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小角伝 ~繋ぐ者~ 

蚩尤の存在


小角と名を改めたフォンと妲己は?


自分は小角


名をフォンから小角へと改めた自分は数多くの弟子を育てていた。

才能ある者達も数多く現れ、チームを組めば出現する鬼を退治出来る程に育つ。

毎日毎日が忙しく自分と妲己がこの世界に迷い込んでから既に四年が経とうとしていた。

自分達の組織は鬼の出現に対処出来ずにいた朝廷にも知れ渡る。

そんなある日、自分は朝廷へと免れたのだ。


「小角?朝廷が何故お主を?」

「分からぬ。かと言って放置するわけにもいかんだろ?妲己?」


妲己のみを連れて朝廷へと免れた自分は奥へと案内される。

そこで良からぬ気を感じたのだ。


「小角?」

「気付いている。呼ばれた意味が分かった」


通された場所は密閉された部屋であり、そこには

格の高い主が苦しみながら横たわっていた。


「来たようだな?お前が噂の小角か?」

「はい。貴方様は?」


その主は名を答える。


「私は藤原鎌足」

「!!」


藤原鎌足?この地の最高支配者である天智天皇の腹心であり、名のある噂高い存在だった。


「自分を呼んだ理由はお祓いですかな?鎌足殿」


しかし朝廷の者はお祓い、鬼や魔物に対して存在しない神に縋っていた。自分も何度か宮廷の救済に出向いた事はあったが、お払い箱にされた事が度々あったのだ。つまり信用されていないのだ。


しかし鎌足殿は笑みを見せて答える。


「夢魔をご存知か?小角よ?」

「夢魔」


聞くにこの地には鬼とは別に、夢魔と呼ばれる化け物が既に存在していたと言う。


「夢魔?」

「肉体を持たぬ精神世界に住まう魔物。妖怪とも鬼とも違う意思を持った精神体。我のいた世界にも僅かだがおったぞ」

「そうなのか」


藤原鎌足殿が言うには、かつて聖徳太子と呼ばれる夢使いの能力を持った術者であり、政治家がいたと言う。その力を鎌足は受け継いだと言うのだ。そこで予知の力で自分の存在を知り、招いたと言う。


「小角よ。この世界は破滅の未来へと向かっている。しかし予知で私は知ったのだ。お前が未来を繋ぐ者であると!」

「自分が未来を繋ぐ者?」

「遠い未来、この世界に現れる救世主。お前は救世主を繋ぐ運命を与えられ、大きな力の存在によってこの世界へと導かれたのだ」

 

正直、自分がこの世界に現れた事によって厄災を招いたと思っていた。だからこそ、今自分が出来る事をやって来ていた。それが運命だったと。


「小角よ、お前が来るずっと前からお前の事は今は亡き聖徳太子様から預言されていた。その聖徳太子様からお前の手伝いを頼まれたのだ」

「聖徳太子殿から?」

「そして遠い未来、聖徳太子様も転生して救世主と共に戦うと仰っておられた。無論、この私もな」

「!!」

「私はお前が作り上げる組織を影から手伝わせて貰う。だが、それも資金のみ。私はもう長くはないしな」


藤原鎌足の身体は呪いによって蝕まれていた。


「その呪いは何者かに?」

「もう助からん。蘇我入鹿の呪いだからな?いくらお前が長けた力を持っていようとも蘇我入鹿の呪いは消せはしない」

「そうですか。よほど蘇我入鹿殿は貴方にとって評価高い人物とみえる。しかしそれは過去。時は経ち、更に恵まれた力を持つ者が現れましょう。これから先の未来にはもっと優秀な存在が現れるはずです。自分はそういった才能を伸ばすための礎を作りたいのです!それが救世主!あの方を支えると信じて!」


自分には未来に現れる救世主の姿が、あの方と法子さんの姿と、はっきりと確信もってイメージ出来ていた。


「だから鎌足様も救ってみせましょう!」


その後、自分は妲己と共に呪詛を消す儀式を始めたのである。

呪いのエキスパートである妲己がサポートしてくれたお陰で、無事に救う事が出来た。

気を取り戻した藤原鎌足殿は自分に一人の若者を同行させて欲しいと申し出てくれた。


「私、韓国広足と申します!」


藤原鎌足殿が言うには、少し前から能力に覚醒して、自分の下で育てて欲しいと頼まれたのだ。

此処へ来た事で、もう一つ良き情報も得られた。


「ここより離れた場所に六甲山と呼ばれる山がある。そこに住む者達から数多くの奇々怪々な情報が送られて来ているのだ」


噂とは?

白き鬼が現れたと!

間違いなかろう。

蚩尤がいる!


早速、自分は妲己と、力ある弟子を数人連れて六甲山へと向かった。

そこには韓国広足も同行していた。


「良いのか?」

「あの者はまだ未熟ながらも面白い能力を持っているようじゃ。今件で成長するはずだよ」

「妲己が言うなら間違いなかろう」


蚩尤が現れた六甲山へと辿り着いた自分達は、


「どうやら手遅れであったか」


既に生存者はなかろう。

障気が立ちこもる中で、鬼達が平然と跋扈していたのだ。


「ここは自分と妲己が行く!お前達は援護を頼む」


結界を張り、術札を手に印を結ぶ弟子達。

自分は妲己と駆け出すと、自分に気付いて襲いかかる鬼達を片っ端から倒していく。

仲間の援護が心強く、優勢に倒していく。


「この障気、煩わしいな?纏わりつくようで厭らしい!」


妲己が強力な覇気を発すると、六甲山周辺の障気が消え去った。

その異変に六甲山の主が気付くと雄叫びをあげて大地が揺れたのだ。

同時に白き肉腫を得て強力な力を持つ白き鬼達も雄叫びをあげる。

どうやら覚悟を決めて戦わねばな!


その時、自分達に向かって何者かが近付いて来たのである。


「主よ」


妲己が自分の隣に寄ると、新たに現れ近付く者に対して警戒していた?

その者は自分に向かって叫ぶ。


「異界より現れし災いを呼んだ招かれざる者よ!」


な、何と??


その者は自分達が何者か知っているのか?


一体、何者なのだ?



次回予告


その者は、新たな敵?それとも?

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