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扉の先で?

開かずの扉


そこに法子と紅孩児が突如姿を消した


一体、何処へ?


私は法子

「うっ、う〜ん?」

私は何が起きたか分からないまま一人光の中にいたの。確か突然扉が閃光を放って飲み込まれたのよね?他には誰かいないの?

「ここは何処なのかしら?」

そこは七色に輝く空に、足元は見る限り雲のようでいて足場がないようなあるような宙に浮いてるような感覚でいたの。

「もしかして、ここって天国なの??そう言えば扉の中は冥界って言ってたわよね?冥界って死の世界よね?じゃあ私は知らないうちに死んじゃったの?うそぉおおお??」

パニクる私に、

「うるさいなぁ〜眠れないじゃんかよ?」

「えっ?」

そこには私以外に

「紅孩児君?あんたもいたの?確かあんたが紋章に何かしたらこうなったのよね?」

「ん?よく分からないや」

「あ、そぉ」

紅孩児君に状況聞くのは時間の無駄だと気付き問いただすのを止めた。とりあえず紅孩児君の頬を力いっぱい抓ると痛がるようだから私達は死んでないと安心する。

「自分の頬を抓れば良いじゃんかよ〜」

涙目の紅孩児君を無視して私は周りを見渡したの。

私と紅孩児君以外の気配は感じないわね?

扉の中に入ったとは思うけど馬鹿でかい扉は何処にも姿形すらなかったの。

見渡す限り雲と七光する空。

「むやみやたらに歩いたら迷うだけだわ」

「なら俺様が何かあるか探してくるぞ?」

「馬鹿言いなさい!紅孩児君が出歩いたら一生私達は巡り会えないわよ!方向音痴は黙って大人しくしてなさい」

「ふにゃ!?」

酷い事を言われてショックを受ける紅孩児君。

「!!」

その直後、私と紅孩児君はとてつもない異変に気付いたの!?

突然私達の見ていた世界が闇に包まれて空は鮮血のような真っ赤な空に足下は紫だか真っ暗だか分からない空間に変わって、私達は球体の中に閉じ込められていたから?

「何が起きたって言うのよ?」

「俺様にも分からないぞ??」

もう何が何だか分からない私達に突然声が響き渡る?

それは私達の背筋を凍りつかせ抵抗なんか出来ない強大な力に私達は息を詰まらせる。

そして恐る恐る見上げた先には世界を覆うような巨大な人影が二つ?私達を見下ろしていたの。

「この世界へと足を踏み入れたのはお前達のようだな?」

私達は声が出なかった。

「どうやら宮殿の扉を抜けたようだわ」

「ならば我が血統の者か?」

その声の主は二人?

声からして男と女?

で、血統がどうたらって言ってたようだけど?

「この闇の世界で意識を保っていられるとは見上げた精神力だ。どうやら試練を乗り越えて来た者に間違いあるまい」

「ならば場所を変えましょうか」

すると私達のいた闇の世界から、再び光の世界へと場所が変わったの?何?転移か何か?

「驚く事はない。此処は精神の世界。イメージした世界が全てだ」

「先程はお前達の不安を過ぎらせた事で闇の世界を見ていたに過ぎない」

私は気を落ち着かせて二つの巨大な神らしき存在に声をかけたの。

「私は法子!一緒にいるのは紅孩児よ!貴方達は何者なの?此処は何処なの?」

私の問いに、

「此処は死の世界と現世の世界にある狭間の世界。我は始祖の神。伏羲」

「妾は女媧」

その名を聞いた時に私は多少なりとも知っていたの。

だって超有名な神様だから。

人類の創造主とか何とか・・・

とにかく物凄い神様なのは確かよ?

「我と女媧は待っていた。扉を開き我らの意志を引き継いでくれる存在を」

私にはどうでも良い話にしか聞こえなかったの。

願いが叶うかどうかなんだから~

「それが我が血縁である事は分かってはいたが、まさか部外者が入り込むとはな?」

「そこの髪の赤い者が私達の血統の者ですか?」

「俺様か?血統って何だ?」

私が横入りして説明する。

「どうも、あの神様の子孫らしいわよ?紅孩児君は?分かる?血筋、遠いお祖父ちゃんとお婆ちゃんみたいなもんよ?」

「何?そうなのか?なら父上の父上の父上みたいなもんか?」

「そうね?うん。思ったより賢いわね?」

「お〜!もっと褒めろ!」

「えらいえらい」

胸を張る紅孩児君を見て、何か子供の相手をしてるような気分になった。

「そうか!あの紋章何処かで見た事があると思ったら、父上の城に飾られていた紋章と同じだったからなんだな!これでスッキリして寝られるぞ俺様」

「ちょっと脱線するから話戻すわ」


私は女媧と伏羲に本題を告げたの。

私達が此処に来た理由を!

話を聞いた女媧と伏羲は私に言う。


「願いが叶うとは何の話だ?」

「・・・・・・えっ?」


ちょっと?ちょっと?

ここまで来て全て台無しってオチなの??

「そんな・・・」

私は絶望で座り込む。

もう考える気力も失うほどに。

けれど伏羲が救い船を出してくれたの。

伏羲は私を見通すと、その心の中を読み取ったの。

「そうか。呪毒に侵された仲間の命を救いたいのだな?その程度は容易い事だ」

「えっ?嘘?本当なの?それ?」

「あぁ、しかし条件がある」

「条件?私に出来る事?」

「私達の願いも叶えてもらう。それは必ず成し遂げて貰わねばならぬ。どうする?やるか?やらぬか?」

「そうね。私の答えは一つよ!」

私は叫んだの。

「孫悟空と阿修羅を救って!そのためなら私は何でもやるわ!」

その直後、私の視界に扉の外の風景が浮かび上がる。

そこには消えた私達を案じる仲間達がいた。

そして目覚めぬ孫悟空と阿修羅も・・・

「ならば、お前の友を救おう!」

すると眠っている孫悟空と阿修羅の身体が輝きを発して、影のようなモノが浮き出して消滅したの?

「今のは何?」

私は二人の異変を聞いてみる。

「あの二人から呪毒は全て消え去った。もう大丈夫であろう。しかし・・・」

「えっ?しかしって何よ?」

女媧が答える。

「あの銀髪の者は呪毒だけでなく自らの力の反動で魂を削り取られたようだ」

「えっ?」

確かに孫悟空の方は呪毒が消え去り楽になったようだけど、阿修羅は動かないままなの?

「どうゆう事?」

すると視界が再び代わり、私の前に過去の情景が現れたの。

そこは阿修羅と黄風との一騎打ちの場面だった。

阿修羅は強敵の黄風を相手に妖気を籠めた仮面を被り禁忌の奥義を行ったの。


「無念無想の仮面」


それは自らの魂を削り力に変える禁忌の術。

闇に魂を侵蝕された阿修羅は膨大な力を手に入れたけれど、その代償として寿命を急激に消耗させたと言うの。私達を助けるために・・・

「それじゃ阿修羅は助からないの?何とかならないの?何とかしてよ!」

私はせがむ様に懇願する。

すると伏羲は私に条件を増やしたの。

私はそれを了承した。

「それで阿修羅が救えるなら!」

伏羲はもう一度私に確認をした後、その条件で阿修羅に向かってもう一度光を送ったの。

すると阿修羅の身体に生気が戻り苦しみから解放されて楽になったの。

「良かったぁ〜」

私は安堵する。


「でさ?俺様達は何をすれば良いんだよ?遠い〜爺ちゃんに婆ちゃん?」


紅孩児君が割って入ると、伏羲と女媧は顔を見合わせてから語り始めたの。

これから始まるであろう滅亡の危機を!?


「ウソ?」


私は凍り付く。

何せ私が関わるとか関わらないとかの問題じゃないわ!

嫌でも振り掛ける火の粉、いや?熔岩じゃないのさ?


「間もなく現世に現れる覇王によって現世は混沌へと消えるであろう」


そんな話を聞いた所で私に何が出来るの?

伏羲と女媧は言ったの。

この危機的状況を回避するには、

今世に現れると予言されし「金色の救世主」を探し出せって事らしいの。


救世主探し?


「そっかぁ〜聞きたいのだけど覇王ってどんなの?特徴とか教えて欲しいの。私達も他人事じゃないしね?知っておいた方が後々便利だし、情報は必要よ?」


覇王とは神や魔を喰らい

天地を揺るがす力を持つ者

忌み嫌われし反逆の象徴

それは・・・

蛇神の王!


私は一通り話を聞いた後、あ、紅孩児君は知らないうちに眠ってたの。

「あらかた話は分かりました。うん!孫悟空と阿修羅を救ってくれたお礼に私が人肌脱ぐわ!」

伏羲と女媧は私の返答にキョトンとしていた。

「お前は何を?」

何処にいるか分からない救世主を探し出す事が頼まれごとで世界を救えとは言ってない?

そう言葉にしようとした時、

私達のいる場所が突然揺らぎ始めたの?


「どうやらこの空間を保つリミットが狭っているようだ。早急に現世に戻らねば二度と帰れなくなるぞ」

「ひぇ〜紅孩児君、起きて?帰るわよ?」

「むにゃむにゃ〜もう帰るのか?おぅ!」

紅孩児君の手を引っ張り立ち上がらせると、突然背後に巨大な扉が出現したの。

これで帰れるのね?

伏羲と女媧は最後に私達に告げる。

「世界を頼むぞ」

「必ず救世主を見つけ出すのです!」

私と紅孩児君の身体が光に包まれて消えかける中で答える。


「この救世主・法子が世界救うわ!」


えっ?ってなる伏羲と女媧は私を再び見る。

「まさか・・・」

それは信じられないような顔付きだった。

そして二人は身体を起き上がらせると上半身が人間で下半身が大蛇の巨神が空を覆いながら天空へと昇って消えたの。

私達を包む光が扉へと吸い込まれ、視界に映る空間が歪んで変わっていく。


「あっ!!」


気付けば私と紅孩児君は扉の外、つまり皆のいる世界へと戻って来たの。

私は直ぐに沙悟浄に確認すると孫悟空と阿修羅は確かに無事で、今は眠っているだけだと教えてくれたの。良かったわ、本当に。


とにかくこれから私の旅の目的が増えたわけね?


良いわ!

覇王が世界を揺るがすですって?

世界の終わりですって?


これから先にどんな逆境が立ちはだかったとしても、

私なら、いえ?私達なら乗り越えられるわ!


だって、私にはこんな頼りがいのある仲間達がいるのだから!


この救世主女子高生に、かかって来い!



そんなこんな

次回予告


次話より新章が始まります!


新たな戦いが法子一行に待ち構える。


世界を混沌に変える蛇神の王、覇王とは?


「女子高生覇王蛇神編!」


開幕!

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