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第十一宮殿!最強対決、暗黒龍王と蛟魔王!

蛟魔王の参戦に闘技場はざわめく。


相手は干支十二宮殿ナンバー1の実力者。


今、最強対決が!



私は法子

干支十二宮殿に現れたのは、まさかの蛟魔王さんだったの。

驚く皆を横目に私は間にあった事に肩を撫で下ろす。

だって、駒に名前を書いたのは私なんだもんね?

それに、

「玉龍君は間にあったのね?でかしたわ!」


実は干支十二宮殿に向かう前に前もって玉龍君にお使いを頼んでいたの。

「玉龍君、お願い出来る?」

「僕、頑張ります!」

玉龍君へのお使いとは南の地の龍宮城にいる蛟魔王さんへ手紙届ける事。

内容はこうよ?


「蛟魔王さんへ

前に天竺への情報教えてくれなかったわよね?

でさ〜ちょっと私達マズい事になってるの。それで単刀直入に言えば私達を助けるために足を運んで欲しいの。それで前回の約束はチャラにしてあげるわ?お願いしま〜す」


って、手紙なの。

正直、来てくれるか半信半疑だったけど良かった良かった。


「正直、放った置いて無視する予定だったんだがな?」


蛟魔王さんは干支十二宮殿での私達の今迄の戦いを水晶を通して覗き見ていたの。

特に関心は無かったし、出場しないと呪いで殺されてしまうと言われても、法術のエキスパートである蛟魔王さんなら呪いを返せれる自信もあった。

何より私の手紙が魔王である彼女に対して上からだった事に多少なりとも腹がたっていたから今の今迄放置だったのだけど・・・


けれど?


最後に姿を現した神将の姿を見て心を変えたの。

「まさか伝説の暗黒竜王殿が出て来るとはな?他の者では荷が重いだろうな」

蛟魔王さんに名を呼ばれて神将は蛟魔王さんに心当たりがなかったの。

「お前、竜神族のようだな?」

「お忘れかい?我が父と死闘を繰り広げた伝説は今も語り継がれておるよ」

「父?まさかお前、応竜の娘か?」

「私も赤子だったからな?話伝いでしか知らんがな。この宮殿にいるって事は蘇る事が望みかい?」

「ふん。そんなもんだ」


な、何?二人とも因縁あるの?


暗黒竜王

かつて竜人界の反逆者。

その力は現在の統一者である応竜と二分する力の持ち主であり、竜人界の二本柱であったそうなの。

若き二人は、いずれ竜人界を統べるために現れる真王が現れた時に補佐する任を任されていた。

しかし二人の思想はすれ違う。

そもそも真王が現れた時に二人は天界との永きに渡る戦争に終止符をつけるために戦う事になる。

そのために応竜は竜人族の血を他の種族に与えて新たな力のある半竜の戦士を生み出していたの。

対して暗黒竜王は竜の血を他の種族に与える事を嫌い、逆に他の種族の能力を奪う事を始める。

やがて竜神界は思想の下に二分し戦争が始まった。

それは永きに渡る戦乱の中、暗黒竜王は地獄世界の力にまで手を伸ばしたの。

地獄への門を開き、配下の龍族の犠牲の末に手に入れた力!

地獄の雷、黒雷。

それは禁忌の力だった!


相反する応竜と暗黒竜王との一騎打ち。

結末は応竜が勝利して幕を閉じたの。

応竜は残った残党にも手厚く和解を求め、やがて竜神界に平和が戻ったの。


「もう一度竜神界に戦乱を呼ぶか?暗黒竜王よ?未だにお前の思想は残ったままだ。もしお前が蘇れば再び戦乱が繰り広げられるだろうな?」

「ふふふ。ソレも良し」

「ソレも?他には何があるんだい?」

「それは俺がお前を倒した後に分かるだろう」

「そうかい。ならば分からないまま終わるようだね?残念、残念」

「応竜の子娘がよくほざく」


ちょっと?ちょっと?もし蛟魔王さんが負けたら、またまた厄介な事が起きちゃうわけなの?

下手したら私達にも被害被るじゃないのさ〜

こうなれば絶対、蛟魔王さんには勝って貰わなきゃ!

本当に頑張ってよ〜


すると闘技場の風景が変わり、私達は全員新たな闘技場へと転移されたの。そこは真っ黒な舞台に見上げると竜が彫られた天井が見えて、その竜の口から放射する炎で闘技場全てを照らしていたの。

それにしても桁違いだわ。

他の干支神将と比べたら大人と子供。

青竜王さんや黄風くん。

強い連中は見てきたけど、何か違う。


「誰が相手でも暗黒竜王を相手にしたら赤子の手を捻るようなもんにゃ〜ここまでの快進撃も終了にゃよ〜」

「どうでも良いから早く始めなさい!」

「せっかく一秒でも長く生かせてやってるのにセッカチにゃね?良いにゃ〜」

私に対してプンスカする梁渠は闘技場の二人に向かって叫んだの。


「第十一戦、開始にゃ〜!」


えっ?

二人はゆっくりと互いに向かって接近する。

まるで警戒するだけ無駄と言うかのように、お互いの強さを見定めながら近付く。

「この俺にここまで接近して平然としているとは流石応竜の娘だな?」

「お褒めいただき嬉しいな。そして父応竜の代わりにアンタをブッ倒す」

「出来るか?お前に?」

「直ぐに分かるさ」

二人は笑みを見せると正面まで来て同時に止まったの。

ここまで互いの覇気がぶつかり合い、押し潰しながら前進していたの。

私達は唾を飲み込む。

「!!」

私達の目の前で互いの拳が衝突し、激しい衝突音が何度も響き渡る。

「えっ?何の音?」

「見えなくても仕方ないわ。あの二人、私達の目に捉えられない速さと威力の拳を連発してるのよ」

「そうなの?鉄扇ちゃん?」

「やっぱ、やるわね?あの女。クッ、女妖怪のボスの私が片腹痛くなるわ」

「えっ?負傷した場所痛むの?」

「法子、あんた天然?」

「えっ?違うと思うけど?」

「もういいわ!」

と、私達がお喋りしている間も二人の戦いは続く。

すると二人は攻撃の手を止めて間合いを取る。

「驚いた。応竜に匹敵する強さだ」

「そう?けど今の父はもっと強くなってるよ」

「そうか」

「ん?嬉しそうだな?仇が強くなって喜ぶとは滑稽だな?」

「お前には関係ない。それに俺の強さを見計らうには早計だな?応竜の娘よ」

「私もまだ手探りだよ」

「そうか、お前を片付けた後にまだ残っているようなんでな?」

暗黒竜王は観戦している私達を睨み付けると全身に鳥肌が立つ。


「俺の眼圧に耐えられるなら多少は腕が立つのであろうな。既に他の神将を倒して来ているのであれば尚更手加減は出来ぬはず。あの者達にも分かるように格の差を見せてやろう」


暗黒竜王には油断もなければ隙もなかった。


「この俺の力を見て生き残れるという甘い期待事粉々にしてやろう」


暗黒竜王の身体から漆黒の竜気が立ち込めると闘技場が揺れ始め、闘技場を覆う結界にまで亀裂が入っていく。暗黒竜王の身体から漆黒の雷が放電する。それは地獄界の雷だったの!?


「それが噂に聞く禁忌とされた地獄の雷か?」

「身をもって味わうが良い!」


地獄界の雷の特徴は黒い雷を放つの。

それは現世には存在してなく、地獄の世界の力なの。かつて暗黒竜王は禁忌であった門を抜けて生身で地獄世界へと向かい、満身創痍の状態でこの力を手に入れ現世へと戻って来たと言うの。

地獄の黒雷は魂を削る特殊な雷。


「黒雷の牙爪!」


暗黒竜王から放たれた黒雷が闘技場を削りながら蛟魔王さん目掛けて放たれたの!

「!!」

その黒雷が蛟魔王さんに直撃する。

「上手く躱したようだな?」

蛟魔王さんは一瞬で暗黒竜王の背後に立っていたの。

でも、どうやって?いつの間に?


「種は簡単だよ」


蛟魔王さんの手には札が握られていて、闘技場の至る場所にも散らばっていたの?

暗黒竜王が腕を振るうと黒雷が蛟魔王さんに飛んで行くと、蛟魔王さんの姿が空間に吸い込まれるかのように消えて、闘技場に散らばる札から姿を現す。


「空間移動」


蛟魔王さんは特殊な術札を使い次元を通って別の場所へと移動出来るの。けれどそれは札を使い通っての移動だから、前以て札を用意した場所にしか移動は出来ない弱点はあるの。


「ならば闘技場全ての札を消し去るまでの事」


暗黒竜王から放たれた黒雷が放電して散らばり闘技場に散らばった蛟魔王さんの術札を的確に貫き燃やしていく。

「これでお前を守る術も失ったな?だが念入りにさせて貰おう」

更に蛟魔王さんを中心に術札を貫いた黒雷はそのまま天井まで昇っていくと蛟魔王さんの逃げ場を完全に奪う檻となったの。

「さぁ?覚悟を決めるが良い!」

黒き雷が暗黒竜王の頭上で槍のようになり今度こそ蛟魔王さんへと放たれたの!その攻撃に蛟魔王さんは微動だにしないで動かないでいる。このままでは蛟魔王さんは黒い雷に貫かれてしまうの?

「!!」

命中した黒雷は蛟魔王さんを貫く事はなかった。

しかも私は驚く。

「あれって、まさか??」

黒雷は、蛟魔王さんの片腕に装着した盾によって防がれていたの。

その盾は私がよく知ってる盾だった。


「蛟の盾!」


蛟の盾とは竜神界最強を誇る宝具。

蛟魔王さんが所有していた盾だったのだけど竜神界に盗られたから取り戻す仕事を請負ったの半強制的にね。けど、激しい戦いの挙げ句に壊れたはずだけど??何故、あるの?

「まだ蘇ったばかりだから時間かかったけれど間にあったね。この蛟の盾はたとえ破壊されても更に強固な盾となって蘇るんだよ」


まじか?私達の苦労が・・・


蛟の盾は黒雷をも弾き返したの!

「蛟の盾か?ならば直接お前の身体に俺の黒雷を叩き込めば済む話だ!」

暗黒竜王は片手を挙げると黒雷が降り注ぎ凝縮すると、漆黒の大槍と化したの。

「黒雷の大槍」

そして一瞬で蛟魔王さんの間合いに入り込み突き出したの!

「クッ!」

蛟魔王さんは辛うじて蛟の盾で弾くけれど新たな攻撃が止む事なく襲い掛かる。

「例え強力な盾と矛を競った時に互角とはあり得ない。何故なら盾は盾。守るための武器!だが矛は敵を倒すための武器なのだからな!」

「ほぉ?盾は守るための武器と?異なことを論じるな?しかし盾程強固なれば、それこそ最強の盾ともなれば十分と凶器になりうるのだよ」

「!!」

蛟魔王さんは暗黒竜王の槍の攻撃を紙一重で掻い潜ると、寸前で身を回転させて裏拳の如く蛟の盾で暗黒竜王をぶっ叩いの!ふっ飛ぶ暗黒竜王に蛟魔王さんは睨み付けながら笑む。


「私は強いよ」


そんな蛟魔王さんの姿を見ていた私達はポカ〜んと見ているしかなかったの。

こんなに強かったの?

それに何か素敵だわ〜!


そんなこんな

次回予告


最強対決はまだまだ続く!

暗黒竜王の目的が明かされるぞ!


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