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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
19/713

女子高生怒り覚醒再び?絶対に許せないんだから!!


法子と赤羽宮は三体の鬼神相手に苦戦していた。


打開策は?


戦いは始まったばかりだ!

私は法子!


ちょっとちょっと??


倒したはずの大嶽丸と八面大王が再び立ち上がり私と宮ちゃんに迫って来て、もうどうしたら良いのか?


そんな時、宮ちゃんは意を決したかのように八面大王に向かって飛び出したの!


八面大王が弓を構えて宮ちゃんに向ける!


「危なーい!」


八面大王の弓が宮ちゃんに狙いを定めた時、その矢は射られたの!


「タァア!」


その矢は宮ちゃんの額に突き刺さる……直前で止まっていた?


私は驚いたわ!


宮ちゃんは、自分に射られた矢を両手で挟む白羽取りで止めたの。そして、その呪われた矢を私に向けて放ると、私は慌ててキャッチする。


「なぁ?何?何?」


宮ちゃんは動きを止めずに両手を挙げる。その手は矢を止めた事で血だらけだった。


「今から…私の全てを!命をかける!」


えっ?


その時、私の身体が浮く?それは私の襟を噛み持ち上げる宮ちゃんの狼が、そのまま私をくわえ上げて運んだの??


「ちょっと?何?逃げるわけにいかないわよ?まだ宮ちゃんが残っているでしょ?」


だけど、凄い力と勢いで私は戦場から引き離される。


どんどん宮ちゃんが遠く離れていく?


「離せ!こら?」


その時、狼から宮ちゃんの声が聞こえて来たの?


「その矢を早く晴明様に!ここは私が引き受けるから!急ぎなさい!」


それって?


「ダメよ!あの鬼を三体相手に一人で?無茶よ!今から戻るから!」


「あんた馬鹿?私達の目的…いえ、私の目的は晴明様を救う事!本来は私が直ぐに晴明様のいる場所に駆け付けたいの?それを任せるのだから、絶対に晴明様を救うのですよ!」


と、その言葉を最後に私がどんなに言い返しても返答が戻って来なかったの。



本気で一人で戦うつもりなの?


自殺するようなもんよ?


そんなの!


だけど、宮ちゃんにとって、晴明様を救う事以上に大切な事はないのかも…


自分自身をも顧みない程に…


私は矢を握る拳に力が入る。私に今出来る事は、宮ちゃんから託された矢を晴明師匠に届け、矢の呪いを解いて助ける事!


私は宮ちゃんの狼の背に乗って、晴明師匠の待つ場所へと急いだの。


駆け抜ける狼から私は飛び降りると、結界の張られた大木に眠る晴明師匠のもとに駆け寄る。


そして手にした矢を置く。



「晴明師匠?大丈夫ですか?この矢に師匠の身体を苦しめている呪毒が塗られています」


「そうか、有り難う」


「師匠?師匠なら自力で呪毒解除の術を行えますよね?悪いですけど私は再び宮ちゃんのいる戦場に向かいます!後、宜しくお願いします!」


「法子?」



それだけ言うと、再び狼に乗って、戻ったの。


師匠、優しい弟子でなくて、ごめんなさ~い!


そして、宮ちゃん待っていてね?


私は自分が乗っている狼を見て思う。この狼が消えてないって事は、宮ちゃんは無事って事だよね?



「待っていてー!宮ちゃん!」



私は狼に乗り例の社を見付けると、私達が戦っていた場所へとたどり着く。


「!!」


その時、私は力が抜けたように床に転げ落ちたの?


私が振り返ると、


「うそ…?」


私を乗せていた狼が消えていく?


それって?


私の中で血の気が引く…


宮ちゃんの出した狼が消えたって事は、つまり?つまり?それって?



「そんな事って…絶対に許せない…却下よ!」


私は自分自身の足で走り出す。そして、私が着いた時には?


「あっ…あぁぁ…」


そこには鬼達が群がり何かをがっつくように何かの塊を食していたの…床には大量の赤い液体が染み渡り、それって?


「あぁあ…」


私は、それが何を意味するかを考えない…考えたくない…考え…だけど、だけど!


「うゎああああああ!」


私の雄叫びに、三体の鬼達が気付き向かって来たの!


「お、まえらぁー!」


私に牙を剥き、爪を立てて来た三体の鬼が…


私の前で回転し、足下の床に勢いよく直撃したの!


「合気!」


まるで流れるように、吸い込まれるように、鬼達は方向感覚を失った。


「お前達は絶対に…」


『許さないんだからー!』



再び立ち上がる三体の鬼が私に向かって来る前に、私は金色の錫杖を構成させると、三体まとめて殴り飛ばしたの!壁にまで吹き飛び直撃する三体の鬼達。


「…だらしない!それで主を守護出来ると思っておるのか?」


それは坂上田村麻呂の側近である鈴鹿御前だった。


鈴鹿御前の声に三体の鬼達は再び立ち上がる。三体の鬼達から強力な力を感じる。



八面大王が私の身体に向けて念動力で身体を縛り、そこに大嶽丸が襲い掛かり、悪路王が弓を構えて矢を射ろうとしていた。


まさに三位一体の攻撃!


だけど…


「それが何だ?それが何だ?それが何だって言うのよー!!」


私の身体を金縛りにする八面大王の念動力を覇気で弾き、向かって来た大嶽丸に向かって覇気を籠めた錫杖を投げつけると、大嶽丸の身体を貫き、更に弓を構えていた悪路王の胸をも貫いたの!


私の驚異的な力に鈴鹿御前は驚きを隠せないでいたの。更に首謀者の坂上田村麻呂は、


「うん。面白い…あれが噂に聞く力か?」


『救世主の魔眼!』



坂上田村麻呂の言った通り、今、残りの鬼神・八面大王の頭上へと瞬間的に飛び上がり拳で殴り付け、強烈な力で床に埋め込ませ倒した私の眼は…


金色に輝いていたの!!



「あんたら全員、泣いても許さない!!」



その力は以前、ヒュプノス神に襲われた時に無意識で一瞬見せた力と同じものだったの。


三体の鬼が倒され、鈴鹿御前が立ち上がろうとすると、



「なら、次は私が行きましょう。主様?」


「いや、俺が直接あの娘の力を試してやるとするよ」


「主様!」


「案ずる事はない。ほんの少し余興がしたくなったんだよ」


そして坂上田村麻呂が腰を上げて立ち上がる。


私は自分に向けられる殺気に気付き、見上げる。



「さぁ?お嬢ちゃん?今度は俺が相手をしてやるぞ?この坂上田村麻呂がな!」



この一件の黒幕にして、私の大切な友達…宮ちゃんを…


私は怒りと悲しみで拳に力が入る。


坂上田村麻呂が指先に霊気を籠めると、霊気が伸びて霊気の弓を構成する。あれは私の金の錫杖と同じ?



「ふふふ…俺の射る矢からは逃れられんよ?」


坂上田村麻呂が弓を構えて矢を射ると、それは私の足場を貫き崩れる。咄嗟に私は移動しながら坂上田村麻呂に向かって突っ込む。


「さっきのは余興だ?今度は外さないから、意識して躱してみるが良い!」


再び矢を射られた。


私の眼前に矢の先端が見えた?


一瞬で私の間合いを越えて眼前に?


だけど今の私もまた、


見切っていた!!



私は瞬間的に錫杖を突き上げ、眼前に迫る矢の先端を当てて軌道を変えたの!僅かに額に傷を負ったけど、私は足を止める事なく坂上田村麻呂に向かって迫る!


「あの一瞬でか?やるな?これは面白い。なら、これならどうだ?」



新たに矢が射られた。しかも一本の矢が分裂し、私に雨のように降って来たの!


私は降って来る矢を躱し、錫杖で弾きながら坂上田村麻呂に向かって行く!



「あはは!何て娘だ?俺の矢を眼もくれずに、俺の首しか眼中にないか?」



私は錫杖を坂上田村麻呂に向けて降り下ろすと、坂上田村麻呂は手にした弓で受け止める!強烈な振動が二人の衝撃を中心に波紋のように広がり柱や壁に亀裂を作る。


「う~ん。衝撃的だ。だが、その魔眼。フィプロス神の結界を破壊したと言うからどれくらいと思って期待はしていたが、本来の力の五倍?その程度か?」


「何かよく解らない事を期待していたみたいだけど、関係ないわ!私は今無性に腹が立って血管ブチキレそうなんだからぁー!」


「!!」


私の力が坂上田村麻呂の弓を押し込む力が更に強まり、弓が粉々に消え去る。


「おっと?」


坂上田村麻呂は己の弓が粉々になると同時に私の錫杖を躱し、素早く距離を離れ移動して感心する。

 


「驚いた…瞬間的に力が十倍に膨れ上がった?どうやらまだまだ力を引き出せそうだな?」


すると坂上田村麻呂は片手を上げる。すると頭上に空間が歪み、そこから大刀が抜け出て来たの?



『騒速・ソハヤの剣!』



坂上田村麻呂はソハヤの剣を手にすると、


「久しぶりに手にしたが、やはりしっくり来る。さて?俺をもう少し楽しませてみろ?」


長刀・ソハヤの剣を軽々と振り回しながら坂上田村麻呂は私に対して剣先を向ける。


私もまた金の錫杖を構えて、休む事なく坂上田村麻呂に向かって行く!


「うぉおおおお!」


私の錫杖を軽々躱す坂上田村麻呂は余裕を見せつつ、私の力を見定めている。まるで私の力を引き出そうとしているように?


「ナメるなぁー!」


私の覇気が錫杖に籠められると、更に強力な力を持って坂上田村麻呂に殴りかかる。


「!!」


直後、坂上田村麻呂の長刀ソハヤの剣が振り払われたの?同時に私の錫杖が両断された。私は咄嗟に躱したけれど、私が見上げた先に坂上田村麻呂が長刀を降り下ろして来ていたの!


「クッ!」


殺される?


そう思った時、私には絶対負けられない思いが身体を無意識に動かしたの。


坂上田村麻呂は、


「ほぉ~?」


と、見下ろした先に自ら降り下ろしたソハヤの剣を私が白羽取りしていたのだから!


しかも!


「うぉおおおお!お前になんかに負けるかぁああ!」



私は力を一点に集中させ、気合いと同時に坂上田村麻呂のソハヤの剣を、


へし折った!!



「馬鹿な…俺のソハヤの剣を折るなんて…これが救世主の力なのか?」



余裕を見せていた坂上田村麻呂が初めて私に対して驚きを見せた。


だけど、そこまでだったの…


私は今の力で力尽き、強烈な目眩が襲う…同時に金色に輝いていた瞳の色が消えて、元の瞳に戻っていく。


駄目…


このまま倒れたら、宮ちゃんの仇が取れ…な…ぃ…



だけど、その時?私の肩に手が置かれたの?


「えっ?」


私はその置かれた手の主に涙が出て来たの。


その精悍にて心より信頼する師匠だった。


解毒終えたの?



「せ…晴明師匠…」


私は宮ちゃんを助けられなかった事に無念が残る。自分自身で決着出来なかった無力さに悔しく、怒りがこみ上げる。だけど、私にはもう力が残っていなかったの。


「ここまでだ!」


晴明師匠の言葉に、折れたソハヤの剣を見つめる坂上田村麻呂は首を振る。


「もう少し遊ばせて貰おうかね?」


坂上田村麻呂はソハヤの剣を放り投げると、印を結ぶ。


すると新たな剣が出現したの。



『黒漆大刀』


坂上田村麻呂は黒漆大刀を構えると、


「お相手して貰いましょうか?」


と、晴明師匠に斬りかかる!晴明師匠は一歩も動かずに、



「鬼神を返す呪われし剣よ!我が手に…」


晴明師匠の手に剣が出現する?それは鬼の装飾がされた禍々しい剣だったの。



『鬼神返神の剣!』



あれは晴明師匠の持つ鬼神を無に返す退魔の剣!


でも…


前々から思ってはいたのだけど、


「キジンヘンジン」の剣って…


その名称はどうかな?


とか思う。




そんなこんな


次回予告


法子の前に現れたのは負傷していた晴明だった。


坂上田村麻呂と晴明の戦いが始まろうとしていた?

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