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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
17/713

女子高生のお仕事は波乱で大変?


安倍晴明の命令で共に任務に出向く事になった法子。


赤羽宮も加わり、どんな任務になるのか?


私は法子!


私は今、晴明師匠と宮ちゃんと一緒に任務に出向いていたの。


任務って何かって?


何かね?地獄と人間界に歪みが出来ていて、そこに穴が開いたそうなのよ?放って置いたらあのエロ最悪悪魔みたいのが地獄からやって来るから、早々に閉じないといけないわけね?


穴塞ぐなんて楽勝!


…って思っていたのだけど、どうやらそう簡単にはいかないわけなのよ?


何者かが穴を塞ぐのを邪魔しているらしく、実は既に向かったはずの退魔班の連絡が閉じてしまったらしいの!だから、晴明師匠が直々に私と宮ちゃんを連れて来たってわけよ?


私、信頼あるからさ~


「法子さん?貴女は実戦慣れしていていないのだから、今回は後方援護!良いわね?」


「なぁ?何を言ってるのかなぁ~宮ちゃん?私はバリバリ実戦慣れしてるわよ!」


「貴女の今まで実戦なんて、私達に比べたら子供の御遊戯程度よ?怪我をしたくなかったら黙って見てなさい!」


「ちょっと!宮ちゃん?酷いんじゃない?」


「…それにいつから私をちゃん付けしているの?私は貴女とそこまで親密になった記憶はないわよ?」


「私はあるわよ~?恋する乙女は可愛いから、ついつい母性本能くすぐられるのよ~ねぇ?晴明師匠?」


「?」


晴明師匠は話の内容は解らないでいた。


「きゃああ!あんた?ちょっと黙りなさいよ~」


赤面する宮ちゃんに私はニヤニヤした目で見つめる。


更に赤くなる宮ちゃんを見た私は何かムラムラし、更にドエスになる。



「晴明師匠?師匠は好きな女性のタイプってありますか?」


「法子?何を突然?」


「突然、今、急に気になって?晴明師匠は美形なんだから選り取りみどりじゃないのかなって?」


確かに晴明師匠は美形なの。モデル?宝塚?女性と見間違う程の端麗な顔立ちで、本当に人間離れした近付き難い程の超イケメソなのよ?宮ちゃんが惚れるのも解るわ~


「ちょっと!晴明様に失礼じゃない?貴女!ちょっとこっちに来なさいよ?」


宮ちゃんが私の腕を掴んで晴明師匠から引き離す。


ちょっと虐め過ぎたかな?


すると宮ちゃんは私に向かって泣きそうな顔で怒る。


「お願いだから真面目にやって!」


あはは…


流石に私も大人気なかったわね?素直に謝ろうとした時、


「私と晴明様を結び付けるなら、もっと積極的にやってくれなきゃ駄目じゃない!」


と、真剣な目で言われた。


アレ?


そっちかぁ~??


「あはは…ごめんなさい?解ったわ!この仕事中に晴明師匠との距離を縮めてあげるからね!」


「信じるわよ!」


何か、一回壊れたら一回りしてキャラが変わったわね?てか、こっちが本性?


私達は探索のために消息不明になった先陣達の残した印を頼りに目的地へ向かう。そこは青森県および岩手県の間にある小さな村だったの。因みにここまでは徒歩…はっきり言って足が棒になったわ。どうして電車や車を使わないの?そんなに貧乏な寺のはずではないのだけど?


この村に何が?お年寄りの多い少し寂しい村のよう。


だけど、感じる。この村?何か一帯の空気に違和感を感じるわね?


「二人とも感じるかい?」


「結解ですね?」



結解?


私は目を凝らして村を見ると、村の奥へと続く森に向かって確かに結解らしき力を感じたの。


「結解なら壊して入りましょ?師匠?」


だけど晴明師匠は首を振って私達に言う。


「この結解は少し厄介だ。恐らく特別な術法で造られたのでしょう」


「普通の結解と何が違うのですか?」


私の疑問に宮ちゃんが答えてくれた。


「これは時空間結解だと思うの…」


「時空間結解?」


時間結解とは、決まった時間と条件にしか開かない特殊な結解で、目の前に見える結解に手を出しても無駄なの。つまり、その時間と条件の時に結解の中へと入り、中から直接破壊するしかないんだって?


「今は時が来るまで待つとしましょう」


晴明師匠の指示に私と宮ちゃんは頷く。


私達は森の中に入り、自分達の結解を張って待機する。持久戦になるだろうから一人ずつ見張り交代をして、結解が開くのを待ってみたの。



私達が来て四日が経った。


「本当にこの結解開いたりするのかしら?もしかして何年も待つなんて嫌よ?」


私は夜空に見える月を眺めてぶつぶつ文句をたれていると、何やら声が聞こえて来たの?それは村から聞こえて来て近付いて来る?恐らく何かの祭りみたい?って、どうして祭り?こんな時間に?何かの行事かしら?


すると村人達が賑やかに御輿を担いで私のいる方に近付いて来たの?私は大木の影に隠れて様子をみる。やっぱり祭りなの?


「!!」


その時、私は驚愕したの。だって御輿には棺桶が乗せられ、その中に私と同い年くらいの女の子が入れられていたのだから。


「何が始まるの?」


私は隠れて見ていた。


村人達は棺桶御輿を担ぎながら、更に森の奥へと入って行く?


…って、この先には結解があるのよ?危険だわ!



私は術札に念を籠めると、術札が小さなお人形の形となって動き出す。


「式神ちゃん?晴明師匠と宮ちゃんに知らせて?」


そう言うと、私は一人無鉄砲に御輿の後を追ったの!


すると、今まで閉ざされていたはずの結解が開いていて、その先には今までなかったはずの村が存在している事に気付く。


「結解の中に村があったなんて?」


私は再び空を見上げると月が丸く輝いていた。つまり満月?満月の夜に開く結解だったわけね?解ってしまえば単純ね?


私は御輿を担いで結解の中に入る村人達を追う。


すると村の中心に血のように真っ赤な祭壇があって、その前に御輿が置かれたの。そして何かを奉るように村人達が膝をつき、崇め始めたの?


今から何が始まろうとしているの?


すると男達が棺桶の中に入っていた女の子を祭壇の上に寝かせて降りてくる。


このパターンは?


まさか生け贄??


私は嫌な予感がして辺りを見回すと、案の定…空が曇り始めたの。違うわね?あれは雲じゃなく障気の雲だわ!同時に辺り一帯を妖気が充満し始めたの。


「何か…とんでもない化け物が現れそうね?」


私は懐に入れてある術札に手を置く。私は様子を見ながら、いつでも飛び出せる用意をした。


すると上空の障気が動き出し、空から巨大な黒い物体が伸びて来て祭壇の女の子を引っ掻けると、ゆっくりと上空へと上げていく。


私は慌てて飛び出すと、


「隠れてないで姿を見せなさーい!」


術札に念を籠めて上空に向けて投げると、花火のように爆発して上空の障気を吹き飛ばす。


「!!」


私が見上げた先には山のように巨大な蜘蛛の化け物が女の子を足に引っ掻けて口に入れようとしていたの!


「そうはさせないわ!」


私は再び印を結び術札を目の前に滑らせるように動かすと、まるで鏡に貼りつけたように宙に五芒星を形作る。


『発気・五芒天波!』


私は目の前の五芒星に向けて、有りったけの霊気を拳に籠めて殴ったの!すると私の拳に籠めた霊気が五芒星の力を媒介にして膨れ上がり上空の巨大な蜘蛛に向かって放たれたの!


『フギャアアア!』


私の奥義・五芒天波は化け蜘蛛に直撃すると、捕まっていた女の子が落下する。


「あ、やばっ!」


私は落下する女の子を助けるために駆ける、けど!


「間に合わない?」


その時、落下する女の子の姿が光輝き、その姿が変わる?それは金髪の髪の、巫女さんの姿?間違いなかった!


「宮ちゃん?」


宮ちゃんは落下しながら体勢を直して祭壇の屋根に着地すると、私に向かって怒って来たの?



「もう!せっかく侵入するために変化していたのに!寸前で邪魔して!この馬鹿ぁ!」


馬鹿ですって?


「何よ?私だって助けようとしただけよ!あの状況で見過ごせるわけないじゃないの!」


「知らないわよ!せっかくの潜入作戦が台無し!これで黒幕まで辿り着けないじゃない?」


「私だって知らないわよ?そんな作戦!先に言いなさいよ!」


「貴女に話したらボロが出るから言わなかっただけよ?結局駄目にして~」



あっ…何て言い掛かり?


私、悪くないわよね?


どう考えても悪くないわ?


私は宮ちゃんのいる祭壇の屋根上に飛び乗ると、



「とりあえず目の前の化け物を何とかするわよ?」


「足手まといにはならないでよね?」


「宮ちゃんもね!」



私達は両掌に霊気を集中させると、霊気が伸びて形を成したの。それは霊気で出来た金の錫杖!


私達は錫杖を振り回して大蜘蛛に向かって構える。


「行くわよー!」


私と宮ちゃんは同時に飛び上がると、巨大な蜘蛛に向かって金の錫杖を叩き付ける。直撃と同時に鈴の音が響き渡り、霊気の振動が波紋となって蜘蛛を覆う妖気を浄化する。


「これで化け物の防御力は半減したわよ?後は本体を叩くだけよ!」


私と宮ちゃんは同時に金の錫杖を突きつけようとした時、左右から化け蜘蛛の足が私達を襲う。


「こんの~!」


私は錫杖で蜘蛛の足を受け止めると、宮ちゃんはその足の上に飛び乗り、ダッシュで化け蜘蛛本体に向かって駆け出す!


「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前!」


九字を唱えて気を高めると、化け蜘蛛の眉間に錫杖を突き付けたの!


やったぁ~!


そう思った時、金の錫杖は眉間の寸前で止まっていたの?


どうして?


その時、宮ちゃんは金の錫杖を引こうとするけど、何かに引っ張られて動けないでいたの?私は目を凝らして原因を探る。


「あっ!!」


金の錫杖は蜘蛛の口から吐かれた糸によって止められ、しかも宮ちゃんの身体に巻き付いていたの!


「今、助けるわ!」


私が飛び出そうとした時?


「駄目だって!よく周りを見なさい!」


えっ?


気付くと、私の周りに蜘蛛の巣が道を塞ぐように張り巡らされていたの。


ドウシヨ…


私は困り果てる。


けど、答えが出ないから諦めた!



私は金の錫杖の先端に意識を集中させると、先端が鋭利な刃に形が変わり、錫杖の矛を使って目の前の巣を切り裂いていく。そして向かう先には、身動き出来ない宮ちゃんがいる。


先ずは宮ちゃんを救い出さないと!


私は蜘蛛の巣を全て斬り裂きながら宮ちゃんの所まで辿り着くと、彼女を縛る糸を切り裂く!


「礼を言うわ?」


「その代わり後は頼んで良いかな?もう霊力が尽きそうなのよ~」


私は宮ちゃんの手を叩くと、彼女は後は任せてと私に頷く。


「こんな蜘蛛の化け物!私が本気を出せば容易いわ!」


宮ちゃんは自らの指を軽く噛むと血が垂れる?


そして、その血を舐めると、彼女の鼓動が早くなる。


「私の血は化け物を消し去る呪われし血…私はこの血を晴明様に捧げるわ!」


宮ちゃんの金髪が変色して血のような真っ赤な色になる?血?そう言えば私を助け神を撃退した三人も血を出した後に強くなったわよね?一体、宮ちゃん達の力って何なの?


そして宮ちゃんって何者?


すると宮ちゃんの手に持つ金の錫杖が自らの血で染まっていき、その形がライフルの形になる。


「私は…」


宮ちゃんの正体?私はその正体を知り驚愕する?まさか?そんな馬鹿な事って?



「私は赤ずきんちゃんの転生者!」



あ…


赤ずきんちゃんの転生者ですって~??


そんな馬鹿な~?


だから~絶対に、絶対にないから~!!



「赤羽 宮、参る!」


彼女の手にはライフル銃が構えられると、蜘蛛の化け物に向かって照準を合わせる。


『照準一発・ライフル獣!』


引き金に力が込められると銃弾が撃たれる。


銃弾は蜘蛛の化け物に向かって行くと、寸前で変化して真っ赤な狼に変わる。


その直後、狼は蜘蛛の化け物に噛み付くと、化け蜘蛛は一瞬で消滅したの!!


「凄い…」


私は宮ちゃんに向かって駆け寄る。


「宮ちゃん?凄い!一撃必殺よね?」


「まぁね…」


宮ちゃんは自分の力を誇る事もなく、ただ悲しい目をしていたの。自らの力を呪うかのように…


と、その時?


「二人共まだ終わってはいない!」


えっ?


その直後、私達に向かって矢が飛んで来たの!!


私と宮ちゃんは完全に油断していた。


そこに庇うように晴明師匠が飛び出して、指先で五芒星を描き盾として矢を止めたの!!


「大丈夫ですか?二人とも?」


晴明師匠の声に私と宮ちゃんは安堵したけど、直ぐに晴明師匠が膝をついたの?


「晴明師匠?」


晴明師匠の腕に傷があったの…


それは毒?


「どうやら今の矢は二人を囮に私を狙ったようだね」


晴明師匠の息が荒くなると、その場に倒れる。


それを見た宮ちゃんが顔を青ざめながら、


「いゃあああああああ!」


絶叫とともに、私もまた狼狽したけど…


私は堪えた!


私は狼狽し悲鳴をあげる宮ちゃんの頬をピンタすると、両肩に手を置き冷静にさせた。


「私達が何とかしないで、どうするのよ?矢を射った敵をおうわよ!」


「でも、晴明様が…」



晴明師匠は傷口に術札を貼り、症状を一時的に止めていたの。


「私なら大丈夫だ…後は頼むぞ?」


晴明様を大木に腰掛けさせると、私と宮ちゃんは矢を射った敵を追ったの。


晴明師匠!


必ず助けますからね!



そんなこんな。


次回予告


安倍晴明が謎の矢に倒れ、その犯人を追うのは法子と宮の二人!


一体、何者が待ち構えているのか?

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