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孫悟空と四海龍王・白龍との激突!

法子と八戒を先に向かわせるため一人残った孫悟空!


その前に立ちふさがるは四海龍王・白龍であった。



私は法子よ!

私は今、八戒と一緒に龍神界を彷徨っていたの。

私達を先に向かわせるために、孫悟空が龍神の王である四海龍王・白龍を相手にしてくれているから私達はその間に先へと向かったのだけど、逃げる途中で龍神界の地図を紛失してしまった事に気付いたの。だから右も左も分からない土地で龍神の兵士達に見付からないように、こっそり移動を続けながら取り敢えず今に至る。


「どっちに向かうかな?」


私は短い棒を立たせて回転させると、倒れた方へ進もうとした時、八戒がツッコむ。


「そんな曖昧で良いらかよ?」

「だったら、どうすれば良いのよ?」

「弱そうな龍神を捕まえて口を割らせるのはどうらか?どうやらオラ達が進む先に武将じゃない龍神の村が見えたらよ?」

「馬鹿言わないでよ?そこまでしたら、私達は本当に悪党よ?少しは考えなさいよ!」

「正義なんて知らないらよ」


そう言えば、八戒って仲間思いではあるけど、他人に対しては興味もたない節があるわね?自分から率先して弱い者を助けるとかしないし、そう言えば孫悟空から聞いた話だけど、最初仲間になる時もすんなりとはいかなかったって言ってたけど?人と距離をつくる奴だったとか。一匹狼?違うわね?一匹豚なのかな?


「法子はん!見るら!」

「えっ?」


突然、八戒に名前を呼ばれて指指した方を見ると、人型の龍族の兵士が数人、武器を手に村へとやって来ていたの。私と八戒は頭を隠して岩陰から様子を見る。


「この辺りに残虐非道な侵入者を見たと報せがあった。お前達、無事か?」


兵士の言葉に村の龍族の民は安心したかのように頭を下げて感謝していたの。


「まるっきり私達、悪者よね?何かショックだわ」

「もう開き直るらよ?」

「そうはいかないわよ!私の正義の女子高生として歩んだ歴史の唯一の汚点だわ。これは一大事よ!」


そんな私達の背後から、声が?


「貴方達は何者ですか?」


見付かった?まだ幼い少年が私達を目撃して固まっていたの。村の龍族の子供?その子は恐る恐る弱々しい声で脅えていたの。


ヤバイわ!

こうなったら、呼ばれて事を荒立たせないために拉致監禁よ!


「八戒!」

「みなまで言うならよ」


八戒は大きな袋で脅えて無抵抗の少年を覆い袋に詰めると、肩に乗せる。


「ずらかるわよ!」

「オラが言うのはなんだけれど、自分可愛さに躊躇ない行動は、もはや正義の女子高生から掛け離れてるらな?」

「違うわ。これは被害を最小限にするための最善の策なの!」


そう言って、私達はそそくさと見付からないように山奥へと身をひそめたの。

空は暗くなって、私達は山奥にあった小屋を見付けて隠れる事にする。とにかく疲れたから、体力を取り戻さないとね?それに孫悟空が来ないとこれから先の化け物じみた連中相手に何も対抗出来ないわよ。


「う〜ん・・・」

「あら?起きたようね?」


そこには例の拉致した少年がぼぅ〜としながら目を覚ました所だったの。どうも袋の中で頭をぶつけたみたいで、今まで起きなくて心配だったのよ。


「良かったらな?罪が増えなくて?」

「うるさいわよ!」


少年はパチクリ目を見開き私達を見る。


あら?


「あ、あんた??」

「えっ??」


龍族の少年は、実際の年齢は人間とは違うだろうから分からないけど、人間の見た目で十歳くらいかしら?銀色の瞳の、銀色の髪。まるで女の子と見間違うような美少年だったの!


「ひゃああ〜」


私は飛び移るなり、本能的にハグをして頭を撫でてしまったの。脅えながらも、自分のされてる行為に少年はアタフタしていた。

さて、美少年を満喫した事だし本題に戻すわ?


「あ、貴方達は何者ですか?」

「私達?」


私は胸を張って答える。


「正義の味方よ!」

「どの口が言うらか?」


一言煩い八戒の頭を殴ると、少年はまた脅える。


「脅えなくても、とって食べたりはしないわよ?だから、そうね?名前教えてくれる?」

「ぼ、僕ですか?」


少年は警戒しながら名乗ったの。


「ぼ、僕は玉龍って言います」


玉龍?


「玉龍君ね?了解!覚えたわ。私は法子、そこで頭を抱えてるのが八戒よ?」

「法子さんに八戒さん?」

「そう。私達は地上界から分け合って龍神世界に来たの」

「地上界から?それじゃ、噂になっていた残虐非道な侵入者って貴方達ですか?」

「噂もなにも、私達はさっき来たばかりよ!他の誰かと勘違いしてない?」

「そうなんですか?確かに武将の方々を何人も倒したって聞いてますし、貴方達がそんな凶暴な方々にも見えないです」

「凶暴なのは間違いないらよ?」

「余計な事は言わない!」


私は八戒の頭をこづくと、また玉龍君が怖がっていたので話題を変える。


「ところで玉龍君は此処には何をしに来たの?見た限り、村の子じゃないわよね?」


玉龍君の衣は少し値がはる身ぐるみしてたので、多少なりとも上の階級なのかな?

と推理してみる。


「えっ?あ、僕は応龍様の遣いで村に届け物を運びに来たのです!」

「応龍?」


応龍とは、この龍神界の最長老。実質、権力者に間違いなかったの。


「なるほどね〜」


今の私のニヤリとした表情を見て八戒がまた何か悪い事を考えてるな?

と見抜いていた。ちょっと失礼よね!


「実はね?私達は地上界からのお偉い方の使者で、龍神界と仲良くなりたくて遥々来たのよ?それで、どうしても応龍様にお会いしたいのだけど?」


玉龍君は目を輝かせて頷く。


「天界とはもう仲違いは仕方ありませんが、地上界の方々となら仲良く出来るかも。それに争いは嫌いですし、そのために僕も少しでもお役に立てるのなら!」


なんて素直な子!

しかも、ちょろい!

少し罪悪感。


「そこでお願いなんだけど玉龍君?私達を応龍様の所へ案内してくれないかな?」


少し直球かな?


「僕に出来る事なら何なりと!僕も法子様と八戒様の地上界と龍神界の架け橋に少しでもお手伝いしたいと思います!」

「わるいわね?頼むわ!」

「はい!」


目を輝かせて答える純粋無垢の玉龍君。


胸が痛むわ〜


何が「わるいわね」よ?悪いのは私よ!

本当に悪気のない私を許して!ごめんなさい!

そんなこんなで玉龍君の案内で、応龍様のいる龍宮殿の近道を進めたの。

そのお陰で龍神兵に出会す事なく進む私達。

私達は先に行くから孫悟空も早く来なさいよ?


話は遡る。

そこでは孫悟空と白龍が対峙していたの。


「お前が本当に伝説の大魔王であるなら、私も全力をもって相手をしよう」


すると白龍の気が高まり、その両手に気流が渦巻いたの。

どうやら白龍は風を操るようね?


「そんなそよ風で何が出来るってんだ!」


孫悟空が先に飛び出し、渾身の拳の一撃で殴りかかると、その刹那!孫悟空が逆に弾き飛ばされて岩山に衝突して崩壊する岩石に埋もれたの。


「くっ、いてぇ〜」


孫悟空は岩石を払い除けて起き上がると、自分の腕の傷を見る。これは白龍王の両手に渦巻く気流で傷付けられたと気付く。孫悟空の攻撃は確かに白龍王に決まったかに思えた。しかし拳は流れるように?いえ、気流に逸らされて引っ張られた所に、白龍王の次の一手が孫悟空の腹部の前で止まったの。

その直後、爆発したかのような衝撃が孫悟空を襲って吹き飛ばされた。それは圧縮した空気圧が一気に解放させるだけでなく、自身の特殊な気を練り込ませた白龍王の攻守必殺奥義。 


「風龍奥義・渦龍掌圧」


そう言えば、もう一つ大事な事があったわ?

龍神族は私達とは異なる気を使うの。


龍気!


因みに私の使う気は人間の持つ霊気でしょ?孫悟空や八戒は妖怪の持つ妖気だし、神様なんかは神気を持つの。因みにこれらは持って生まれた時に得るのだけど、その環境で気が変質する事もあるのよ?特殊なケースだと沙悟浄なんかは人間と妖怪のハーフらしく、人間の持つ霊気と妖怪の持つ妖気が使えるの。しかも天界に住んでた過去があって、環境から神気も多少出せて免疫もあるんですって!まぁ、それはそれで何だけど、種族や環境によって異なる気があるって事なのね。で、龍神は龍気を使うのよ?きっと他にも私の知らない気もあるのかもしれないわ?


更に付け加えると、種族や環境とは別に世界には統一した気もあるのよ?それは火、水、土、風、雷の五行の気。私達はこれらの気を自身の持つ気と絡めて攻撃や防御に使うの。

豆知識はこのくらいにして、孫悟空!

あんた負けるんじゃないわよ?


そんなこんな。





挿絵(By みてみん)


次回予告


孫悟空と白龍との戦い!


白龍の繰り出す奥義に孫悟空は?

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