玄武の難題と青龍の最終奥義天地滅龍!
孫悟空の奥の手とは?
青龍との戦いの末は?
私は法子
私は孫悟空と青龍王の一騎打ちの記憶を見ていたの。
ズタボロになって戻って来た孫悟空。けれど、二人の一騎打ちは孫悟空も好戦してたの。
青龍は鎧を纏うと、覇気が大地を震わせせ、孫悟空も肌で感じて身体が震える。
「俺様の身体?臆病風に吹かれるのはまだ早いぜ?大丈夫!俺様は強い!」
孫悟空は気合いで飛び出すと、青龍に攻撃を仕掛ける。
しかも、その攻撃は?
「龍の牙!」
青龍の奥義を孫悟空が仕掛ける。
龍の牙は青龍の覇気の壁に阻まれるけれど、追撃的に龍の爪を放つ!
「完全に使いこなしているな?」
「龍の息吹!」
しかし孫悟空の息吹は青龍の覇気に打ち消される。
「あの覇気は厄介だ!」
孫悟空は覇気を放って抵抗するも、基礎値の力の差が有り過ぎる。
朱雀変化か白虎変化で覇気を纏えば取り敢えず抵抗は出来る。
けれど相性の悪い炎属性の朱雀変化は使えない。
かといって相性の良い白虎変化はエネルギーを使い果たす短期戦向き。
「だよな?だったら、試してみるか!」
孫悟空は瞳を綴じると、その魂は己の深層心理へと入り込む。
深く深く深く!
「ぷはぁ〜」
孫悟空は顔をあげると、そこには既に開いた大きな扉があったの。
朱雀の扉と白虎の扉。
そして目の前にはまだ残された扉が二つある。
「何度か試して一度と開かないんだよな〜」
門を前に悩む孫悟空は、過去の門の試練を思い出していたの。
朱雀門。朱雀王の試練は孫悟空の『選択』
白虎門。白虎王の試練は『渇望』
そして残された門には?
「門は二つあるが、他の門と違う所は両方とも中から気配が感じられない事か?朱雀と白虎は入る前から気圧される覇気を感じたのによ?まさか留守か?門だけに門前払いとか?笑えねぇよ!」
すると孫悟空の前に朱雀の化身のピヨちゃんと白虎の化身ニャアちゃんが現れる。
「どうした?呼んでもないのに現れて?まさか手助けしてくれるのか?確かに猫の手もヒヨコの手も借りたかっ・・・コラァ!」
ニャアちゃんがピヨちゃんを食べようと襲いかかり、死にものぐるいでピヨちゃんが逃げる。
「何をやってんの?お前らぁ〜??余計な世話やかすなよ〜!!」
一段落してニャアちゃんとピヨちゃんを自分の中に戻すと、今度は別の化身が現れたの。
蛇のニョロと亀のノロ。
孫悟空はこの四匹の化身の力を借りて五行の術を使えるようになったんだって。
「ニョロは水にノロは風だったよな?この門を開ける知恵をくれよ〜」
しかし二匹は孫悟空を警戒するように隠れて見ているの。
どうも二匹はピヨちゃんとニャアちゃんとは違い、力こそ貸すけど孫悟空に対して打ち溶けてはないみたいね?
「ツンデレだなぁ〜」
孫悟空は門を押したり引っ張たりして試すけれど全く開かない。
やっぱり無理なの?
すると孫悟空は突然身体に衝撃を感じて現実世界へと引き戻される。
「くそ!少しくらい待ってろよ!」
因みに孫悟空が精神世界で遊んでいたのは現実世界だと一秒足らずなの。
青龍との戦いの最中に一秒を作る事は命懸けの作業は無駄に終えた。
孫悟空は青龍から放たれる攻撃を躱しながら飛び上がると、その肩に今度はノロとニョロが出現する。
「おっ?何だよ?お前ら?」
その時、孫悟空は二匹から強烈な威圧を感じて着地と同時に二匹を見る。
すると、恐らく二匹の声が聞こえて来たの?
「苦戦ニョロか?」
「私達の主が情けない」
「こんなんで試練は乗り越えられると思うニョロか?」
「無理かな?無理なの。無理無理!」
「なら諦めるニョロか」
ニョロとノロの会話に孫悟空が割って入る。
「待て待て!勝手に諦めるなよ?試練?どんな試練か俺様に言ってから判断しろよな!」
すると二匹の声が重なりながら孫悟空に対して試練を告げたの。
「私達の試練は示し。私達に本当の愛と言うものを示してみよ!さすればお前に新たな力を与えよう」
「あ、あい?」
孫悟空は目が点になって固まる。
うん。確かにそうなるかな?
私でも。
孫悟空は一呼吸すると声をあげる。
「そんなの簡単だぜ!よく見てろよ?」
孫悟空は息を吸い込み、大声で
「あいあいあいあい!おさ〜」
歌い出す孫悟空の前から二匹の姿が呆れて消えようとする。
「ちょ、ちょっと待て待て!」
孫悟空は慌てながら真面目に答える。
「良いか?さっきのは場の空気を良くするための状態。これが本当のアイだぜ!」
孫悟空は目を大きく輝かせながら二匹を見る。
うん。それは目よ?てか、英語?まさかの?
更に薄く消える二匹に、
「違う!コレコレ!コレが愛だ!」
うん。それは足よ?どんどん外れてくわよ?
そこに青龍の水槍が上空から無数に飛んで来たのだから孫悟空は消えさせまいと二匹を両手で掴むと駆け出しながら水槍を躱す。
「くそ〜!アイってなんだよ〜!」
どうしようもなくなった孫悟空に二匹はヒントを与えようとする。
「愛とは胸がキュンとして熱くなる。そして一人では味わえないような幸せな気持ちになり互いが一つとなるもの。その愛が何なのかを示すニョロ!」
「無理なら私達の力は与えられん」
まるでナゾナゾよね?
でも、どうやって示せば良いの?
そもそも愛なんて証明なんて出来なくない?
孫悟空は攻撃を避けきれずに飛び上がると、戦いにも集中出来ないし
ナゾナゾはチンプンカンプンだし、もう頭に来ながらまさかの愛を示したの。
「愛なんてのはな、自分達で感じやがれ!」
孫悟空は左右に握る二匹を合わさる。
「がっちゃんこ!」
するとニョロとノロの口が合わさり、とんでもない状況に二匹は目を回してしまう。
き、キス~??
何をやってんのよ〜??
「胸が身体が熱くなりほてる感覚?」
それは孫悟空の手が熱くなってるのでは?
「胸が締付けられる感覚?」
そんな力いっぱい押し付けたらねぇ?
「胸がキュンとドキドキする感覚?」
そりゃ、青龍に追い詰められて今にも命の危機的状況でドキドキはするわよね?
「そして、一人では感じられない感覚?」
確かに一人では・・・ねぇ?
すると二匹から強烈な閃光が放たれたの!
「なんじゃ〜こりゃ〜??」
戸惑う二匹に、孫悟空。
「先から戦いに集中していないが、命はいらないと見える!さらばだ!」
そこに青龍の追撃が逃げ場なく放たれたの。
二匹は光の中で融合しながら一つの光の塊となると、孫悟空の精神世界にあった開かずの門が同じく光を放ちながら一つとなり、開き始める!
気付くと孫悟空は精神世界の門の中にいた。
「ここは?」
すると今まで感じなかった聖獣の覇気を感じて孫悟空は警戒する。
「お前は誰だ?」
大柄の山のような姿の聖獣は答える。
「お前は私に真の愛を示した。胸が締付けられキュンとなり熱くなる感覚。そして一つとなった感覚は正に愛!」
う〜ん?違うような?勘違いのような?
け、結果的に良かったのかな??
「私の名は聖獣・玄武!孫悟空、お前を主と認めよう!」
その時、孫悟空に新たな力が形となって現れたの。それは漆黒の鎧を纏う姿は亀の甲羅のような漆黒の盾を持ち、緑色の蛇の模様が鎧に肩に蛇の頭のような肩当てが乗っていたの。
「聖獣変化唯我独尊・玄武!」
その力は聖獣最強の防御力を誇り、青龍の水槍は放たれる覇気に消し去る。
「まさか三体の聖獣を使役していると言うのか?この男、孫悟空!」
「どうやら本当の戦いはこれからのようだな?」
青龍は孫悟空に対して
「龍の爪!」
大地を引裂き、孫悟空を襲うけれど盾に弾かれる。そこに「龍の牙」が放たれる。龍神変化の青龍は格段に力もスピードも破壊力も増してる。それなのに玄武の鎧を纏った孫悟空の持つ玄武の盾によって弾かれたの。
「これはスゲぇ〜」
が、孫悟空はこの玄武の力の弱点に気付く。
絶対防御と引き換えに、
「重くて動けん・・・」
焦る孫悟空。確かに防御は高くても攻撃が出来ないと話にならない。
「どうやら諸刃の剣のようだな?いや、諸刃の盾と言うべきか?」
青龍は孫悟空を倒す手段があった。
それは玄武の盾をも破壊する青龍の最強奥義。
もし孫悟空が攻撃を躱すスピードがあれば逆に孫悟空に隙きをつかれる。
この奥義には破壊力があるため溜めが弱点であったから。
「この奥義を使う事になるとはな?褒めてやろう。そして終わりだ!」
青龍は構える。
その右手には龍の紋章が?左手にも紋章が?
「右に天龍!左に地龍!古の契約により我に応えよ!」
青龍の足下に地の龍が出現し、頭上に天の龍が出現する。
二匹の龍を左右の手の甲に現れた紋章から放たれる手綱により使役する青龍。
「天地滅龍」
放たれた二匹の龍が孫悟空へと向かっていく!
「そこ技、パクらせて貰うぜ!」
孫悟空は戦う相手の技をパクる絶対闘感があったの。
それで青龍の技を使って返せば大丈夫よ!
しかし青龍の天地滅龍の奥義が使えない?
「真似出来ねぇぞ?何故?」
迫る二匹の龍、青龍は答える。
「お前の絶対闘感が真似られるのは己で磨いた技術のみ。この奥義は契約で得た力!真似る事は出来まい!」
青龍は契約により天龍と地龍の魂と契約し、その力を使役する事が出来るの。
それは龍神族の力の継承により、一族を最強とする所以。
直後、孫悟空は天龍と地龍に飲み込まれる。
「うおぉおおおおおお!」
玄武の盾で直撃を受け止めとめるも、孫悟空はこの状況に絶対絶命的な感覚に陥っていたの。
既に孫悟空には戦うための気が突き付けていたから。既に朱雀変化と白虎変化で大量の神気を使い果たし、この玄武の変化は初めて使う事で使いこなせせてないため、いつ変化が解けるか分からない状態だったから。この変化の分析をする孫悟空は確信していたの。確かに防御力はあるけど、無限じゃない!受けた力を同じ分の力で受け止めているに過ぎないから、青龍の奥義を受け止めている間、急激に気を玄武の鎧に吸い取られていたの。
「マジい!」
孫悟空は青褪める。
気が尽きた・・・
その直後、玄武の鎧が消えて孫悟空は二匹の龍に飲み込まれてしまったの。
我にかえった私は孫悟空の記憶で事の全てを知ったの。
この戦いで孫悟空は敗れたわけなんだけど、孫悟空を倒した青龍には今、紅孩児くんと八戒が挑もうとしていたの。
無理よ、青龍は強過ぎるわ!
私はこの戦いに敗北が過ぎり、この戦いを止めるべきだと思ったの。
下手をしてら紅孩児くんも八戒も孫悟空みたいになっちゃうわ!
そんなこんな
次回予告
孫悟空を倒した青龍を相手に紅孩児と八戒が挑む!
この戦いに勝ち目はあるのか?




