氷原の王!
ついに氷原の王との対決か?
しかし八戒の前に現れた霊は一体?
俺様は孫悟空様だ!
俺様達は大妖怪を倒すために難攻不落の氷の城へと入り込み、襲い掛かる魔物や
罠を潜り抜け撃破して来た。
残りは大妖怪のみ!
俺様は紅孩児と、どっちが先に戦うか決めていた。
「悟空、俺様だろ?さっき俺様のが先に倒したんだからな!」
「いや俺様だろ?だって俺様はリーダー格を倒したんだぜ?」
「リーダー倒したなら、俺様がボスを倒して良いじゃんかよ!ズルいぞ!」
「待て待て、だったら公平に決めようぜ?」
「どうやってだよ?」
「じゃんけんだ!」
俺様と紅孩児は互いに妖気を高めると、降り出す拳に覇気を籠める。
この一撃に全てがかかってる。
俺様と紅孩児に緊張が走る。
行・く・ぜ!
勝敗はついた。
俺様達は大妖怪のいる扉を開ける。
中から肌身に感じる妖気を感じるぜ!
甘く見ていたが、かなりの強者のようだな?
間違いなく中にいる!
俺様お紅は扉を蹴り開けると、中へと入り込む。
ビンビン感じる妖気の持ち主が俺様達の前に待ち構えていた。
間違いなく奴が親玉、氷原の王だな!
だが、予想していたのと大分違うな?
ソイツは俺様と近い人間年齢
(見た目16歳)
で、俺様と似た金髪の少年。
そんで紅孩児と同じく額に角がある。
因みに紅孩児は二本だが、奴は真ん中に一本な?
入って来た俺様達への殺気がビンビン伝わるぜ!
「お前達、やはり妖怪だな?なぜ下等な人間の味方をする?この裏切者!」
「はっ?別にお前の味方でもダチでもないし、裏切者とか意味わかんねぇ〜し?それに俺様は気に食わない奴は敵。それだけだ!」
「そうだそうだ!」
「つまり僕の敵で良いな?ならば手加減なく狩るだけだ!」
氷原の王から凄まじい覇気が解放されると俺様は一歩前に出て戦う構えを取る。
紅は仕方ない顔して俺様に大妖怪の相手を譲った。
「いくぜ!」
俺様と氷原の王は同時に飛び出すと中央で衝突したのだ。
俺様の拳と奴の拳がぶつかり合いは互角?
そして次の攻撃が繰り出される。
蹴りや手刀、拳の連打が全て互角であった。
手を抜いてるわけじゃねぇ、間違いなく強いぞ?こいつ!
「やるじゃねぇか?でも、まだまだ力を隠し持っているんだろ?見せてみろ!」
「調子に乗るな!下等な妖怪が!」
更に激しくぶつかり合う中で、俺様は何故らか過去に似た奴と戦ったような?
ないような?でも、やっぱり知らない顔だし?気のせいか?
「お前、前に俺様と会った事あるか?」
「お前なんて知らない!僕の前では全てが獲物!」
「そっか?なら本気でいこうぜ!」
「後悔するなよ?雑魚!」
俺様と大妖怪は一端距離を取ると印を結びながら唱え始める。
「聖獣変化唯我独尊・白虎!」
俺様の身体から白虎が飛び出して俺様と一緒に閃光の中に包まれる。
そして閃光から抜け出て現れた姿は雷を放つ白虎の鎧を纏っていた。
そして氷原の王もまた?
「金狼変化唯我独尊!」
何と、金色の狼が現れて同じく奴と共に閃光の中に消えると、次に現れた時、金色の狼の鎧を纏っていたのだ。しかも異常に寒いぞ?コイツから冷気が吹雪のように吹き荒れ部屋全体を覆う。
「こんな奴がいたなんてな・・・」
瞬間、俺様達は同時に消えると再び衝突した。
やっぱり強いぞ!?
この俺様と互角にやり合える妖怪が地上にまだ残っていたなんてな?
「氷の剣牙!」
氷の剣が次々と現れて俺様に向かって襲い掛かる。
俺様は雷の爪を使い向かって来た氷の刃を砕いていく。
そして雷を解放させて全ての氷の剣を粉砕させた。
更に飛び出して雷の爪で斬りかかる。
「雷爪!」
「氷爪!」
雷と氷の爪が衝突して冷気と雷が部屋中に飛び散り壁や天井を貫通させ、氷が塞ぐ。
そんな戦いを紅は楽しそうに見ていた。
「悟空の奴、何故朱雀で戦わないんだ?属性で有利になるのにな?そっか!獣と獣で戦ってるのか?あの狼の奴、動きが速いからな?白虎の変化と渡り合えるなら、朱雀は不利か?そうなると俺様は鳳凰の変化だと手こずるかな?さてさて」
紅は俺様の戦いを見ながら、自分が戦っているイメージを被らせていた。
次に自分自身が戦う事も想定してな。
「奪われた僕のかたわれを取り返す!」
「はっ?お前、何を?」
意味分からない事を言って?
方割れって何だよ??
「お前達の首を持って、人間達の城へ殴り込む」
「そうはさせるかぁ!!」
俺様と奴は妖気を高めて完全解放させる。
互いの覇気がぶつかり合う中、床や天井に壁が崩れ落ちていく。
もう城を捨てる気か?
「だったら、この城を棺桶にしてやるぜ!」
「それはお前のな!」
互いに攻撃を仕掛けようとした時だった。
扉が開き、外から八戒が入って来たのだ!
「その勝負待つらぁー!!」
その姿を見て、金色の妖怪野郎の動きが止まり八戒の姿を見て立ち止まる。
「ま、まさか?お前は??」
んっ?まさか知り合いか??
それに八戒は何故入って来たのだ?
「その勝負待つら!この戦いは意味がないら!」
「どういう事だ?豚?」
「オラは聞いたら」
「?」
俺様と紅孩児が出て行った後に、
俺様達が戦った三人の死者の戦士達の亡霊達が八戒の前に現れたのだ。
「流華ちゃん達は言ったら」
彼女達三人は、この城で戦死した。
そして死者の戦士として甦った。
「お前達は何故甦った?」
三人の戦士は自ら亡霊として甦り、その魂に妖怪のボスは仮染の身体を与えた。
彼等の持つ鋼の武器を素材にして。
だが、彼等は人間達の国へとは戻らずに、妖怪のボスの配下になった。
理由は?
それを聞いた後、俺様も紅も戦意を失う。
そして妖怪のボスも攻撃を止めていた。
「ん?お前、まさか??」
そこで八戒もボスの姿を見て驚く。
「金角児らかぁ??」
「くっ!やはりお前か・・・」
金角児と呼ばれた妖怪のボスは八戒に顔を背けると、攻撃の手を止めていた。
どうやら八戒と顔見知りのようだが、何か変だぞ?
八戒は八戒で金角児を恐がっているようだし、金角児も八戒に対して怪訝そうな、苦手意識があるような素振りだった。
何があったんだ?
とりあえず、俺様達は嶺黄風国の国へ急いで戻るしかないぜ!
そう、さっきの話を聞いたらゆっくりしてられないからな。
「紅、八戒!戻るぜ?」
「分かったぜ!」
「そうするら!」
そこに金角児も準備を始める。
「お前はどうするんだ?」
「お前達には関係ない!」
金角児も嶺黄風国に行かねばならない理由があったのだ。
どうやら敵の敵は味方か?
「なぁ?それより奴らどうするよ?」
紅は天井を指差したのは天井に空いた穴であった。
その時、俺様達に対して武装した連中が姿を現す。
「金角児?お前の仲間か?」
「知らない連中だ」
天井から飛び降りて来たのは百人の妖気を纏った武装集団。
その中心のリーダー格の者が俺様に近寄ると、
「まさかと思ったけど、やっぱり孫悟空さんでしたか?お久しぶりです!」
「えっ?お前、誰?」
何か展開が早すぎて、理解出来ないまま、
新たな戦いが始まろうとしていたのだ。
まだまだ続くぜ!
次回予告
孫悟空達が氷原の王討伐に出向いていた同時刻、
法子達もまた事件が?