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謎の鋼の戦士達、八戒の涙!?

孫悟空と紅孩児、そして八戒が

氷原の王討伐にやって来た。


この地で何が起きる?


俺様は孫悟空様だ!

俺様と紅孩児、それに八戒は氷の城にいる大妖怪って奴をぶっ倒しに来ていたのだ。

まぁ、俺様が来たからには心配無しだな!

早く戻って法子達と合流しないといかんし、ん?待てよ?

たまには法子のお守りから解放された時くらい自由にすっかな?


「早く強い奴と戦いたいな?孫悟空!」

「張り切ってんな?紅?」

「俺様達二人が揃えば敵なんてないし、久しぶりに最強コンビだぞ!」

「まぁな〜」


俺様達の会話に八戒が面倒くさそうに言う。


「オラ、戻って良いらか?お前ら二人で勝手にやってるらよ〜」

「そう言うな!お前のナニって武器は実戦しか出ないのだろ?俺様まだ見てないし、見たい!それに新しい武器を試したいだろ?」

「猿の好奇心の巻き添えなんかごめんらよ!」   

「まぁ〜お前が法子を怒らせるから罰ゲームみたいなもんだろな?今回の参加は?馬鹿だなぁ〜」

「法子はん、豚使いが荒いらよ〜」


俺様達は山頂から飛び降りると、城の前にまで一気に着地した。


「さてと紅孩児、やるか?」

「おぅ!」


俺様と紅孩児は妖気を高めると、城を覆う結界ごと門をぶん殴って破壊したのだ。

轟音とともに俺様達の侵入に気付いた妖怪達が襲い掛かって来る。

俺様と紅孩児は先に飛び出すと向かって来る妖怪達を蹴って殴ってぶっ倒す。

はっきり言って相手じゃねぇぜ!少しは期待してたんだから楽しませろよな?

角を生やした獣のような四本足の化け物が突進して来る。

俺様は踏ん張ると、力で受け止めて蹴り倒す。紅も受け止めてひっくり返す。


「どんどん来いや!」


俺様と紅孩児の圧倒的な強さに、やる事無くなった八戒は座って饅頭を食べながら見ていた。


「二人共頑張るらよ〜」


俺様達は城を駆け上がると階が上がる度に強い敵が現れた。

けど、俺様と紅孩児の相手ではない。


「こんなんじゃ大妖怪てのも相手じゃないかもな?孫悟空?」

「かもな?けど油断大敵だぜ?」

「分かってるぞ!俺様はどんな相手にも全力だからな!」

「・・・けど手加減もしろよ?」

「どっちだよ〜」


こんな調子で俺様達は大妖怪討伐を難無く達成出来るかに思えた。

けれど、俺様の足を止めるほどの連中が現れたのだ!


「何者だ?奴ら?」

「わからねぇ・・・」


俺様と紅孩児が不用意に突っ込む瞬間、鳥肌が立ち、本能的に後方へと躱して構える。

俺様と紅孩児に危機感を与える程の不安感。

前方の扉が開き、新たな刺客が現れた。

他の妖怪や魔物とは異質な姿?

しかし妖気は感じられるが、何か違う?


何だ、こいつ等は?


中央の奴は全身鋼の髑髏頭。

左の奴は下半身が馬のようで、四本腕。

右側のは茨のような蔓に全身を覆った化け物。

こいつ達からはヤバイ感じがするぜ!


「何か異様だぞ?奴ら!」


俺様が警戒を促すと、紅がニヤリと笑う。


「面白い!まぁ〜確かめてみなきゃ何もわからないからな!」


紅孩児は一人、敵の三体に向かって特攻する。


「火炎の息吹!」


口から火炎放射を吹き出すと三体の敵を炎の中に閉じ込める。

そして堪らずに出て来た所をぶっ倒すわけか?


「!!」


しかし敵の一体が手にした剣を人振りすると炎は打ち消され、無防備に突進した紅孩児を捉え構えられた大剣の斬撃が迫る。


「いててててえ!」


紅孩児の伸ばしていた腕が敵の斬撃で傷だらけになる。

運良く咄嗟に引いたお陰で腕を斬り落とされなかったが血だらけの腕を押さえて紅は泣きべそかく。


「大丈夫か?紅孩児!?」

「あれ、固くて速くてヤバイ!危なく腕を持っていかれるところだった〜」


俺様は八戒と紅孩児を守るように構えると、既に視界から奴らの姿が消えていた。

何処から現れる??

瞬間、俺様の眉間が切れて血が垂れながら視界を染める。

これは、


「ひゃあっ!!」


俺様は咄嗟に頭を引っ込めるようにしゃがむと、頭上を四本の剣が左右から通過した。

そのままバク転で距離を取る。


「危なく頭が飛んでたぞ!?」


目の前には鋼の馬みたいな下半身で、四本腕の野郎がこちらを見ていた。


「うわぁあああ!」


それは八戒の叫び声?

八戒は部屋を全速力で逃げていた。

それは足下から盛り上がって赤い蔓みたいのが八戒を捉えようと伸びて来ていたから。


「豚!しゃがめーー!」


紅孩児が拳から炎の弾丸を飛ばすと蔓は燃え盛り消えて、床からもう一体の化け物が現れる。


「た、助かったら〜」


俺様達は背中合わせになると武器を抜く。


「如意棒!」

「火尖槍!」

「釘鈀!」


あの三体の身体は頑丈で拳で倒すのは少々痛いと判断したのである。


「敵は三体、俺様達も三人。良くね?」

「どっちが先に倒せるか勝負だな!」

「待つら!オラを数に入れるなら!」


敵は俺様達に向かって迫って来ると、俺様達は八戒を真ん中にして左右へと離れる。


「だから〜オラを一人にするなや〜!」


八戒には全身が鋼の蔓を全身に巻き付かせた女みたいな奴。

俺様には鋼の棘だらけの骸骨頭の鎧の戦士。

紅孩児は四本腕の馬みたいな奴の相手に決まった。


「さてと」


俺様は改めて敵の姿を見る。

妖怪?人間?どっちともわからねぇ〜

しかし大妖怪の下僕なら妖怪か?

けど何か違和感を感じる。


「やっぱ、半人半妖か・・・」


半人半妖には嫌な思い出があった。

遥か昔、俺様が美猴王として地上制覇していた時代に出会した事がある。

人間のくせに妖怪の力を手に入れ、しかも並の妖怪よりも強力な力を持つ異形の連中。

生粋の妖怪である俺様とは別の生き物。

そういえば沙悟浄も半人半妖だが、奴は人間と妖怪の間に産まれた生粋の半人前だが、恐らくこの連中は後天的に妖怪の力を取り入れたに違いない!


「とにかく倒す!」


俺様は如意棒を手に殴りかかると、敵は大型の剣にて弾き返す。ん?

あの剣は村の戦士達が持っていた武器に似てるな?と、なると村の奴か?

俺様は如意棒で攻撃を仕掛けながら接近し力勝負をする。そして言葉をかける。


「お前、村の奴か?それだと俺様達は敵じゃねぇぞ?俺様達は村の連中に頼まれて、この地の妖怪をぶっ倒しに来たんだからな!なぁ?聞いてるか?おい?」


しかし返答がないまま攻撃が返って来る。


「聞く耳持たずか?」


俺様は仕方なく攻撃を加速させる。

とりあえず倒して、黙らせて、口を割らせる。


「おぅりゃあー!」


場所は変わり紅孩児も四本腕の下半身馬野郎相手に苦戦していた。四方八方から剣が迫り、紅孩児は火尖槍で受け止める。紅孩児は接近して詰めた戦いをしていた。理由は距離を取るとヤバイからだ!


「あっ!」


言ってるそばから後ろ向きになった敵が後方の足で馬蹴りをくらわせ、紅は弾き飛ぶ。

それでも踏ん張りながら堪えて止まると、視界から敵の姿が消えている。


「また来るか??」


この敵は瞬間的な高速移動で間合いに入り、連撃を仕掛けてくるのだ。

紅は咄嗟に炎の壁を作るが剣撃の前に消され、紅の身体を傷付ける。


「うぐぅううう!!」


肩や腕、足や横腹から出血する。


「やるな?面白い。強い奴は歓迎だぞ!」


紅は強気に勝負を楽しんでいた。

そして心配なのが八戒。


「来るな〜来るな〜」


八戒は新たに手に入れた釘鈀を振り回しながら泣きそうな顔で迫る蔓から逃れていた。


「や、止めるら〜」


足下から伸びる鋼の蔓が八戒の身体に巻き付き持ち上げる。

締め付けられなが八戒は窒息し意識が遠退く。

全身の肌が裂けて血が滲む中で、八戒は声を聞いたのだ?


(な、なんら?なんて言ってるら?よく聞こえないらよ・・・?

オラも気が遠くなって、幻聴らか?)


その時、八戒は微かに聞こえた言葉に身体が反応した。

弱弱しかった瞳が見開き、

締め付けていく鋼の蔓が突然粉々に粉砕し、中から釘鈀を手にした八戒が飛び出したのだ。

そして敵に向かって叫んだ!?


「なんれ、死にたいなんて言うらかぁー!」


八戒の目は真剣だった。

おいおい、八戒?

どうして涙を流しながら怒ってんだ?

お前、鋼の蔓の中で何を聞いたんだ?


次の話が気になるぜ!

次回予告


八戒の涙の意味とは?


そして孫悟空達を襲う鋼の戦士達とは?

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