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蛟魔王の提案?

蛟魔王に沙悟浄が捕らわれた。


残された法子達は、かつての大魔王であった


蛟魔王と戦う?


私は法子


私達一行は今、とんでもない地に来ているの。

それは見た事もない動物がいて、人間も妖怪も神様ですら存在しなく、それでいて自然に満ちた大陸。そこは聖獣が住まう世界なんだって。


「ここが聖獣界なの?」

「油断するなよ?この地は俺様達部外者を快く思ってないからよ?」

「手厚い歓迎は期待出来ないらな?」

「どうだかな?ある意味手厚いぜ?しつこいくらいにな!さて、そろそろ俺様達に気付いた頃だぜ?」

「もう!せっかく隠密に事を済ませる予定だったのに!」

「すまねぇら」

「とにかく私達の目的は戦う事じゃないわ!なるべく戦闘を避けて、例の物を戴くわよ!」


私達の目的は、この世界にあるお宝なの。

それは蛟魔王がかつて所持していた最強の盾で、どのような攻撃でも破壊されない竜神族が古代より守りし宝具なの。それを護るのがこの聖獣世界の頂点にして、最強の一族。私達はそんな面倒なのと戦う意味ないし、そもそも泥棒に入る私達が悪者なんだから正義の味方を通して来た私にとって戦わずに事を済ませるのが一番なわけよ?宝具なんて、そもそも毎日拝むもんでも観賞するわけでもないわけでしょ?だから、気付いたら無くなってた〜みたいなノリで拝借作戦ってわけよ?


えっ?

どうしてそんな事になっているかって?


話は遡る事、私達一行が竜宮城の乙姫様。


違うわ!孫悟空のかつての仲間だった蛟魔王に嵌められたのよ。


私を庇って、蛟魔王の投げた毒針を胸に射たれた沙悟浄は、私達の目の前で石化した。

ぴくりとも動かなくなって、完全に沙悟浄の妖気が途絶えた直後、私達の怒りが頂点を超えたの!

孫悟空が顔を上げて低い声で蛟魔王に向けて、


「テメェ・・・やってはいけない事をやりやがたな!冗談では済ませねぇ!テメェは俺様にとって敵だ!!」


八戒も激しく叫ぶ!


「沙悟浄はおらにとって唯一の弟分だったら!らから、オラが守らなきゃ駄目らったんら!あんたが女子らろうと関係ねぇら!」


そして私もまた蛟魔王に怒りを向けた。

私達の怒りの気が、蛟魔王の圧する覇気を打ち消し、蛟魔王に向かって

踏み出した直後、その目の前に!?

石化した沙悟浄が私達の前に瞬間的に現れ、蛟魔王の前で浮かんだ状態で静止したの!

私達は攻撃の拳を止める。


「それ以上突っ込めば、お前達の覇気で仲間の身体が砕けるぞ?」

「!!」

「慌てるな?お前達の仲間はしんではおらんぞ。だから力の余ってる元気なお前達に一つ提案がある」


その提案とは、聖獣族にある宝具を盗んで来いって話。


ふざけるのもいい加減にしろ!

孫悟空も八戒も、この私も怒りが収まらない。

私の指示一つで、孫悟空も八戒も命を投げ出して戦う覚悟がある。

息を圧し殺し、私の次の言葉を待つ。


「正直、私も頭来て冷静な判断が出来ないかも。感情で動くタイプだしね?けど、その提案乗ってあげないわけでもないわ」


感情を圧し殺して決断する。


「ふふふ。少しはお利口のようね?もし逆らえばお前ら如き、一瞬で八つ裂きにしてやったからな」


その言葉の余裕は確たる自信。

間違いなく私達は八つ裂きにされていたかもしれない。

けれど私は単に蛟魔王相手に恐れて判断したわけじゃないわ!

私は幾つもある最善の選択肢を選んだに過ぎないのだから。

私達は蛟魔王の条件を了承すると、その配下のイカやヒラメの女妖怪が巻物と皿を持って来たの。


「これは何?」

「今のお前らには必要だと思うがな」

「?」


巻物には、これから向かう場所の地図や情報が記されていた。

それに皿には貝殻が乗っていたの。


「何…これ?」


すると女官が私に説明する。


「それは宝貝と言います。説明するよりも試してみてください?その貝殻に気を込めるのです」


私達は意味も分からずに言われた通り貝殻に気を込めたの。


「これは!?」


私の貝殻からは龍の紋様の数珠。


「もしかしたら!」


私は数珠に気を籠めて柱に向かって放つ。


「数珠魔弾!」


私の気を込めた数珠は破壊の力が籠もった弾丸となって柱に命中して粉砕したの。

けど、これは私本来の奥義なんだけど、その破壊力が普段の数倍近くあったのよ?

しかも残った数珠が光り輝くと、失ったはずの数珠が現れる。


「何、これ?どういう仕組み??」


「それは宝貝・龍の泪でございます。その数珠は何度でも何度でも追加されますゆえ」

「まるで私向けの武器じゃないの?」


それにハ戒もまた驚いていたの。


「これは、なんら??」


それはハンマー状の武器。

見るからに攻撃力のある武器で、最近豚骨刀って武器を失ったハ戒には相応しいわ。


「ちょっと待てよ?俺様のはないのか?」

「お前には必要ないだろ?足手まといの二人にも戦力として使える分有り難く思いな?」


蛟魔王の言葉にムカッと来た私は数回深呼吸して冷静を保つ。

ここで怒ったら元の木阿弥よ。

少なからず蛟魔王は私達を無駄死にさせるつもりはないみたいね?

それに、その宝を本気で手に入れしるつもりなければ、こんな準備はしてくれないものね。


「当然、戻って来た暁には貰うわよ?」


私は当然のように言い放つと、蛟魔王は笑みを見せて答える。


「それらだけでなく、お前達の仲間を元に戻し、お前達が探している場所も探してやろう。

悪い条件ではなかろう?」

「わかったわ!けど本当に沙悟浄は元に戻しなさいよ?」

「約束は守る。お前らも生きて手に入れて来るのだぞ?」

「当たり前よ!」


そして私達は蛟魔王が案内する扉へと連れて行かれると、その扉を開けた瞬間に光り輝く道の上にいたの。


「その道を真っ直ぐに進め!決して振り向かずに真っ直ぐにだ!そうすれば、お前らは・・・」

「なんらって?」


ハ戒が振り向くと同時に私達が立っていた光の道が生き物のようにクネクネと歪み、落下して道から外れた場所へと落下したの。


「きゃああああ!」


私達は寸前で孫悟空が呼んだ金斗雲にしがみつき、落下から直撃だけは免れたけど、


「私は高いの苦手なのよ〜」


と、暴れて叫びながら着地したの。

そんなこんなで私達は、到着する目的地から少し離れてはいたけれど、目的の世界へと潜入する事に成功したのでした。

でも大切なのは、ここから!


「とにかく見付からないように潜入よ!」

「無理じゃねぇか?」

「らな」


私達の背後から影が覆う。私達は恐る恐る振り向くと、そこには口を広げた龍が見下ろしていたの。


そう!

私達が来た世界は、聖獣族の頂点に君臨する龍神族の世界へとやって来たの!



そんなこんな

次回予告


何も分からない龍神族の住まう地で、法子達の命運は?


新たな戦いが始まる!

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