すると孫徳さんは楊善さんに振り向くと、真面目な顔をして口を開く。

「楊善よ、お前は私を討伐に来たのではないのか?」

「それはどう言う意味ですか?何か天界でオイタでも致しました?」

「馬鹿を言うな!なるほど。どうやらお前は天界からの追手ではないのだな?」

「少なくとも私は貴方の討伐依頼を受けてはおりません。もし結界を抜け出せたとしても、天から命令がない限り討伐は致しませんよ」

「ふふふ。それは有り難い」

どうやら孫徳さんは天界から追われる身で、私に協力を求めたのは良かったけれど天界でも有名な陽善さんとの関係を知って身を潜めていたみたいなの。

「とりあえず孫徳さんに聞きたい事があるのよ」

「私の本体の在処であろう?」

「全てお見通しのようね?」

孫徳さんは自分の本体の在処は知ってはいた。

けれど入る事が出来なかったの。

もし近付けば孫徳さんの魂が本体に吸収された上に、結界の一部となってしまうの。

そうなれば結界も強固になって誰も結界から逃れられなくなる。

「だから私の代わりに私の本体を取り戻す者を探していたのだ」

かつて武闘寺院の張角さんが結界に入って来た時も協力を願い出た。

しかし王魔によって殺されてしまい肉体を奪われてしまったと言うの。

その後、力を得た王魔は蓬莱国の大魔導師を暗殺してその身体を手に入れ、更に力を増す。

既に孫徳さんには手が付けられない相手になっていたの。

しかし王魔のその行動は無自覚に操られていた。

この結界の意思によって!

本来なら王魔もまた結界の触媒にされるはずが自由に動けていたのは、結界の意思によって洗脳されていたからなの。この結界の中で外に出ようと動く者を始末させるための操り人形として。

「蓬莱国の世子様と同じようにか・・・」


私達は作戦を立てる。

「その前に、彼女は何方ですか?」

そう言えば孫徳さんは幸楽公主さんとは初対面だったわね?

幸楽公主さんは一歩前に出て挨拶をする。

「私は蓬莱国の姫、幸楽公主です」

「蓬莱国の姫?そうでしたか」

孫徳さんは膝をついて頭を下げ挨拶をする。

「お構いなく!頭をお上げください」

そんな自己紹介をする二人を見て、

「あら?蓬莱国のお姫様を知らなかったんだ?」

考えてみれば孫徳さんが使っている身体は、この蓬莱国に張られた結界の中で死にかけていた村人。

この国のお姫様と顔を合わすなんて出来ないくらい身分が離れているから仕方ないもんね。

そして私達は孫徳さんに案内されて結界の中心へと向かったの。

そこは王宮内の王の部屋の中。

本来なら王宮へ忍び込まないといけないわけだけど、ここは幸楽公主さんの顔パスで簡単に入れたの。

「それにしても結界の意思の妨害があるかと思ったけれど、何もないのも不気味よね?」

「油断は大敵ですよ」

そして私達は王室へと入る。

私はキョロキョロしながら物色する。

何か金目の物はないかしら?

えっ?違うわよ?盗んだりしないわよ?

私が物を盗むはずないでしょ?

王室にあったのはベッドや剣、巻物や金で出来た置き物や、壷や皿が飾られてた。

それから王室の家族写真[人物画]くらいかな?ん?

「なるほどね〜」

私は頷きながら王室の奥にあった隠し通路へと案内される。

そして前方を歩く孫徳さんが立ち止まったの。

そこは何もない壁だった。

けれど、この壁は侵入者を通さないための幻なのね?

「これ以上私は入り込む事が出来ません。後は宜しくお願い致します」

「ありがとう!後は任せて?」

隠し通路には私と楊善さんが入る事にしたの。

「待ってください!私も行きます!この蓬莱国最後の王族として結末を全て目に焼き付けたいなです」

「しかし、ここから先は命の保障は出来ません。孫徳殿とお待ちください」

「よ、楊善様・・・」

泣きそうな顔で我慢する幸楽公主と孫徳さんを残して私と楊善さんは隠し通路の中へと飛び込んだの。

中は空間が歪んでいた。

「この先に罠あると思う?」

「行ってみないと分からないですね〜」

「いきあたりばったりで良いわね」

そして辿り着いた場所にあったのは!

「待ち伏せってわけね!」

そこには魔導師、いえ!結界の意思が待ち構えていたの。

そして私達に言葉を発する。


「お前達を始末する為に暫し結界を解き、新たに組み直す事にした。お前達も結界の一部として使わせてもらう」


結界の意思は、結界に取り込まれている孫徳さんの本体に自らの思念を吸収させたの。

すると中から閃光が放たれ私達を覆い、誰かが出て来る。

それは結界の意思が肉体を手に入れた姿だった。

金色の鎧を纒いし武神の姿。

あら?何処かで見覚えのあるような顔だわ?

「そうか、何故今まで忘れていたのか?私はあの者を知っている。かつて封神大戦にて共に戦った戦友であり、そして」

「そして?」

「ナタクのお兄さんですよ」

えっ?ナタクのお兄さん??

そう言えばナタクを少し大人にしたような?

確かに似てるわ!

「彼は金托きんた殿。天界大戦の後に行方をくらませたと噂になってはいましたが、まさかこの蓬莱国の結界の中に閉じ込められていたとは」

「で、強いの?」

「そうですね〜英雄神なのは間違いないです」

「楊善さんとどちらが強いの?」

「それは〜」

「それは?」

「戦ってみないと分かりませんよ?ほら!集中しないとヤラれますよ?」

「えっ?あっ、そうね!」


一瞬だった。

閃光が私と楊善さんの間合いに入って来たと思うと剣が振り払われる。

私達は反射的に躱す。

「獣神変化唯我独尊!」

楊善さんも紅色の鎧を纒い本気を見せる。

それだけ油断出来ない相手なわけね?

「宝貝・紅空剣!」

楊善さんは剣を抜いて反撃する。

剣術は互角!?

楊善さんの舞のような華麗な剣捌きに対して、閃光の如き速さで一瞬で間合いに入り込み抜刀する剣術。それは一瞬の隙きで命を奪われるわ。

あの攻撃を受け続けるだけでも、かなりの集中力が必要だわ。

けれど長期戦はマズい。

だって、金托の器を手にした結界の意思には疲れなんて感じない上に、その能力を最大限に引き出して使ってる。肉体の限界を無視した戦い方なの。次第に楊善さんが押され始め斬り傷から血が滴る。

大丈夫なの?楊善さん?


それにしても困ったわ〜

また私の入り込めない展開じゃないのさ〜


「やはりナタク君のお兄さんはお強いですね〜。けれどそれは本人だったらの話。操られてるだけの器では私には役不足ですよ」


今度は楊善さんが攻撃を仕掛ける。

剣と剣が衝突すると楊善さんの方が弾かれ、もう片方の腕で印を結ぶ。

すると散らばった楊善さんの鮮血が鳥の羽根へと変わっていく?

「血印の羽根!」

すると金托さんの足元から羽根が巻き起こり閉じ込めたの。

まさか戦いながらあんな術を仕込んでいたなんて!

なんて曲者なのよ?

閉じ込められた金托さんの身体は竜巻の中から剣を叩き付けているけれど抜け出せないでいたの。


「やったわね!流石よ!楊善さん!」


もう私は褒めるしかなかった。

ただ褒めるしかなかった。

べた褒めするしかなかった。


けれどその時、金托さんの身体を閉じ込めていた竜巻の中から黒い光が抜け出したの!

それを見た時、私は叫ぶ。

「今よ!来て!」

私の声に応じて、外から孫徳さんが入って来たの。

そして印を結ぶと、孫徳さんの身体から光が飛び出して竜巻の中へと消える。

「解!」

同時に楊善さんが竜巻の結界を解く。

すると中から肉体を取り戻した本物の金托さんが姿を現す。

「皆、礼を言うぞ!」

その神々しい姿に私達は活気付く。

残る問題はっと?

私達を囲むように空間がまた歪み始める。

もはや器を持たない意思そのものだった。

「さて、本番はこれからよ?」

ここ迄の展開は全て段取り通りだったの。


問題はこれから!


この厄介な結界を壊して元の世界へ出るためには、金托さんが元の身体に戻る事が第一条件だった。

何故なら、この結界を破壊するには三人以上の神の力が必要だったから。

そもそも二人分の結界だったのが許容範囲を越えて止まった時が動いたり逆行したりしてるわけなのよ。

そして今、この場には楊善さんと金托さんがいるの。

えっ?足りない?実は大丈夫なのよ!

金托さんは剣を構えると印を結び唱える。

「剣封解除!」

すると金托さんの剣から倒したはずの王魔が飛び出す。

「うぬぬ」

王魔はムッとしながら喋りだす。

「この俺が操られていたなんて、何て無様なのだ」

王魔はこの時のために金托さんは滅したのではなく自分の剣に封じていたの。

しかも操られていた王魔の洗脳を解いていた。

「約束は守ろう。この結界から出られるなら不本意だがお前達とも協力してやるぞ」

これで三人揃ったの。

楊善さん、金托さん、王魔が有りったけの力を結界に広がるように解放させる。

結界は歪み始め、蓬莱国とは違う外の風景が見えてきたの。

「その調子よ!」

金托さんって結界の供給源を失い、さらに三人の神力が結界を揺るがす。

けれど結界を破壊するにはまだ不十分なのよね。

でも最後の一手があるのよ?

私は大声で叫ぶ。


「幸楽公主さん?見ているんでしょ?そろそろ貴方も正体を見せて欲しいのだけど?隠れてないで出て来て!」

私の声を聞いて、外に残して来ていた幸楽公主が私達の前に姿を現したの。

「私の正体って何を言ってらっしゃるの?」

その口調は怯えているようだった。

「そうね〜?実は大魔導師に結界の事を聞かされた時から違和感あったのよね?」 

私は自分の考えた推理を披露する。


「この結界はそもそも二人分の神を封じるためだった。それは金托さんと王魔の事に間違いないわ。

けれど結界発動の際に、この蓬莱国を住民事まとめて結界に閉じ込めたのが手違いの始まり。

二人分の結界の中に三人分の強い力があったから結界が動き出したって事。

最初は三人目は大魔導師の事かと思っていたけれど、それも違った。

だってそうでしょ?それなら王魔が大魔導師の身体を奪った時に結界は完全に作動してしまっていたはずだから。つまり、そうなの。この蓬莱国には最初から別の強力な力を持った神様が居座っていたのよ!その神様ってのが幸楽公主?貴女だったのよ!」

「そんな、私が神様だなんて可笑しな事を言わないでちょうだい!」

「それにもう一つ!この蓬莱国にはそもそもお姫様なんていなかったのよ」

「何を言ってらっしゃるの?」

「さっき王室で王家の家族写真見たのだけど、王様と皇后様、それに世子様しか描かれてなかったのよ?それってどう言う事?仲間はずれにでもされちゃったの?そんな陰険家族問題抱えてたの?」

「ぷっ!」

私の推理に幸楽公主は堪らずに噴き出す。

「あははは!貴女、本当に面白いわね?」 

すると幸楽公主は自分の正体をさらけ出したの。

その姿がボヤケて神気を纏った女神様の姿に?

「貴女は何者なの?」

彼女は高貴かつ楊善さんや金托さんにもひけを取らない潜在能力を秘めていたの。


「私の名前は竜吉公主リュウキツコウシュ


その姿を見て楊善さんと金托さんも驚く。

「まさか竜吉公主様とは驚きました」

「あの噂の英雄神とは」

彼女もまた、かつて起きた封神大戦にて英雄神と讃えられる神様だったの。

「なんとなく凄い神様だったのは分かったけれど、力を貸してくれます?」

私の問いに竜吉公主さんは、

「この天帝の娘である私を使うなんて肝っ玉が据わった娘ね?ふふふ。私もこの結界から出たかったから力を貸してあげる」

竜吉公主は印を結び神気を高めたの。

すると四人の神気が結界に亀裂を作る。


「させるものか!この結界をををを破壊されてたまるるるるものか!この私の結界ががガガガ!!」


結界の意思は金托さんを失った事で自我を取り持つ事が出来なくなっていた。

「もう、壊れた玩具のようね!」

私はすかさず印を結び霊気で作った金の錫杖を振り上げると、壊れかけた結界の意思に向かって投げつけたの!

「ウガガがガガガ!」

直撃したと同時に私達の視界が硝子が割れたように崩壊していく。

「やっ、やったわ・・・結界が壊れたわ!」

結界が崩壊すると同時に凄まじい発光が起きて、その場には私達と廃墟と化した蓬莱国が元の世界に出現したの。

「えっ?どう言う事なの?」

何故、蓬莱国が廃墟なの?

「この蓬莱国はそもそも滅びた王国だったのよ。この私の隠れ蓑として原型を保っていたの」

「住んでいた人も?」

「そうね。全て私の生み出した幻想郷よ」

私は驚愕する。

「それにしても現世は今、とんでもない事になっているようね?異常な力を持った者が跋扈しているようだけど」

あ、そうだった。

現世は今、蛇神達の猛威に襲われていたんだわ!

すると、

「手は貸した。俺は此処で消えさせて貰うぞ?」

そう言うと王魔は私達の前から姿を消したの。

「放って置いて良いの?」

「構いません。それに私も消えさせて貰う。差し支えなければ私と会った事はまだ隠していて貰いたい。時が来るまで」

「分かりました。ナタク君に何か伝えて置きますか?」 

「今は良い。サラバだ!」

金托さんも急くように私達から姿を消した。

「さ〜て、私も新しい隠れ蓑を見付けないとね」

「えっ?竜吉公主さんも?」

「私と会った事も秘密にしていて貰えると助かるわ!お願いしますね?楊善」

「安心してください。私の胸に秘めて置きますよ」

「真君にも秘密よ?」

「分かりました。お気をつけて」

すると竜吉公主さんも私達から消えるように飛び去って行ったの。

「えっ?真君って知り合いなの?」

「真君は二郎神君の幼名です。彼女は二郎神君の従兄弟に当たりますから」

「あら?そうだったの?世間って狭いわね」

そして私も楊善さんに一言。


「じゃあ、私もそろそろ消えるわね?私と会った事は秘密にしてね?じゃあ!」


私が立ち去ろうとした時、私の襟を楊善さんに掴まれて止められたの。

「ニャア〜」

とりあえず猫の泣き真似をして楊善さんを見上げる。

「ふふふ。法子さん?ちゃっかりは駄目ですよ?それに今、一人にしたら命の保障は出来ませんからね〜」

「恐い事を言わないでよ〜」

「いえ、私がではありません」

「えっ?」

その時にようやく私は楊善さんの言ってる意味が分かったの。

そう。近付いて来ているの。

もう近くにまで!

私達が結界に入って出て来るまでに現実世界でどのくらい経ったか分からなかったけれど、蛇神の軍隊がこの場所にまで来ていた。


あ〜一難去ってまた一難だわ!


そんなこんな。



次回予告


再び蛇神との戦いが繰り広げられる。


法子と楊善は切り抜けられるのか?

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