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まさかの最強タッグで青龍撃破??

孫悟空を倒した青龍


その青龍に迎え撃つのは?


私は法子!

孫悟空を完膚無きまでに倒した青龍王。

四海龍王最強の名は伊達じゃないわね?

その青龍に紅孩児と八戒が挑もうとしていたの。


「無理よ、このままだと二人は!」

「でも、もう止められません!」


玉龍君も私と同じ考えなのだけど、私達は孫悟空の治癒を止められない。それに二人はもう青龍の間近まで迫っていたの。


「孫悟空の仲間か?」


二人を見下ろす青龍の貫禄に怯まずに叫ぶ。  


「俺様は孫悟空のダチだ!」

「オラは悪友ら!」


二人の潜在能力を見る青龍は、自分自身を諫めたの。

仮にも赤龍と黒龍を倒した戦士である事は間違いないのだから。


「龍神変化唯我独尊・青龍!」


青き鎧を纏い、凄まじい覇気を発する。

吹き飛ばされそうになりながらも二人は堪えなら妖気を高める。


「四霊変化唯我独尊・鳳凰!」


紅孩児君の姿は鳳凰の神衣を纏い、煌めかな神気を発しながら青龍と対峙する。


「まさか鳳凰を使役だと?孫悟空は四聖獣の三王と契約していたが、まさか鳳凰とは?」


鳳凰は四聖獣と並ぶ聖獣の王の一族。

いや、その格は四聖獣よりも上であったの。

その中でも鳳凰は過去、契約者を持たず、力を貸す条件に命を喰らうほどとか?


「お前、鳳凰に認められたのか?」

「当たり前だ!鳳凰は俺様のダチだもんな!」


しかしその力量は私から見ても差があったの。


「先に戦った孫悟空という者は楽しめたぞ?お前はどうだ?」

「お前こそ俺様をナメるなよ?聞いたぜ?父上と一騎打ちをしたんだってな?だったら、この俺様とと遊んでくれよ!」


紅孩児は炎の玉を青龍に向かって投げ付けると、そのまま突っ込む。


「お前の父親とは?」

「聞いて驚け?あの牛角魔王だぞ!」

「何?牛角魔王の子供か?そうか、ならば楽しめそうだ!」


二人は飛び上がると空中戦を繰り広げる。龍神族って普通に飛べるのね。

紅孩児君は炎を纏い、青龍は水流の竜巻で全身を防御しながら衝突する。

そんな二人を地面から見上げながらボォ〜としているのは八戒。


「あんた!何をしてるのよ!」

叫ぶ私に、

「いや、オラは飛べないらよ」


拗ねる八戒。

まぁ、八戒の事は放って置いて、紅孩児君!頼んだわよ!それに孫悟空が復活すれば、紅孩児君と一緒に戦えば青龍相手に何とかなるかも!


「玉龍君!私達は治癒に専念よ!」 

「あ、はい!」


私が二人の戦いに注意散漫だった間も玉龍君は治癒をしてくれてたのね?

ありがと!


「こなくそー!」


紅孩児君は鳳凰の炎を操り攻撃を仕掛けるけれど、孫悟空の朱雀の炎と同じく青龍には通用しないみたい。やはり相性なの?


「そんな事はない!」


えっ?今、私の解説聞こえた?

紅孩児君は炎を掌に集中させてニヤリと笑う。

そう!紅孩児君の奥の手、それは炎の神具!


「火尖槍ぉー!!」


それは炎の力を数倍に膨らませ操る槍!


「うりゃぁああああ!」


火尖槍を振り回しながら青龍に襲いかかる。青龍は紅孩児君の攻撃を躱しながら分析していた。


「あの孫悟空より炎の術は長けているようだ。実力で言えば赤龍と同等か、勝てたのは運か?」

「いや、運も実力の証明だ!」


運も実力の内のことね?

紅孩児君の火尖槍が青龍の肩をかすると鎧が黒く焦げる。青龍の水気で守られているにも紅孩児君の炎は青龍の守りを上回る力を持っていたの。接近する紅孩児君に青龍は息を吸い込み、


「龍の息吹!」


吐き出した息は濃縮した覇気の息吹!まともに受ければ身体が消滅する大技。

勢いが止められずに接近して直撃を受けそうになる紅孩児君は、


「うぎゃ!」


悲鳴と同時に落下する。

今、何が起きたの?

龍の息吹の直撃を受ける寸前、どこからともなく飛んで来た岩石が紅孩児君の頭に直撃して落下し、龍の息吹の直撃を受けずに済んだの。

まさか!?

投げた姿勢で決め顔の八戒。


「ナイスなコントロールら!」


今のは地上から八戒が岩石を投げて助けたのね?

けど、


「何をすんだぁ〜!痛いだろ?痛いだろ?俺様、頭にタンコブ出来たじゃないか!この豚!」

「助けてやったんら!感謝するら!」

「助けられてないし!俺様、自分で何とかしたし!礼なんか言わないし!」

「勝手にするら〜猿に本当に似てるらな!そういう意地っ張りな所は!」

「ダチだからな!」

「類友言うらよ。そういうのは」


と、口喧嘩する二人の前に青龍が上空から降りて来たの。


「事は済んだか?ならば続けるぞ?」

「やってみさらせ!」

「オラは取り敢えず休むら〜今ので疲労困憊ら」  

「何を言ってんの?お前?」 

「オラの仕事は終わったら」


と、脱線する二人に向かって青龍が容赦なく攻撃して来たの。


「龍の牙!」


青龍の拳が龍の頭となって口を開き牙を向ける。


「うおっと!」

「ほえ〜!」


紅孩児君と八戒は左右に分かれて躱し、そのまま回転して青龍に攻撃を仕掛ける。

紅孩児君は火尖槍の一突きを、八戒は例の黒い物体で殴りかかる。


「龍の尾!」


青龍は左右からの攻撃を蹴り弾く。

龍の尾が振り払うように二人を近付けず、砂埃の中から青龍の気が高まる。


「龍の翼!」


振り払われた両手は開かれる龍の翼のように二人を吹き飛ばしたの。


「うおおおおおおお!」

「おうらあああああ!」


二人は大地を踏ん張り堪えると、負けじと左右に駆け出して青龍を翻弄しようとした。


「うぎゃ!」


けど、息が合わずに二人は衝突してぶつけた頭と顔を押さえて痛がる。


「何をすんだ!邪魔すんなよ!」

「そりゃ、お前らよ!」


歪み合う中、青龍が間合いに入る。


「龍の牙!」


龍の開かれる牙に対して紅孩児君は怯まずに火尖槍を突き付ける。


「火尖槍・爆炎」


火尖槍の尖端に炎が凝縮して龍の牙の中で爆発する。互いに反動で後退する中で、青龍の頭上から八戒が黒い物体で殴りかかる。

青龍は即座に八戒の潜在能力を見極めると、追撃して来た紅孩児君にのみ意識をする。恐らく八戒の攻撃なんて蚊に刺されたようなもんだからと。


「ふんらぁあああ!」


八戒のアレが青龍の脇腹に直撃した。


「!!」


その時、青龍は自身の八戒の力を見誤った事に後悔したの。脇の鎧が粉砕され、脇腹に予想を上回る衝撃が全身を駆け巡ったから。

八戒からは確かに取るに足りない力しか感じなかったけれど、その手に持つ黒いナニからは青龍ですら見極めきれない程の力を感じたの。


「龍の爪!」


脇腹を押さえながら青龍は地面から払うように片手を振り上げると、龍の爪が八戒の身体を切り裂いたの!血を噴き出しながら落下する八戒。


「おまえー!!」


紅孩児君は八戒がやられて頭に血がのぼり異常に気が高まる。


「見せてやるぞ!煌めく鳳凰の羽ばたきを!」


紅孩児君は指文字を素早く描く。


「多・火・羅・紅・死」


あれは、まさか?

赤龍王を倒した必殺技!?


「鳳凰・光華紅尖禁百炎!」


紅孩児君から放たれた炎の翼は百匹の鳳凰となって青龍に襲いかかる。


「面白い。赤龍を倒したのも少しは納得出来た。しかし俺には無駄」


青龍は素早い動きで燃え盛る鳳凰の攻撃を躱しながら一体、一体攻撃して消滅させていく。


「鳳凰・紅蓮翼!」


巨大な鳳凰が青龍の頭上から落下して来て飲み込んだの。

灼熱の炎の中で青龍は片腕を挙げる?


「蛟の盾!」


えっ?

あれはまさか蛟魔王の探している蛟の盾じゃない?

どうして青龍が持ってるのよ?

つまり、なに?

青龍を倒して、あの盾を奪わない限り私達の任務は終わらないの??そんなの無理よ〜!


蛟の盾

聞くに龍神族が誇る最強の盾っていう神具らしいの。

かつて傷一つ付かなく、どんな攻撃も通じないとかなんとか。

紅孩児君の放った鳳凰は青龍の持つ蛟の盾に触れた途端に威力を吸収されていく。

まさか術の効果を盾が奪うなんて反則よ!


「俺様の鳳凰が消えちまったぞ?どうなってんだ?つまり、ん?」


悩んだ紅孩児君は、


「分からないから良いや〜」


良いのかよ!


「とにかく直接攻撃なら通じるんだろ?」


紅孩児君は八戒の与えた青龍の脇腹を見て確信したの。

あの盾を潜り抜けさえすれば傷は負わせられると!

うん。考えてないようで考えてるのね?正解よ!

でも、どうするつもり?

私なら・・・


「まだ戦えるか?」


すると紅孩児君に答えたのは?

「当然ら!」

既に回復した八戒だったの。

そうね!

あの盾に対抗するのは八戒のアレが有効よ!


「牛角魔王の子供に、怪し気な力を持った不死の妖怪か。面白い。孫悟空に引き続き俺の血を騒がせるか?」

「血湧き肉踊らせろ!」


紅孩児君は何を血迷ったか、八戒を青龍目掛けて後頭部から蹴り飛ばしたの!


「何をするら〜!?」


涙目で飛んで行く八戒は例のアレを振り回して青龍に殴りかかる。

しかし、そんな攻撃は大して有効には?ん?青龍は八戒のアレの攻撃に対してを余裕以上に距離を取り躱す。もしかして恐れてるの?そこに紅孩児君が駆け出して火尖槍で突き付ける。


「どうだ!豚団子は?」

「そんな苔脅しが通用すると思うか?」


青龍も冷静を保てば、当たらなければ何の障害もないと八戒を蹴り飛ばし、紅孩児君の相手をする。


「オラを舐めたら屁をこくらよ〜」


倒れた状態で尻を向けると、二人に向かって広範囲に屁をぶちまけたの!

何を??


「忘れるなや?オラの屁は燃えるらよ!」


えっ?

直後、紅孩児君の火尖槍の火に屁が引火して大爆発を起こしたの。

さしもの青龍も予想外の攻撃に体勢を崩す。


「チャンス!」


紅孩児君が火尖槍を突き付けると、青龍は咄嗟に蛟の盾で受け止めたの。


「今だ!!」

「おぅら!」


紅孩児君の背後から飛び出して来た八戒はアレを振り下ろす。完全に虚をついた攻撃。

でも悪くないわ!絶妙なコンビネーションよ!

けれど、八戒は突然地面に落下したの??

何?どうしたの?

紅孩児君も計算が狂い青龍から距離を取る。


「この糞豚がぁあ!」


叫んだのは気絶していた黒龍だった。

しかも隣には白龍もいる。

八戒は黒龍の重力の術で落下させられたのね?


「もう見ていられません!」

「俺達も加勢するぜ!」


まさか参戦する気?

狡くない?

あ、私達は最初から二人がかりか・・・

どうしようかしら〜


「う〜ん、どうすっか?」

「逃げるらよ!」


青龍は叫ぶ。


「この私に恥をかかせるな。問題ない。お前達には私が負けるように見えたか?」

 「そ、それは・・・」


たじろぐ白龍と黒龍。


「そろそろ決着をつけよう。お前達にも見せてやろう。そこの孫悟空を倒した奥義を!」


えっ?まさか孫悟空の記憶の中で見たアレ?

ヤバいわ!


「天の龍!地の龍よ!古の契約により我が敵を滅ぼさん!」


右手を頭上に左手を地面に向けて龍気を高めると、手の甲に龍の紋章が浮かび上がる。


「天地滅龍!」


青龍から放たれた天の龍と地の龍に対して、紅孩児君と八戒は受け身を取る。


「孫悟空がやられた攻撃か?だったら俺様が受け止めてやるぞ!」

「オラも手伝うらぁー!」


鳳凰の気を高める紅孩児君とレイのアレをバットのように構える八戒。

けど、ムチャよ!

大地の龍が交差した時、閃光が放たれ、その中心で足掻いていた二人は龍の中に飲み込まれたの。

直後、爆風が一帯を襲ったの。

まるで竜巻が過ぎたかのように静寂だけが残る。


「う、う〜ん・・・」


私は漸く目を開けられると、そこには全身ズタボロの紅孩児君と八戒が意識を失った状態で倒れていたの。


「二人ともー!」


私の声が静寂の中で響き渡ると、


「残りはお前か?」


青龍が私を標的に視線を移したの。

マズい・・・

けど、私がやらなきゃ!


「玉龍君?後はお願いね?」

「む、ムチャです!敵うはずない。見たでしょ?青龍王様の力は?死んでしまいます!」

「かもね?」

「かもねって・・・」

「けど、私は絶対に逃げない!負けない!それは譲らないわ!だって正義は必ず勝つんだから!」


あ、今回は盗人に来たんだった・・・

負けるかも?

いやいや!

私は立ち上がろうと足に力を入れたその時、私の肩を掴み座らせた者が?


「えっ?」


私を座らせたのは、


「孫悟空?」


けれど、何か違うわ?

知ってる。

アレは孫悟空の中にいるもう一人の孫悟空!

髪は金髪から銀髪に、肌は褐色へと変わる。

そして声も違う。


「法子。君は戦わなくて良い。法子の敵は僕の敵。僕が奴を倒すから」


彼はそう言って私達を残して青龍に向かってゆっくりと歩いていく。

その背を見て私は・・・

静けさの中に恐いくらいの嵐が迫る感覚に似た気分になったの。


そんなこんな。

次回予告


最強を誇る青龍王


孫悟空も紅孩児も八戒も倒された。


そこに、あの!?

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