表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/711

嶺黄風国の王!剣聖の魔の手!?

嶺黄風国の戦いは、

本当の戦いへと突入する。


法子一行はどうなるのか?


私は法子

私達は今、うん。

大変です!


「阿修羅と逸れた〜!」


私は沙悟浄の目くらましの術で半人半妖の戦士達から逃げる事は成功したのだけど、

一緒に逃げていたはずの阿修羅が見当たらなくなっていたの。


「まさか、また迷子?こんな時に??」

私は振り返ると、

「あら?玉龍君もいないわ?」

「法子さん」


不安がる瑠美ちゃんに、私は大丈夫と笑顔を見せる。

とりあえず根拠ないけど。


「残念だったね。君達と妖怪風情は選別させて貰ったよ?」


私達の前に剣聖の一人が現れたの。

確か雷を操る戦士だったわね?


「お前達はまだ半人半妖になれるチャンスがあるんだ。無駄に死ぬ必要はないからね?我が王は半人半妖の世界をつくる。お前達が半人半妖にさえなれば仲間だし、選ばれし兄弟だ!だからまだ死なせないよ?共に進化の道を選ぼうよ?」

「何を言ってるのよ?」

「死ぬか生きるか選ぶのは運さ?今は恐くても仲間になれば何も恐れる必要はない。人間も妖怪も恐くない!僕達は進化した選ばれし使徒になるんだから!あははは!」


確か、力を手に入れた戦士は王の都合良いように洗脳されると聞いていたけど。


「それから〜気になるのはお前だよ?」


戦士は沙悟浄をジロジロ見る。


「やっぱり半人半妖だよな?お前?」

「えっ?あはは〜です!」 

「なら仲間だよな?何か微妙に俺達と同じような違うような感じするんだよな〜?何故だ?」


そう言えば沙悟浄は半人半妖だったわよね?

でも後天的ではなくて、人間と妖怪との間に産まれた生粋の半人半妖。


「まぁ、レア種かもな?王様に謁見させてみて判断を委ねてみよっか?」

「とりあえず殺さないであげてください。私を!それと法子さんと瑠美さんもお願いします」

「調子乗るなよ?」

「すみません」


とりあえず私達は王様に会えるみたいね?

この国の真の巨悪に!


そして場所は変わる事、私達と引き離された阿修羅と玉龍君は?


「法子と引き離された」

「阿修羅様、どう致しましょう?早く法子様と合流しなければ!」


そこに剣聖の一人が姿を現す。


「やはり恐ろしいな?お前の腕は起き上がれなくなる程の重さのが増しているはずなのによ?何故に動けるのか分からん。本当に化け物だ。だが、次は逃さん!」


斬りかかる戦士に阿修羅は右腕を垂らしながら躱す。

けれど足元が床に沈む程の重さに達して思うように動けないでいたの。


「化け物よ?終わりだ!」


躱したはずの攻撃は阿修羅の身体を斬っていた。肩や腕、それに背中に両足を。

阿修羅の身体から血が垂れると、それは呪われた重力となって更に阿修羅を床に沈めさせたの。


「阿修羅さーん!」


残された玉龍君に、重さを操る戦士が殺意を籠めて大剣を向ける。

この戦士にとって妖怪であれば子供とて容赦ないの?


「次はお前だ。大人しくしていろ?今から潰して圧死させてやる」

「あわわ〜」


阿修羅が倒され玉龍君の危機。


その最中、城の外でも騒ぎが始まっていたの。

半人半妖の戦士が大型の剣を背負って列を作り門の外へと向かっていたの。

およそ百人以上の戦士達は門の外の騒ぎを起こしていた妖怪討伐に出ていたの。

因みに騒ぎとは?


「このやろ〜!」

「悟空、マジで殴ったな!」

「そのまま死ね!」


孫悟空と紅孩児君、それに金角児の喧嘩だった。

まさか敵の門前で喧嘩するなんて馬鹿じゃないの?

呆れて見ていた八戒は、半人半妖の戦士達が現れた事に気付き、脅える。


「喧嘩する相手が違うらよ〜」

「心配ありませんよ。八戒さん。ここは俺達が何とかするんで!」


孫悟空達の姿を発見した百人以上いる戦士達は大型の剣を抜いて斬り掛かって来たの。

そこに三十人程度の黄袍怪率いる青鬼の暗殺者達が短剣を手に迎え討つ。

その動きは連携の取れた対軍制圧の戦術。

半人半妖の戦士も連携は取れていたが、黄袍怪達の熟練の動きは暗殺部隊。

対人間とも対妖怪とも、獣や鳥獣、どんな相手でも暗殺に長けた動きをする。

この者達は単独でもかなりの力を持ってはいるけど、連携した時の戦いは一軍にも匹敵する。


「すげぇ〜な」

「やるな〜奴ら?」

「ふん。人間達を根絶やしにする為に呼び寄せた連中だ。使えなくては困る」


どうも金角児が黄袍怪さんを助っ人として呼び寄せたみたいね?

本来なら孫悟空達が来なくても黄袍怪達暗殺集団を使い、この城に襲撃する予定だったとか。

それが早まった挙げ句、孫悟空達の参加。


「ふふふ。事はどうあれ手足は多い方が事がやりやすい」

「目付きが悪者らよ?金角児?」

「ふん!馴れ馴れしくするな!」


そこに新手が現れたの。

剣聖の一人だった。

その戦士が一振りすると黄袍怪の部下が斬られて消滅したの。

黄袍怪は部下がやられて怒りを見せるが直ぐに仲間を後退させる。

部隊を怒りに任せて使えば犠牲が増えるだけ。

黄袍怪は部隊長として優秀だった。


「臭え〜虫けらがウヨウヨと!」


ソイツは大柄の男で大剣を振り回して黄袍怪の部隊が投げる小型手裏剣を全て弾き返す。


「やるな〜奴は俺様がぶっ倒すぞ?悟空!」

「待て待て、俺様が相手するぜ!」


強気の孫悟空と紅孩児君に対して半人半妖の戦士は二人を相手にしようと向かって来る。


「調子乗るなぁ〜!」


二人は一瞬で間合いに入ると、同時に蹴りを食らわせてふっ飛ばしたの。

想像以上の戦闘力に戦士は実力の見誤りに気付く。

この二人は敵の門前で喧嘩するただの馬鹿じゃないと!


「痛えぇ〜」


戦士の顎は外れて、額から血を流していた。

もしかして一発ケーオーかな? 

そんなはずないわよね?


「今からお前達妖怪風情に恐怖ってのを教えてやろう。俺の顎にした事を数百倍にして潰して潰して潰してやる!」


戦士は手にした剣を二本構えると、自らの心臓に向けて貫いたの??

すると剣から妖気が噴き出して全身を覆う。

肉が盛り上がって血液が異常なスピードで全身を駆け巡ると、まるで筋肉が鋼のように硬直しながら鎧と化していく。

これは妖怪の屍を錬金して作り上げた呪憎剣と同化することで、半妖としての覚醒を促す禁忌。


「うわ〜でけぇ〜」

「マジにな〜」


二人は見上げると戦士は数十倍にも巨大化していたの。

そして振り上げた鋼の拳を振り下ろす。


「うわっと!」


二人は左右に避けると、同時に飛び上がって蹴りを与えたが、まるで虫にくわれた感じにもダメージを与えられなかったの。


「潰す!潰す!潰す!」


連続の振り下ろす拳を素早く躱す二人。

孫悟空と紅孩児君が戦っている最中、そこにはいたはずの者達がちゃっかり消えていたの?

八戒と金角児。

金角児は既に門を抜けて中へと入っていた。

そこはまだ半人半妖になっていない人間達の住む家が建っていたの。

その中央に城まで続く一本道が続く。


「ふん。また半妖か?」


その先に一人の戦士が待ち構えていたの。


「虫が入り込んだな?俺の剣の錆にしてやる」


その剣を振るうと、細かい光が金角児に飛んで来たの?

その光に気付いた金角児は本能的に凍気で氷の壁をつくり防ぐ。


「何だ?この針は?」 


氷の壁で止まった針に手を伸ばそうとした時、金角児はその手を止める。


「触ってはいけない気がする?」


金角児と半人半妖の戦士の戦いが始まった事に騒ぎを聞いて人間達が姿を現す。


「何が起きてるんですかな?」

「何?まさか妖怪が?」

「火事って何処?」


ぞろぞろ野次馬が出て来る中で、金角児は嫌な感じがした。

構わずに戦士は剣を振るう。

例の針が飛んで来て金角児は飛び上がって躱すと、針は野次馬の人間達に刺さったの。

「!!」

金角児は鳥肌が立つ。

針に刺さった人間達が腐って溶けていく。


「あの針に刺されば、あ〜なるのか?」

「次は外さねぇ〜!」


再び振るうと、野次馬の人間事針が飛び散り金角児を襲ってくる。

金角児は素速い動きで針を躱し冷気で氷の剣を作って投げつけ、その氷の剣は鋼の剣で砕かれる。


「油断したな?」


けれど、一瞬で金角児は間合い入り氷の剣を振るっていたの。

同時に戦士の頭は足下に転がった。

「狩られるのはお前の方だ!」

しかし戦士の頭は動き出して金角児に振り向きニヤニヤ笑い出す。

遅かったの!その胴体には鋼の剣ぎ突き刺さっていて溶け始めていたの。


「狩りが始まったぜ〜」

ソレは転がった頭をも溶かしてスライム状の化け物になった。

「どっちが化け物なんだ」


身体中が溶けていく中でスライム状の化け物になって次々と恐怖して逃げる人間達をも飲み込んでいく。金角児は針の攻撃から身を守る為に素速い動きで躱していた。




場所は変わり、八戒も城へと向かっていたの。

その前には新たな剣聖が立ち塞がっていた。


「お前、不死らしいな?俺達はお前のような特殊な能力を持つ妖怪の力を引き継いだ半人半妖。

お前の不死の力は我が王が欲しておられる。黙ってついて来い!」

「嫌らよ〜」

「別に生きて連れて来いとは言われてはいない。不死でも封じて連れて行けば良いのだからな」


戦士は剣を自らに刺すと、その姿は鋼の戦士になる。

変わっている所は胸が扉になっていたの。


「な、なんら〜?何か嫌な感じするらよ?」


八戒は慌てて逃げ始める。

「逃しはしない!」

鋼の戦士は八戒に追い付くと大剣を突き刺す。

「うぎゃああ〜」

悲鳴をあげた八戒の意識が遠のき闇が覆うと、再び光が戻り八戒は自分の状況に気付いたの。

「な、なんら〜??」

八戒は鎧戦士の開かれた扉の中に閉じ込められていた。

この戦士の剣の能力は斬った相手を自らの体内に封じ込める能力みたいなの。


「マジらか~??」


八戒はどうなってしまうの?


その頃、私と沙悟浄に瑠美ちゃんは王の間に招かれていた。

私達を先導する雷を操る戦士が言うには沙悟浄はレアで、

私に関してもかなりの霊力の持ち主だから半人半妖にすれば超レアレアになるのではないかと

期待しているの。

残った瑠美ちゃんは需要あるかもで「材料」なら何でも良いみたい。


まるでアイドルのスカウトね?


「法子さん、どうしましょ?」

「沙悟浄、いつでも逃げられる準備はしとくのよ?とにかく瑠美ちゃんだけは守るの!」

「あ、はい!」


阿修羅と玉龍君も心配だけど、今は目の前に現れる黒幕を見届けないと話しにならないわ!

そして王の間に入った私達は座らされて頭を下げらされる。

私達の前には守護者と呼ばれる三人の戦士がいた。

う〜ん。ちょっと厄介な感じね?

恐らくだけどマジに強いわ!この三人。

と、なると?

雷の戦士と三人の守護者を倒さないといけないのか〜


「う〜厄介過ぎるし私の荷が重すぎるわ〜」


そしてついに嶺黄風国の王が姿を現したの。

守護者の一人が従うように傍につき、その王は始めて私達の前に現れる。


「面白い人間を手に入れたとな?」 


王は私を全身見回すと、笑みを見せる。


「確かに強い力を持った娘だ。恐らく守護者のお前達よりも強力な半人半妖になる事は間違いないだろうな?」


守護者達は動揺して私を見る。

その中の女の子の守護者が前に出て、私の力を見定めたいと申し出たの。

余興に王は頷いて手を振る。


「私が貴女を見定めます」

「あら?見定めるなんて恐いわね?」


彼女の名前は夜霧。

かつて大妖怪を討伐した六人の守護者の生き残り。

彼女は王の側近となっていたの。


「直ぐに死なないでくださいね!」


夜霧さんは大剣を構えると同時に回転しながら私に斬りかかる。

私は立ち上がると同時に後転して躱すと、手首の勾玉から金の錫杖を出現させたの。

これは龍神界で貰った神具・龍神の錫杖!

私は錫杖で彼女の大剣を受け止めると、互いに弾かれて受け身を取り構える。


「私もパワーアップしてるのよね?まだ試してなかったから、良かったわ!」


私は錫杖を構えながら強気に叫ぶ。


「そこの王様!私がアンタをその座から引きずり下ろしてやるから覚悟しなさい!」



そんなこんな。

次回予告


法子一行と剣聖との総バトル!


特殊能力を持つ剣聖に勝つ手段は?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ