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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
15/713

女子高生を襲った悪魔のその後の話?


総本山を統べる座主の正体、更に法子の運命、


色々と語られる中で、忘れられてたあの話の続きは?


私は法子です!


私は晴明師匠の下で再び修行する事になったのよ?


でも、私の目の前には私と同じくらいの眼鏡をかけた巫女さんが立っている。


この娘は私が友達になろうと思って声をかけたら拒否した娘…何か苦手だわ…


「で?何から始めれば良いの?」


私の問いに彼女は無表情に答える。


「先ずは貴女の実力が知りたいわ?気のコントロールは出来るのよね?だったら金の錫杖は出せる?」



金の錫杖とは霊気を放出した状態で形状を維持し、金の錫杖の形に留める霊気術の事なの。


私は余裕綽々の顔付きで懐に指を入れて術札を二枚抜き出すと、


「昼飯前よー!」


私の霊気を左右両手から術札に注ぎ込ませ、両手を叩く。そして両手を離すと霊気が伸びていく。


私は両手を引き離すと同時に、出現した霊気の錫杖を手に降り回して、構える。


「どうよ?」


すると宮さんは見て驚く事もなく無表情に私に指示する。


「じゃあ、次は術札を無しでやってみて?」


へっ?


「術札無しって?何でよ?金の錫杖の術の難しい所は霊気を固定化させた状態で維持をする集中力でしょ?別に術札を使ったって良いじゃないのよ?」


「じゃあ、術札無しでやってみて?」


「…って、無視かぃ!」


私は茫然とした後に、この陰険な女の子に殺意がわいた。この娘は私に嫌がらせ?喧嘩売ってるわけ?良いわよ?上等よ!その喧嘩ぁ!買ってあげるわぁー!



…とは言えないので、私は術札を使わずに黙々と金の錫杖を構成する。


難しい…


術札は私の霊気を補うために使っていて、私は霊気を固定化し、維持する事のみに集中していたの。でも霊気を放出した状態で同時に行うのは、難易度が二倍?三倍だわ!


私は黙々と言われた事をやる。別に言いなりになったわけじゃないわ?


私が素直なだけよ!


だけど、私は自分自身が出来ない事に対して意地になっていたのが本音。



「やってやるわー!」



と、私が修行を始めた頃、座主様と晴明師匠はまだ会話を続けていたの。


二人の前には札の貼られた瓶が二つ置いてあり、その中には小さな人形が…ん?人が入っていたの?


しかも、それは私がその場にいたら絶対に見間違える事のない見知った二人だったの!その二人とは?


私を負かした憎きインキュバスとサキュバス!



「生粋の悪魔が人間界に入って来たのは驚きだった」


本来、悪魔は地獄世界にいて、人間界には入っては来れないんだって?それは世界結界と呼ばれる強力な結界で守られているからなのよ?例外は魔方陣なんかで結界に綻びを作り、そこから悪魔の魂のみを人間界に呼び出す方法なのだけど、この二人は正真正銘の生粋の悪魔なのよ!


「やはり神の仕業か?神には空間や時限を操る者がいるからな?」


それも私が遭遇したあのヒュプノス神の事に違いないわ?


「しかし目的が解りません。神が悪魔を人間界に招くなんて?」


「確かに…」


「そこで改めて問おう?お前達の目的は何だ?」


「………」


座主様は瓶の中の悪魔に問い掛ける。


答えない二人に座主様は、



「また奴を呼ぶぞ?」


そう告げると、二匹の悪魔は青ざめたの?


あの者とは誰?


それは物語を少し戻させて貰うわね?



それは私がこの悪魔達に敗北した後の話なの。


その私のピンチに現れたのがお父さんだったの。



「あら?おじ様?娘の前で素敵だわ?惚れてしまいそうよ?」


サキュバスは色艶な表情と動きでお父さんに近付く。


「娘の前で私が逝かせてあげるわ?フフッ」


「そうか?お前に出来るのか?」


サキュバスがお父さんの身体に手を置くと、


「あら?素敵な身体よ?私の方がドキドキして来たわ~」


サキュバスの手がお父さんの下腹部辺りに手を伸ばした時、


「!!」


サキュバスは一瞬でその場から後方へと飛び退いたの!まるで電撃が走ったようにサキュバスは自分自身の手を見る?


「どうしたのさ?あんな親父、お前なら落とすの簡単だろ?」


インキュバスの問いにサキュバスは驚いたように答えたの?


「あいつ?超ドキュンよ?異常な力を感じたわ…一瞬で私の方が濡れたもの~ウフフ…とんでもない獲物よ?」


「マジかよ?だったら逃がす手はないよな?」



二人の目が獲物を狙う狩人の目になった時、お父さんもまた二人を相手に余裕の目を見せたの?お父さん本当に大丈夫なの?信じて良いわよね?


二人の悪魔がお父さんに向かって襲い掛かると、お父さんは呼吸を一息したの。


瞬間、二人の悪魔は視界が一回転して地面に勢いよく顔面から直撃したの?まるで途中で軌道が変わったかのように?


意味が解らないまま悪魔は素早くお父さんから離れると、


「まただ?何だよ?今のは?」


「何かの術のようね?だったら、こっちも術で落とすわよ!」


すると二人の目が妖しく光り、二人の身体から何か嗅いだ事のあるような甘い匂いが拡散したの??


まさか?


これはフェロモン!!


私はこれにやられて戦意喪失になったんだから!お父さんみたいなエッチな人なんかイチコロだわ!


まさに万事休す…


お父さんは煩悩避けの呪文を唱えていたけど、この悪魔達のフェロモンはどんなに強い精神力を持っていたとしても、おバカさんにしちゃう恐ろしい術なんだから!あ~


その時?


「あら~ウフフ?何か美味しそうなフェロモンが溢れてるわね~」


えっ?


お父さんと二人の悪魔達の戦いに新たに別の女せぃ…ん?男性?なのかな?が現れたの??ってもしかして一般人…じゃないわね?


その人は褐色筋肉質の黒い皮のコスチュームを胸元を開けたエロチックな人だったの?


誰?誰?


「お待たせ~」


「思ったより早かったじゃないか?グッドタイミングだったよ?助かった!」


「もう~私と貴方との仲じゃないの~呼ばれたら三丁目から飛んで来るわよ?」



その人はゲイバーなんかで見られるような、あっち系の人だったの?って、テレビでしか見た事なかったわ…ん?その人ってお父さんの知り合いって事なの?お父さんはゲイバーに通ってたの?ゲイバー大好きなの?ちょっと?幻滅だわ!


でもゲイバーの店長さんがこの状況で現れてどうにかなるの?


もう何もかもがわけがわからないわ~



その時、悪魔の二人が青ざめ始めたの?


「どうして?あいつ私達のフェロモンが効かないの?オカマだから効かないなんて理由はないはずよ?」


「まさか?あのオカマ野郎が何かしたのか?」



二人の悪魔の視線がオカマさ…お父さんの行き付けのオカマバーの店長さんに向けられると、


「アラ?熱い視線ね?嫌いじゃないわ~!そうね~貴方達のフェロモンは私が中和させて貰ったの~?」


「えっ?そんな馬鹿な?悪魔のフェロモンを中和だなんて出来るものか!」


「出来るわよ?私なら容易いわ…あんた達のフェロモンと同じ程度の拮抗するフェロモンを出せば良いだけなのよ~」


「そんな事が出来るものか!生粋の悪魔のフェロモンを中和なんて事が!?」



その時、この得体の知れないオカマさんから、強烈な神気が放たれたの??


なぁ?何?何なの?


この人何なのよ~??


その神気は悪魔達の魔力を押し込み、立っていられないほどの力で跪かせたの。



「なぁ…何なんだよ?お前はぁ??」


「あり得ないわ…もしかして、あんた?」



するとゲイバーの店長はウインクをして答える。


「そうよ?私は神族、エジプト神のミンよ!」



エジプト神のミン…様?


あのオカマさんが神様なの?それも、お父さんの行き付けのゲイバーの店長さん?何それ?何それ?どういう事なのよ~??


動けなくなった悪魔達に印を結んでいたお父さんが、


『封魔印!』


お父さんの術が悪魔達の身体をみるみる縮めていく。


「きゃああぁぁぁ…ぁ…」


そして人形くらいになった時に、お父さんは小さくなって動けなくなった悪魔達を摘まんで瓶の中へと入れて閉じ込め、札を貼って封印したの。




そして話を戻します。


座主様は瓶の中の悪魔達に問いかける。


「単刀直入に問うぞ?お前達を人間の世界へ導いたのは、やはりヒュプノス神か?」


しかし悪魔達は答えずに黙秘を続ける。しかも人間達を小馬鹿にした笑みを見せて楽しんでいるようだった。


「そうか…答えてくれぬか?なら、仕方ない…私達も力ずくに拷問するような野蛮な真似はしたくはないのだ…」


「なら、解放してくれるのかい?」


「それは出来ぬ。お前達を野放しには出来ぬからな?そこで…」


本来なら結界で閉ざされた地下の牢獄に、厳重に拘束されてしまうのだろうけど?


「お前達には一番良い場所を用意したのだ」


悪魔達は顔を見合せると嫌な予感がした。その後、青ざめた顔で白状したの。


「私達は地獄に空いた空間の穴を通って来ただけよ。って神が空けたかまでは知らないわ」


「地獄界に穴?」


「あ、でも…」


そこでサキュバスはおかしな事を言ったの?


「うちら、地獄界から人間界を好奇心で何度か覗いていたんだけどさ?その時は人間界は戦争していたな?確か甲冑とか、刀振り回して?」


「!!」


「そこで人間界の匂いがする穴を見付けて抜けてみたら、そんな戦争なんかやっていないここに来たんだ」


…つまり、どういう事?



その疑問に晴明師匠が心当たりを呟いたの。


「それは人間界と地獄界を繋げた穴ではなく、時の歪みの穴かもしれない…」


「晴明?時の歪みとは何だ?」


「かつて、私が見た歪みの穴と同じ類いの物なら…それを起こした張本人は私の知る限り一人しかいません…」


「張本人とは?」


「すみません。先ずはその穴を直接見てみないとはっきりした事は言えません。一度、調査に向かわせてくださいませんか?」


「うむ。任せた」


「そこで相談なのですが…」



晴明師匠が危惧するこの事件とは?そして座主様に提案したのか?


それは次の話ね?


そんな事より、私は今も修行中なんだから~!




これから私のレベルアップ快進撃が始まるわよ?



そんなこんな。


次回予告


法子の修行はどうなったのか?


赤羽 宮と修行中の法子はどうなっている?

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