女子高生の初体験??
修行中の法子に、新たな事件?
物語は新たな展開に?
私は法子!
「フゥーー!!」
私は呼吸を一気に吐き出すと、霊気を両手に集中させる。霊気は電気のように両手の間で繋がり、結び付いていく。次第に霊気は形質を変えて錫杖の形となって重さまで感じる。
「よし!」
私は気合いと同時に出来上がった霊気の錫杖を振り回して見せる。更に目の前にある岩石に向けて叩き付けると、岩石は粉々に粉砕したの!私は一部始終を見ていた宮ちゃんに自慢気に言う。
「どうよ?」
私の修行の成果に宮さんは軽く頷いて答えたの。って、それだけ?私の努力をそれだけで済ませるの?そこは感激の共感で跳び跳ねながら私とハイタッチじゃないの?ねぇ?
「基本的な基礎は出来ていたわけだし、持久力がなかっただけだからこんなもんね?」
まっ!何て冷めた感想なのからしら?
冷たすぎて私の感激まで冷えるわ~
「あっそ…」
私はクールダウンし、テンションが駄々下がったの。
「じゃあ、今度は錫杖の応用で霊気を身体に纏わせられる?」
「えっ?」
錫杖は霊気を物質化させた上に重量だけでなく破壊力も変えられるの。それを私自身を核に使って霊気を纏わせ同じ事をするの。霊気の微妙なコントロールをミスすると肉体が壊れる可能性もあるの。
「はい!」
私はやって見せた。
「えっ?」
私がやって見せた…事に宮さんの表情が驚きに変わったの?
「貴女、基礎が出来なかったのに、どうして応用技が出来るのよ?」
「えっ?そんな事を言われても困るわよ?これは気付いたら出来るようになっていたんだからさ?」
そうなのよね~
詳しく霊気の使い方を知らないうちから、霊気を身体中に纏わせる事は出来たのよ。だから、岩を砕いたり出来たのだけど…
お父さんが力だけでは戦いにおいて限界があるって言うから、力を使わない合気道を習っていたんだけどね?
だけど、やっぱり使い分けは大事だから、日頃から力と技を磨いているわけなのよ~
伊達に鬼や悪霊を相手に退魔行をやっていたわけじゃないわ!えへん!
得意気な私に向かって宮さんは冷めた顔で言う。
「変な娘…」
今の言動には流石に頭がきたわ!私も言い返す。
「貴女だって無愛想で変よ!そんなんじゃ男の子にモテないわよ?」
「別に興味ないから」
…確かに興味なさそう。
まぁ、金髪巫女さんの上に眼鏡娘?それに可愛らしい顔をしているから、無愛想じゃなきゃ男の子ウケが良さそうなのに残念な娘ね?
「…全く貴女みたいな娘が弟子じゃ晴明師匠も扱い大変じゃない?」
その時、宮さんの表情が凍ったの?
「あれ?」
すると、今度は珍しく感情を露にしたの?
「貴女みたいなテンション高い娘なんか相手して、晴明様も気の毒よね?しかもまた修行を付けてあげるなんて、役得じゃないの?」
アレレ?
珍しくムキになったの?
「そもそも晴明様が貴女なんかといたら、それだけでお忙しい身体に鞭を打つようなもんよ!」
私は彼女の罵声なんて屁とも思わなかった…
それよりも?
「もしかして晴明師匠の事が好きなの?」
私の問いに、
「ん、バッ!あ、エッ?な…何を、いっ、言って?」
挙動不審に顔を真っ赤にして、しかも座り込んでモジモジし始めたの。
やっぱり!
「あはは…貴女の可愛い所見っけ!」
「!!」
もう彼女は最初の設定を忘れて顔を隠していたの。
「そ~なんだ?晴明師匠素敵だもんね?解るわ~」
「そんな!私は、べ…べ…別に…」
「嫌いなの?」
「嫌いなわけないじゃないの!」
そこで自らの台詞に気付き再び顔を赤らめる。もう真っ赤かになってた。
何か…
可愛い~!!
やっぱり恥じらう女の子って可愛いわ~
私は、完全におじさん化していた。
私は興味本意で色々質問する度に、彼女はもう壊れる寸前になって、可哀想だったからそろそろ止めてあげようかな?と思った。
最後の質問だけして…
「で?告白したの?」
彼女は頭から煙を出してそのまま意識を失った…
やり過ぎたわ…
まさか、こんなに純情な娘がいたなんて…
面白…じゃなくて、ちょっと楽しいかも…
ごめんなさい?
その後、彼女が意識を取り戻すと、私に言った。
「この件は秘密ですからね!解ったわね?」
「え~」
「え~じゃ、ない!」
と、そこに?
「随分と仲が良くなったみたいだね?」
その声の主は晴明師匠だった。宮ちゃんはさっきまでとは売ってかわって顔をキリッとさせて答える。
「お疲れ様です」
「法子君の仕上がりはどうでした?」
「はい。充分に連れて行けそうです」
えっ?何の話?
「ちょっと?何の話をしてるの?私は何処に連れて行かれるの?」
その質問に晴明師匠が答えてくれたの。
「今より私達と一緒に調査に同行するのです」
調査?何の調査に?
そして私は晴明師匠と宮さんと一緒に旅行…何かの調査に向かう事になったのよ。
「よく解らないけど楽しみかも~」
だけど私達は、そのまで徒歩で向かう事に?
「晴明師匠?ど…どうして徒歩なんですか?」
「晴明様の指示なんだから文句は止めなさい!」
「別に文句を言ってるつもりはないのよ~」
晴明師匠の事になると本当にムキになるのよね?
私達は私服に着替える。
流石に陰陽師や巫女服で街中歩くのは恥ずかしいもんね?
私はオシャレして着飾ると、宮さんが姿を現す。
「えっ?」
私は唖然とする。宮さんの服装はジャージ姿だったの。華の女子高生がジャージ姿で旅するなんて、一緒にいる私の方が恥ずかしいわ!私は宮さんの腕を掴むと、
「駄目よ!女の子がそんな姿で恥ずかしいわ!てか、ヤンキーですか?」
「私は気にしないわ?それに私はこれしかないもの」
「まぁ!!」
私は宮さんの腕を掴み、
「買いに行くわよ?今からショッピングよ?良いわね?」
「必要ないわ!」
「必要よ!晴明師匠の隣で旅するなら、少しは気を使わないと?晴明師匠から可愛く思われたいでしょ?」
「そ、それは…」
迷う宮さんを私は否応なしに連れて行く。
私達は旅前に晴明師匠に断りを入れて、準備のためにショッピングモールに向かったの。
私達はさそっくショッピングを始める。因みにお父さんから二人分のお小遣いを貰っているから、久しぶりに発散出来るわ!
私は早速、宮さんの洋服を見て回る。色々物色して宮さんを着せ替え人形にしたの。
「次はこれね?」「きゃああ!グッド!グッド!」
私は宮さんの着せ替えに楽しんでいたの。宮さんは美形だから絵になるわ~
「もう良いかな?」
最後に着た服装に私は親指を立てて「グッド!」と答えたの。
「宮さん…うんうん。宮ちゃん可愛いわ~!」
私は宮ちゃんを抱きしめたの。もう私が男の子だったら、絶対に放っておかないわよ~
次はデザートよ?
私は目を頬を赤らめながら初めて体験するお高いケーキを食べる宮ちゃんに、ヨダレが出そうになった。
何?こういうの初めてなの?
素直なリアクションなの?
全部が全部、初体験なの?
可愛い~わ!
つい欲望に負けて私は宮ちゃんを抱きしめる。
「あんまり馴れ馴れしくしないでよね?」
まだまだ宮ちゃんとの距離は近付けてないようね?
でも、大丈夫!
この旅で絶対に仲良くなってみせるんだから!
で?
私達の旅の目的は?
今、この世界を脅かす現況を止めに行くらしいの。
前に私の前に現れた二人の悪魔だけでなく、この世界に手の付けられないような異界の者が入り込む穴が存在していると言うの?
その穴を閉じに行くのだけど、そんなのは私一人で十分だと思うでしょ?だけど宮ちゃんだけでなく、晴明師匠まで一緒に出向くんだって?それだけで、この任務の重要性が解るし、難易度高いと解るわよね。
私達は旅の支度を終えると直ぐに旅立ったの。
だけど、晴明師匠と宮ちゃんと一緒に歩くと、周りの目が気になるわ~
まるでモデルか芸能人が歩いているみたいに、何人も何人も振り返っては二度目していたの。
私は引き立て役か!
まぁ、仕方ないわね…
私は世の中の不条理に溜め息をつくと、初めて出る土地にワクワクしていたの。
実は私はこの歳まで、県を跨いだ事がなかったのよ!私は魔物を引寄せる体質だから修学旅行もパス!同級生を巻き添えにする可能性もあるし、私が我慢すれば良いだけの話だからね?
それが今、初めての県跨ぎを初体験出来るのよ~
私は飛び越えると、跳び跳ねて喜んだの!
「これで私も一つ大人の階段をのぼれたわけね?」
私は胸が熱くなる。
えっ?
どうして県を跨いだくらいでそんなに嬉しいかって?別に深い意味は実はないのだけど、初体験って何か嬉しくない?
私は見慣れない土地に感激していた。
何か面白くなりそうだわ?
「ところで法子?」
「はい?」
晴明師匠が私に言う。
「今回の任務は法子が出来る事を全て私に見せるのです。良いね?」
「あ、はい!師匠!」
私に出来る事?
つまり好きなだけ暴れて良いって事だよね?
腕が鳴るわ!
そんな私を宮ちゃんが睨んでいたの?
あれ?
もしかして私、本気で嫌われちゃってるの?
何とかこの旅で仲良くなってみせるわ!
私のプライドにかけて!
そんなこんな。
次回予告
法子は晴明と宮と一緒に特別任務につく。
一体、どんな事件が待っているのか?




