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青龍と孫悟空激突!孫悟空の絶対闘感??

傷付いた孫悟空の治癒を試みる法子は、


意識のない孫悟空の記憶の中へ?


私は法子。


私は傷付いた孫悟空の治癒の気を注ぎ込んでいた時、突然気が遠くなり、気付いたら私は幽霊のように空中に浮かびながら孫悟空の記憶を覗き込んでいたの。


「これは孫悟空の記憶なの?」


そこには白龍を倒した後の孫悟空の前に青龍が現れた所だったの。


「法子さん?ここは?」


えっ?

名前を呼ばれて振り向くと、私と同じく玉龍君が私と同じように孫悟空の記憶を見ていたの。


「玉龍君もなの?」

「は、はい」


私達は孫悟空に起きた出来事を記憶を見る事にしたの。

好奇心旺盛な情報収集として?

違うわ!孫悟空を倒した青龍の弱点を少しでも得るためよ?


「お前、青龍王か?久しぶりだな」


孫悟空が言葉をかけるけど返答はない。


「・・・」


「無視か?ムカつくな!この俺様を忘れたわけではないだろ?天界大戦での出来事をな!」


しかし返答はなかった。


「もう良いぜ?言葉はいらねぇよ!俺様も昔、テメェとはやり合いたかったんだ!」


孫悟空は飛び出すと拳に妖気を籠めて殴りかかる。

青龍は孫悟空の攻撃を全て軽々と躱していたの。


「余裕だな?でも、俺様をナメるなよ!」

「ん?」


孫悟空の攻撃は次第に鋭く速く激しくなる。


「うりゃー!!」


孫悟空の蹴りが青龍の顔面を捉えたけれど、片手首で弾かれてしまう。

弾かれただけで孫悟空は蹴った足に痛みを感じて後退したの。


「そうか・・・」

「ん?」


青龍は孫悟空を見て初めて言葉を発したの。


「お前は俺を以前会った事があるのか?考えても思い出せず、頭を過ぎらせていたが思い出せずにいる。まさか俺を混乱させる罠か?」

「何だとぉよ??」


孫悟空はズッコケた後に説明する。


「お前は天然かよ!?俺様は天界大戦で妖怪軍を率いていた美猴王様だ!!憶えてないのか?ほら?お前、牛角と戦ったろ?」

「牛角、牛角魔王の事か?奴は記憶にある。あの者が大将ではなかったのか?あの者とは決着がまだだったな?」

「思い出したか?俺様が妖怪軍の総大将だった美猴王様だ!牛角じゃなかったのは残念だが、因みに奴は俺様の義兄弟だ!」

「・・・」


しかし青龍は興味なさそうな顔。


「あ〜ムカつくぜ!」


孫悟空もまた過去を思い出していたの。

かつての天界大戦で義兄弟の牛角魔王との一騎打ちを繰り広げた青龍王の実力は本物。

その一騎打ちは孫悟空も目を奪われたの。

そもそも義兄弟である牛角魔王は孫悟空よりも実力は上。その牛角魔王と互角に渡り合えるのだから!


「手の内隠せる相手ではないよな?だったら最初から飛ばしていくぜぇー!」


孫悟空は印を結ぶと頭の上にヒヨコが姿を現し、孫悟空と融合する。


「聖天変化唯我独尊・朱雀!」


孫悟空の身体が炎に包まれた後に朱雀の鎧を纏った姿で現れると、空中へと上昇して止まる。


「朱雀の炎で焦がしてやるぜ!」


孫悟空の姿を見た青龍は、


「朱雀王の力を奪いし者か?ならば尚更捨ててはおけん」


そんな青龍を朱雀の炎の翼が何枚も何枚も乗り被さっていく。


「朱雀・翼火輪紅伏!」

※ヨクカワクフク


さしもの青龍ものしかかる炎の厚みに姿が見えないくらいに消えていく。


「いくらお前でも、この朱雀の炎からは逃れられないだろ!」


しかし何重にも重なる炎の翼の中心が膨れ上がり、そこから水球が飛び出して来たの。

その水球の中から青龍が傷一つなく現れる。


「属性の相性を考えぬとは愚かだな?」

「何を??」


属性の相性とは五行の属性、つまり炎・水・雷・風・土には相性があるの。

この場合、炎は水に弱いって事よ?


「関係ねぇよ!そんな水玉、俺様の朱雀の炎で蒸発させてやるぜ!」


凄まじい炎が孫悟空の拳から放たれたの。炎は青龍を守る水球を熱していく。


「力任せか?愚かな」


すると水球から水鉄砲が放たれる。


「朱雀・防炎鏡!」


孫悟空は咄嗟に炎の盾を出して受け止めるけれど


「ぐわぁ!!」


青龍の水術は鋭利な矢のように孫悟空の炎の壁をいとも簡単に貫ぬき、孫悟空の腹部をも貫く!

血を流し落下する孫悟空は、それでも印を結んで新たな聖獣を召喚する。


「聖獣変化唯我独尊・白虎!」


落下する孫悟空の、身体が白い閃光を放って新たな姿を見せる。それは白虎の鎧を纏い、その手の甲には鋭い雷の爪が輝く。着々と同時に孫悟空は青龍の周りを素早い動きで移動する。


「相性だと?だったら、これならどうだよ?文句は言えまい?」


確かに水を操る青龍に対して雷は有効的で、更に孫悟空の白虎から放たれる雷は白い雷光!

一切の魔を蹴散らす浄化の雷なの。


「朱雀王だけでなく白虎王の力をも手にしていると言うのか?どこまでも許せん!」


青龍の水の矢が孫悟空に向けて四方八方から放たれるけれど、孫悟空の動きは残存を残しつつ素早い動きで当たらなかった。


「白虎の雷を喰らいやがれ!」


孫悟空は残存が分身のように本体を隠しながら青龍の正面に特攻を仕掛ける。


「白虎・虎威荒幻!」

※トライアゲン


無数の白虎と化した孫悟空の攻撃が青龍に直撃すると、凄まじい爆風が一帯を襲う。

見守る龍神兵の中心にいる白龍は、孫悟空の攻撃を受けた青龍に対して呟く。


「恐ろしい方だ・・・」


爆風が落ち着き、その中心の孫悟空と青龍は動きを止めていたの。


「ぐぬぬ!!」


孫悟空の拳から伸びる雷の爪が青龍に当たる前に水の壁に止められていた。


「お前との力の差は相性だけではなかったようだ。お前と私では一回り力の差があるだけの事。嘆く事はない、お前は弱い。それだけだ!」

「ふざけるなぁー!!」


孫悟空は蹴りや拳の連打を繰り出すが、全て紙一重で躱される。

それでも孫悟空の攻撃は止まなかったの。

そんな青龍はため息をつく。


「死なねば分からぬなら、望みを叶えよう。お前が死んだ後に、その魂に拘束された朱雀王と白虎王の魂を返して貰うぞ?」

「いつまでも余裕かましてるなよ!」


その時、孫悟空の拳が青龍の肩に触れたの。

青龍は偶然かと思うけれど、自らの衣に僅かに綻びが増えていく事に気付く。


「まさか?威力が衰えるどころか鋭くなっていると言うのか?」


青龍は孫悟空の力が増しつつある事に気付く。

戦う事で力を増している?

戦場が孫悟空の身体に刺激を与え、本能と戦いのセンスが磨かれているかのように!

やがて、青龍は顔面に届く拳を素手で弾き返す。

それは防御であるはずなのに重圧のある衝撃が孫悟空の片腕を弾き無防備になる。


「ならば人想いに我が手刀で心の臓を貫こう」


青龍の手刀が孫悟空の心臓目掛けて放たれると、白虎の鎧が砕ける。

しかし届かずに弾かれたの?


「あの技は私の!?」


白龍が叫んだのは、孫悟空は白龍自身が使っていた奥義を使ったから。


「猿真似か?」

「上手く使えるもんだろ?」


それは手首に風の気をスクリューの如く外回転させて、相手の攻撃を弾く白龍の得意とする防御術。


「少しは楽しませるか?」

「大爆笑もんだぜ!」


孫悟空は白龍の奥義で接近して攻撃を仕掛ける。

青龍は孫悟空を認め、手の甲を向けて向かって来いと挑発する。


「うりゃー!」


互いの手刀と拳、蹴りが激しくぶつかり合う。

先程までの戦力差が嘘のように力は拮抗していた。


「少しだけ私の力を見せよう。簡単に壊れるなよ?」


青龍の両手に龍気が集中すると、気が龍の頭のように変化する。


「龍の牙!」


青龍の拳は龍の頭のように孫悟空を襲う。

白龍の奥義で弾こうと試みるものも、龍に触れた途端に風の気が消えて孫悟空は直接攻撃を喰らう。


「うぎゃあー!」


白虎の鎧が全て破壊され、消えていく。


「くっ、」


そして孫悟空は力無く膝から地面に付いて動かなくなったの。

そんな孫悟空を見下ろす青龍は、この程度だったかと諦めの表情を見せる。

この青龍は己を熱くする猛者に飢えているのかもしれないわ。

しかしそんな時、孫悟空はブツブツと何か呟く?


「何を言っている?」

青龍が耳にしたのは、

「なるほど、なるほど・・・」


何がなるほどなの?

気味の悪い孫悟空に青龍はトドメを刺そうと拳を振り上げる。

その拳には凝縮された気の龍の頭が口を広げ牙を向ける。


「サラバだ!」

 

頭をあげる事なく俯いたままの孫悟空に防御不可能の青龍の技が振り下ろさる。

その戦いの終末を見届ける龍神の兵士達は確信した。


終わったと・・・


「!!」


しかし青龍の拳は止められていたの?

どうやって?


「つまり、こうだな?防御不可能なら防御しなきゃ良いよな?攻撃は最大の防御とも言うし、それにお前の技を止める手段はお前が教えてくれたもんな?だったら使わなきゃ孫(損)悟空だ!」


その場にいる全ての者が自分自身の目を疑る。

だって、孫悟空の拳には龍の頭が現れて青龍の龍の牙を止めたのだから!


「お前、この私の技を盗んだのか?」

「へへへ!そんな技、数回見て味わえば覚えるさ!」

「馬鹿な!?」


しかし、青龍の牙を止めたのは間違いなく孫悟空の拳に出現した龍の牙だったの。


「まさかこの短期間で覚えただと?」


確かに他人の奥義や技は覚えられるわ。

そのために師匠がいたり、教えをこいたり、

そこそこ技術があれば見て覚えられる事もあるけど、孫悟空は戦っている最中の相手から技を盗んだの。


「絶対闘感か?」


絶対闘感とは、そうね?絶対音感ってあるでしょ?一度聴いた音楽のメロディーを記憶するような?

目で見たものを記憶する絶対記憶能力とか?

それと同じで見た技を瞬時に記憶して使いこなせる特技みたいなものよ?


「戦う度に強くなると言うのか?ならば長期戦は厄介か?これならどうだ!」


すると青龍は片手に龍気を籠めて地面から掬うように振り上げる。

それは三本の刃となって地面を斬り裂き孫悟空へ迫る。


「龍の爪!」


追い詰められた孫悟空だったけれど、何を思ったのか青龍と同じように片手を振り上げる!

直後、大地が斬り裂かれて青龍の放つ龍の爪と衝突して打ち消したの。

孫悟空は「龍の爪」さえも盗んだの。


「貰ったぜ!」


けれど、影が目の前に迫っていた。

そこには青龍が飛び上がり頭上から蹴りを振り下ろす。


「龍の尾!」


咄嗟に両腕で受け止めるも、地面に足が埋もれて動けなくなった所に、着地した青龍のもう片方の足で新たな龍の尾を蹴り放つ!


「うぐぅわあああ!」


見動き取れない状態で直撃をくらい孫悟空はまるで竜巻に飲み込まれたかのように吹き飛ばされる。

吹き飛ぶ孫悟空を追撃する青龍の奥義が炸裂する。


「これで最期だ!龍のい・・」

「・・ぶきぃーー!!」


青龍と孫悟空は同時に「龍の息吹」口から覇気を吐き出し、相手を消滅させる技を放ったの!


「まさか、私の技を予測しただと!?」


青龍が驚いたのは、ソレが見る直前に放たれた事なの。見て覚えたとは違う?それは次に放たれるであろう技を予測して、進化させた技だったから!先の技もそうだけれど、もし同じ技を使ったにしろ本家に敵う事はない。それが互角と言うのであれば進化させたに違いないからなの。


「油断してるんじゃねぇーよー!」


孫悟空は青龍の一瞬の迷いに、図上から蹴りを繰り出したの。


しかも!


「龍の尾!」


龍の尾が上空から振り下ろされ青龍を地面へと叩き落としたの。

その戦いを龍神の兵士達も、白龍も驚きを隠せないでいたの。

最強を誇り、この何百年の間、戦場で一度と攻撃を直接受けた姿を見た事がなかったから。


「チッ!」


孫悟空は上空から降りて来ながら地面に着地する。

その視線の先には青龍が立っていたの。


「驚いた。うむ。お前を見縊っていた。その詫びに私も見せよう!四海龍王の本当の恐ろしさを!」


青龍はついに唱えたの。


「龍神変化唯我独尊・青龍!」


水流が青龍を覆い隠し、現れた姿は青龍の鎧を纏った武神の姿だったの。


「へへへ。震えてきたぜ。間違いねぇよ!あの天界大戦で牛角と一騎打ちを繰り広げた青龍王の姿だ!」


孫悟空は目の前に立つ青龍に対して勝ち目がないと本能が訴えていたけれど、この青龍に本気を出させた事に満足していたの。


「今から俺はお前を戦士として本気でこたえよう!」

「そうこなくちゃ面白くねぇよ!」


孫悟空?


本当に大丈夫なの?


けれど孫悟空にはまだ隠していた。


実際には試してなかった奥の手があったの。


そんなこんな。





次回予告


孫悟空の奥の手とは?


それは、第三の?

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