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青龍王を倒すのは?意地と根性と発想で決着の時!!

最強青龍王に対して、


孫悟空の中にいる別の何かが動く!


私は法子。

えっと、どこから話せば良いのか迷うけど、つまり孫悟空が負けて、紅孩児君と八戒も負けて、大ピーンチって時に孫悟空が蘇ったかと思えば、実はそれは孫悟空じゃなくてね?孫悟空の中にいる。

えっと・・・別の孫悟空なのよ!分かった?



無理よね?

私だって混乱してるから冷静に実況なんて出来ないわよ!

逆切れるわよ!本当に!

取り敢えず続きよ!


再び立ち上がり青龍に向かって行く孫悟空の前を白龍と黒龍が道を塞ぐ。


「お前は既に青龍王に負けている。再び立ち上がって来た事には敬意を示すが、ここは私達が通さん!」

「つまり俺達が相手をしてやるよ!」


どうやら白龍と黒龍は孫悟空の変化に気付いてはいないみたいね?

唯一、青龍だけがその変化に気付いていたの。


「お前達!直ぐに退け!その者から!」


けれど一瞬だったの。

青龍が叫んだ時に白龍と黒龍は膝から崩れるように倒れたの。

あの四海龍王の二人を一瞬で一撃で?


「お前、何者だ?先の孫悟空とは違うな?異質な気をお前から感じる」


しかしその孫悟空は返答せずに青龍に拳を打ち込んだの。

青龍は受け身で弾くけれど、自身の腕が痺れて次の攻撃に遅れる。


「ぐはぁ!」


青龍は腹部に拳をくらい、それでも後方へと飛び上がり距離を取る。


「全くの別者!魂から感じる気も、戦い方も!お前は何者だ!?」


しかし孫悟空は答えずに追撃する。

その拳が放たれた時、青龍もまた左腕に装着した蛟の盾で受け止め、攻撃を仕掛ける。


「龍の牙!」


青龍の拳は龍の頭となって鋭い牙で孫悟空を襲う。

牙は孫悟空の肩を噛み付き血が噴き出す。


「捉えたぞ!」

「うん・・・」


青龍が優位に立ったと思った直後、孫悟空は肩を噛まれた状態で青龍を殴り付ける。

その戦い方は武術の心得がない者の戦い方。

躱したり受け身をするわけでもなく、純粋に目の前の者を倒すために殴る。

その為にわざと肩を噛ませたというの?

青龍の鎧にヒビが入る。


「くっ!」


青龍は目の前に現れた孫悟空の姿をした化け物を相手に身震いを感じたの。


「牛角魔王以来の・・・いや、それ以上の感覚だ!この私が一瞬、恐怖を感じたのだからな!」


青龍は呼吸を吸い込み、一気に吐く。


「この俺が本気を出せる相手に巡り会えるとは、今日この日!俺は初めて己の本気を知る事が出来るぞ!」


青龍はその強さから、かつて一度たりとも本気を出し切った事がなかったの。

て、今までのが本気じゃなかったの?嘘でしょ?


「黒き戦士よ!この俺を受け止めてみよ!」

『逆鱗一枚!』


あれは!赤龍が使った限界突破の奥義じゃ??

瞬間、青龍と孫悟空が大地と上空を舞台に凄まじい速さと力で衝突し合う。


「強いね、君・・・」


初めて口を開いた時、青龍を蹴り飛ばしたの。

着地と同時に青龍が叫ぶ!


『逆鱗二枚!』


更に強大な龍気が爆発し孫悟空と激突し合う。


「何だよ、あれ?」


えっ?

それは傷付きながら意識を取り戻した紅孩児君だった。


「大丈夫なの?」

「そんな事より孫悟空のあの強さは何だよ?あんなに強くなってたのかよ・・・」


あまりの力の差に自信を失くす。


「アレは猿の力じゃないら。アレは猿の魂に寄生して、たまにオラ達の前に現れる化け物らよ」

「意味わかんね〜よ!つまり孫悟空なのか?違うのか?どっちだよ!」

「オラにも分からねぇら・・・」


そこに、


「まさか青龍王に本気を出させるとは!何者なのだ!奴は!」


それは紅孩児君との戦いに敗れた赤龍王だったの。

青龍王が逆鱗を使う事は、自信に逆鱗の修行を付ける以外で実戦で見るのは初めてだったようなの。


「二枚か、だが青龍王は更に上がある!俺にはまだ無理だが、青龍王は更に限界を超えられる!」


えっ?

白龍は逆鱗一枚が限界、黒龍も戦いの中で見せる事なかったけど同じく一枚。赤龍は二枚。

青龍は更にもう一枚あるの??

私達は黒い孫悟空と青龍の戦いを見ているしかなかった。


「くっ!」


青龍は苦戦していたの。

確かに戦い初めは有利だったはず。

しかし戦うに連れて相手は強さを増していく。

武術も法術も使うわけでもなく、純粋に殴り掛かり、蹴るだけ。

それが威力を増してスピードも鋭さも桁違いに上がっていたの。

やがて青龍は奥義の逆鱗を一枚から二枚、三枚まで使うほどに!

でも恐れる事は、手数も命中した数も青龍のが上。

相手は痛みを感じてないわけでもないはずなのに、致命的な攻撃を受けても構わず攻撃をしてくるの。


「己の身を案じるどころか死ぬ事さえも気にしてないと言うのか?」

「倒す」


二人の戦いの衝撃が私達の肌に感じる。

その時、初めて褐色の孫悟空が叫んだの!


「カァアアアアアアアア!」


直後、褐色の孫悟空の身体から炎が迸ったの。

しかも漆黒の炎が!?


「何?あの炎?黒くない?」


その黒い炎に一番驚いたのは黒龍だった。


「あの黒炎は間違いねぇ!俺の黒雷と同じく地獄の炎だ!しかも生粋の!!」


黒龍の使う黒雷は地獄界の雷。それを黒龍は古の契約により召喚的に使う事が出来るらしいの。

しかし褐色の孫悟空の炎は身体の気から発っしている。それは地獄界の住人が持つ能力らしいのだけど、あ、やっぱりこの世界でも地獄ってあるんだ?

私の知る地獄と同じなのかな?

地獄世界については、いずれ語るわね。


「その褐色の肌に銀色の髪。間違いない。お前は地獄の住人、魔神だな?」


えっ?魔神って何?

青龍の問いにも答えず、構わずに身体から発する黒炎を放ったの!

けど、炎は水には相性悪くない?

しかし青龍は炎を躱すと龍気を込めた水流を黒炎に向けて放ったの。

まるで生きた龍のように黒炎に巻き付く水流は、一瞬で蒸発する。


「やむおえん。蛟の盾!」


水術が通用しないと分かると蛟の盾で受け止めたの。

さしもの黒炎も蛟の盾の前では触れた途端に消えてしまう。

褐色の孫悟空は黒炎が消し去られても構わずに青龍に向かって行く!

重く鋭い蹴りや拳の猛襲を青龍は全て蛟の盾で受け止めていく。


「フェイントもない直線的な攻撃など、例え破壊力があろうと全て蛟の盾の前では無駄」


褐色の孫悟空は一度引くと呟く。


「その盾、邪魔」


すると初めて褐色の孫悟空が技みたいのを繰り出す。

両掌をジッと見つめると黒い炎を集約させて凝縮させる。


「黒火聖掌」

※コッカセイショウ


漆黒の炎が両手を包むと、青龍目掛けて殴りかかる。

それでも青龍の持つ蛟の盾によって受け止められ弾かれる。


「何度やっても無駄。この蛟の盾は龍神族が誇る最強の盾。拳でどうにかなるモノではない!」


やがて褐色の孫悟空の拳が血に塗れていく。

やっぱりムチャなの?

それでも拳の手数を止める事なく、むしろ手数が増え始める。


「お前を倒す。それを妨害するモノは全て破壊する。それが法子のため!」


無数に繰り出される拳が、やがて一つの塊のように

蛟の盾に衝撃を与えたの。


「ま、まさか!?」


青龍は寒気を感じる。

最強の盾である蛟の盾の防御力が低下していくのを感じたから。

そして自分自身に黒い炎が火花となって傷を負わせ始める。


「馬鹿なぁあああ!!」


その一撃は青龍の左手に装着した蛟の盾の前で止まると、少しづつ押し込む。

それは次第に盾にひび割れさせ、ついに!


「カァアアアア!」


拳で蛟の盾を粉砕したの!!

青龍は信じられぬと驚きながらも片手に龍気を籠める。すると光り輝きながら武器を出現させる。

あれ、きっと手品だわ!

龍神族は身体に入れ墨を刻んでいて、随所から龍神族の神具を巻物や宝貝なんかの召喚アイテムを使わずに出現させられるらしいの。で、青龍が手にした武器は大型の剣だった。


「龍具・青龍刀!」


青龍は青龍刀を構えると、目の前に拳を突き付ける褐色の孫悟空の無防備となった身体を斬る!


「アアァ!」


あ〜武器、狡いわよ〜


「どうやら今、ここで始末せねばならない相手のようだ。覚悟せよ、魔神の少年よ!」


斬りかかる青龍に対して褐色の孫悟空は傷を押さえながら紙一重で躱す。

それはまるで攻撃を見えてるみたいに!

動体視力が半端ないの?

けど、青龍刀には青龍の覇気が籠められおり僅かに肩を掠めると、血が噴き出す。


「お前、倒す!」


褐色の孫悟空は漆黒の黒い気を高める。血を流す傷が炎に焼かれて無理やり塞ぐ。

その凄まじい気は大地を揺らし、私達は突然の寒気を感じたの。

けど、あれ?

そこで私は気付いたの。


「ねぇ?八戒?」

「なんらよ?」


まだ立てないまでも首だけ上げて答える八戒。


「あんたの、レイのアレと似た感じしない?あの黒い気?」

「なぬ?オラにはよく分からないらよ〜」


八戒はレイのアレを出そうとするけど、どうやら消耗の激しさで出せないみたい。

でも、まさかね?

青龍は青龍刀を構えると、例の大技を繰り出そうとしていたの。

それは!


「古の契約にて我にその力を示せ」


青龍刀を握る手の甲に紋章が光り輝く。

それは孫悟空や紅孩児君、八戒を戦闘喪失にさせた二匹の龍な力。

天龍と地龍!


「天地滅龍!」


大地から地の龍が!

空から天龍が!

この二匹の龍がクロスした時、その相手は龍の顎で全身を砕かれたかのように敗れさるの。


その時、褐色の孫悟空の様子がおかしい事に気付く。

全身が小刻みに震え出したの??

何が起きてるの?

それは無茶な戦いに気付かないうちに身体の方が先に限界が来ていたの?

意識が遠退き視界が霞む。


「どうやら限界が来たようだな?これで終わりにしよう。魔神の少年よ!」


勝利宣言する青龍。

しかしそこに!!


「待てよ?まだ俺様との戦いは終わっちゃいねぇよ!ほんの少し休憩がてら睡眠してる間に蚊帳の外にしてるんじゃねぇー!交代だ!!」


えっ?嘘?

その声は、まさか?


「孫悟空!!」


私達の見てる前で褐色の肌から元の肌へ、髪の色も金髪から銀髪へと変色していく。

その姿は、私達の知る孫悟空だったの。


「馬鹿目!その魔神との一騎打ちに水をさすつもりか?敗者は去るがよい!」

「だから、猿が良いだろ?」


ん?去るが良いと猿が良い?

孫悟空は既に発動している青龍の奥義に対して構え始めたの。

そして唱える。


「聖獣変化唯我独尊・玄武!」


孫悟空の姿は重装備の漆黒の鎧を纏ったの。けれど重そうで動き鈍そうだわ?

記憶の中でもそれで敗れたんでしょ?


「手はあるのだ!」


孫悟空の目は勝利を確信した瞳だった。

何処にそんな自信があるのよ!

孫悟空は玄武の盾を背後の地面に突き刺して身体を抑えるようにする。

そして両手を上下に伸ばして構えを取ったの。

まさか青龍の技を盗むつもり?


「愚か者。俺の天地滅龍は契約した龍の力を借りる技!お前には真似は出来まい!」


確かに青龍の言う通りよ!

負けず嫌いだからって、登場してすぐに負けちゃうわよ!


「俺様には俺様の手がある!」


すると孫悟空から凄まじい気が一気に開放される!

それは孫悟空も始めての挑戦だったの。


「天に朱雀!地に白虎!」


孫悟空の足下に白虎のオーラが、頭上には朱雀が現れる。

えっ?まさか?まさか?


「聖獣三体召喚だぜー!これなら対抗出来る!」


そして迫る天龍に朱雀を、地龍には白虎の気を放ったの!

それは凄まじい反動で孫悟空の全身をも巻き添えにする程の威力。

けれど孫悟空は今、玄武の鎧を纏っていたの。

その反動をも玄武の鎧は堪え、力の限り朱雀と白虎の力を放ったの!


「馬鹿な!?そんな真似が?」

「やれば出来るもんだろ?」


互いの技が二人の中間で威力を残したまま留まっている。

もし気を抜けば、どちらかに互いの技の威力がま止めて受ける事になるかもしれない。


「まさか、孫悟空!お前の何処にそんな力があったのだぁー!?」

「探せばあるもんだろ?意地と根性と発想のなせる技だ!あははははは!」


お互いに退かない。


「まさかお前が俺に限界を越えさせてくれるとは思わなかった。これで終わりだ!」

『逆鱗四枚』


青龍の力が更に膨れ上がり、その力の塊は孫悟空に向かっていく。

顔を上げずに孫悟空は呟く。


「燃えつきたぜ・・・マジに本気出させてやったぞ!へへへ」


えっ?何?まさか諦めるつもり?

私は立ち上がり孫悟空に向かって怒鳴ったの。


「孫悟空、あんた!もし負けたら私がアンタを絞め殺すわよ!嫌なら勝ちなさい!」


我ながら何を言ってるんだか

けれどもう孫悟空を飲みこんばかりに迫る力の塊。


「!!」


その時、孫悟空と対峙していた青龍だけが孫悟空の異変に気付いていたの。

ゆっくりと顔を上げていく孫悟空の瞳が、本来の緑色の瞳ではなく金色に光り輝いていたの!


「お前、その力はまさか!?」


直後、上空から凄まじい気を感じて私達は空を見上げたの!?

何、新手の敵??

上空には強大な龍の頭が私達を見下ろしていたの。


「何?あの馬鹿でかい龍は??」


その問いに玉龍君が呟く。


「お、応龍様だ」


えっ?

直後、上空の龍の姿は消えて光が流星のように降りて来たの。

そして孫悟空と青龍の間を燻る力の塊に飛び込んで打ち消したの。

うそ〜???

孫悟空と青龍は同時に尻もちをつき、そのまま気が抜けて立てないでいた。


中心には応龍と思わしき老人がいたの。

あれが、さっきの大きな龍の正体?


「そこまでじゃ!この戦いは儂が預かろう」



えっ?

どういう事?

そんなこんな。

次回予告


この戦いの裏には策略があった。


全ては茶番?


それとも?

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