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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
207/711

蛇神工場はブラックだった。

玄武王が消えた孫悟空


そして先に向かった法子達は?


私は法子。

突如孫悟空達の前に現れた鈎蛇王(ごうしぉ王)は、孫悟空の聖獣玄武を連れて目の前から消えてしまったの。

「そんな馬鹿な!?マジに俺様の中から玄武が感じられぇ・・・」

信じられない状況に孫悟空は愕然とする。

その時、孫悟空に語りかける者が?

「孫悟空よ!」

すると孫悟空は意識が飛び自らの精神世界へと強制的に引き込まれたの。

「お前達は!?」

孫悟空の目の前にはヒヨコのピヨちゃんと子猫のミヤちゃんが見ていたの。

すると二匹の身体が人体化し鎧を纏う神へと変わる。

しかも孫悟空が身震いする程の力を持っている事は本能的に分かった。

「この姿で会うのは初めてだな?孫悟空」

紅色の鎧を纏う背に翼がある神は語る。

「私の名は朱雀王」

そしてもう片方の白き鎧を纏う者は、

「俺は白虎王だ!」

孫悟空は二人を見てため息をつく。

「あのな〜?初めての挨拶なんて無用だぜ?いくら姿形が変わろうが俺様の中で共に戦ってくれたダチを見間違うわけないだろ?」

「!!」

朱雀王と白虎王は笑みを見せる。

「ならばもう一人のダチについて話さねばなるまいな。孫悟空よ!お前には知っておいてもらいたい」

朱雀王は孫悟空に語り始めたの。

四聖獣誕生について!


かつて天界と龍神界は今よりも激しい戦争が繰り広げられていた。数で劣る龍神界はそこで新たな試みを行ったの。それは異種族へ龍の血を授けると言う事。それにより異種族は龍の持つ強大な力を手に入れる代わりに天界と戦う事を契約したの。

その代表に選ばれたのが鳳凰の一族の戦士と、白虎の勇者だった。

二人は龍の血を与えられて種族の王となったの。それが朱雀王と白虎王だったの。

後に遅れて亀神が血を与えられ亀神王が選ばれる。

それで青龍の王と共に四方を守護する聖獣の王になったの。

四聖獣の力は凄まじく天界と均衡する程を持つ。


均衡状態が続き睨み合いの中で戦争が落ち着いて来た頃に、新たな脅威が現れたの。

それは漆黒の蛇神の出現!

漆黒の蛇神は天界の神々にとっても龍神族にとっても災いであったの。見境なく襲い掛かってくる化け物に、ついに四聖獣達は力を合わせて蛇神を追い込む事に成功した。したけれど存在を消滅させる事までは出来なかったの。そこで亀神王は自らの身体に蛇神を封じ込める事を提案したの。

他の聖獣王が見守る中で、亀神王は永きに渡り蛇神を鎮め、ついに融合する形で蛇神を封じ込める事に成功した。その身は亀神と蛇神の融合した新たな王・玄武王として生まれ変わって!


しかし今、蛇神の王である覇王が蘇った事で玄武の中に封じ込められていた蛇神が強く目覚めてしまい、玄武が蛇神の魂に乗っ取られてしまったの。蛇神の全ては古の血の契約により覇王には逆らえず忠誠を尽くし手足のように破壊の限りを尽くす。手足ない蛇なのに?

「そうか、なら話が早いな?俺様の成すべき事が分かったぜ!」

孫悟空の決意に朱雀王と白虎王は、

「我々も玄武王の魂を蛇神より解放させる為に孫悟空、お前に全面的に協力しよう!」

「はぁ〜?」

孫悟空は意味分からない顔をする。

「何か不満か?」

「俺様は玄武の奴を救うぜ?それは玄武をぶっ倒すんじゃねぇ!奴は俺様のダチだ!ダチが道を逸れたならダチの俺様が元の道へ引き戻すのが本当のダチってもんだぜ?それはお前達が道を外れた時も俺様は同じ事をするぜ!」

「しかし、蛇神は!!」

蛇神の血は覇王には逆らえない。

それは無理なのだと告げようとするけど孫悟空は首を振り遮ったの。

「関係ねぇよ!その蛇神も玄武の中にいたのだろ?だったら玄武の中の蛇神も俺様のダチだ!これは曲げねぇ!もしお前達が不満なら俺様だけでも玄武を取り戻してやる!」

孫悟空の言い分に朱雀王と白虎王は顔を見合わせた後に笑い出したの。

「何だよ?お前ら?」

朱雀王と白虎王は思い出す。

二人が孫悟空と契約した時の事を。

聖獣の試練である無理難題を傲慢かつ強引に解決し今がある。

もしかしたら?孫悟空なら?

二人は孫悟空に微かな希望を見てしまったの。

すると朱雀王が代表して孫悟空に告げる。

「ならば孫悟空よ!今よりお前は私達の本当の試練を受けるのだ!そして我々の力を最大限に引き出せるようになるのだ!」

「何だって〜??」

と、孫悟空の試練が始まろうとしていたの。



そして場所は私達へと変わるわよ?

私と沙悟浄に玉龍君、阿修羅は蛇達に捕らわれた人々救出のために城中を駆け回っていたの。

「本当にこっちなの?」

先を走る沙悟浄と玉龍君が感知能力で城内を探る。

強力な結界が通路を歪ませては私達は真っ直ぐ進む事も困難をきしていた。上に向かっていたはずなのに降りていたり、開いた扉の先が元いた場所だったり?恐らく蛇神にも空間を操る結界を張れる奴がいるのね?けれど沙悟浄と玉龍君は結界の綻びを見付けては正確に目的地へと案内する。

「結界が強力だからこそ小さな綻びが逆に目立つんですよね〜」

「微かに人間の気を感じます!」

戦闘に関しては役に立てなくても、こういった事が出来る才能は必要よね?まさに適材適所!

そして出現する蛇神相手には私と阿修羅が凌ぐ。

「阿修羅!無理は駄目よ?」

「このくらい問題はないよ」

無理するから説得力ないけど、阿修羅の戦闘力に頼らないと先には進めないわ。

そして私達は怪しい扉の前にいたの。

「ここなの?」

「正確にはこの扉の先から人間達の気配が僅かに感じ取れるくらいなんですよ」

「なら向かうしかないわね?」

私達は扉を開けて扉を抜けたその時!

「えっ?ぇえええええええええ!?」

私達が入った瞬間、床が抜けて私達はジェットコースターに乗ってるような感覚で急降下していたの。

「きゃっ!」

足の付く場所まで到着すると尻もちつきながら直ぐに周りを警戒する。突然襲われたらたまったもんじゃないからね?そこは洞窟の通路になっていたの。とりあえず辺りには誰一人いないわね?

「大丈夫のようね?ここは何処かしら?」

私達は警戒しながら一直線の通路を歩いて行く。

「誰かこっちに来ますよ!」

玉龍君に言われて私達は慌てて岩陰に身を潜める。 

私達が来た道から蛇神がニ体歩いて来たの。

まさか私達の追手?

何か話しているようね?

「遅れるとまたどやされるぞ?」

「今は繁盛期だから忙しくて仕方ねぇよ」

どうやら私達を追って来たわけじゃないみたいね?

それにしても何か違和感ある会話だわ。

蛇神達が隠れている私達に気付かないで通り過ぎたのを確かめた後、

「奥に何か有りそうですね〜」

「下手に足を踏み込むと危険よね」

私は三人に私の背中に手を置かせると印を結んで集中する。

すると私の霊体が飛び出したの。

「霊体千里眼」

私の霊体は岩陰に隠れている私達を頭上から見下ろす。

「どう?」

私が聞くと三人は瞼を綴じながら頷き返す。

私の背中へ触れてる三人は私が霊体から見ている風景を同じように見えているの。

「よし!行くわよ!」

私は霊体を飛ばすと洞窟の奥へと向かっていく。

さっき通り過ぎた蛇神二体を越して、更に奥へと向かった所から音が聞こえる?それに他の蛇神達の声もするわ?そして広い場所に出ると私は天井へ飛び気配を消して隠れる。

すると蛇神達が作業をしていたの。

「何をやっているのかしら?」

蛇神達は列を作り奥の部屋から長い台の上を流れて来る玉子を一つ一つ確認した後、次の相手が蛇神の紋章を玉子に焼印して次の蛇神が箱に積める。

本当に何をやっていているの?

「お前達!きびきび動け!予定より大分遅れてるぞ?」

下っ端の蛇神達がボヤく。

「ついこの前まで俺達と同格だったくせに役職貰った途端に偉そうになったよな?主任の奴」

「アイツ上司への媚が上手いからな?ムカつくよ」

と、不満を足らしながら働く。

「順調か?」

そこに様子を見に来た偉そうな蛇神が主任なる蛇神に尋ねる。

「これは課長!ハイ。今朝から遅れていた分の数は既に準備出来ました。後は出荷するだけです」

「そうか?今日は部長がいらっしゃるから恥ずかしい所がないようにな?」

「心得ております」

蛇神達は黙々と働いていたの。

これってまさか?

「少し前に仕入れた素材からは優れた種が出来ると評判だったからな」

「確か人間と妖怪の混ざった連中ですよね?」

それって捕らわれた嶺黄風国の人達の事?

私は嫌な予感が全身を凍らせた。

私は流れて来る玉子の先を見ると、

「部外者以外立入禁止」と書かれていたの。

私は霊体を立入禁止の部屋へと飛ばした時!

「法子さん待った!」

「えっ?」

私は立入禁止の部屋に張られた結界に霊体が触れて電撃が走ったの。

同時に蛇神達が何事かと騒ぎ始める。

「こうなったら強行手段よ!」

私の霊体は印を結んで結界に向かって結界解除の術を放つと結界が割れるように崩壊したの。そして中へと飛び込むと、そこには?

「何てことなの!!」

私達はそこで見たのは衝撃的な惨状。

そこは無数の女蛇神達が男の蛇神に鞭を打たれながら強制的に玉子を産まされていたの。

「何だぁ?もう空か?」

玉子を産めなくなった女妖怪は目の前で全身を引き裂かれたの!そして肉片になった残骸は産まされている他の蛇神の餌にされる。

「ひ、酷過ぎるわ・・・」

しかも私達は更に衝撃的な事実を知る。

更に奥には捕らわれた人間の女性達が拘束されていて、蛇神は小さな蛇を無理矢理口の中へと放り込む。

「きゃあああ!」

すると蛇を放り込まれた女性の身体は妖気を纏い蛇神へと姿が変わっていく。そしてさっきの場所へ連れて行かれると、涙を流しながら無理矢理玉子を産まされたの。

蛇神の雌は子孫繁栄の道具なの?

ここは蛇神を生み出す工場なんだわ。

しかも捕らわれた人間達を蛇神に変えて作り出すなんて酷過ぎるわ!

そこに武装した蛇神が突入して来ると、侵入した私達を探し始める。

工場内が騒がしくなる。

けれど私の霊体は既に肉体へと戻っていたの。

「あんなブラック企業ぶっ潰してやるわ!」

私の怒りに阿修羅が同調する。

「さっき見た物を壊せば良いんだね?」

「お願い!」

阿修羅は私の目の前から消えると一人先へと向かって行く。阿修羅は工場に一人姿を現すと、蛇神達が囲みながらニヤニヤする。

「飛んで火に寄るなんたらだな?隠れていれば良いのにわざわざ姿を現すなんてな!」

「コイツを素材にすれば強力な蛇神が造れるはずだ!捕らえよ!」

蛇神達が飛びかかろうとした瞬間、蛇神の頭が次々と吹っ飛んだの。

それは阿修羅の攻撃!

しかし工場には予想以上に多くの蛇神達が湧き出すように姿を現す。この数では阿修羅でも危ないわ!

阿修羅を中心に囲み埋め尽くす蛇神達が消し飛んでいく。阿修羅の蹴りや拳は一撃で蛇神を消滅させる威力を持っていた。けれど恐怖を感じないのかしら?蛇神達は数に物を言わせ阿修羅に飛び掛かる。

次第に傷を負う阿修羅にいてもたってもいられずに私も加勢する。

「数珠連弾!」

私は掌に乗せた数珠に霊気を籠めて蛇神に攻撃を放つ。けれど蛇神達に致命的なダメージは与えられなかったの。

「あそこにも侵入者がいるぞー!」

気付いた蛇神達が私達に迫る。

「法子には手を出させない!」

阿修羅が蛇神を薙ぎ倒し救援したくとも次々と現れる蛇神達に道を塞がれてしまったの。

「こなくそー!」

私と沙悟浄、玉龍君に蛇神達が波のように私達へと迫ったその直後!

「えっ!?」

私達の目の前で蛇神達が突然発火しながら消滅していく。そして暴風が飛び掛かる蛇神を吹き飛ばし、下にいるへと神達が地面に押し潰される。

「見た顔だな?」

私達は背後に現れた三人の人影を見て驚く。

「あんた達?来ていたの?」

私達の危機に現れたのは龍神族最強の戦士!

私達を先に行かせ蛇神城から私達と同じく工場に到着した

赤龍王、白龍王、黒龍王だったの!

「胸糞悪い。全て燃やし尽くしてやろう」

赤龍王さんの掌から放たれた火炎放射が阿修羅に集る蛇神を阿修羅ごと消滅させたの。

「阿修羅ぁー!」

「心配いらん!奴があの程度で死ぬ器ではないだろ!」

赤龍王は確信持って笑みを見せると、炎の中から阿修羅が黒炎を纏って姿を現したの。

「なぁ?何なんだ?お前らは!?これでは出荷期日に間に合わないじゃないかぁ??」

主任が命じると下級の蛇神の姿が大蛇へと姿を変えて阿修羅を飲み込もうと襲い掛かって来ると、片手を振り下ろした阿修羅の黒炎の刃が大蛇を一刀両断にしたの。

阿修羅余裕ね?

私達の手助けいらなかったかしら?

すると赤龍王が呟く。

「何があったか知らんが、かなり弱っているな?直ぐに奴を退かせろ!」

「えっ?」

私は気付いてなかった。

やっぱり阿修羅は無理をしていた事に!

そうなの。

阿修羅の命の灯火は私の魂の灯火で繋ぎ止めているの。魂の火が完全に定着するまでは本来の力を出す事は禁じられていたのよ。

「阿修羅ぁ!戻りなさい!」

私が叫ぶと阿修羅は「まだ大丈夫」と突っ張るもので、私は「絶交するわよ?」と叫ぶ。

「それは嫌だ!」

阿修羅は戦いを放棄して飛び上がると私の隣に着地する。

するとそのまま崩れるように倒れたの?

「ちょっと阿修羅??」

やっぱり限界だったのね?

まったく無理ばかりして!

けれど蛇神達はまだうじゃうじゃいるわ。

「ここからは私達が相手しましょう」

「久しぶりに暴れてやるぜ!」

白龍王さんと黒龍王さんが前に出る。

そして、


「お前達は三つの罪を犯した!

一つ目は俺達龍神族に喧嘩を売った事!

二つ目は蛇神族である事!

そして三つ目は・・・」

赤龍王の身体から熱気が噴き出す。


「龍の血を穢した事だ!」


それはどういう意味?

今、三海の龍王が猛る!


そんなこんな。


次回予告


蛇神工場で龍王達が大暴れする。

その時、法子達は?

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