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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
214/711

黄風魔王復活!?再び神殿バトル??

阿修羅の危機を救ったのは死んだはずの黄風魔王だった。


でも何故ここに現れたのか?


私は法子。

阿修羅の危機に現れたのは死んだはずの黄風魔王?

どうして此処に?しかもどうして助けたの?そもそも何故生きてるの?

分からない事ばかりで、いっぱいいっぱいよ!


それより!

八戒が背中から斬られた瑠美ちゃんを動けないながらも引きずりながら安全な場所へ移している。

私は駆け寄ると沙悟浄と玉龍君も同時に治癒を行う。

ハッキリ言って危険だわ!

急激に生気が抜けて来ているのが分かる。

これは鈎蛇王の持つ魂を喰らう大剣で斬られたのが原因なの?そう言えば紅鱗大蟒の能力の暗示反射が鈎蛇王にはかからなかったけど何故?格上の同属には暗示が効かないとか?

気にはなるけど今は治癒しなきゃ!

「八戒兄貴も重症ですよ!」

八戒は傷には強いけど病や毒といった全身に回るダメージには再生力が追い付かないの。場合によっては本当に死ぬ事も有り得るの。

「本当に馬鹿なんだから、あんたは!」 

「八戒兄貴は普段逃げ隠れするけど、イザって時にはいつも身体を張ってくれるのです・・・そんな兄貴を私は絶対に死なせません!そして兄貴が救った瑠美ちゃんも絶対に救います!」

沙悟浄は八戒と瑠美ちゃんの胸に掌を置くと全身の気を同時に送り込む。八戒には解毒の治癒術を、瑠美ちゃんには魂を定着させる術を!全く別の繊細な治癒術を同時に行うなんて有り得ないわ。

例えるなら右手で神経衰弱しながら左手でスピードやるもんよ!

「す、凄いです!沙悟浄兄貴!こんな芸当龍神界の治療班でも出来るかどうか」

本当に、沙悟浄?こんな芸当出来たのね?

違う、沙悟浄は初の試みなんだわ。

けれど今、この状況で必要だからやらなきゃいけないと死力を尽くしているの!

沙悟浄も戦いとは別の所で強く成長しているのね。

そして私も少しでも力になれるように沙悟浄に補助の気を送り込みサポートする。


それにしても黄風魔王は一体?


話は遡る事、私達が七絶山にある蛇神城へと向かってる最中、立ち寄った村で出会ったのは蛇神城から運良くただ一人抜け出す事に成功した半人半妖の女戦士・夜霧さんだったの。

彼女は私達と別れた後、滅びた嶺黄風国へと戻ったの。

到着した夜霧さんは崩壊した城内へ向かうと、誰も知らない地下通路へ入って行く。

「あの者が言っていた事は全て真実だった。だったら全て取り戻せるわ!あの者なら、あの方を必ず取り戻せる!」

夜霧さんは地下通路の奥に着くと、そこに白い僧衣を纏った人間の僧侶が待っていたの。


「時間通りですね」


夜霧さんは思い出していた。

私達法子一行が嶺黄風国に来る前の出来事。

この地に人間の僧侶が現れたの。

突然の来客に半人半妖の戦士達は道を塞ごうとするけれど、その場に立っている事も叶わずに跪く。

そこに虎先鋒と夜霧さん含む守護者が僧侶の前に現れたの。虎先鋒は警戒しながら問う。

「お前は何者だ?」

すると僧侶はこれから嶺黄風国に起きる予言を告げた。

それは私達が来る事も伝えられたの。

虎先鋒は僧侶の話を素直に聞いた理由。

それは?

「それで我が主、黄風様が目覚めると言うのだな?」

「あぁ。間違いなく目覚めよう。その為にお前は器となる半人半妖を生み出していたのだろ?」

それは知られざる嶺黄風国の極秘にされていた真実。

虎先鋒は謎の僧侶を隠し部屋へと案内すると、そこには一体のミイラが横たわっていたの。

「このミイラこそ我が主、黄風魔王様の忘れ形見の玉風様です」

えっ?これってどういう事なの?

虎先鋒は僧侶に話をする。

三百年もの昔に起きた妖怪の地上覇権戦争。

そして戦争の最中唯一残った忘れ形見の玉風を連れて逃げ延びた虎先鋒だったけれど、半人半妖であった玉風は流行りの病で間もなく命を失ったの。

嘆き悲しむ虎先鋒であったけれど、その死を予期していた事で禁術を施したの。

ソレは反魂の術。

虎先鋒は死んだ玉風の魂を抜き取り保管すると用意していた特殊な力を持った半人半妖の少年へと移したの。ゆっくりと起き上がる少年に虎先鋒は喜ぶ。

けれど半妖の寿命は短く、少年は三百年の永き時を肉体を変えて幾度と蘇ったの。その為に虎先鋒は半人半妖の国を創り王として君臨していたから半妖の器を用意するのは容易かった。

虎先鋒は死んだ玉風の魂を別の半人半妖の肉体に移しては蘇らせたの。

蘇った玉風は新たな黄風魔王と改名する。



しかし僧侶は嶺黄風国が強大な闇によって滅ぼされる事を予言したの。

虎先鋒は己の死を予感し唯一夜霧さんに全ての真実を明かして託したの。

その時は戸惑う夜霧さんであったけれど、虎先鋒の遺言を実行する。

万が一、虎先鋒が先に逝って、その後にこの国が滅びたならば、この目の前にいる僧侶に全てを託すように言われていたの。

そうすれば黄風魔王が完全に蘇ると!

「しかし黄風魔王様は先に阿修羅と呼ばれる魔神の手で魂諸共消滅してしまったのよ!」

反魂の術には魂を移す必要があるのに、その魂は既に失ってしまった。

複製ではソレは本人ではない。

「安心するが良い。黄風魔王は私の手で蘇る」

自信と余裕の言葉に夜霧さんは戸惑う。

一体どうやって?

そして僧侶は夜霧さんに手を出すように命じると、夜霧さんは恐る恐る手を伸ばす。

そして指が触れたその時!

突如、視界が光に飲み込まれたの。

何が起きたの?

「こ、ここは?」

夜霧さんは驚く。

嶺黄風国の地下祭壇にいたはずなのに、そこは見知らぬ土地だったから。

崩壊した宮殿が見える?

「此処は何処なのでしょうか?」

すると僧侶は説明する。

「此処は霊創山。死者の魂が通る山脈」

そしてそこは私が知る場所でもあったの。


干支十二神殿!!


私達が十二宮殿を突破した事で役目を果たし、既に崩壊していたの。

この場所にはもう何もないはず?

「役目を果たしはしたが、まだ地脈には霊山としての力は残っている。その力を使い一時的に十二宮殿を復活させるのだ!」

すると僧侶は印を結び念を送りながら唱える。

足下から魔法陣が浮かび上がり、光が雲を抜けてテンマデ昇って行く。そして光り輝きながら天まで聳え立つ宮殿が出現したの。

「今よりこの仮染めの十二宮殿の番人を全て倒し、死者の魂を取り戻す」

「なら私が!」

夜霧さんが宮殿に向かおうとするけど僧侶に腕を掴まれて止められたの。

「ここから先は私が出向く」

「そんな!私も戦います!」

「足手まといだと言っているのだ!」

「!!」

その威圧感に夜霧さんは呼吸困難を起こして腰が砕けたかのように膝をつく。

「そこで黙って待っているが良い」

僧侶は光の宮殿の中へと消えていく。

すると第一の宮殿の門が開き、門番らしき妖怪が出現したの。それは千年前の大妖怪。けれど私達が戦った神将達とは全く別の妖怪だったの。それでも力量は同等級の化け物である事に間違いなかった。

「さて、ここから先は惰弱な弟子共の修行に使わせて貰おうか」

僧侶は腰から巻物を放り投げると新たな妖怪が召喚されたの。大柄の馬頭の妖怪に棍棒を持った体格の良い鎧を纏った妖怪。二人と比べて小柄の中華風の衣の妖怪。

「お前達?一体につき十分以上時間をかけたら死なす!死なすくらいに殺す!良いな?」

僧侶の言葉に三人の妖怪は青褪める。

この無謀な注文が「本気」だと知っていたから。

気合いと共に死にものぐるいで戦う三人。

「お前はやらないのか?」 

僧侶の隣にはもう一人妖怪がいたの。

眉が黄色い老人の妖怪。

「儂は肉体派ではないので〜ひょひょひょ」

「・・・そうか」

諦めるように三人の戦いを観戦する。

そして二時間後?

「やれば出来るではないか?」

三人はボロボロ姿で十一宮殿を制覇したの。

「もう完全に使い者にならんか」

三人はのびていた。

「お前ら、修行が足らん!戻ったら一から修行のやり直しだ!」

「ひぇ〜〜!!」

仕方なく最後の宮殿には僧侶が闘技場に入る。

「めんどくせぇ〜な」

すると最後の門番が姿を現したの。

その姿を見て僧侶は呟く。

「そうだった。お前も手に入る予定だったな」

僧侶の前に現れた最後の門番は獅子の魔王。

しかも三面の他に胸と両肩、両腕両足に獅子の顔が全部で九つある化け物だったの。

その大魔王は少なくとも私達が戦った鵺に匹敵する力を持っていた。

「確かにあの三人では勝ち目はなかったろうな」

それでも余裕を見せる僧侶は、

「お前の魂も俺が頂く。かつて俺達の脅威として苦しめた九霊元聖よ!」

「ん?俺はお前など知らんぞ?人間よ!それより俺の九つの面がお前を直ぐにでも喰らいたいと煩いのだ。早急に餌食にしてやろう!」

そして戦いが始まった直後!

強烈な神圧によって九霊元聖は床に押し潰されて身動き出来なくなったの。

「この俺の前に跪け!」

「そ、そんな馬鹿なぁー!?」

その後、圧倒的な力を見せた謎の僧侶は九霊元聖の魂を自らの巻物へと封じ込めたの。

「お前にも後々良い肉体をあしらってやるからな?」

信じられない事に私達が本気で苦しんだ十二宮殿を最短でクリアしてしまったの。

「この空間は消えていく。その前に本命を手に入れなくてはな」

この霊山には死者が集まる。

しかも選りすぐりの猛者の魂が集まるの。

そして近年千年間に置いて死んだ最も力を持つ魔王の魂が呼び集められ来る中にいないわけない。

「見つけたぞ!」

僧侶の前に黄風魔王が姿を現したの。

「お前か?僕を呼んだのは?」

「そうだ。俺の名は金禅師!この世界を終わらせる者だ」

金禅師!?

私達が百眼魔王と戦った場所に現れ、孫悟空達とも因縁がある??

「僕は死んだ。そんな僕に何用だ?」

「お前ほどの魂を寝たきりにしとくのは惜しいのでな?俺の下で働いて貰うために迎えに来た」

「面白い事を言う。ならば僕を倒してみるのだな?」

「最初からそのつもりだ!俺は自分の言いなりにならない者は、殴ってきかせるのが道義でな」


そして金禅師は黄風魔王の魂を手に入れる。

同時に光の宮殿は完全に消え失せたの。

「恐らくこの宮殿は二度と現世には出現しないだろうな」

そして出て来た金禅師に夜霧さんが駆け寄る。

「黄風魔王様は!」

「心配するな。お前の王の魂は死の世界から取り戻したよ。後は」

「後は何でしょうか?」

「この者の器を手に入る必要がある。相性的には半人半妖の肉体なら良かったのだが、蛇に襲われ残ってはいるまい」

すると夜霧さんは提案したの。

その提案に金禅師は了承し頷く。


そして再び肉体を手に入れ復活を遂げた黄風魔王は、最初にしたこととは?

「逃げられた」

金禅師の前から逃げてしまったの。

「お前ら寝てないで連れて来い!」

完全に疲労困憊の弟子の妖怪に連れ帰るように命じたの。

本当に妖怪使いの荒い人ね?


そして黄風魔王が出現した場所が、この場所。

私達が戦っている戦場に現れたのよ!


でも敵なの?味方なの?


そんなこんな

次回予告


鈎蛇王の脅威に、

黄風魔王が現れ、

阿修羅の危機は変わらない。


孫悟空と玄武王の戦いはどうなった?


それに八戒と瑠美の生死は??

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