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蛟魔王と暗黒竜王!

最後の神将は暗黒竜王


その実力は紛れもなく干支十二宮殿最強だった。


その対戦相手は現妖魔王の蛟魔王だった。


私は法子

私達は蛟魔王さんと暗黒竜王との一騎打ちに目を奪われていたの。

その桁違いの強さに!

「正直、悔しいわ」

鉄扇ちゃんは上には上がいると肌身に感じていたの。義姉の羅刹女さんだけじゃない。同じ女妖怪には現世にもまだ強い者が目の前にいたのだから。

「三百年前に私の作り出した妖恐を倒した美猿王の義兄弟の一人蛟魔王殿か。かつても恐るべき強さを持っていたが、直接戦う姿を目の当たりにして改めて恐ろしさを感じる」

錬体魔王さんは過去に戦った事があるのね?

「応竜の娘よ?改めて名を聞かせて貰えないか?」

「ふん、私は蛟魔王だよ」

「ならば蛟魔王よ!改めてお相手して貰おうか」

「望むところだよ」

再び激しい衝突が繰り広げられる。

暗黒竜王の身体から黒雷が放電し爆発的に発散すると闘技場や結界を貫いて見ている私達も身の危険を感じる程だったの。

まるで生きた蛇のように黒雷が軌道を変えては蛟魔王さんに襲いかかる。あの攻撃を一撃でも当たれば肉体の怪我だけじゃなく魂にまで直接ダメージを与えるの。いくら蛟の盾を所持していても全ての攻撃を受け止めるには無理があるわ!

「それにしても無駄のない動きだわ。殆どの攻撃は紙一重で躱して最小限の攻撃のみ蛟の盾で防いでる」

「かつて義姉さんと戦った時はあんな実力あったなんて知らなかったわ。義姉さんが曲者と言ってたのは実力隠していたらかなのね。頭くるわ!」

私と鉄扇ちゃんは蛟魔王さんの実力を分析しつつ驚かされてばかりだったの。

あ〜以前、ガチに喧嘩しなくて良かったわ〜マジに。

あはは。

「そろそろ本当の力を見せて貰おうか?身体が温まって来たようだしな」

「そうだね。私も頃合いかと思っていた」


えっ?


まだ力を隠していたの??

てか更に強くなちゃうの??

二人の全身から竜気が高まっていく。

闘技場が揺れて結界の外の私達にもビンビンと伝わって来るのが分かる。

そして同時に叫んだの!


「逆鱗!」


逆鱗って?

私達が竜神界に行った時に四海竜王の皆さんが使っていた奥義だったわ。

竜人族の極めた武神のみが使える奥の手で身体能力を限界にまで引き上げるの。

更に二人は印を結び更なる変化をする。


「神竜変化唯我独尊・暗黒竜!」


暗黒竜王の身体は膨れ上がり見上げる程の巨大な竜へと姿を変えたの。

「あれは孫悟空の神獣変化みたいなものね」

「蛟魔王はまた違う変化みたいよ?」

「えっ?」

蛟魔王さんは全身に竜のオーラが硬化した鎧が纏われたの。

それは蛟の鎧?


「竜神変化唯我独尊・蛟!」


あれもまた孫悟空の獣神変化に似た変化よね?

神獣変化は確か身に宿る野性の力を引き上げて本来の野獣の姿へと変化して力を数倍にするの。対して獣神変化は人の姿に留めて野性の力をオーラとして獣の特徴を持った鎧へと変えて身に纏う事で力を膨れ上がらせるのだけど、神獣変化も獣神変化も姿こそ違えど自分に合った形であって差はないとか。

その竜バージョンってわけだけど、ちょっとちょっと!

逆鱗からの変化ってヤバいわよ!


「ウゴゴゴゴオ!」


暗黒竜王の口から黒雷の波動が蛟魔王さんへと吐き出される。それを蛟の盾で受けつつもその威力に圧されている蛟魔王さん。

「かなりの圧力だ。けど私もこんなもんじゃないよ!」

蛟魔王さんは左腕の蛟の盾で受けつつ右拳に竜気を集め凝縮させる。

そして高まったところで!


「竜の威風猛絶の拳!(いふうもうれつのこぶし)」


それは蛟魔王さんの必殺技だったの。

拳から繰り出された奥義は吹き荒れる爆風が黒雷の軌道を変えて、竜巻の中から竜の覇気が牙を剥いて暗黒竜王に直撃したの。暗黒竜王は全身に傷を負うけれど見る見るうちに再生していく?

「ん?」

そこに蛟魔王さんの姿はなく、暗黒竜王の頭上から蛟魔王さんが凄い勢いで落下して来てもう一度拳を振り上げていたの。

「威風猛絶の拳!」

それは連続のオンパレード!

蛟魔王さんの拳が暗黒竜王の脳天をぶん殴ったの!

その威力は凄まじく暗黒竜王を一撃のもとに闘技場にぶっ倒したの。

そして更に?

「もういっちょ!威風猛絶の拳!」

再生を許すまじきと、とどめの拳で暗黒竜王をぶん殴り倒したの。

なんて容赦ないの?蛟魔王さん?

けれど暗黒竜王は立ち上がる。


う、嘘?


竜神変化は攻撃に特化していて、神竜変化は体力と耐久性に特化しているらしいけど。

「流石に頑丈だな」

蛟魔王さんも僅かに焦りを感じる。

「凄まじい力だ。並大抵の竜王なら今ので終わっていただろうな?しかし俺は暗黒竜王!かつて竜神界を支配していたのだ!」

「支配?父、応竜が口を出さなかった事に調子乗った反逆者であろう?」

「何とでも言うが良い。俺は俺なりの竜神界の未来を作りたかっただけだ!」

「竜神界の未来だと?」

「お喋りはここまでだ!」

暗黒竜王は立ち上がると同時に口を広げ竜の覇気を大砲の如くぶっ放すと蛟魔王さんは直撃をまともに受けて吹っ飛んだの。

「う〜」

蛟魔王さんは吹っ飛ばされながらも直ぐに立ち上がると、自分に向かって来た弾丸を裏拳で弾き飛ばす。

蛟魔王さんも流石に苛立つ。

「さてと、どうするかな?」

確実に倒すすべがなかった。

蛟魔王さんの武器は竜神族の持つ馬鹿力と、蛟の盾、それに空間転移の術と、様々な法術。

暗黒竜王の頑丈な身体を倒すには、それ以上の攻撃力を持って倒さないといけない。

しかも暗黒竜王の攻撃技である黒雷は直接当たれば魂をも削る厄介な品物なの。

致命的な攻撃が無ければ勝機はない。

「覚悟を決めよ!蛟魔王!」

暗黒竜王の全身から黒雷が轟、蛟魔王さんに雷雨が降り注ぐ!躱し続ける蛟魔王さん。その蛟魔王さんに暗黒竜王は口からも黒雷の矢を放つ。

上空から降り注ぐ黒雷に正面からの攻撃。

「止む終えない」

蛟魔王さんは闘技場の床目掛けてぶん殴ると、砂埃に隠れて蛟魔王さんの姿が消えたの?

「!!」

次に現れたのは上空?

蛟魔王さんは戦闘前に透明に隠した術札を闘技場上空に隠した浮かし残していて、万が一に備えていたの。そして術札を通して空間転移で逃げ延びたわけなの。

けれどまだ終わったわけじゃないわ!

蛟魔王さんの殴った場所が盛り上がっていき塔を作り上げていく?

何が始まろうとしているの?


「竜の雷!」


蛟魔王さんは出来上がった塔に向けて放電させたの?

それってまさか?避雷針?暗黒竜王の放った黒雷は全て蛟魔王さんが作った塔へと軌道を変えていく。

「時間の問題だか、これで心置きなく攻撃出来るよ!」

確かに暗黒竜王の放つ黒雷は全て軌道を変えていく。

「このような対策があろうとはな?しかしどうする?お前に俺を倒せるか?」

「この一撃にかけるさ!」

蛟魔王さんは全身の竜気を高めると竜の翼が開いた同時に、蛟魔王さんの力が一点に集中する。

「私の大技見せてやるよ」

蛟竜のオーラが急降下し暗黒竜王に向かって行く。

その中心に蛟魔王さんが拳を振り下ろしたの。


「逆鱗覇竜の拳!」


それは蛟魔王さんの渾身の一撃。

暗黒竜王もまた覇気を纏い全身の防御に使う。

奇しくも攻撃と防御が逆転した形になっていたの。

「うおりゃあー!!」

蛟魔王さんの拳が暗黒竜王に直撃した。

凄まじい覇気の衝突が避雷針ごと闘技場を消滅さて、全てが消えていったの。

最後に残ったのは?


「蛟魔王さん!」


そこに蛟魔王さんが一人立ったまま残っていたの。

暗黒竜王の姿は見えないわ?

まさか今の攻撃で消滅してしまったのかな?


すると蛟魔王さんがゆっくりと・・・


その場に倒れたの!!

そして、蛟魔王さんの影で見えなかったけれど、その場にもう一人?それは人の姿をした暗黒竜王だった。まさか蛟魔王さんが負けたの?そんな馬鹿な??


「応竜の娘、蛟魔王よ!この俺に本気を出させた挙げ句、ここまで追い詰めた事は称賛に値する。今の竜神族もまだ捨てたもんではないな?だが、勝ち残ったのは俺のようだ」


そして倒れたまま動かない蛟魔王さんに向かってトドメを刺すべく近付くと、今まで蛟魔王さんの身を守っていた蛟の盾を蹴り飛ばし崩壊寸前の闘技場に蛟の盾が埋もれていく。


「これでお前を守る盾は無くなったな?」


何処までも用心深く、それでいて破格の強さを持った暗黒竜王に蛟魔王さんは敗れたの。

「一思いに終わらせてやろう!」

暗黒竜王の掌から黒雷が放電すると、倒れている蛟魔王さん目掛けて黒雷を撃ち落としたの!

直撃を受ける蛟魔王さんは一向に身動きせずに倒れたまま、その黒雷にて身体を打ちのめされる。

このまま肉体だけでなく魂まで消滅してしまうと言うの?

私が呼び出してしまったから?

強烈な罪悪感に私は青褪める。



もう見てらんないわ〜

私は見てらんなく両手で顔を隠してしまう。

えっ?あれ?

私は鉄扇ちゃんの反応に闘技場を見返す。

「何?あれ?」

闘技場には蛟魔王の身を守るように黒雷を弾く白い靄が覆っていたの?


『全く、乙姫さんは本当に優しいな〜戦っている敵を前にして本気を出せないでいるのだから。けど死んでしまったら元も子もない。俺は乙姫さんを生かすための・・・』


それは私達には聞こえない。


蛟魔王さんの魂にのみ響く言葉。


その言葉に返すように蛟魔王さんが答える。

「まったく、おちおち寝てもいられないな?相変わらず煩く、そして・・・」

蛟魔王さんの前に一本の白く光り輝く大槍が黒雷から守っていたの?そして蛟魔王さんの右腕も同じく白く光り輝くと、その大槍を掴み立ち上がったの。

「蛟魔王さん大丈夫なの?」

「それより、あの大槍は何?何か感じた事もないような異種的な力を感じるわ!」

蛟魔王は大槍を構えると、

「私は死なんよ?浦島よ。そして負けもせん」

見ると傷付いていた蛟魔王さんの身体が白い靄の中で再生していくの?あの力は何?

「暗黒竜王よ?今より私はお前を倒す事になるだろう。だから今のうちに遺言を聞いておくぞ?」

なんて強気な勝利宣言なの?

「この俺を倒すとぬかすか?それは大した自信だな?だが、この俺を倒す事は不可能!」

すると暗黒竜王の姿が変わっていく。


「竜神変化唯我独尊!」


暗黒竜王は今度は漆黒の竜の鎧を纏い、黒雷の大矛を構えたの。

「その怪し気な大槍を持ったからと言って俺に敵うと思うな?」

「倒せないと思う方がおかしいだろ?この大槍は私の友からの授かり物でな?触れればお前とて只では済まんぞ?それに父に倒せて私が倒せないはずなかろう?ふふふ」

「大した自信だ。応竜に似て強気だな。今の今まで奥の手を隠していたようだが漸く全てを俺に見せてくれるのだな?」


二人は対峙した状態で竜気を高めると、お互いの覇気が衝突して崩壊寸前の闘技場が揺れ動く。

まだ強くなるの??

えっと、魂を喰らう地獄の雷の大槍に対して、今の今まで隠していた奥の手の出血大サービスの白い不思議な力を持つ大槍で更に強くなっちゃうの?もう私の許容値超えてるわ〜


対峙する二人は同時に覇気の渦巻く中へと飛び込んだの!

そして互いに大槍を振り回し衝突させる。

その激しくも洗練された攻撃は更に二人を中心に覇気が竜巻を起こしていく。

これが規格外の戦いなの?

けど、

私達が追い付かないといけない境地なのだわ。

私と鉄扇ちゃんは、蛟魔王さんの強さに惹かれていたの。

そして今のままではいけないと感じたの。

「二人とも、見るらぁー!」

八戒の声に私達は二人の戦いに決着が近付いている琴似気付く。蛟魔王さんと暗黒竜王は激しい攻防の末に、相手の心臓目掛けて大槍を突き付けたの!


凄まじい閃光で私達は目を眩ませ、暫くすると視界が戻り始める。


闘技場はもう跡形もなかったの。

それだけの死闘が繰り広げられたのだろう。

何より私達とは桁違いの強さの二人がぶつかり合ったのだから、この惨状は納得出来るかも。


そして何より、

「どっちが勝ったの!?」

私達の視線の先には・・・



蛟魔王さんの大槍が暗黒竜王の胸を貫いて止まっている姿だったの。


そんなこんな。

次回予告


干支十二宮殿の戦いは終わった・・・


法子達の願いは叶うのか?

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