表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
151/713

脅威の炎の前に現れた敵か味方??

黒龍王を倒した法子と八戒


でも油断は大敵!


彼等の前に新たな脅威がもうそこに!


私は法子。

私と八戒は、圧倒的にレベル差があった四海龍王の黒龍を撃破したの。でも八戒のあの力は一体?


「八戒?何なの?それ?」

「オラにも分からないら〜??突然、出て来たらよ??何なのら??」


気を抜いた途端に八戒の手から黒い物体が消えたの。あれは、もしかしたら凝縮した気の塊みたいなものなのかな?でも、何で黒いの?霊気とも妖気とも違うし、神力とも違うわ?


「八戒?あんたは一体?」


八戒も不思議そうに自分自身の変化に驚いていたの。

突然、身体の中から・・・もっと芯の深い所から込み上げて来たナニ。

う〜ん、ナニって名称は色々問題があるから名前が欲しいわね?


「黒の乱棒物と名付けるら!」

「微妙過ぎて、何も言えないわ・・・」


そんな私達を茫然と見ていた玉龍君は、


「信じられません。本当に黒龍王様を倒してしまうなんて・・・貴方達は本当に何者なんでしょうか?僕は、貴方達を信じて良いのですか?」

「難しく考えなくても良いわよ?玉龍君は私達をどう見たの?悪者に見える?」

「それは・・・」

「直感を信じて?貴方に見える私が本当よ!」

「!!」


玉龍君は初めて私達を目撃し出会った時から、今までに感じた事のないような思いに悩まされていたの。胸が締め付けられるような直感的な感覚が、私達の嘘とも思える言い訳をも正当化させて一緒にいたいと思わせたの。だから私達を拒めずに案内までしてくれたの。


「でも、これ以上巻き添えには出来ないわ?ここから先は私達だけで向かうから玉龍君は安全な所で隠れていて?」

「いえ、僕も行きます。行かせてください!」

「玉龍君?」


玉龍君は何か使命感のような眼差しで私を見るから、私も承諾する。

黒龍に見られた以上、玉龍君ももう追われる身だから放っては行けないか・・・


「分かったわ!絶対に悪いようにはしないわ」

「はい!」

「話は済んだらか?」


八戒はちゃっかり気絶している黒龍と兵士達を何処からか用意した鎖で縛りあげていたの。


「さてと!」


私達は先を急ごうとした時、突然辺り一帯が異常に暑くなってきたの?


「何か急に暑くなったわね?」

「脱ぐらか?」


とりあえず殴った。


「あれ?どうしたの?玉龍君?」


今度は玉龍君が震え始めたの。


「もう来てしまった。もう間に合わない。もうあの方があそこに!」

「えっ?」

「あそこに誰かいるらよ!」


玉龍君が震え、八戒が見上げた先は宮殿の柱の上だったの。そこには確かに人影があった。この暑さはアイツが原因なの?でも見た所一人?一人みたいね?でも一人なら何とかなるかな?

 

甘く考えてる私に玉龍君が震えながら答える。


「あの方は四海龍王の赤龍王様です!」


赤龍王!?


確か蛟魔王が言ってたような?四海龍王の副将にて白龍王や黒龍王よりも格上の強さを持ってるって言ってたけど?さっきまで苦労してギリギリ勝てた黒龍よりも強いって、もう化け物じゃない??


宮殿の柱の赤龍王は私達に向かって叫ぶ。


「どうやらお前達が天界を騒がす重罪人で間違いないようだな?お前達の事は観察させて貰った!」

「そう?だったら貴方達の勘違いよね?私達は潔白よ!だから見て見ぬふりして、サヨナラしてちょうだい!ねっ?」


赤龍王は柱の上から飛び降りて来たの!


「お前達は三つの罪を犯した!一つ、外部の民が無断で龍神界に入り込んだ!二つ目、この穏やかな龍神界を騒がせた!三つ目、お前ら何人俺の仲間を傷付けた!!」


ありゃ?

赤龍王は赤髪の髪が逆立った青年。

見た感じ熱血漢みたいね?

暑いだけじゃなく熱いわ!


「そんなの、正当防衛よ!」

「ならばお前達の目的は何だ?」

「そんなの決まってるじゃない!」

「何だ?言ってみろ?」

「ううっ・・・」


龍神界のお宝を拝借とは口が裂けても言えないじゃないの?


「どうやら答えられないのなら、やはり罪人なのだな?ならば容赦なく始末出来る!」


赤龍王の片手から業火が噴き出して、私達に向かって火炎放射を放ったの。


「こうなったら!」


私は金の錫杖を構成して目の前で回転させると、その場で地面に突き刺したの。


「!!」


錫杖を中心に結界が張られて火炎放射を凌ぐ。

私の後ろに玉龍君と八戒が震えながら見ている。って、ん?


「八戒!あんたまで何を隠れてんのよ?黒龍みたいに、やっつけてよ!」

「馬鹿言うなや!感じないらか?アイツからは黒龍よりも数段恐ろしい力を感じるら!」


そんな事は言われなくても分かったわ。


「良いわよ!だったら隠れて見てなさい!私が相手してやるんだから!」

「法子はん!無茶ら、泣いて謝るのが懸命ら」

「それが出来たら苦労しないわよ」


私を守って人質になってる沙悟浄を放ってはいられないし、このまま謝って許してくれないだろうし、そもそも謝るの嫌いだし!


「数珠龍連弾!」


私は龍神の数珠に霊気を籠めて赤龍に向かって弾くと、それは龍の気と融合して破壊力を増した弾丸となって向かって行く。


「えっ?」


けれど赤龍に触れる前に蒸発して消滅する。

嘘?あれあれ?

やっぱり謝って許して貰おうかしら?


「茶番は結構。死ぬ前に後悔しないよう本気でかかって来るのだな!さもなくば瞼を綴じた次の瞬間には命を失っているぞ?」


ひえ〜


「法子さん結界が!」


玉龍君に言われて気付くと結界が徐々に狭まっていたの。

このままじゃ時間の問題だわ。

その時、私は気付く。

なるほど。だったら私も!


「こら!赤龍!私達みたいな弱者をいたぶるなんて良い趣味よね?龍神様は、そんなに陰険なの?」

「何を言う。俺は、お前達を見くびり、実力の半分も出せずに敗北した黒龍とは違う。黒龍は後で仕置が必要だな。だから俺はお前達を相手に全力で排除するつもりだ!だから油断はせぬ!覚悟せよ」

「えっ?」

「ふぎゃあああ」


赤龍は地面から気配を消して接近して来た八戒が飛び出したと同時に火炎弾を打ち込まれ、八戒は炎に包まれたの。


「お前がコイツの接近に気付かせないように俺の気を引いていたのは、みえみえだぞ?」

「マジにヤバッ!」


けど、直ぐに炎の中から八戒が抜け出す。

その身体は再生し、妖気を高める。


「オラはまだ戦えるらよ!」

「そのようだな?忘れていたぞ。お前は黒龍との戦いの中で、幾度と蘇る不死身の化け物だったな?」

「そうら!オラは不死身らぞ?畏れ入ったらか?らったら早いところ逃げ出してしまうら!」

「そうかそうか。不死身とは面倒だ」


けど、赤龍は掌に炎を集約させると、ハッタリを噛ます八戒に向けて放ったの?


「うぎゃあああああ!」


業火に包まれる八戒は、さっきみたいに炎から抜け出す様子がなかった。


「炎龍奥義・炎上業火!」


それは八戒の身体を覆う炎の棺桶。


「死なぬなら生きている事を、蘇る自分自身を嘆き苦しませるまでだ!その炎は尽きる事なく燃え続けお前の肉体を焼き続ける。幾度蘇ろうと決して消えたりはせん。この俺が死なぬ限りな?」


そんな!?

私は八戒を救おうと飛び出そうとするけれど、


「おっと?仲間の心配も良いが次はお前が炎に飲まれる番だぞ?覚悟は良いか!」

「くっ!!」


私も足が動かなかった。目の前の赤龍の覇気が私を怯ませ、本能的に動いたら殺されると実感してしまったから。でも、それでも私は一歩、足を前に踏み出そうとする。


「沙悟浄だけでなく八戒まで見殺しにしたら・・・仲間を目の前で失う事があったら、私は私を許せない!だから私は!」

「一歩でも動けば次はお前だぞ?」

「上等よ!」


私は気合いで一歩踏み出した。

同時に赤龍は無慈悲に炎を私に向かって放ったの。


殺される??


「!!」


そう覚悟した時、目の前で炎が消えたの?


「馬鹿な?小娘、何をした?」


どうやら赤龍が自分で消したわけでもないみたいね?

じゃあ、どうして何で?

その時、見知らぬ声が響く?


「豚肉の臭いの中に懐かしいダチの臭いが混ざってたから急いで来てみたけど赤の他人か?」


えっ?誰?

見ると消えないはずの八戒の身体を燃やしていた赤龍の業火も消えていたの。


「うむ。この炎、味わった事のない上等の炎だぞ?美味かった!褒めてやるぞ?お前!」


その者は赤龍の炎を食べたの?

彼は私に放たれた炎を打ち消し、食べた上に味を知り八戒を燃やす炎まで食して消してくれたみたいなんだけどさ?

どうして胸焼けしないの??

いやいや、その前に、


「お前、何者だ?」


そうそう!赤龍、あんたのツッコミは正論だわ!


「何者だと?お前こそ何者だ?俺様に名前を聞く前に自分の名前を名乗るのは定番のお約束なんだぞ!誰かに習わなかったのか?学がない奴!」


彼は紅いマントで全身を覆い、顔は見えないけど私と同じくらいの歳かな?

けど、彼から感じる気は妖気みたいだから、妖怪の男の子?


「ふざけた奴だ。この者達の仲間か?ならばお前にも処罰を与えてやろう!」


今度は赤龍の全身から炎が噴き出して、頭上に圧縮した業火の弾丸を作り投げたの!


「もうご馳走はいらないぞ?十分味わったからな!だから、お前の炎はもういらない!」


少年は拳を固めると、無謀にも向かって来た業火の弾丸を殴り返したの!!

嘘っ??

それには赤龍も驚く。

そして少年のマントが開けて素顔が露わになったの。紅い髪に、紅い瞳。無邪気な笑みに自信満々に無邪気な笑み。そして頭上には二本の黒い角?


「よく分からないけど、俺様を相手に喧嘩するなら覚悟しろよな?なにせ俺様は強いんだぞ!」


赤龍は目の前の少年が油断出来ない実力の持ち主だと直感し、改めて名を名乗る。


「良いだろう。俺は四海龍王・赤龍!お前は何者だ?」


名乗る赤龍に少年もまた礼儀を重んじる。


「ならば答えよう!俺様は、かの妖魔王・牛角魔王の嫡子!炎上王子・紅孩児様だ!」


その少年は名乗る。

紅孩児?

あれ?何処かで聞いたような??

そんなこんな。

次回予告


紅孩児登場!って、紅孩児って誰?

紅孩児は転生記シリーズの第一段で登場した孫悟空の友達

その出会いと別れには様々なドラマがあった。

かつて登場した愛音と出会い、孫悟空の義兄弟・牛角魔王との因縁!

そして妖怪皇帝との壮絶な戦い。


詳しくは「転生記」にて!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ