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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
18/713

女子高生に鬼気迫る?


師である晴明が矢の毒に倒れ、法子と宮が犯人を追う!


二人は解決出来るのか?


私は法子!


私と宮ちゃんは晴明師匠に矢を射った敵を追っていたの。


大丈夫!気配はまだ消えてないわね!


恐らく私達を誘っているのかも?


罠?


でも、構わないわ!


晴明師匠を犯している毒は呪いに似た品物。毒消しの術では消せないし、呪いは呪術者本人を介さないと消すのに時間がかかるの。つまり術をかけた相手を捕まえた方が手っ取り早いし、いつまでも晴明師匠を苦しませているわけにいかないから!


「どうしよう…どうしよう…どうしたら…」


まだ宮ちゃんは狼狽していた。


やっぱり置いていく方が良かった?それとも晴明師匠の傍に残して来た方が?


うんうん…残念だけど、私一人ではちょっと分が悪い相手みたいだから…


私は宮ちゃんの手を握ると、何も言わずに強引に引っ張る。


「!!」


宮ちゃんは、その時に我に返り頷く。


「もう、大丈夫」そう目で訴え、共に敵を追ったの。


一体、何者?


どんな敵が待ち構えていると言うの?


この一件の黒幕を相手に緊張が走った。



「前方の道を真っ直ぐに行って、左右の分かれ道を左に曲がる!」


「えっ?」


宮ちゃんの指示に私は、


「解るの?」


すると真っ赤な狼が出現し、私達の前方を走る。


「あれは?」


「私の使役する獣よ!あの矢から敵の気は既に覚えたわ!後は嗅覚探知で負えるから!」


「役に立つ特技ね?」


「伊達に赤ずきんちゃんの転生者じゃないわ!」



………。


えっと、ここは突っ込むべきなのかな?


宮ちゃんの真顔に、本気度が伝わる。


えっと、赤ずきんちゃんって…どんな話だったけ?


すると宮ちゃんが教えてくれたの。



赤ずきんちゃん


赤ずきんちゃんは病のお婆さんの家にお見舞いに行った時、そこでお婆さんは狼の化け物に襲われていたの。そして入って来た赤ずきんちゃんを丸飲みしたの。


うん。グロテスクね?


だけど、赤ずきんちゃんは狼の化け物の体内で結解を張って生きていたの!そして霊気を高め、狼の身体を体内から爆発させて脱出!


ん?ん?ん?


だけど狼の化け物から出て来た赤ずきんちゃんは、長く身体を汚染されていたために半獣の姿になって…なぁ…て???


そんな話じゃなーい!!


ぜぇぜぇ…


「そして転生した後も、私には狼の力まで備わってしまったの…だけど、この忌まわしい力も晴明様を守るためなら惜しまないわ!」


ダメだ…


本気で思い込んでる?


下手に突っ込みを入れたら、めんどくさいわ…絶対!


私はそれ以上の追及を止める事にしたの。


と、モヤモヤしている時に宮ちゃんが私に叫ぶ。



「集中して!間近にいるわ?あの先に見える建物の中にいる!」


「えっ?解ったわ!」



私は意識を高める。緊張を消したら命を奪われる。


この先にいるのは、さっきの蜘蛛の化け物なんかよりずっとヤバいはず!


その時、


「どうやら先客が出迎えてくれているみたいよ!」


「そのようね?」


私は術札を抜いて霊気を高める。私と宮ちゃんの前には、蜘蛛の化け物がわんさかと道を塞いでいたの。


「最初のに比べたら小型サイズね?あれなら楽勝よ!」


私は手にした術札に霊気を籠めると、目の前の化け蜘蛛に向かって投げつける。その術札は炎を纏いながら爆発し、蜘蛛達を焼失させた!更に宮ちゃんの使役する狼獣が蜘蛛達を蹴散らす!何だかんだで、ナイスなコンビネーションよね?


私達は蜘蛛の死骸の間を駆け抜けると、建っていた社に侵入する。


この中に黒幕がいるのよね?


中に入った私と宮ちゃんは部屋中に意識を張る。その時、私達に向かって声をかける者が?



「そんなに気を張らずとも俺は逃げはしないぞ?娘達よ?」


その者は傍に綺麗な女性を侍らせた男だった。しかも他に付き従う三人の男が?


私は黒幕である男に向かって叫ぶ!



「晴明師匠を狙ったのはお前ね?謝罪ついでにぶん殴ってあげるんだから!」


「ふふ…気の強い娘だ。お前達二人を俺の前にまで誘き寄せた事はあるわね」


「何ですって!」


リーダー格の隣にいる女が余裕を見せて言う。この女からも強い力を感じるわ?後ろで守護している三人も厄介そうだし?やっぱり分が悪いかな?


「ちょっと邪魔しないでしないで?早く仕留めて晴明様の呪縛を解くわ!」



宮ちゃんの目が怖い…


宮ちゃんが両手から出現させた金の錫杖を五本構成すると、空中に浮かせて


「錫杖五槍弾!」


五人に向けて放ったの!


勢いよく向かっていく錫杖に、主を守るように三人の男が飛び出して錫杖を素手で受け止めたの!


宮ちゃんは直ぐに印を結び変えると、


「爆!」


その錫杖は爆発して、敵の五人を飲み込んだ!


「やったわね!」


「油断大敵よ?見て!」



爆風と煙の中から、五人は平然とその場にいた。例の女が作った結解で防いだみたい?


「やるわね?本当に何者なのかしら?あいつら?」


「解らないわ…だけど、相当な手練れのようよ」



私達の会話に敵のリーダー格の男が興味本意で私達に質問して来たの?


「お前達の目的はこの先にある穴だろ?」


「!!」


やはり、ここに例の穴があるのね?因みに穴とは地獄といった異界と、この世界を繋げた穴なの。その穴から入って来ては駄目な厄介者が出て来ちゃうわけ…


私達はその穴を閉じに来たわけだけど、まさかこんな面倒な連中がいるなんて?



「あはは…どうやら穴を封じに来たのだろうが、まんまと俺の罠にかかったようだ?お前達も先に来た連中と同じく…」


『我々の餌食になって貰おうか?』



すると、奴等を中心に景色が変わり、私達の目の前に新たな世界が広がった。


「ここは?何?」


「きっと奴等の結解の中に閉じ込められたんだわ?」


「じゃあ、後にはもう退けないわね?やるしかないわね!」



私達の決意に敵のリーダー格は興味を持ち始める。


「この状況に戦意を失わないとか、面白い娘達だ?良いだろう。死ぬ前にせめて、この私の名を教えてやろう」



えっ?


そして明かされるのは奴等の正体。それは驚くべき正体だったの!



『坂上田村麻呂』



さかのうえの?たむらまろ?って、確か?


平安時代の征夷大将軍だった過去の人よね?でも、それよりも多々ある伝説の方が興味深いの…


魔物退治の数ある伝説!


その坂上田村磨呂が私達の敵だって言うの?


まさか転生者?


でも、どんな敵だろうと私達がやるしかないのよ!


私と宮ちゃんが構えると、田村磨呂を守る三人の男達が前に出る。


そして私達の前でその姿を変貌させたの?


「こいつ等…」


『鬼神!』



私達の前に立ち塞がる男達の正体は鬼…いや?鬼神!


しかも伝説の鬼神!


「先に来たお前達の仲間はそいつ等が始末し喰らった。お前達ももうじき同じ運命をたどるであろう?」


私達の前に現れた鬼神とはかつて坂上田村磨呂が倒したとされる大嶽丸、八面大王、悪路王だったの!まさか倒した鬼を使役していたなんて?とんでもないわ!


三体の鬼神はとてつもなく強かった。私は術札を撒き散らす。その上に大嶽丸が足を踏み込むと同時に私は印を結ぶと、術札が発光して大嶽丸の身体を光が拘束する。


「更に!まだまだいくわよ?一気にトドメよ!」


印を結び直し、念を籠めると、大嶽丸を拘束している術札が爆発したの!大嶽丸の身体が崩れ膝をつく。


「後、二体!」


そう思って別の鬼神に意識を集中しようとした時、背後から殺気がしたの?


「えっ?」


私は反射的に躱して振り返ると、そこには倒したはずの大嶽丸が?負ったはずの身体が回復した状態で立っていたの?


「もしかして…不死なの?有り得ないわ!」



宮ちゃんもまた鬼神を相手に手こずっていたの。


「くっ!」


宮ちゃんの術が全て弾かれている。それは八面大王だった。鬼神のくせに神通力で宮ちゃんの術を全て無効化していたの。


更に、宮ちゃんは自らの血を使った狼を使役し、悪路王と呼ばれる鬼神を近付けさせないように相手していたの。


私が早く応援に行かないと!


だけど、大嶽丸の強さは私の予想を遥かに上回っていたの。私の術札から繰り出される炎や雷撃が直撃しているにも関わらず、躱さずに襲い掛かって来るの!


「術札じゃ駄目のようね…だったら!」


私は飛び上がると、印を結び直して意識を両手に籠めると、金の錫杖が出現する。更に霊気を全身に廻らせて私自身の肉体が強化されたの。


「うぉおおお!」


雄叫びとともに私は落下と強化の力を錫杖に籠めて、大嶽丸の頭を殴り付ける!のし掛かる力が大嶽丸を床に埋め込ませた!私は着地と同時に新たに四本の錫杖を構成させると、倒れている大嶽丸の周りに突き刺す。


「準備オッケー!」


私は飛び退くと印を結び術を発動させた。


『五芒星結界!』


突き刺さった五本の錫杖から光が放たれると、五芒星を形作り大嶽丸の身体を拘束させる結界術となる。


「グルルル…」


「不死身の化け物も動けなくすれば問題ないわ!」


そして二体を相手に手こずっている宮ちゃんの救援に向かう。


宮ちゃんは八面大王の念動力により繰り出す術を全て無効化されていたの。


「化け物が術を使うなんて本当に器用…」


って、感心している場合じゃないわよ?


すると宮ちゃんは八面大王に向かって金の錫杖を使い直接攻撃を仕掛ける。それは八面大王の身体に直撃し、ダメージを与え膝を崩した所に、


「ッウオオ!」


突き出す錫杖が喉を貫く!


しかも錫杖に貼られていた術札が同時に発動すると、錫杖を避雷針にして雷が落ちたの!



やっぱり宮ちゃん強いわ!


しかも実戦慣れしてる?


容赦なくトドメを刺せるのは、実戦の厳しさを知っているか…


それとも…


冷酷か残忍、ドSの他にないのだから!


私は感心すると同時に宮ちゃんがどんな人生を送って来たのかが気になった。


いくら相手が人でないにしろ、私と同い歳で化け物を相手に無表情で手にかけられるのは、それほどの過酷な修羅場を生き抜いて来た証拠なのだから…


「後、一体ね?」


宮ちゃんは使役していた真っ赤な狼に、悪路王を任せていたの。

悪路王は剣と弓を使い狼を寄せ付けない。


「どうやら晴明様に矢を射ったのは、アイツのようね?」


私達の目的は晴明師匠の身体を犯している矢に付いていた毒を手に入れる事もあったの。あの悪路王の矢を奪えば、晴明師匠の毒を消す手段が見付かるわけ!


宮ちゃんは悪路王に向かって駆け出そうとした時?


背後から殺気がして咄嗟に振り返ると、霊気の弾丸が目の前にまで迫っていたの。すかさず錫杖で受け止めるけど、勢いに負けて吹き飛ぶ。そして、その霊気の弾丸を放った相手を私は見て驚いたの!?


それは宮ちゃんが倒したはずの八面大王だったから!


私は宮ちゃんの救援に向かおうとしたけど…


「うそ…」


私にも結界で拘束したはずの大嶽丸が、結界を力任せに破壊したの!


三体の鬼を前に、私も宮ちゃんも鬼気迫る…


じゃなくて、危機迫る?



そんなこんな。


次回予告


この状況、まさに危機?


二人の危機はまだ終わってはいない!

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