表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
23/713

カミシニとの直接対決?女子高生の策!


ついにカミシニを相手に法子が挑む!


カミシニの強さとは?


法子の力は通用するのか?


私は法子、


私は暗闇の中で、ビル屋上から身を潜めて状況を覗き見ている。


ビル下には田村磨呂さんと鈴鹿御前さんが、


「あれでも気配を消してるつもりか?」


「30体程度でしょう。容易いですわ」


すると、二人は資財が置かれた空き地に場所を移す。気配が影に紛れながら付いて来ている事が解る。


此処に来る途中、私達は見張りの田村磨呂さんの手下と合流したの。


だけど…


「やってくれたな?この借りは只じゃおけねぇな…」


田村磨呂さんの部下は悲惨な状態で惨殺されていたの。まるで食い荒らされたような状況で、私達が来るのを待ち構えているかのように生首だけが車のボンネットに置かれていたの。


どうやら奴等を追っていたのがバレ、殺された…


田村磨呂さんは怒りを込み上げていた。


この田村磨呂さんは部下の一人一人に対して家族のように考えていたの。


家族を殺された田村磨呂さんの怒りは、隣にいる私にも伝わって来た。そして鈴鹿御前さんも田村磨呂さんの胸中を察して殺気を発っす。


二人は私をビルの屋上に配置した後、カミシニが待ち構える場所へ二人だけで向かったの。


すると建物や柱の影から人影が出現する。それは失踪した被害者で、男だけでなく女性もいたの。顔は青く血管が浮き出ていて、口元から牙が見える。本当に吸血鬼ぽいわね?



「お前らも元被害者なんだよな?でも…」


そこに襲い掛かる吸血鬼擬きに、


「!!」


田村磨呂さんは高級な靴で蹴りあげると、吸血鬼擬きの顔面が木端微塵に粉砕したの。崩れ落ちる身体は蒸発するかのように消えていく。



「俺の家族に手を出した事とは別問題だぁー!」


その目は冷酷に、そして内なる感情に燃えていた!


「あ~良いわ~!私の主様の本気は~」


鈴鹿御前さんもまた両手に黒い気を集中させると、そこから鬼面が飛び出したの?


「鬼面喰らい!」


鬼面の生首は宙に浮かびながら口元が笑む。そこに姿を見せる吸血鬼擬きに向かって襲い掛かり、口を開けて飲み込んだの。


その状況に、他の吸血鬼擬き達は一斉に二人に襲い掛かる!



「冥土に送ってやる!」



その戦いをビルの屋上で見ていた私は、


「二人とも本当に凄い…」


その戦いは躊躇も無駄もない一方的な戦いだった。


その時、


「うわぁああああ!」



別の場所から悲鳴が聞こえて来たの?


私は声のした方向を振り向くと、離れた路地にサラリーマン風の男の人が、吸血鬼擬きに追い掛けられているのを見付けたの。


「まさか?逃げた吸血鬼擬きが一般人を襲ってるの?」


私は立ち上がると、吸血鬼擬きが襲っている場所に向かって駆け出す。


躊躇なくビルを飛び降り、僅かな段差を足場に降りて行く。


「この方が近道よ!」


私は着地すると、声のした方へと急ぐ。


そこには中年のサラリーマンのおじさんが首を掴まれ、今にも噛まれそうな状態だったの!私はダッシュで飛び上がると、噛まれる寸前で吸血鬼擬きの顔面向かって蹴っ飛ばした!


「ギリ、セーフね?」



吸血鬼擬きは顎を擦りながら、突然現れた私を見ている。アレ?本気で蹴ったから顎くらい割れたと思っていたのに?


私の後ろには襲われていたサラリーマンが倒れている。この状況は目の前の吸血鬼擬きを倒さないと、この人を担いでいけないわよね?


つ・ま・り?


「私がヤるしかないようね?」


私が構えると、


「ア・ギ・ギィ?小娘の匂い?しかも霊力が強いな?美味そうだ…とんでもないご馳走…」


直後、私の視界から消えて背後から襲い掛かって来たの!私は感知し、背後から掴みかかる腕をしゃがみながら躱し、吸血鬼擬きの足を刈って転ばず。


「女子高生をご馳走とか?どんだけ変態なのよ?この変態吸血鬼!」


「ンナァ?」


私は倒れた吸血鬼擬きに印を結び、札を投げる。


「滅!」


術札は吸血鬼擬きに貼りつき爆発したの。


これで一体倒したわ!


意外と楽勝…


「えっ?」


すると、焼け崩れる吸血鬼擬きの身体が復元して、再び襲い掛かって来たの?


私は後方移動しながら攻撃を躱す。そして掌に意識を集中させると金の錫杖を構成させる。


「来いやぁあ!」


向かって来た腕を受け流し態勢を崩して、錫杖を回転させ後頭部を殴り付ける。


「これで、どうだ?」


だけど吸血鬼擬きは曲がった首を力任せに元に戻して笑みを見せる。


アレ?


田村磨呂さんと鈴鹿御前さんが余裕で倒していたから楽勝だと思っていたのだけど、何?


こいつ強いじゃん?


あっ…


私は思い出す。


カミシニと戦う時の注意と対策として晴明師匠に言われていた事があったの。



「カミシニを相手にするためには太陽神の加護を求めよ!」



太陽神?


私は懐から術札を抜き、その術札に念を送る。



「太陽の加護を私に集めたまえ!」


すると光が私の札に集まって来て、眩い光を放つ!


そして札を指で挟み駆け出すと、吸血鬼擬きの伸ばす腕をかわして額に札を貼り付けたの。そして飛び上がると再び金の錫杖を振り上げる。


「いい加減に倒させて貰うわよ!」


私の金の錫杖には既に太陽神の加護を籠めた札が貼り付けられている。


私は落下の勢いで、吸血鬼擬きの頭を殴り付けた!



「フギャアアア!!」


今度は手応えがあったの。


太陽神の光が吸血鬼擬きの体内に流れ込み、血液が沸騰して、爆発した!



「………」


今度は吸血鬼擬きの身体は再生せずに塵となって消えたの。


私はガッツポーズをすると、倒れているサラリーマンを救助する。


とりあえず安全な場所にまで運んでっと……


アレ?


私はそこで思い出したの?


この場に田村磨呂さんと入る時に言ってた事を?



「この中に入ったら戦場だ!俺達以外の者がいたら構わずに始末しろ?何故なら…」


この一帯には結界が張られていて、一般人は入って来れないようにしているから?


その瞬間、私は鳥肌が全身に走ったの!


私が助けたサラリーマンは一般人?


私は背負ったサラリーマンに嫌な気は感じなかった…けど、田村磨呂さんの言葉を信じて背中から放り投げたの!


「間違ったらごめんなサーい!」


サラリーマンは意識を失いながら地面に直撃する。


アレ?


動かない?


けど、



「酷いじゃないか?助けておいて、今度は暴行か?小娘?」


地面に倒れたサラリーマンは何事もなかったかのように立ち上がると、汚れたスーツの埃を払う。


コイツも吸血鬼擬き?


違う…


コイツからは何かヤバい感じがする?


だけど、このサラリーマンからは魔物や悪魔?神の持つ霊気といったものが感じなかったの。


まさに人間?


でも、本能が告げる。


この男はヤバい!


つまり、このサラリーマン男が私達がおっているカミシニって奴で間違いなさそうね?


ここで私は再び思い出す。


田村磨呂さんとの約束。



「もしカミシニが目の前に現れたら、俺か鈴鹿御前を呼ぶか一目散に逃げろ!絶対に戦おうなんて思うな?」



だったわよね?


だけど、私はムズムズしていたの。目の前に現れた強敵と戦ってみたい…


私の力が何処まで通用するか試したい!



「そんな女子高生の我が儘を誰も止められやしないわ!」


もう本心を声に出していたの。


私は錫杖を構え、カミシニに向かって駆け出すと攻撃を仕掛ける。


私の錫杖は直撃すると、カミシニの胸が斬り裂かれた。血が噴き出すと、足下が血溜まりになる。



…ヤったの?思ったより呆気ないような?


けど、私は無意識にその場から飛び退く!


瞬間、血溜まりの中から血が刃となって私を貫こうと飛び出して来たの。


「血が刃に?」


私はそこで思い出す。


カミシニの特殊な力について!


確かカミシニは自らの血を武器にするのよね?そして意のままに操り、神を殺すとかなんとか?



あの血に触れたらヤバそうね?


私は意識を高める。


カミシニの血に触れずに奴を倒すってどうやって?太陽神の力の加護はカミシニにも通用するはず?でも、さっきの攻撃で倒せなかったのだから…


血を造り出している心臓に直接、太陽の力を籠めた一撃を流し込むしかない!


私は術札をバラ撒くと念を籠める。同時に疾風が巻き起こり、血がこれ以上近付かないようにする。


更に金の錫杖を7本構成させると、槍投げの要領でカミシニに向けて投げ付ける!


「そのようなモノがカミシニに通用するとでも?」


カミシニは足下の血が触手のようにして、私が投げた錫杖に絡み付き難無く止めたの。


「今度はこっちの番だ!小娘!」


えっ?


カミシニの血が触手の如く伸びて来て、私を貫こうと猛スピードで迫って来たの!私は移動しながら他の錫杖を投げる。全て弾かれた錫杖は消滅したの。



遠距離戦は不利?


でも奴に近付けるの?


策はあるの?



「なければ作るまでよ!」


私は印を結ぶと術札を投げる。札には雷の気を帯びていて、雷がカミシニに落ちる!しかし雷はカミシニの身体に纏われている血に中和されて勢いが消える。


それでも目眩ましにはなったの!


気付くと私の姿がカミシニの視界から消えていた。


「あの小娘?逃がさん!」


カミシニが辺りを見回すけれど、私の気配は完全に消えていたの?


何処に?


「本当に逃げたのか?あの一瞬で?」


けど、気付く。


マンホールの蓋が開いている事に?


まさか?


そう思った直後、足下が崩れ初め、真下から私が飛び出して来たの!


金の錫杖を突き上げながら!!



「ウグゥ!」


「うぉおおおおおお!」



私の錫杖はカミシニの心臓を貫いた。そして、太陽神・大日如来真言を唱える


『オン バザラダト バン!』



カミシニの身体が発火する。心臓から順に燃え盛り、カミシニは苦しみながらもがいたの。


そして着地した私に、カミシニは最期の力で襲い掛かる。



「この神に組する人間ガァ!み…道連れにシテやる!」


私は背を向けて動かない?


「馬鹿者!油断をするなと言ったはずだ!」



それは私の戦いを隠れて見ていた田村磨呂さん。


けど?


「油断なんかしてないわ!計算通りよ?」


「ん?」


直後、上空から落下して来たモノが?


それは太陽神の術札を貼り付けられたマンホールだったの。凄い勢いで落下して来た真っ赤に燃え盛るマンホールはカミシニの頭上に落下した。


そこでカミシニは消滅したの。


「なるほど。地下に隠れる前に視界から見えないくらい頭上に投げておいていたか?そしてタイミングを取って落下させたか?お嬢ちゃんにしては見事だったな?」


「見直した?私だって頭を使うわよ?」


けど、田村磨呂さんは私の頭を一回殴る。


「いたぁあい!何よ?」


「馬鹿野郎!倒せたから良いものを、カミシニを見たら俺に連絡よこせと言ったはずだろ?」


「あっ…忘れてた」



とりあえず私はカミシニを一体倒す事に成功したの!もう足手まといとは言わせないわよ?



とりあえず一件落着よね?


「そう言えば鈴鹿御前さんは?」


「後片付けだよ?お前が勝手にカミシニと初めちまうから雑魚は任して来たんだ!ば~か?」


「あはは…」



後は総本山に戻って報告して一件落着よね?


と、その時!


私達の目の前に、何かが投げられて落下したの?


えっ?何?


そして私はソレが何かと認識した時、私は青ざめる。同時に田村磨呂さんが走り出して、落下したモノを抱き抱えたの。


「鈴鹿ぁー!どうした?お前ほどの者が誰にやられたー??」


投げ込まれたのは、鈴鹿御前さんだったの!


そこに、何者かの気配が近付いて来たの?


その者から発する忌まわしい感じは間違いなくカミシニだと解る。


けど、私が倒したカミシニなんかとは格が違いすぎる?


本能が告げる。


『逃げろ!』



そこに田村磨呂さんが立ち上がり、そのカミシニに向かって喧嘩を売る。


「テメェが鈴鹿御前をこんな目に?だったら、俺はテメェをゼッテ~許さねぇ!」


「………」


無言のカミシニに田村磨呂さんの怒りが混み上がる。


「何とか言いやがれー!」


サハヤの剣を抜いた田村磨呂さんがカミシニに斬りかかると、カミシニは振り上げた刀で受け止める。


…そして露になったカミシニの姿は、鎧を纏っていた?


まるで武将?


田村磨呂さんの渾身の一撃を軽々と受け止めるカミシニの正体は何者なの?





その頃、


総本山では座主様と晴明師匠が近々起こる戦争の首謀者について語っていたの。



「晴明よ?お前程の者が恐れるカミシニの正体とは何者なのだ?」


「………」


座主様の問いに晴明師匠はついに敵の正体を告げる。


「馬鹿な!?」


その正体に座主様も青ざめ、狼狽したの。


晴明師匠が告げる敵のカミシニの正体とは?



「その者、かつて日本を制した者!日本最強にして最も神を殺したカミシニ…」



『織田信長!』



って、あの織田信長?


しかも私達の前に現れたカミシニはもしや?


あ~ちょっとついていけないわ~



そんなこんな。





次回予告


まさかの名前が?


織田信長?


しかもカミシニ?


それが目の前に現れたの??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ