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干支十二宮殿最後の戦い!最強最恐の鵺爆誕!?

梁渠が隠していた本性を見せる。


それは千年前から企てた計画だったの。


私は法子

突然梁渠が隠していた本性を見せたの。

正直、怪しく何かある奴とは思ってはいたけど、だって干支十二宮殿に神将以外に存在が許されているって事が何かあるって考えるわよね?今、思えばさ?干支十二神将は何かしら願いと言った目的や野望があるからこの宮殿にいたわけでしょ?

梁渠が審判するだけに何千年も宮殿にいるって、どんたけ暇なの?って話よ!戦わないなら願いも叶わないし目的も果たせない。だから何かしら目的はあるとは思ってはいたけど・・・


梁渠はこの干支神将全員の力を奪うための術式の罠を何千年もかけて計画していたの。ルーレットに使う駒に特殊な仕掛けをして万が一神将が敗北した場合に魂は浄化されるけれど、その能力を駒に残して奪い取れるように仕込まれていたのね。けれど現在の干支神将は強者揃いで、挑戦者も敗北続きで目的が果たせないと諦めていたところに私達が現れたってわけ。


私達が神将を倒す度に梁渠の計画は着々と動き始めていたの。

そしてついに長年の計画が発動されたの!

「今の我輩には干支十二神将の能力が全て宿っているにゃ。もはや無敵にゃー!完全完璧な最強無敵の大魔王鵺様の誕生にゃー!!」

私達は梁渠改め鵺から発する強大な妖気に怯まされる。だって今まで戦った神将の力を全て奪ってるって口だけじゃないと分かるほどの妖気量なの。これ反則よ!!

「で、どうするつもりなの?鵺!」

「ニャハハハ。簡単な事にゃ!この最後の闘技場で我輩と戦って貰えば良いにゃ。つまり勝った方が全てを手に入れる。それだけの話にゃ!」

「あ、そう?」

強がってみたけど、私達には勝機がなかった。

全員満身創痍。

疲労困憊。

もう帰って寝たい気分。

これ無理かも・・・

けど、蛟魔王さんなら?

「私はもう戦わんよ?当然だろ?そもそも参戦する気もなかったし、少し魔がさして竜神族の因縁に決着を付けに来ただけだからな?ここでお前達の頑張りを応援しといてやるよ?」

「ケチケチケチケチケチケチケチ!」

私を無視する蛟魔王さん。

「安心するにゃ?ルールに従ってお前達にもメリットがあるニャよ?」

「何よ?メリットって?」

すると闘技場に私達の駒が現れると、私は闘技場に移動していたの。

えっ?まさか私が対戦相手なの?

「法子!」

「えっ?」

見ると闘技場には私だけでなく鉄扇ちゃんに白骨乙女さん、八戒に寝たきりの紅孩児君もいたの。

「これってつまり?」

「我輩には十二の駒を力にしているにゃ。つまり対戦相手はお前達全員にゃ!」

「あはは。なら私達にも勝ち目あるわね?」

「にゃが、安心するのは早いにゃよ?」

「何よ?」

「ルールを忘れてはないにゃか?闘技場に現れない者がどうなるかにゃ?」

「あっ・・・そうだったぁー!!」


この対戦孩ルールには駒に記された者は必ず闘技場に参戦しないといけないの。この場にいるメンバーは良いけど、私はこの場にいない連中の名前も駒に記入していたもんだから〜時間内に闘技場に現れないと呪い殺されてしまうのよ!

「法子!どうすんの?河童ちゃんが!」

「沙悟浄だけじゃないわ!孫悟空や阿修羅も!それに・・・」

「どうするらよ〜法子はん〜」

「ちょっと慌てさせないでよ!まさかこんな罠があるなんて予想だにしてなかったんだもん!」

慌てふためく私達に、

「やれやれ、騒々しい連中だ」

蛟魔王さんが溜息をつく。

そして駒を横目で見ると、指から数枚の札を闘技場に投げたの?何をする気なの?

「あっ!!」

すると術札が光り輝き、そこから人影が現れたの?

「沙悟浄!玉竜君に黄袍怪さん!」

それに倒れたままの人影が?

「猿に阿修羅もいるらよ!」 

私は蛟魔王さんを見る。

「蛟魔王さん?」 

蛟魔王さんは自分が闘技場に現れる前に前以て玉龍君に術札を渡していたらしいの。そして水晶で覗き見ていた私の記した宮殿にいないメンバーに札を貼っておくように命じていたようなの。

あ、これは玉龍君が教えてくれたのよ?

「さっすが〜蛟魔王さん!役に立つぅ〜」

私の感謝にムッとする蛟魔王さん。

「けど法子はん?一人足りないでないらか?」

「あっ!そう言えばいないわ〜??このままじゃ呪いで死んじゃう!」

「心配無用だよ。アイツは呪いじゃ死なないから安心しな?それより目の前の相手に集中しろ!」

「あ、はい!」

私達の状況は既に蛟魔王さんに渡されていた水晶で見ていたらしく沙悟浄達は理解していたの。

「河童ちゃ〜ん!」

「鉄扇ちゃん!法子さんを助けてくれてありがとうございます!」

沙悟浄に玉竜君。

「私も助太刀致します!」

黄袍怪さんも参戦。

しかし孫悟空と阿修羅はまだ動かせる状態じゃなかったの。

呪毒に侵されて苦しみ藻掻いている。

「沙悟浄と玉竜君は二人を見ていて!」

「あ、はい!」

「八戒は急いで紅孩児君を起こして?」

「わかったら〜」

私は全員を見回す。

私と鉄扇ちゃんに白骨乙女さん、それに八戒に黄袍怪さん。

後はもしかしたら蛟魔王さんも助けてくれたら嬉しいなぁ〜と、願いつつ。

「私、負ける気がしないわ!」

全員揃って構えたの。

「ニャハハハ!怪我人と病人ばかりで相変わらず口が達者にゃね?しかし完全な状態でも我輩の相手にはならないにゃよ!それは直ぐに分かるにゃ!」

鵺は雄叫びをあげると、それが最後の戦いの合図となったの!

「油断は大敵よ!みんな!」

「さっさと終わらせてやるわ!」

鉄扇ちゃんが芭蕉扇を手に振り仰ぐと爆風が鵺を襲ったの。爆風だけじゃないわね?この爆風には鉄扇ちゃんの妖気が籠められカマイタチのように敵を切り裂くの!

「効かぬ無駄にゃ!」

鵺の身体はまるで猪牙の強固な身体の如く攻撃を通さなかったの。

「オラの釘鈀で!」

「私も!」

八戒と黄袍怪さんが接近戦へと駆出す。

黄袍怪さんは二本の短刀を手に音もなく素速い動きで接近していく。

流石、暗殺部隊の首領ね!

八戒も、あの武器の破壊力は間違いないわ!

「雑魚が群がるにゃか?消し飛ぶにゃー」

鵺の身体から強烈な雷が発生して私達の攻撃を止めたの。

これは?

「雷鳥魔王?他にも虎武黒魔王に他の神将の妖気を纏った雷みたいね」

鉄扇ちゃんは干支十二神将の融合した雷に警戒する。

そう言えば干支十二神将って雷属性が多かった気がするわ?

「我輩の雷は雨あられにゃ!」

更に雷が轟き、私達に向かって落ちてくる。

「臍が取られるら〜」

「いや〜」

私と八戒は闘技場狭しと逃げる中で、

「やれるかい?」

「当たり前ですわ。あいつさえ終われば二人のハネムーンが待っていますから」

白骨乙女さんも雷を躱しながら攻撃を仕掛ける。

「骨粗鬆掌!」

その覇気を集中した掌打は触れたモノを粉砕する。

「!!」

けれど鵺の身体に手応えがなかったの?

「猪牙の強固な身体に加えて牛角帝と羊羹大帝の覇気が邪魔して白骨乙女の覇気を分散して消し去ってるのよ!」

流石女妖怪最強と言わんばかりの鉄扇ちゃんの分析に私は感心する。

「効かんにゃよー!」

鵺から放たれた雷が鉄扇ちゃんと白骨乙女さんに直撃して闘技場の端まで吹っ飛ばされたの。

「鉄扇ちゃん!白骨乙女さん!」

二人の心配する余裕もなく次の攻撃が繰り出そうとしていたの。

「こうなれば力づくでぶっ倒すしかないわよ!」

「肉弾戦らか?」

「及ばずながら!」

八戒と黄袍怪さんが攻撃を仕掛ける中を、行く手を阻む雷を私は数珠を掌に乗せて弾き援護する。

「雷は私に任せて!」

それでも二人の攻撃力じゃ鵺の身体に傷は付けられないと思う。

だから奥の手にかけるわ!

とにかく鵺の妖気の量は半端ないわ。

その妖気は雷と化して身に纏っているの。

雷かぁ・・・

私達が直接触れたもんなら雷に感電?麻痺?そんなもんじゃすまないわね?焼き焦げちゃうかしら?

正直、私は雷に打たれた事ないけど確か太陽の表面の五倍くらいの高熱に焼かれるとか、鼓膜が破れて血管が沸騰するとか、何か恐い事ばかり聞くんですけど〜えっ?どうしてそんなに詳しいかって?

あ〜昔ね?雷の術を覚えるために勉強したのよ!

私も術札を使えば雷を放つ事は容易いの。けど、鵺の雷は私の放つ自然素材を使った雷とは別種なのよね?例えば紅孩児君の炎もただの炎じゃないわよね?竜神族の炎や雷もまた違うの。

これは妖怪に限らず神様とかは五行の炎・水・雷・風・土の自然の気を使うのだけど、それ自体は精霊の加護が必要らしいの。自然素材をベースに精霊の加護を媒介にして己の妖気や神気を融合させる事で何倍にも威力を高めるのよ?ふふふ少しは勉強になったかしら?私もこっち来て沙悟浄から教わったから、いつテストに出ても大丈夫なんだからね!


・・・と、集中力が大分現実逃避してたわね。

私は数珠を止めずに連射しながら八戒と黄袍怪さんの攻撃の援護を続けていたの。ちゃんとウンチク説明しながらも真面目に戦ってたんだから少しは褒めてよね?例え威力が増そうが雷の特性は一緒!先の戦いで蛟魔王さんが避雷針を使ったように、私も数珠に多少なりとも帯電させて弾いているの!つまり鵺の雷は引き寄せられるように軌道を逸れて数珠に直撃して空中で爆発していたの。

おかげで二人は攻撃に集中出来てるわけ!


「私が頑張ってるんだから、あんた達も気張りなさい!」

私の声を聞いた八戒と黄袍怪さんが攻撃の手数を増やす。

「まったく豚使いの荒い法子はんら〜」

「けれど法子様も凄い精神力ですよ」

「分かってるら。だからオラ達も負けられないんらよ〜!!」


二人は私が無理している事に気付いていた。

何せ闘技場は重苦しい妖気の重圧の中で人間である私が楽なわけないのだから。

そんな中で鵺は飽きてきたの。

「そろそろ終わりにするかにゃ」 

鵺の纏う雷の妖気がより濃くなる。

「いくら雷の数を増やそうと私の数珠連弾で逸らせてあげるわ!」

しかし鵺は己の雷を闘技場の表面に向かって落雷させたの!

「えっ?あ、嘘!そんな手があったとか??」

鵺の放った雷は足下を伝い広がっていく!

そして私達は足下から雷を打たれて全身に衝撃を受けたの!

「きゃあああ!!」

これって誘導雷ってやつ?

まず地面に落ちた雷は足から電流が伝うの。一度の落雷で身近な八戒と黄袍怪さんだけでなく私まで一度に感電させたの。

「誘導雷を受けたお前達はもう動けないにゃ。更に直撃雷で終わらせてやるにゃ!」

それは一度受けた雷に更に強烈な雷を落とすって事。

そんなの食らったら私?

「あはは。死んじゃうかも」

竜の衣で致命的な衝撃こそないけれど、更にもう一発食らったら全身黒焦げよ。

「先ずは生意気な小娘から始末してやるにゃ。何か言い残す事はないかにゃ?」

私に向かって余裕かます鵺に私は呟く。

私は鵺に一言呟く。

「何にゃ?」

声が震えて聞こえなかったみたいね?

私はもう一度声にしたの。

「あっち向いて〜ホイ?」

「にゃ?」

鵺が私が振り向いて方に首を曲げた直後、

「ぐにゃ〜!?」

鵺は強烈な一撃を顔面にくらい吹っ飛ぶ。

何が起きたかって?

そこには今の今までやられたかと思われていた白骨乙女さんが気配を消して近付き、妖気の解放とともに骸骨恐竜・骨覇魅神を出現させていたの。

「ウゴオオオオオ!!」

太古の妖恐の破壊力は流石の鵺もダメージを受けたの。

「とんでもない化け物にゃ。三百年前に挑戦して来た化け物とは比べ物にならない破壊力にゃ!妖恐と言ったかにゃ?それも我輩の力にしてやるにゃ!」

鵺は素速い動きで骨覇魅神に接近すると間合いに入り口から膨大な雷を放つ。

「骨覇魅神、やるのよ!」

白骨乙女さんが叫ぶと骨覇魅神も口を開き破壊砲を放ったの。お互いの破壊力が衝突すると、凄まじい衝撃波が私達まで吹き飛ばしたの。

「ど、どうなったの?」

私は麻痺した身体を起こしながら状況を見る。

「うそ?」

鵺の足下に骨覇魅神が倒れ、その姿が錬体魔王さんの姿へと戻り動かないでいたの。

「これで終わりにするにゃよ?」

倒れている錬体魔王さんに新たな雷を放とうとした直後、白骨乙女さんが身を呈して錬体魔王さんに抱きつき庇う。

「二人纏めて消えるにゃよー!!」

そして充電した雷を足下にぶっ放すその時、新たな影が飛び込んできて鵺の顎をぶん殴ったの!吐き出した雷は上空へと消えていく。

あ、あれは?

「へへへ!よく寝たな〜!何か面白い事やってるな?俺様が相手になってやるぞ!」

それは寝たきりだった紅孩児君だったの。

「わ、我輩のあ、顎を、よくも!」

怒り見下ろす鵺に紅孩児君は睨み付ける。

「俺様の前に跪けよ!」

それは孫悟空の決め台詞と同じだった。

ん?

その時、沙悟浄と玉竜君も大変な事になっていたの。それは孫悟空と阿修羅の容態の悪化だったの。

「沙悟浄兄貴〜どうして突然悪化したのでしょうか?」

「そ、それは・・・」

沙悟浄は辺りを見回して答えたの。

「お、恐らくこの場所が生死の境目に近い場所だからだと思います。だから弱りきった二人の魂が死に引っ張られているのかも・・・」

「そんな、どうしたら」

沙悟浄にも名案が浮かばなく涙目になっていた。

けれど決して諦めずに治癒の術を二人に送り続けると、玉竜君も沙悟浄に合わせて治癒を行う。

じ、時間がないわ〜


どうしたら良いの?


そんなこんな。


ん?


「だったら早急に終わらせるわ!」

えっ?まだ終わってないの?

その声は鉄扇ちゃんだった。

「あんたら時間稼ぎご苦労様。本当は河童ちゃんの前ではやりたくなかったんだけど、そうは言ってはいられないわね?一発が限度よ!」

鉄扇ちゃんの妖気が膨れ上がると、

「羅刹変化!」

鉄扇ちゃんの肌が褐色に、髪が赤く染まる。

あれは鉄扇ちゃんの奥の手!

そして飛び出したの。

「羅刹の極み!」

一瞬で鵺の間合いに入ると拳を握る。

「ば、馬鹿にゃ??」

そして放った拳の覇気は鵺の身体を貫いたの!


あ、今度こそ終わった?


そんなこんな

次回予告


最強最悪の鵺を相手に勝負はついたのか?

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